ツボクサとは?
🙆 おすすめする方
- 脳機能の改善
- メンタルケア
「長寿のハーブ」などとして知られるツボクサ(ゴツコラ)は、中国やインドネシアにおいて伝統的なアーユルヴェーダ医学などで用いられています。
💡 アーユルヴェーダとは
五千年の歴史をもつインド・スリランカ発祥の伝統医療です。
ゴツコラはいくつかの研究において、脳機能を改善したり、メンカルケアに効果があったり、その他にも皮膚病を治療したり、肝臓と腎臓の健康を促進する力を持っていると主張されています。
この記事では、そうしたゴツコラについて主張されている効果や、副作用等について解説していきます。
ゴツコラの効果
認知機能に対する効果
2016年には、脳卒中後の認知機能を高める作用におけるゴツコラ抽出物と葉酸の効果を比較する小規模な調査が行われました。
💡 脳卒中とは
脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、脳が障害を受ける病気のこと。
この研究では、参加者を3つのグループに分けて影響を評価しました。1つ目のグループは1日あたり1,000mg のゴツコラを服用し、2つ目のグループは1日あたり750mgのゴツコラを服用し、最後のグループは1日あたり3mgの葉酸を服用しました。
ゴツコラと葉酸は双方ともに認知力の改善に有益でしたが、ゴツコラは記憶に関する領域の改善により効果的でした。
葉酸でも認知力の向上が観測された点について気になった方もいるかもしれません。alloehでは「葉酸とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説」という記事で葉酸についても詳しく解説しているため、興味があればぜひご覧ください。
またこれら以外にも認知機能の向上に資する成分は他にもあります。例えばL-チロシンやカフェインなどが有名でしょう。
L-チロシンやカフェイン含まれたサプリとしてZone by doopというサプリが国内で発売されています。エナジーサプリというジャンルのサプリで、脳機能を高めたい方や身体パフォーマンスを高めたい方に愛用されているサプリです。
ここまでで挙げた成分以外にも、さらに多くの脳機能に作用する成分がありますので、詳しく知りたい方は「脳機能のパフォーマンスを上げるには?論文をもとに10つの成分を解説」をぜひご覧ください。
アルツハイマー病の治療
ゴツコラは、記憶と神経機能を強化する効果が、アルツハイマー病の治療に役立つ可能性があります。実際、2012年のマウスを用いた研究では、ゴツコラの抽出物が、アルツハイマー病のマウスの行動異常にポジティブな影響を与えることがわかりました。
また、抽出物を用いた研究では、脳細胞を毒性から保護する効果があることが示されました。アルツハイマー病の原因は脳の神経細胞に特定のタンパク質が凝集することですが、これに対して抽出物は神経細胞を保護する作用があると示唆されています。
しかし、ゴツコラのアルツハイマー病の治療に対する効果を正確に判断するには、さらなる研究とエビデンスが必要です。もし治療に取り入れることに興味がある場合は、使用する前に医師に相談してください。
💡 アルツハイマーとは
不可逆的な進行性の脳疾患で、記憶や思考能力がゆっくりと障害され、最終的には日常生活の最も単純な作業を行う能力さえも失われる病気です。 ほとんどのアルツハイマー病の患者では、60歳以降に初めて症状が現れます。
不安やストレスの軽減
2016年の調査において、ゴツコラは72時間睡眠不足のオスのマウスに抗不安作用があることが示されました。睡眠不足は不安、酸化的損傷、神経炎症を引き起こす可能性があります。ゴツコラを5日間連続して与えられたマウスは、睡眠不足になる前の不安行動が、有意に減少しました。また、自発運動の改善と酸化損傷の減少が認められました。
2013年のレビューでは、抗不安作用のある漢方薬の多くは、ゴツコラによるものであると結論付けています。ただし、これらの効果を確認するには、さらなる研究が必要です。
ゴツコラ以外にもメンタルケアに役立つ成分は他にもアシュワガンダやGABAなどが有名でしょう。
例えばGABAは機能性表示食品制度で「一時的なストレスを緩和する」という効果が消費者庁に受理されています。このGABAを使った製品としては例えばシンデレラスリープボタニカルなどがあります。興味があれば詳しい解説記事も用意しているのでぜひご覧ください。
不眠症を緩和する可能性
ゴツコラは、不安やストレス、うつ病などの症状に伴うことがある不眠症の治療にも使用できる可能性があります。ある研究では、ゴツコラは睡眠障害の治療に役立つことが示唆されています。ただし、その効果を確認するにはさらなる研究が必要です。(参考)
不眠症を改善するためには、サプリよりも医薬品が使われることが多いかもしれません。国内で有名なドリエルも睡眠導入剤医薬品の一つです。もし不眠に困っているのであれば、医薬品も検討していいかもしれません。
ひどい場合にはクリニックに行くことをおすすめします。
抗うつ剤として作用する可能性
ゴツコラの脳機能への効果が示唆されているため、抗うつ薬として役立つ可能性があるとされています。
2016年には、不安障害を持つ33人の被験者を用いた研究が実施されました。参加者は、抗うつ薬の代わりにゴツコラを60日間服用したところ、ストレス、不安、うつ病の減少が認められました。(参考)
別の研究では、慢性うつ病を誘発されたラットに対するゴツコラの効果が評価されています。体重、体温、心拍数などの行動抑制の特定の要素にプラスの効果をもたらしたことが示されています。(参考)
うつに関して効果を発揮する他の成分では、アシュワガンダやセントジョーンズワートも有名です。
その他
