NアセチルLシステインとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

alloeh編集部

最終更新日:2020/05/07

NアセチルLシステイン成分解説

システインは非必須アミノ酸の一つです。 

メチオニンやセリンといった他のアミノ酸から体内で作ることができるため、必須ではありませんが、それらを食事から十分摂取できない場合は必須となります。

 システインは鶏肉や七面鳥、ヨーグルト、チーズ、卵、ひまわりの種や豆類など、高たんぱく質の食べ物に含まれます。 

システインのサプリメントの一つに、NアセチルLシステイン(NAC)というものがあります。 

十分なシステインとNアセチルLシステインを使うことは、あなたの体にグルタチオンというとても強力な酸化防止剤を補充することを含めて、様々な健康上の理由からとても大切なことです。 また、これらのアミノ酸は慢性呼吸器疾患や不妊、脳の健康においても大切です。 

以下より、NアセチルLシステインの主な9つの効果について見ていきましょう。

NアセチルLシステイン(NAC)の効果

1. 強力な抗酸化物質のグルタチオンを作り出すのに不可欠

NアセチルLシステインはもともと、抗酸化物質のグルタチオンを生産するという役割によって高く評価されています。

NアセチルLシステインはグルタミングリシンという二つのアミノ酸と一緒にグルタオチンを作り、補充しているのです。 グルタオチンというのはもっとも重要な抗酸化物質の一つで、体内の細胞や組織を傷つける可能性のあるフリーラジカルを中和することを助けるという働きがあります。

また、NアセチルLシステインは免疫機能の健康維持にも不可欠です。というのも、損傷した細胞や組織と戦うことを助けるからです。何人かの研究者は、長生きにも関係しているかもしれないと見ています参考

そして抗酸化特性それ自体が、心臓疾患や不妊、精神疾患など酸化ストレスによって引き起こされる多くの病気と戦うためにも大切です参考


Point: NアセチルLシステインは、間違いなく体内で最もパワフルな抗酸化物質であるグルタオチンの補充を助けます。従って、あらゆる面であなたの健康状態を向上させるでしょう。


2. 腎臓や肝臓をダメージから守ったり、軽減させるための解毒を助ける

NアセチルLシステインは体内の解毒プロセスにおいても、重要な役割を果たします。

それはドラッグや環境毒素からの影響を防ぐことを助けるというものです参考

事実、医師は通常、アセトアミノフェンの過剰摂取により腎臓や肝臓にダメージを負うのを防いだり、軽減するために、そうした人たちの静脈にNアセチルLシステインを投与します参考

NアセチルLシステインはまた、抗酸化物質と抗炎症効果があることからその他の肝疾患を持つ人々に対しても使用されます参考


Point: NアセチルLシステインは体内の解毒やアセトアミノフェンの過剰使用を癒す働きがあります。


3. 精神疾患や中毒症状を改善する可能性がある

NアセチルLシステインは脳にとって最も重要な神経伝達物質のグルタミン酸の量を調整することを助けます参考

グルタミン酸は正常な脳の活動に必要とされますが、過剰だとグルタチオンが枯渇し、脳に障害を引き起こす可能性があります。

これは双極性障害や統合失調症、強迫性障害、何かへの中毒といった様々なメンタルの健康状態にも影響を与える場合もあります参考1参考2

双極性障害やうつ病の人に対し、NアセチルLシステインは症状の軽減や全体的な昨日の改善の助けとなるでしょう。

さらに言えば、研究では、中度から重度の強迫神経症を改善する働きがあるかもしれないと示唆されています。 参考1参考2

同様に、動物実験では、NアセチルLシステインは引きこもりや周囲への無関心、長時間何かに集中できないといった統合失調症によるネガティブな影響を最小限に抑えるかもしれないことがわかっています参考

