エリスリトールとは?メリットや特徴、副作用などを専門家が解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

低カロリーの甘味料として使用されているエリスリトールは、カロリーや糖質などを気にされる方にとっては最高の救世主だと言えるでしょう。

他の砂糖代替となる甘味料(ex. マルチトール)などと比べて、副作用も少ない上にカロリーも少なく、砂糖の代替としての役割を果たしています。しかし、いくつかのメディアはこのような利点について疑問の声をあげています。

この記事では、エリスリトールのメリットや、エリスリトールは本当に安全なのかという疑問について整理していきたいと思います。

エリスリトールとは何か?

🙆 メリット

砂糖の代わりに使えば摂取カロリーが抑えられます

🙅‍♂️ 懸念される副作用

他の代替甘味料(ex. マルチトール)に比べると頻度は低いものの、過剰に摂取するとお腹にガスが溜まったり、お腹が緩くなることも

エリスリトールは、糖アルコールと呼ばれる化合物の中に属しています。糖アルコールは様々な種類があり、特にマルチトールキシリトールソルビトールなどが食品で利用されています。



これらの糖アルコールは、無糖製品または低糖製品の低カロリー甘味料として幅広く利用されています。糖アルコールは分子の構造により、私たちの舌の甘味受容体を刺激することで甘く感じさせてくれます。

しかし、エリスリトールは他の糖アルコールとは少し異なります。

まず、カロリーを比較した場合、その他の甘味料に比べて明らかにカロリーが低いことがわかります。

  • 砂糖: 1gあたり4cal
  • キシリトール: 1gあたり2.4cal
  • エリスリトール: 1gあたり 0.24cal

エリスリトールのカロリーは砂糖のわずか6%ですが、通常の砂糖と比べ70%の甘味を感じることができます。

大量生産の過程では、酵母がトウモロコシや小麦のでんぷんからグルコースを発酵させ、エリスリトールを生成させています。

💡 POINT!

エリスリトールは、低カロリーの甘味料として使用されている糖アルコールの仲間です。 カロリーは砂糖のわずか約6%となります。

期待されているメリット

エリスリトールは砂糖を代替しうる甘さを備えながら、砂糖と比較してカロリーが少なく、また血糖値やインスリンへの影響が少なくなっています。

したがって砂糖の代わりにエリスリトールを使えば、以下に挙げるような効果を享受できる可能性があります。

血糖値の上昇またはインスリンの分泌に影響をきたさない

私たちの体にはエリスリトールを分解するために必要な酵素がありません。血液に吸収された後、尿中にそのまま排出されます。

健康な人がエリスリトールを摂取した場合、血糖値やインスリン値に変化はありません。それ以外にもコレステロールや中性脂肪、またその他のバイオマーカーにも大きな影響は見受けられませんでした。(参考

肥満の方や糖尿病、またメタボリックシンドロームに関連する問題を抱えている方にとって、エリスリトールは砂糖に代わる優れた代替品だと言えます。

💡 POINT!

エリスリトールは血糖値を上昇させる作用はありません。これは糖尿病の方にとって優れた砂糖代替品となるでしょう。

血糖値対策を目的とする場合、砂糖を糖アルコールで代替する以外にも方法があります。詳しく知りたい方は「血糖値を下げる11の方法とは?論文をもとに効果的な方法・食材を解説」という記事も公開しているのでぜひご覧ください。


心臓病のリスクを減らす可能性あり

糖尿病を患ったラットでの研究では、エリスリトールが抗酸化剤として作用し、高血糖によって引き起こされる血管損傷を減少させる可能性があることが証明されています。(参考

2型糖尿病を持つ成人24人を対象とした別の研究では、1か月間、毎日36グラムのエリスリトールを摂取した場合、血管機能が改善し、潜在的に心臓病のリスクが低下したことがわかりました。(参考

しかし、エリスリトールに関して全くネガティブな事象を発生させる疑いがないわけではありません。ある研究では、若年成人の血中エリスリトール濃度が脂肪増加と関連していることがわかっています。(参考

これらの所見の健康関連性について主張をする前に、さらなる研究がまだ必要なようです。

💡 POINT!

エリスリトールは抗酸化物質として作用し、2型糖尿病患者の血管機能を改善する可能性があります。これらの利点は、潜在的に心臓病のリスクを減らす可能性がありますが、まだまだ多くの研究が必要です。

副作用と安全性

エリスリトールは安全なのか?

