GABA / ギャバ(γ-アミノ酪酸)とは?
GABAとはGamma-Amino Butyric Acidの頭文字をとった略称で、ガンマアミノ酪酸というアミノ酸の一種になります。
主に脳内の神経伝達物質として機能する天然のアミノ酸です。チョコレートやココアの原料であるカカオをはじめ、トマトや発芽玄米等の野菜・穀物に含まれています。
神経伝達物質は「脳内ホルモン」とも呼ばれ、脳内の細胞を興奮させたり鎮静させたりする効果を持っています。
GABAは、特定の脳信号をブロックしたり抑制することで神経系の活動を低下させるため、抑制性の神経伝達物質と見なされます。
GABAは、GABA受容体として知られる脳内のタンパク質に結合することで鎮静効果を発揮します。
これは、不安、ストレス、恐怖感に対して有効性を発揮します。また、発作を防ぐのにも役立つとされています。
事務的作業による、一時的・心理的なストレス低減する機能があると報告されています。
これらの効果から、GABAは近年ではサプリメントとしても人気が集まっています。
GABAは発酵玄米やキムチ、納豆、味噌などの食品に含まれています。
しかし、GABAは実際にどれくらい機能するのでしょうか?科学的なエビデンスをもとに調査していきます。
なぜGABAが利用されるのか?
脳に対するGABAの鎮静効果は、ストレスを軽減するために有効であると言われており、ストレス過多になると、睡眠不足、免疫力の低下、うつ病のリスクの増加などを引き起こすと考えられています。
さらに、以下の症状を持っている人々は、特にGABAが不足している可能性があります。
- 発作性疾患
- パーキンソン病などの運動障害
- 多動性症候群(ADHD)
- 不安
- パニック障害
これらの状態に該当する人々が、症状を緩和するためにGABAを摂取しているケースもあります。
ただし、不安以外の症状に対してはまだエビデンスが不足しているという問題もあります。
GABAの効果
GABAサプリメントの有効性についてはあまり知られていません。
実際に、サプリメントや食品として消費されたときに実際にどのくらいGABAが脳に到達するかはあまり明確に分かっていません。しかし、いくつかの研究では、実際に脳に到達するGABAはほんの少量であると示唆されています。
それぞれの症状に対するGABAの効果を見てみましょう。
リラックス効果
2つの小さな研究により、GABAをサプリメントとして摂取した参加者は、ストレスの多いイベント中に偽薬(プラシーボ)やL-テアニンを摂取した参加者よりもリラックス感が増したことが分かりました。
また、これらの研究ではサプリメントを摂取してから1時間以内にリラックス効果が感じられたことにも注目されています。
血圧を下げる効果
いくつかの小規模の研究では、血圧を下げるためにGABAを含有した食品を摂取することの効果が認められています。
2003年のある研究では、軽度の高血圧の人がGABAを含む発酵乳製品を毎日摂取すると、2〜4週間後に血圧が低下していることが分かりました。
また、2009年の研究では、GABA含有のクロレラサプリメントを1日2回服用すると、境界域高血圧(高血圧と正常血圧の中間)の患者の血圧が低下することがわかりました。
睡眠の質をあげる効果
2018年の小規模な調査では、 300ミリグラム(mg)のGABAを寝る1時間前に飲んだ参加者は、偽薬を服用している人よりも早く眠りを感じることが分かっています。
また、実験開始後4週間で睡眠の質が改善したと報告されています。
ただし、ヒトにおけるGABAの効果を調べる他の多くの研究と同様に、この研究は非常に小さいものであるという点に注意が必要です。
ストレス削減や疲労回復効果
日本の2011年の研究では、25 mgまたは50 mgのGABAを含む飲料が30人の参加者に与える影響を調べました。
問題解決作業をしている際の精神的疲労・肉体的疲労の測定が行われ、GABAを50mg含む飲料には若干の効果が認められています。
2009年の別の研究では、28 mgのGABAを含むチョコレートを食べると、問題解決作業を行う参加者のストレスが軽減されることがわかりました。
さらに別の研究では、100 mgのGABAを含むカプセルを摂取すると、メンタルタスクを完了した人のストレス値が減少しました。
これらすべての研究の結果は有力であるように見えますが、これらの研究のほとんどが小規模な実験であるという点に留意する必要があります。
GABAの効果をより正確に理解するには、より大規模で長期的な研究に基づいたエビデンスを待つ必要があります。
GABAの副作用とは
GABAサプリメントにおける潜在的な副作用はいまだに適切に研究されていないため、全てを正確に知ることは困難ですが、よく報告される副作用には次のものがあります。
- 胃のむかつき
- 頭痛
- 眠気
- 筋力の低下
また、GABAは眠気を誘う可能性があるため、自分の身体にどの程度影響を与えるのか分かるまでは運転を避けた方が良いでしょう。
GABAが他のサプリメントや薬品と同時に摂取された際に発生する相互作用も明らかではありません。
服薬中にGABAを試してみたい場合は、まず医師に相談する必要があります。
GABAに関するエビデンス
・高血圧自然発症ラットにGABAを0.15% 含む餌を8週間摂取させたところ、血圧が低下したことから、GABAが高血圧予防効果を持つことが示唆されました。(参考)
・パーキンソン病ラットの骨髄にGABAを投与したところ、パーキンソン病症状の改善が見られたことから、GABAがパーキンソン病予防に有益であることが示唆されました。(参考)
・ラットにGABA 50, 100mg/100g を摂取させたところ、成長ホルモン濃度およびタンパク質合成速度が高まったことから、GABAは成長促進効果を持つことが示唆されました。(参考)
体内のGABAを増やす方法
GABAは睡眠中に体内で合成されます。
睡眠時間が短かいことや睡眠サイクルの乱れやストレスから睡眠の質が低い場合、体内でのGABAの合成量が少なくなり、不足すると言われております。
では、GABAが不足した場合、どのように摂取すれば良いのでしょうか?
GABAを含む食品
GABAを多く含む食品としては、下記が挙げられます。
- チョコレート
- 発芽玄米
- キムチ
- 納豆
- じゃがいもなど
これらの食品からの摂取が難しい場合や、もっと手軽に摂取したい場合にサプリメントが今注目されております。
ビタミンB6を含む食品
次に、直接GABAをとるのではなくビタミンB6を摂取することで、体内でのGABAの合成をサポートする方法をお伝えします。
体内でのGABAの合成を増やすためには、ビタミンB6を含む食品を意識して食べることが効果的と言われております。
ビタミンB6は、主に下記食品に多く含まれております。
- とうがらし
- にんにく
- バジル
- 青魚(まぐろ、かつおなど)
グルタミン酸やイチョウ葉エキスを含む食品
GABAは、お麩などのもととなるグルテンに含まれる神経伝達物質グルタミン酸や、イチョウ葉エキスからも合成されるので、これらの成分に関しても摂取がおすすめになります。
最後に
GABAは、神経伝達物質として私たちの体内で重要な役割を果たしています。
しかし、サプリメントとして使用する場合における役割はそれほど明確にはなっていません。
ここで紹介しているいくつかの研究では、不安や高血圧、不眠症、ストレスや疲労などに対しての効果が示されていますが、小規模であったり実験自体が古いものであるという点には注意が必要です。
繰り返すように、GABAの効果をより正確に理解するには、さらに大規模で新しい、長期的な研究結果を待つ必要があります。
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