マルトデキストリンの効果・効能とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

サプリメントなどを購入する前に栄養素に関するラベルを読んだことがあるでしょうか?

おそらく、専門の勉強などをしたことがない多くの方の場合、ラベルを読んでも馴染みがない成分が多かったり、なんだかよく分からないことが多いのではないでしょうか?

多くの商品に含まれているのにも関わらず、詳細があまり良く知られていない成分のひとつがマルトデキストリンです。
サプリメントに限らず多くの加工食品に含有されているマルトデキストリンですが、いったいどのような働きがあるのでしょうか?

今回の記事では、マルトデキストリンについて、効果や副作用などを解説していきます!

💡 記事のポイント

  • 🌿 マルトデキストリンは、植物を原料に作られる食品添加物
  • 👍 大腸がんの予防に役立つこと示唆した研究があるほか、腸機能の改善に対する効果も期待されている
  • 🏃‍♀️運動中や運動後の優れたカロリー補給源で、低血糖を正常値に上げることにも役立つとされている


マルトデキストリンはどのように作られるのか?

マルトデキストリンは一般的にトウモロコシ、米、ジャガイモデンプン、小麦から作られます。


製造の際には、まずデンプンが加熱され、さらに分解するために酸や熱安定性細菌アルファアミラーゼなどの酵素が加えられます。これにより、マルトデキストリンが出来上がります。

マルトデキストリンはコーンシロップの固形物と密接に関係していますが、糖度だけが異なります。
どちらも水を加えることでさらなる分解を促進する化学処理である加水分解を受けることが特徴です。

ただし、加水分解後には、コーンシロップが少なくとも20%の糖度であるのに対し、マルトデキストリンは20%以下の糖度であるという違いがあります。

マルトデキストリンの安全性

マルトデキストリンは、一般的には安全な食品添加物として認められており、多くの加工製品に含まれています。
また、総炭水化物数の一部として食物の栄養価表示の中に含まれています。

ある食事ガイドラインでは、炭水化物は総カロリーの40から65%を上回らないようにすることが良いとされています。
理想的には摂取する炭水化物は血糖値を急激に上げるものではなく、繊維に多く含まれる複合炭水化物が望ましいと考えられています。(参考)

もし、糖尿病やインシュリンへの抵抗を持っている場合、または主治医が低炭水化物ダイエットを推奨した場合には、一日の総炭水化物数の中にマルトデキストリンが含まれることが望ましい可能性があります。

ただし、マルトデキストリンは食品の中には少ししか存在しておらず、炭水化物摂取量全体には大きな影響はありません。

マルトデキストリンは、血糖指数(GI)が高いために、血糖値の急上昇を起こす可能性があります。そのため、少量の摂取は問題ありませんが、糖尿病の人は特に注意する必要があります。

主に低GI食品で構成される食事は、糖尿病の人だけでなく多くの人に有益であると考えられています。

食品にマルトデキストリンが含まれる理由

多くの場合、マルトデキストリン加工食品のボリュームを増すための増粘剤や充填剤として使われます。
また同時に、包装された食品の賞味期限を延ばす保存料としての役割を担っているケースもあります。

マルトデキストリンは比較的安く簡単に製造することができるため、ゼラチンやソース、サラダドレッシングなどの増量に役立てられていることが多いです。
また、缶入りのフルーツやデザート、粉状の飲料を甘くするために、人工甘味料とも組み合わされることがあります。

さらに、ローションや整髪料といった製品のかさを増すためにも使われるケースもあります。

マルトデキストリンの栄養値は?

マルトデキストリンは1グラムあたりおおよそ4カロリーであり、ショ糖やグラニュー糖と同程度のカロリーであると言えます。

砂糖と同様に、身体において比較的早く消化されるため、カロリーとエネルギーをすぐに補給したいときに役に立ちます。
しかしながら、マルトデキストリンのGIはグラニュー糖より高く、106から136であるとされています。
そのため、血糖値を急上昇させる可能性があることが示唆されています。

マルトデキストリンの効果

マルトデキストリンにはいくつもの効果があると考えられています。

運動

マルトデキストリンは比較的素早く消化される炭水化物のため、スポーツドリンクやアスリート向けのスナックに良く入っています。
ボディービルダーやその他のアスリートが体重を増やそうとする際には、マルトデキストリンは運動中や運動後のカロリー補給源として優れているとされています。

マルトデキストリンは、その他の炭水化物に比べて消化時に比較的少ない水しか使わないため、脱水状態時にカロリーを素早く摂取するのにも良いと考えられています。

慢性低血糖症

慢性低血糖症の人々の中には日常的な治療としてマルトデキストリンを摂取している人がいます。
マルトデキストリンは素早く血糖値を上げるため、正常な血糖値を維持するのに苦しんでいる人に効果的な治療法であると考えられています。


