NアセチルLシステインとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

システインは、非必須アミノ酸の一つです。メチオニンやセリンといった他のアミノ酸から体内で作ることができるため、非必須アミノ酸に分類されます。

そして、システインの一つに、NアセチルLシステイン(NAC)というものがあります。 十分な量のNアセチルLシステインを摂取することは、健康上に様々なメリットをもたらすのではないかと考えられています

今回の記事では、NアセチルLシステインの効果について詳しく見ていきましょう。

NアセチルLシステイン(NAC)の効果

1. グルタチオンを作り出すのに必要

NアセチルLシステインは、抗酸化物質のグルタチオンを生産するという役割によって重要であると考えられています。

NアセチルLシステインはグルタミングリシンという二つのアミノ酸と一緒にグルタオチンを作り補充するとされています。グルタオチンはもっとも重要な抗酸化物質の一つで、体内の細胞や組織を傷つける可能性のあるフリーラジカルを中和することを助けるという働きがあるとされています。

また、NアセチルLシステインは免疫機能の健康維持にも不可欠であると考えられています。というのも、損傷した細胞や組織と戦うことを助けるとされているためです。一部の研究では、それが長寿にも関係する可能性があるとしています。(参考

そして抗酸化特性それ自体が、心臓疾患や不妊、精神疾患など酸化ストレスによって引き起こされる多くの病気と戦うためにも大切であると考えられています参考


💡 POINT!

NアセチルLシステインは、重要な抗酸化物質であるグルタオチンの補充を助けるとされており、健康面で重要な役割を果たしていると考えられています。


2. 腎臓や肝臓に関する効果

NアセチルLシステインは体内の解毒プロセスにおいても、重要な役割を果たしていると考えられています。(参考

例えば、アセトアミノフェンの過剰摂取により腎臓や肝臓にダメージを負うのを防いだり軽減するために、NアセチルLシステインが投与されるケースがあります。(参考

NアセチルLシステインはまた、抗酸化物質と抗炎症効果があるとされることから、その他の肝疾患を持つ人々に対しても使用されます参考

💡 POINT!

NアセチルLシステインは体内の解毒プロセスに関する役割があると考えられています。


3. 精神疾患や中毒症状を改善する可能性

NアセチルLシステインは脳において重要な神経伝達物質の、グルタミン酸の量を調整することを助ける可能性があります参考

グルタミン酸は正常な脳の活動に必要とされますが、過剰だとグルタチオンが枯渇し、脳に障害を引き起こす可能性があります。このことは、双極性障害や統合失調症、強迫性障害といった様々なメンタルの健康状態に影響を与える可能性もあります。双極性障害やうつ病の人に対し、NアセチルLシステインは、症状の軽減や全体的な機能の改善の助けとなる可能性が示されています。参考1参考2

また、ある研究では、中度から重度の強迫神経症を改善する働きがあるかもしれないと示唆されています参考1参考2

同様に、ある動物実験では、NアセチルLシステインが引きこもりや周囲への無関心、長時間何かに集中できないといった統合失調症によるネガティブな影響を最小限に抑えるかもしれないということがわかっています参考

また、NアセチルLシステインが、コカイン中毒による禁断症状の軽減や再発を防止する助けになる可能性も示唆されています参考1参考2

それに加えて、NアセチルLシステインが、マリファナやニコチンを常習している人たちの中毒症状を軽減する可能性があることも示唆されています。(参考1参考2)。

精神疾患や中毒症状の中には、現在のところ有効な治療法に限界があったり、効果がなかったりするものもあります。NアセチルLシステインはこれらの症状に陥った人たちの個々に対する効果的な助けとなる可能性があるかもしれません。(参考

💡 POINT!

脳内のグルタミン酸のレベルを調整することにより、NアセチルLシステインは複数の精神疾患や薬物等への中毒的症状を軽減する可能性があります。


4. 呼吸器の症状の改善

NアセチルLシステイン には抗酸化剤や去痰薬、粘液を滑らかにする働きがあり、それによって呼吸器の症状を改善することができる可能性があります。抗酸化剤としてのNアセチルLシステインは肺に適度なグルタミン酸を補給し、気管支や肺の組織の炎症を抑える助けをするとされています。

慢性閉塞性肺疾患の人たちは、長期間の酸化による損傷や肺の組織の炎症を経験することがあります。このことは、気道を圧縮させ、息切れや咳などの症状として現れることがあります。NアセチルLシステインは、慢性閉塞性肺疾患や肺の機能の低下といった症状の改善のため、長らく使用されてきました参考1参考2参考3