また、NアセチルLシステインサプリメントはコカイン中毒による禁断症状の軽減や再発を防止する助けにもなるでしょう参考1参考2

それに加えて、ある予備調査では、NアセチルLシステインはマリファナやニコチンを常習している人たちの中毒症状を軽減する可能性があることも伝えています(参考1参考2)。

これらの障害の多くは、現在のところ有効な治療法に限界があったり、効果がなかったりします。

NアセチルLシステインはこれらの症状に陥った人たちの個々に対する効果的な助けとなる可能性があるのです(参考)。


Point: 脳内のグルタミン酸のレベルを調整することにより、NアセチルLシステインは複数の精神疾患や薬物等への中毒的症状を軽減する可能性があります。


4. 呼吸器の症状の改善を助ける

NアセチルLシステイン には抗酸化剤や去痰薬、粘液を滑らかにする働きがあり、それによって呼吸器の症状を改善することができます。

抗酸化剤としてのNアセチルLシステインは肺に適度なグルタミン酸を補給し、気管支や肺の組織の炎症を抑える助けをします。

慢性閉塞性肺疾患の人たちは、長期間の酸化による損傷や肺の組織の炎症を経験します。そしてそれは、気道を圧縮させ、息切れや咳などの症状として現れます。  NアセチルLシステインサプリメントは慢性閉塞性肺疾患や肺の機能の低下といった症状の改善のため、長らく使用されてきました 参考1参考2参考3

一年に渡るある研究では、600mgのNアセチルLシステインを一日に二回摂取することで肺の機能が改善し、慢性閉塞性肺疾患の症状が著しく改善しました参考

慢性気管支炎を患っている人々もまたNアセチルLシステインから効果を得ることができます。

慢性気管支炎は肺の気管支に粘膜が炎症を起こして腫れ上がり、肺へつながる気道をふさがれることで起こります参考1参考2

気管支内の粘液の濃度を抑え、グルタミン酸の量を増やすことによって、NアセチルLシステインは喘鳴や咳や呼吸発作の程度や頻度を軽減する手伝いをしている可能性があります参考) 

慢性閉塞性肺疾患や気管支炎の改善に加えて、NアセチルLシステインは嚢胞性線維症や喘息、肺線維症のような他の肺や気道の疾患も改善する可能性があります参考


Point: NアセチルLシステインの抗酸化作用と去痰の能力は粘液の分解と同様に炎症を抑え、肺の機能を改善することができる。


5. グルタミン酸の調整とグルタチオンの補充により脳の健康を促進する

NアセチルLシステインの能力はグルタチオンを補充することと、脳の健康を促進するため脳内のグルタミン酸レベルを調整することです。

脳の神経伝達物質でもあるグルタミン酸は学習能力や行動、記憶力に、一方の抗酸化物質のグルタチオンは加齢による脳細胞の酸化的ダメージを減らすなど幅広い分野に関与しています参考

したがってNアセチルLシステインは脳や記憶にまつわる病気を持つ人たちに効果があるかもしれません。なぜならグルタミン酸レベルの調整とグルタチオンの補充を助けるからです参考

アルツハイマー病のような神経障害は人間の学習能力や記憶能力を低減させます。

動物実験では、 NアセチルLシステインはアルツハイマー病の人たちの認知能力の低下を抑制するかもしれないということがわかっています参考1参考2

また、パーキンソン病のような脳の病気では、神経伝達物質のドーパミンを生成する細胞の劣化という特徴が見られます。

いずれも 細胞の酸化的損傷と抗酸化能力の低下が病気の一因となっているのです。

NアセチルLシステインサプリメントはドーパミンの機能と震えといった症状の改善であるように思われます参考

NアセチルLシステインが脳の健康を向上させるかもしれないという可能性を示唆する一方、確実な結論を導くには、より多くの人たちの研究が必要だと言えるでしょう。


Point: 抗酸化物質のグルタチオンの補充やグルタミン酸の調整を助けることで、NアセチルLシステインはアルツハイマー病やパーキンソン病といった病気を直す可能性があります。


