マルチトールとは
🙆 メリット
砂糖の代わりに使えば摂取カロリーが抑えられます
🙅♂️ 懸念される副作用
摂取量や体質によってはお腹にガスが溜まったり、お腹が緩くなることも
マルチトールとはでん粉から作る麦芽糖を原料とした糖アルコールです。日本では還元麦芽糖とも呼ばれます。
砂糖の80~90%の甘味を有し、砂糖の半分のカロリーで、キシリトールやエリスリトールなどと同様に虫歯になりにくい甘味料として注目されています。
主にカロリー量を制限するダイエットに用いられますが、比較的GI値が低いため、糖尿病患者や血糖値スパイクによる眠気に悩む方についても、こういった甘味料は有用となりうるでしょう。
糖アルコールはフルーツや野菜に含まれており、炭水化物に分類されます。通常、菓子などの甘味付けなどに用いられますが、医薬品やサプリメントでは添加物としても使用されています。マルチトールやその他の糖アルコールを砂糖の代わりに使用する事で、食べ物の水分を保持し茶色くなることを防ぎます。
様々な製品で活用されているマルチトールですが、健康に対しての害はないのか、という点について気になっている方も多いのでは?ここでは、マルチトールのメリットやデメリットについて解説していこうと思います。
マルチトールのメリット
マルチトールは、砂糖に似た甘みを感じることができますが、カロリーは少なめです。このため、減量に役立つことがあります。
ステビアなどのその他の甘味料のように後味が苦いということもありません。もし減量中、または糖尿病の食事療法中などであれば、食事を低カロリーに抑える助けとなるでしょう。
マルチトールや他の糖アルコール(ex. キシリトールやエリスリトール etc)は、砂糖や他の甘味料と違い虫歯の原因にもなりません。そのため、「ガム」「洗口液(マウスウォッシュ)」「歯磨き粉」などに使用されることもあります。
マルチトールに関して注意すべきこと
マルチトールは安全に使える、砂糖の代用品として考えられていますが、注意しなければならないことがいくつかあります。
マルチトールは砂糖不使用の製品によく使用されていますが、糖尿病の人などは特にこれがあくまでも炭水化物だということを忘れてはいけません。つまり、グリセミック指数(GI)が高いということです。砂糖よりは高くないですが、血糖には影響が出ます。
💡 GI値とは?
GIとは食後血糖値の上昇度を示す指標のことです。血糖値が上がりやすい食べ物を高GI食と呼び、パンやフライドポテトなどがそれにあたります。逆に上がりにくいものを低GI食と呼び、蕎麦などが有名でしょう。
しかしその点を理解していれば、マルチトールは血糖値を気にする方にとっては良い選択肢となりうるでしょう。なぜなら、私たちの体は砂糖と同じように糖アルコールを吸収することができません。マルチトールは体内で完全には消化されないため、スクラロース(砂糖)やグルコースと比べ血糖値とインスリン値の上昇はゆっくりです。そのため、糖尿病の方や、血糖値スパイクによる食後の眠気が鬱陶しい方にとってはやはり有用な代用品と言えます。
それでも、むやみやたらに摂らず、成分表をしっかり確認しながら利用する必要があるでしょう。
💡 血糖値スパイクとは
食後などに急激に血糖値が上がることを意味します。血糖値が急激に上がると、糖尿病などを患っていない健康な人の体では、その血糖値を下げるために大量のインスリンが出ますが、それらインスリンによって血糖値が急激に下げられると、眠気や倦怠感が出ることがあります。
また、マルチトールを摂取したあとに腹痛や腹部のガス・張りを訴える人がいることも知られています。下痢の原因ともなるのです。こういった副作用の発生や程度については、摂取量や体質によって変わってきますが、気に留めて置いても良いでしょう。
ただし報告されている副作用もその程度で、マルチトールや他の糖アルコールの使用による大きな健康被害のリスクは少ないと言えます。
また、糖アルコールの中でも特に副作用が少ないと言われているのがエリスリトールです。エリスリトールについて詳しく知りたい方は「エリスリトールとは?メリットや特徴、副作用などを専門家が解説」という記事で解説しているため、興味があればご覧ください。
マルチトールの代替品
マルチトールや他の糖アルコールは一般的に食品中の砂糖を代替する形で使用され、単独で使用されることはほとんどありません。そのため、もしマルチトールで腹部のガス・張りや腹痛を経験したことがある場合には、マルチトールにこだわらず代替品を検討してみても良いでしょう。
ステビア
ステビアは、他の甘味料と合わさった全く新しい甘味料として考えられており、他の分類には当てはまりません。ステビアの植物は南アメリカで育ちます。砂糖よりも200~200倍甘いとされ、カロリーはありません。
砂糖や他の甘味料と異なり、ステビアには以下の栄養素が含まれています。
ステビアの植物は食物繊維や鉄分の摂取源にもなります。
ステビアについてもっと詳しく知りたい方は「ステビアとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説」をチェックしてみてください。
エリスリトール
エリスリトールもマルチトールと同じく糖アルコールの1つです。しかしマルチトールと異なり、グリセミック指数は低くほとんどカロリーはありません。また、腹痛や腹部のガスだまり・張りの原因にもなりません。