全体的に、エリスリトールは非常に安全であると考えられます。その毒性と代謝への影響に関する複数の研究が動物実験を通して行われています。大量のエリスリトールの長期摂取にも関わらず、深刻な副作用は検出されていません。(参考1, 参考2

ほとんどの糖アルコール(マルチトールキシリトールなど)には、消化器系の問題を引き起こす可能性があるとされています。それらの糖アルコールは特殊な化学構造のため、私たちの体はそれらを消化することができません。そのため、そのまま消化器系の大部分を通過し、大腸の一部である結腸に到達するまで変化することはありません。

結腸では、消化の過程でガスを生成する常在細菌が使用されています。そのため大量の糖アルコールを摂取した場合、腹部膨満と消化不良を引き起こす可能性があります。

しかし、エリスリトールは他の糖アルコールとは異なります。摂取されたエリスリトールは、結腸に到達する前にまず血液に吸収されます。エリスリトールは最終的に尿として排泄されるまで、変化することなく血液中をしばらく循環します。この方法でエリスリトールの約90%が体外へと排出されます。参考

このようにエリスリトールには深刻な副作用はないとされていますが、次で説明するように、大量に摂取する場合、消化不良を引き起こす可能性があります。

エリスリトールの副作用

摂取されたエリスリトールの約90%は血液に吸収されることをお伝えしました。しかし残りの10%については、消化されずにそのまま結腸まで移動します。エリスリトールはほとんどの糖アルコールとは異なり、結腸細菌による発酵に耐性があるようです。(参考

私たちの体重に対して1ポンドあたり最大0.45g(1gあたり1g)の摂取については、きちんと耐性があることが証明されています。(参考1, 参考2

しかしある研究では、1回50gのエリスリトールの摂取で、吐き気と胃の不快感を引き起こすという結果が出ました。(参考

一度にたくさんの量を摂取しない限り、胃の調子が悪くないという研究結果ですが、エリスリトールに限らずその影響については個人差があることを念頭におくべきでしょう。

他の甘味料との違いは?

砂糖を代替する甘味料として、エリスリトールの他によく使用されるものはマルチトールでしょう。

エリスリトールとマルチトールの違いはまず第一に味でしょう。砂糖を含め甘味料にはそれぞれ特有の味や食感があります。

したがって、自分の好みにあったものを見つけるためには、様々なものを実際に食して検討してみる必要があるでしょう。

また、マルチトールはエリスリトールと違って、砂糖ほどではないものの血糖値やインスリンに影響を与えます。

alloehではマルチトールについても「還元麦芽糖(マルチトール)とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説」という記事で詳しく解説しているため、興味がある方はぜひご覧ください。


よくある質問

ラカントとは?

ラカントとは、エリスリトールが含まれた人工甘味料の商品名です。

ラカンカと呼ばれるウリ科の植物から作られているのが特徴です。

エリスリトールを使えば太りづらい?

カロリーがほぼゼロなので、エリスリトール単体では太りません。

しかしエリスリトール単体で使う場面は少なく、基本的には他の食材と一緒に調理されて食べられるため、そちらを気にする必要があります。

また調理の際に、砂糖の代わりにエリスリトールを使うなどすれば、砂糖を使うよりは太りづらくなると言えるでしょう。

砂糖を我慢できない時は?

同じ甘味料と言えど、砂糖と他の甘味料ではどうしても味の感じ方が違って違和感があったり、好物が砂糖を含んだもので避けにくい場合は、糖の吸収を抑えるサプリメントを試してみるのはいかがでしょうか?

例えば富士フィルムが販売している「メタバリアEX」は、機能性表示食品として「糖の吸収を抑える」という効果を届出しており、その他にも「おなかの脂肪を減らす」「腸内環境を良くする」という効果が消費者庁によって受理されています。

砂糖を別の甘味料で置き換えるのではなく、糖の吸収を抑える形で対策したい方は、メタバリアEXについての記事「メタバリアEXの効果の根拠を解説!副作用や飲み方は?」を公開しているため、ぜひご覧ください。


エリスリトールを含む商品

エリスリトールは食品以外にも、多くのサプリメント、あるいはエナジードリンクなどに利用されています。

RAIZIN CLEAR(大正製薬)


RAIZIN CLEAR(ライジンクリア)」は、大正製薬から発売されているエナジードリンクです。こういったエナジードリンクなどにもエリスリトールが配合されています。

エリスリトールは通常の砂糖に比べて非常にカロリーが低いため、体型が気になる方は商品を選ぶ際にチェックしてみると良いでしょう。また、エリスリトールは血糖値やインスリン値への影響も少ないとされているため、こういった点でも砂糖の代替品として優秀な役割を果たしています。

最後に

全体的に見て、エリスリトールは優れた甘味料であると言えるのではないでしょうか。

  • カロリーはほとんど含まれていないものの、甘さは砂糖の70%で、血糖値やインスリン値への影響は特になし
  • 人体への研究について副作用はほとんどないが、人によっては消化不良の問題が見受けられる
  • 動物による長期間にわたって大量に摂取をした場合の研究について、特に悪影響は見受けられなかった

健康志向の方はメープルシロップ(はちみつ)やステビアマルチトールを甘味料として選ぶ方も多いかと思います。しかし、メープルシロップにはカロリーとフルクトースが含まれており、多くの人々はステビアの後味に悩まされているようです。マルチトールはエリスリトールに比べると副作用の頻度が高くなっています。

こういったものと比べると、エリスリトールは最高の砂糖代替品と言っても過言ではないでしょう。




また、砂糖の代替以外に、ダイエットのためのサプリメントを検討している方は「効果別!人気おすすめダイエットサプリ15選|編集部が徹底比較【2020年最新】」にて、ダイエットに有用な成分を詳しく解説しているため、こちらもぜひご覧ください。


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