ある研究では、600mgのNアセチルLシステインを1日に2回摂取することで肺の機能が改善し、慢性閉塞性肺疾患の症状が著しく改善したことが報告されています参考

また、慢性気管支炎を患っている人々もまたNアセチルLシステインから効果を得ることができる可能性が示唆されています。慢性気管支炎は肺の気管支に粘膜が炎症を起こして腫れ上がり、肺へつながる気道をふさがれることで起こるとされています参考1参考2

気管支内の粘液の濃度を抑え、グルタミン酸の量を増やすことによって、NアセチルLシステインが咳や呼吸発作の程度や頻度を軽減するのに役立つ可能性があります参考) 

さらに、慢性閉塞性肺疾患や気管支炎の改善に加えて、NアセチルLシステインは嚢胞性線維症や喘息、肺線維症のような他の肺や気道の疾患も改善する可能性が示唆されています参考

💡 POINT!

NアセチルLシステインの抗酸化作用と去痰の能力は粘液の分解と同様に炎症を抑え、肺の機能を改善する可能性がある。


5. グルタミン酸の調整とグルタチオンの補充により脳の健康を促進する

NアセチルLシステインの能力はグルタチオンを補充することと、脳の健康を促進するため脳内のグルタミン酸レベルを調整することであるとされています。

脳の神経伝達物質でもあるグルタミン酸は学習能力や行動、記憶力に、一方の抗酸化物質のグルタチオンは加齢による脳細胞の酸化的ダメージを減らすなど幅広い分野に関与しているとされています参考

したがってNアセチルLシステインは脳や記憶にまつわる病気を持つ人たちに効果があるかもしれません。なぜならグルタミン酸レベルの調整とグルタチオンの補充を助けるからです参考

また、アルツハイマー病のような神経障害は人間の学習能力や記憶能力を低減させるとされています。ある動物実験では、 NアセチルLシステインがアルツハイマー病の人たちの認知能力の低下を抑制するかもしれないということが示されています参考1参考2

NアセチルLシステインが脳の健康を向上させるかもしれないという可能性を示唆する一方、確実な結論を導くには、より多くの研究・エビデンスが必要だと言えるでしょう。

💡 POINT!

抗酸化物質のグルタチオンの補充やグルタミン酸の調整を助けることで、NアセチルLシステインはアルツハイマー病やパーキンソン病といった病気に対して有効な可能性があります。


6. 女性と男性双方の妊娠能力の改善

妊娠を試みるカップルのうち、約15%が不妊症の影響を受けており、それらのケースの約半数は、男性不妊が主な原因であるとする調査があります参考

いくつかのケースで、NアセチルLシステインが男性不妊の改善にも効果を示すことが示唆されています。

男性不妊を引き起こす状態の一つは精索静脈瘤であることに関係しています。精索静脈瘤とは、フリーラジカルによるダメージがあることが原因で陰嚢内の静脈が肥大していくものです。これは手術が主な治療法となります。

ある研究では、精索静脈瘤の男性患者35人が術後に3ヶ月間、一日に600mgのNアセチルLシステインを摂取しました。手術とNアセチルLシステインの相乗効果で、摂取しなかったグループと比べて精液の質が上がり、パートナーの妊娠確率が22%程度上がったことが報告されています参考

他の研究では、不妊症の468人の男性に対して、600mgのNアセチルLシステインと200mcgのセレンを26週間補わせたところ、精液の質が改善されたことが報告されています参考

それに加えてNアセチルLシステインは、排卵サイクルを誘発または増強することで、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性の生殖能力を改善する可能性もあるとされています参考

💡 POINT!

NアセチルLシステインは、生殖細胞を損傷させたり、殺してしまうとされる酸化ストレスを減らすことで、男性の生殖能力の改善に役立つ可能性があります。


7. 血糖値の安定

高血糖や肥満は脂肪組織の炎症に関係すると考えられています。これはインスリン受容体の損傷や破壊、2型糖尿病に対するより高いリスクといった、危険性につながります参考

動物実験では、NアセチルLシステインは脂肪細胞内の炎症を抑え、それによってインスリン抵抗性を向上させることで血糖値を安定させる可能性があると示唆されています参考1参考2

しかしながら、NアセチルLシステインに関する人体への研究はまだ少なく、血糖コントロールにおけるこれらの効果も、さらなるエビデンスが必要であることを心に留めておいてください。

💡 POINT!