糖アルコールですが、人工甘味料のような苦い後味はありません。
エリスリトールについても「エリスリトールとは?メリットや特徴、副作用を解説」という記事で詳しく解説しています。
アガベ・はちみつ・その他の自然甘味料
アガベや蜂蜜などには、フルクトースという糖が含まれています。例えば、アガベシロップは自然甘味料として知られていてイメージは良いものの、それに含まれる成分のほとんどはフルクトースです。
フルクトースの摂取は、
- 肥満
- 脂肪肝
- 糖尿病
などにに関連しています。
アガペシロップ以外にも、はちみつやメープルシロップを含めこれらのほとんどがフルクトースを含んでいて、フルクトースはカロリーなどの性質において砂糖とよく似ています。カロリーを制限するためでなく、主に甘みを求めるときに使用すべきです。
人口甘味料
人工甘味料は通常砂糖よりも甘みが強くなるように加工されています。ほとんどが低カロリーかカロリーゼロで、砂糖の代わりとなるためダイエット中の人にとっては最適です。通常、血糖値にも影響しないため、糖尿病を抱える人にとっても有益です。
しかし、最近の研究で人工甘味料が腸内細菌や、間接的にインスリン感受性や血糖にも影響を及ぼすことが示されています。いくつかの人工甘味料には健康被害の恐れがある、と注意喚起がされていることもあります。
マルチトールが含まれているサプリメント
マルチトールは、食品だけでなくサプリメントにも使用されることがあります。マルチトールを多く含んだ糖アルコールはまとめて「還元水飴」や「還元麦芽糖水飴」と呼ばれ、サプリメントに含まれる多くの場合にはこの形で表記されています。
どのように活用されているのか、具体的な製品例を通して見ていきましょう。
オルビス ディフェンセラ(オルビス株式会社)
美容品の代表的なメーカーであるオルビスから発売されているトクホの乾燥ケアサプリメント「オルビスディフェンセラ」ですが、こちらも原材料として還元麦芽糖水飴を含んだ商品です。
ゆず風味で、水なしでも飲みやすい味のパウダーですが、原材料も還元麦芽糖水飴など低カロリーにこだわって配合されている点に注目です。
リラックスナイト(株式会社上薬研究所)
ストレスが溜まっていたり、夜になかなか寝付けない方に向けた機能性表示食品「リラックスナイト」ですが、こちらのサプリメントにもマルチトール(還元麦芽糖)が配合されています。
こちらもパウダータイプの製品で、飲むときに味を感じやすいことから、マルチトールで味を整えていると考えられます。
サプリdeグミ ビタミンC(DHC)
「サプリdeグミ ビタミンC」は、ビタミンCを手軽に摂取することを目的としたグミタイプのサプリメントです。こういった菓子タイプのサプリメントでは、この製品以外でもマルチトール(還元麦芽糖)がよく活用されています。
砂糖を我慢できない時は?
同じ甘味料と言えど、砂糖と他の甘味料ではどうしても味の感じ方が違って違和感があったり、好物が砂糖を含んだもので避けにくい場合は、糖の吸収を抑えるサプリメントを試してみるのはいかがでしょうか?
例えば富士フィルムが販売している「メタバリアEX」は、機能性表示食品として「糖の吸収を抑える」という効果を届出しており、その他にも「おなかの脂肪を減らす」「腸内環境を良くする」という効果が消費者庁によって受理されています。
砂糖を別の甘味料で置き換えるのではなく、糖の吸収を抑える形で対策したい方は、メタバリアEXについての記事「メタバリアEXの効果の根拠を解説!副作用や飲み方は?」を公開しているため、ぜひご覧ください。
まとめ
多くの人が、減量や糖尿病のために砂糖の摂取を制限しようとしてます。マルチトールやその他の糖アルコールは有用な代替品といえるでしょう。
しかし、もしあなたが糖尿病を患っていたり、血糖値スパイクによっての眠気に悩んでいるならば、専門家や栄養士と相談することも大切です。あなたにとって、その代替品が最適かどうか判断してくれるでしょう。また、副作用を伴わない範囲での最適な摂取量も指示してくれます。
常に情報を集め、成分表示に目を通すことが重要です。砂糖不使用と書いてある商品がカロリーゼロとは限りません。甘味料の種類によって、カロリーやグリセミック指数が違い、体重減少の目標や糖尿病などの健康状態に影響を与える可能性があります。
また、もし摂取カロリー量や血糖値をうまくコントロールしたいのであれば、自宅で料理することが最適な方法の1つです。販売されているものは自分でどの甘味料を使うかなど自由に選択できませんが、自炊であればそれが可能です。
それぞれの甘味料によって、甘みの程度が異なることを忘れないようにしましょう。お気に入りの甘味料に出会えるまで、2つ3つ異なる種類のものを試すことになるかもしれません。alloehではエリスリトールやキシリトールなどについても解説記事を用意しています。
甘味料の代替だけでなくサプリメントを使ったダイエットについて関心がある場合には「おすすめのダイエットサプリ15選!論文をもとに成分を徹底比較【2021年最新版】」という記事も用意しているため併せてチェックしてみてください。
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