6. 女性と男性双方の妊娠能力を改善する

妊娠を試みるカップルのうち、約15%が不妊症の影響を受けています。それらのケースの約半数は、男性不妊が主な原因です参考

多くの男性不妊の問題は、生殖器における抗酸化物質のレベルがフリーラジカルと戦うのに不十分なのです。

酸化によるストレスは細胞死や生殖能力の低下を引き起こすことがあります参考

いくつかのケースで、NアセチルLシステインは男性不妊の改善にも効果を発揮しています。

男性不妊を引き起こす状態の一つは精索静脈瘤であることに関係しています。精索静脈瘤とは、フリーラジカルによるダメージがあることが原因で 陰嚢内の静脈が肥大していくのです。これは手術が主な治療法となります。

ある研究では、精索静脈瘤の男性患者35人が術後、3ヶ月間、一日に600mgのNアセチルLシステインを摂取しました。

手術とNアセチルLシステインサプリメントの相乗効果で、摂取しなかったグループと比べて精液の質が上がり、パートナーの妊娠する確率が22%も上がったのです参考

他の研究では、不妊症の468人の男性に対して、600mgのNアセチルLシステインと200mcgのセレンを26週間補ったところ、精液の質が上がりました参考

研究者たちは、この複合サプリメントは男性不妊の治療としてのオプションとして検討されるべきだと示唆しています。

それに加えてNアセチルLシステインは、排卵サイクルを誘発または増強することで、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性の生殖能力を改善する可能性もあるとされています参考


Point: NアセチルLシステインは、生殖細胞を損傷させたり、殺してしまう酸化ストレスを減らすことで、男性の生殖能力の改善に役立ちます。また、それと同時に、多嚢胞性卵巣症候群の受胎能力も向上させる可能性があります。


7. 脂肪細胞の炎症を抑え血糖値を安定させる

高血糖や肥満は脂肪組織の炎症に関係します。

これはインスリン受容体の損傷や破壊、2型糖尿病に対するより高いリスクといった危険性につながります参考

動物実験では、NアセチルLシステインは脂肪細胞内の炎症を抑え、それによってインスリン抵抗性を向上させることで血糖値を安定させる可能性があると示唆されています参考1参考2

インスリン受容体に損傷がなく、健康であれば、適切に血液から糖を取り除き、血糖値を正常な範囲でキープできます。

しかしながら、NアセチルLシステインに関する人体への研究はまだ少なく、血糖コントロールにおけるこれらの効果も確かめる必要があることを心に留めておいてください。


Point: 脂肪細胞内の炎症を減らすことで、NアセチルLシステインはインスリン抵抗性を減らし、血糖値の調整能力を改善させる可能性があります。ただ、人体においての研究はまだまだ不足しています。


8. 酸化によるダメージを防ぎ心疾患のリスクを減らす

心臓の組織の酸化による損傷は脳卒中や心臓発作、その他の深刻な状態など、たびたび心疾患を引き起こします。

NアセチルLシステインは心臓の組織の酸化による損傷を減らし、心疾患のリスクを減らす可能性もあります参考

それはまた静脈を拡張させ、血流を促す一酸化窒素の生産の増加も示しています。

これにより心臓への血流が促され、心臓発作のリスクを減らします参考

興味深いことに、ある試験官研究では、緑茶を合わせて摂取すると、NアセチルLシステインはもう一つの心疾患のリスクとなる酸化した悪玉コレステロールからの損傷を軽減することがわかっています参考


Point: NアセチルLシステインは心疾患のリスクを高める心臓への酸化によるダメージを減らします。


9. グルタオチン量を高めることで免疫機能を改善する

NアセチルLシステインとグルタチオンはいずれも免疫機能を高めます。

NアセチルLシステインとグルタチオンに関する特定の病気にまつわる研究では、NアセチルLシステインを補充することで免疫機能は改善またはよくなる可能性があると示唆されています(参考)。