脂肪細胞内の炎症を減らすことで、NアセチルLシステインはインスリン抵抗性を減らし、血糖値の調整能力を改善させる可能性があります。ただ、人体においての研究はまだまだ不足しています。


8. 心疾患のリスクを軽減する可能性

心臓の組織の酸化による損傷は脳卒中や心臓発作、その他の深刻な状態など、たびたび心疾患を引き起こすとされています。NアセチルLシステインは心臓の組織の酸化による損傷を減らし、心疾患のリスクを減らす可能性もあります参考

また、静脈を拡張させ、血流を促す一酸化窒素の生産の増加も示しています。これにより心臓への血流が促され、心臓発作のリスクを減らす可能性があります参考

興味深いことに、ある研究では、緑茶を合わせて摂取すると、NアセチルLシステインはもう一つの心疾患のリスクとなる酸化した悪玉コレステロールからの損傷を軽減することがわかっています参考

💡 POINT!

NアセチルLシステインは心疾患のリスクを高める心臓への酸化によるダメージを減らす可能性があります。


9. 免疫機能の改善

NアセチルLシステインとグルタチオンは、いずれも免疫機能を高める役割があると考えられています。

NアセチルLシステインとグルタチオンに関する特定の病気にまつわる研究では、NアセチルLシステインを補充することで、免疫機能が改善される可能性があると示唆されています(参考)。

この事実は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を持つ人々に関連しても多く研究されてきました。

2つの研究では、NアセチルLシステインの補充によって、ナチュラルキラー細胞が復元し、免疫機能が大幅に増加したことが報告されています参考1参考2

体内に高レベルのNアセチルLシステインがあれば、ヒト免疫不全ウイルス1型の繁殖を抑制する可能性も示唆されています参考

ある試験官調査は、インフルエンザのようなその他の免疫不全状態においても、NアセチルLシステインはウイルスの増殖能力を妨げる可能性があることを示しています。これによって、病気の症状が軽減し、短期間で治癒する可能性があります参考

同様に、他の試験官調査では NアセチルLシステインががん細胞の増殖を防ぎ、がん細胞の死に関連しているとされています参考1参考2

しかし全体として、まだ多くの研究とエビデンスが必要とされます。従って、治療の際などにNアセチルLシステインを摂取する前に、担当医と必ず話をしてください参考

💡 POINT!

グルタチオンの量を増やすというNアセチルLシステインの能力は、様々な病気において免疫機能を改善するかもしれない可能性を持っています。


摂取方法について

システインは体内で少量を生産することができるため、システインに関する特定の食事のおすすめはありません。

ただし、アミノ酸システインを作るには、十分な量の葉酸とビタミンB6、ビタミンB12が必要です。これらの栄養素は豆類、特にレンズ豆、ほうれん草、バナナ、サーモンやツナに含まれます。

また、もっともタンパク質を多く含んだ鶏肉やヨーグルト、チーズ、卵、豆類はシステインも含んでおり、体内のシステイン量を増やすためNアセチルLシステインのサプリメントを選択する人々もいます。

ただ、NアセチルLシステインは経口サプリメントとしての生体利用効率が低く、十分に吸収されないとも考えられています。

💡 POINT!

高たんぱく質の食材を食べることで、アミノ酸システインが体に供給されます。また、NアセチルLシステインはサプリメント等として摂取することも可能です。


副作用について

NアセチルLシステインは基本的には安全であると考えられています。しかし、大量に摂取すると吐き気、嘔吐、下痢、便秘などを引き起こす可能性もあります参考

また、吸入した場合は口内の腫れや鼻水、眠気、胸の圧迫感を引き起こすことがあります。

出血性障害を患っていたり、血液希釈薬を服用している人は、血液の凝固を遅らせる可能性があるため、NアセチルLシステインを服用しないようにする異必要があるとされています参考

💡 POINT!

NアセチルLシステインは一般に安全だと考えられている一方で、吐き気や嘔吐、胃腸障害、吸入した際は口内の問題を引き起こす可能性があります。


最後に

いかがだったでしょうか?NアセチルLシステインは人間の健康において、いくつかの重要な役割を果たしていると考えられています。

ALLOEHではNアセチルLシステインを含む商品も紹介していますので、あわせて確認してみてください。NアセチルLシステインの摂取を検討する際には、今回の記事を参考にしていただけると幸いです。


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