大腸がん

腸でのマルトデキストリンの発酵が大腸がんの予防に役立つといういくつかの研究が示されています。

最近の研究では消化抵抗性マルトデキストリンの1形態であるFibersol-2に腫瘍の活性化を抑える効果があることがわかりました。明らかな毒性の副作用なしに腫瘍の成長を抑えることができると考えられています。参考

消化

European Journal of Nutritionの研究によると、消化抵抗性のマルトデキストリンは消化全体に良い効果があることが示されています。結腸通過時間、便の量、便の硬さといった腸機能を改善していることが示唆されています。(参考


マルトデキストリンの副作用

マルトデキストリンの高いGI値は、特に大量に摂取した場合、血糖値を急上昇させる可能性があることを意味します。

このため、糖尿病やインシュリンに抵抗を持っている場合にはマルトデキストリンを避けるか制限した方が良いかもしれません。また、糖尿病になりやすい傾向にある場合も避けるべきであるとされています。


マルトデキストリンを制限すべきもう1つの理由は腸のバクテリアの健康を保つためです。

2012年にPLoS ONEで出版された研究によると、マルトデキストリンは腸内のバクテリアの構成を、病気の影響を受けやすいように変える可能性があります。マルトデキストリンは免疫機能にとって重要な消化系の体に良い働きをするバクテリアの成長を抑える可能性があります。

同じ研究ではマルトデキストリンはクローン病のような自己免疫疾患に関連するE. coliのようなバクテリアの成長を促す可能性があるとしています。
もし自己免疫疾患あるいは消化器系の疾患のリスクがあるのであれば、マルトデキストリンを避けた方が良いかもしれません。

マルトデキストリンとグルテン

もしあなたがグルテンフリーダイエットの最中であれば、マルトデキストリンには麦芽(""malt"")を名前に含んでいるため、心配しているかもしれません。麦芽は大麦から作られ、グルテンが含まれています。

しかしながら、マルトデキストリンは小麦から作られてはいますが、グルテンフリーであるとされています。

Beyond Celiacによると、マルトデキストリンの精製中に行われる小麦デンプンの処理によってグルテンフリーになると考えられています。(参考

マルトデキストリンと体重減少

体重を減らしたいのであればマルトデキストリンを避けた方が良いかもしれません。

マルトデキストリンはそもそも栄養価のない甘味料であり炭水化物です。
そして、血糖を増加させます。

マルトデキストリンの中の糖のレベルが体重を増やすことにつながります。



マルトデキストリンと糖尿病

マルトデキストリンは血糖値を急上昇させる可能性があるため、マルトデキストリンは避けた方が良いと考えられています。

ただし、マルトデキストリンは少量であれば基本的には安全であるとされています。
少量のマルトデキストリンしか摂取せず、また1日の炭水化物量を計測できている場合であれば基本的には問題ありません。

マルトデキストリンが血糖値を急上昇させたときの副作用には以下のようなものが考えられます。

  • 突然の頭痛
  • 喉の渇きの増加
  • 集中できなくなる
  • 視界のぼやけ
  • 倦怠感


もしこの中のどれかの症状が見られたら、血糖値を確認したほうが良いでしょう。もし数値が高すぎるような場合には、主治医に相談するのが良いでしょう。


マルトデキストリンの代替品となるのは?

マルトデキストリン以外で家庭料理でよく使われる甘味料は以下を含みます:

マルトデキストリン以外の代表的な甘味料

  • 白糖・黒糖
  • 蜂蜜
  • メープルシロップ
  • コーンシロップ
  • ココナッツシュガー


これらはマルトデキストリンのように、血糖値を急上昇ないしは上昇させる可能性のある甘味料です。

食事に甘味を加える場合には、果物を全体をピューレやマッシュ、あるいはスライスしたものを使用することも検討してみてください。甘味料の仕様に比べて、繊維やビタミン、ミネラル、抗酸化物質、水分含有量などを豊富に摂取することができるかもしれません。

適度に消費されない限り、血糖値に影響を与えにくい甘味料としては、以下のようなものがあります。

比較的血糖値への影響が少ない甘味料

  • エリスリトール、ソルビトールなどの糖アルコール
  • ステビアベースの甘味料
  • ポリデキストロース


ポリデキストロースなどの糖アルコールは食べ物を甘くするのに使われ、「無糖」や「糖無添加」のラベルのついた加工食品にも見られます。

糖アルコールは一部のみ体に吸収され、他の甘味料のように血糖には影響を与えにくいとされています。

まとめ

マルトデキストリンや、それが含まれた食品を摂取する際には、血糖値への影響など副作用にも留意すると良いでしょう。

摂取制限をし、かつ繊維やタンパク質とバランスを取っていれば、マルトデキストリンはアスリートや血糖値を上げたい人にとって価値のある炭水化物とエネルギーを食事に加えてくれるものだと言えます。

また、alloehではサプリユーザーのクチコミから、マルトデキストリンサプリのランキングも作成しています。

ぜひ参考にしてください。


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