この事実はヒト免疫不全ウイルス(HIV)を持つ人々の間でもっとも研究されてきました。

二つの研究では、NアセチルLシステインの補充によってほとんど完全にナチュラルキラー細胞が復元し、免疫機能が大幅に増加しました参考1参考2

体内に高レベルのNアセチルLシステインがあれば、ヒト免疫不全ウイルス1型の繁殖を抑制する可能性もあります参考

ある試験官調査は、インフルエンザのようなその他の免疫不全状態においても、NアセチルLシステインはウイルスの増殖能力を妨げる可能性があることを示しています。

これによって、病気の症状が軽減し、短期間で治癒する可能性があります参考

同様に、他の試験官調査では NアセチルLシステインががん細胞の増殖を防ぎ、がん細胞の死に関連しているとされています参考1参考2

しかし全体として、まだまだ研究が必要とされます。従ってがんの治療中にNアセチルLシステインを摂取する前に、担当医と必ず話をしてください参考


Point: グルタチオンの量を増やすというNアセチルLシステインの能力は、様々な病気において免疫機能を改善するかもしれない可能性を持っています。


摂取量について

システインは体内で少量生産することができるため、システインに関する特定の食事に関するおすすめはありません。

アミノ酸システインを作るには、十分な量の葉酸とビタミンB6、ビタミンB12が必要です。

これらの栄養素は豆類、特にレンズ豆、ほうれん草、バナナ、サーモンやツナに含まれます。

また、もっともタンパク質を多く含んだ鶏肉や七面鳥、ヨーグルト、チーズ、卵、ひまわりの種や豆類はシステインも含んでおり、体内のシステイン量を増やすためNアセチルLシステインのサプリメントを選択する人々もいます。

ただ、NアセチルLシステインは経口サプリメントとしての生体利用効率が低く、十分に吸収されません。

日々のNアセチルLシステインの推奨されるサプリメント摂取量は600〜1,800 mgです(参考1参考2)。

点滴として投与するか、エアゾール・スプレー、液体や粉末の形で経口投与することができます。


Point: 高たんぱく質の食材を食べることで、アミノ酸システインが体に供給されます。しかし、NアセチルLシステインは特定の病気の治療のため、サプリメントとして摂取することも可能です。


副作用について

NアセチルLシステインは処方薬として提供されるとき、大人にとってはより安全な傾向があります。

しかし、大量に摂取すると吐き気、嘔吐、下痢、便秘などを引き起こす可能性もあります参考

また、吸入した場合は口内の腫れや鼻水、眠気、胸の圧迫感を引き起こすことがあります。

出血性障害を患っていたり、血液希釈薬を服用している人は、血液の凝固を遅らせる可能性があるため、NアセチルLシステインを服用してはいけません参考

ちなみにNアセチルLシステインは、服用しづらい嫌な匂いです。もしあなたが摂取しようと思うなら、まず医師に相談してください。


Point: NアセチルLシステインは処方薬として安全だと考えられている一方で、吐き気や嘔吐、胃腸障害、吸入した際は口内の問題を引き起こす可能性があります。


最後に

NアセチルLシステインは人間の健康において、いくつかの重要な役割を果たしています。

抗酸化物質のグルタチオンを補充するというものが有名ですが、同様に脳の神経伝達物質のグルタミン酸も調整します。

それに加え、NアセチルLシステインは人体の解毒システムを助けます。

これらの機能によって、NアセチルLシステインサプリメントはいくつかの健康の問題に対する有用な治療オプションになります。

NアセチルLシステインがあなたの健康状態を向上させるのに有効かどうかは、担当医に相談してみてください。

NアセチルLシステインをサプリで試してみたい方は、「NOW Foods NAC(NアセチルLシステイン) 600mg」から使用してみると良いでしょう。ただし、重度の症状など適切な治療が必要とされる場合はサプリメントに頼らず、医療機関で診断を受けるようにしましょう。

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