血液循環を改善し、むくみを抑制する可能性
2001年の研究では、ゴツコラは体液貯留、足首の腫れ、3時間以上の飛行に伴う血液循環の問題を軽減できることが示されました。(参考)
研究において、静脈瘤を伴う軽度から中程度の表在静脈疾患を経験した参加者は、フライトの2日前、フライトの当日、およびフライトの翌日にゴツコラを服用しました。ゴツコラを服用した参加者は、服用しなかった参加者よりも、足首の腫れが大幅に少ないことが報告されています。
さらに古い研究でも、ゴツコラが静脈瘤の治療に役立つ可能性があることが示されています。(参考)
ストレッチマークを軽減する可能性
2013年のレビューによると、ゴツコラはストレッチマーク(肉割れの線)を減らすことができるとされています。ゴツコラに含まれるテルペノイドは、体内のコラーゲン産生を増加させると考えられています。これは、新しいストレッチマークが形成されることを防ぐのに役立つ可能性があるだけでなく、既存のマークを修復するのにも役立つと考えられています。(参考)
創傷治癒を促進する可能性
2015年のラットを用いた研究から、ゴツコラを含む創傷被覆材が、切り傷などの複数の種類の創傷に対して治癒効果があることが示されました。効果は有望ではありますが、これらの調査結果を確認するにはさらなる調査が必要と考えられます。
関節痛の緩和に役立つ可能性
ゴツコラが持つとされる抗炎症特性は、関節炎の治療に役立つ可能性があります。
2014年のラットを用いた研究では、コラーゲン誘導関節炎に対して、ゴツコラを経口摂取することで、関節の炎症や軟骨の侵食、および骨の侵食を減少させることが示されました。また、ゴツコラの抗酸化作用は免疫システムにプラスの効果をもたらしたことが示されています。(参考)
デトックス効果に対する効果
最近では、肝臓と腎臓の毒性に対するゴツコラの影響が注目されています。
2017年の研究では、抗生物質イソニアジドの毒性副作用を抑制する効果がある可能性が示されています。イソニアジドは、主に結核の治療と予防に使用されます。(参考)
実験では、ラットに抗生物質を投与する前に100mgのゴツコラを30日間投与しました。ゴツコラを投与されたラットは全体的に毒性が低いことが示されました。肝臓と腎臓で毒性を経験したラットは、ゴツコラを与えられた後に、正常に近いレベルに戻りました。
ただし、これらの調査結果を確認するためにはさらなる調査・エビデンスが必要であるとされています。
副作用と安全性
ゴツコラは、場合によっては頭痛や胃のむかつき、めまいを引き起こす可能性があります。
低用量から始めて、徐々に適正な全量まで増やすことで、副作用のリスクを減らすことができると考えられています。
また、局所塗布すると、ゴツコラは皮膚刺激を引き起こす可能性があります。治療に進む前に、常にパッチテストを行うと良いとされています。
こういったリスクを避けるためになるべく信頼できるメーカーから製品を購入することをお勧めします。
妊娠・授乳中である場合や、肝炎またはその他の肝疾患がある場合など、ゴツコラの使用に関して注意が必要とされている方もいるため、摂取前には十分注意を払うようにしましょう。
効果的な飲み方
推奨量
ツボクサの適切な摂取量については明らかになっていませんが、サプリやクリームとして使用する場合には、パッケージに目安量は記載されているはずです。
それらに基本的には従うようにしましょう。
飲むタイミング
こちらについても適切なタイミングは明らかになっていませんが、いくつかのサプリメント(ex. Nature's Way, ゴツコラハーブ)では「なるべく食事と一緒に摂取すること」と記載されていることがあります。
これを参考にしてみるのも良いでしょう。
ツボクラサプリの例示
ツボクササプリは国内ではほとんと見かける機会はなく、ほとんどが海外サプリとして発売されています。
Nature's Way Products, LLC.の販売するゴツコラハーブもその1つです。
興味があればalloehでもこの商品についてまとめたページを用意しているため、興味があればご覧ください。
よくある質問
ゴツコラはセロトニンを増やしたり発達障害を改善することができますか?
前述したうつに関する効果はセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンに作用することによって発現している可能性が高いため、可能性はあるかもしれません。
しかし確かに効果があると断定するまでにはより多くの研究が必要でしょう。
ツボクサを皮膚に塗るとどのような効果が期待されますか?
ドクターズスキンケア製品などで炎症抑制効果・美白効果・肌修復効果などを期待してツボクサクリームが販売されていることがありますが、alloeh編集部ではこういった効果に関するエビデンスを認識しておりません。
販売元や医療従事者に質問した上で使用することをおすすめします。
最後に
いかがだったでしょうか?今回はゴツコラについて解説を行いました。
ゴツコラに主に期待される効果として、脳機能の向上とメンタルケアが挙げられます。
脳機能の向上に役立つ成分はゴツコラ以外にも、L-チロシンやカフェインなどがあり、こういった成分についてまとめた「脳機能のパフォーマンスを上げるには?論文をもとに10つの成分を解説」という記事も公開しています。
また、メンタルケアについても、アシュワガンダやGABAなどが有名です。
alloehでは上記のような成分それぞれについても解説記事を用意しているため、興味があればぜひご覧ください。
自分にぴったりなウェルネスアイテムが見つかることを編集部一同お祈りいたします。
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