葉酸とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

葉酸は水溶性のビタミンでビタミンB9としても知られている葉酸塩の化合物としての形態です。

食べ物の中に天然の素材として入ってはいませんが、サプリメントやパンやシリアルなどの精製された穀物に加えられます。 

化合物としての葉酸は自然の葉酸とは異なるため、体がそれを使う前に活性化した形に変換する必要があります。 この変換を行うのにかかる時間は遺伝子によって異なり、葉酸は最近の栄養研究の中でホットなテーマです。 

この記事では葉酸の効果、摂取源、不足したときのリスクなどについて議論します。


葉酸(ビタミンB9)とは

葉酸はビタミンB9の安定した人工的な形態です。 

それは自然の食べ物の中には存在しませんが、加工食品に加えられたりマルチビタミン・ミネラルサプリメントとして使われます。 

しかしながら、葉酸は体が使う前に5-MTHFとして知られる活性化したビタミンB9に変化する必要があります。 これはMTHFRと呼ばれる酵素を含むいくつかの酵素を必要とする4段階の処理で行われます。 

人によっては遺伝子がMTHFR酵素が葉酸を5-MTHFに変化する際に働きづらいように遺伝子が変異しています。 これは葉酸が血液中に蓄積することになり、人によっては免疫、脳機能の低下、すでに存在しているがんの成長促進といった健康に悪影響を与えることにつながります(参考1,参考2, 参考3, 参考4) 。

より多くの研究が必要ではありますが、MTHFRの変異を起こしている人は葉酸の取り過ぎを控え、活性化した5-MTHFを含むサプリメントを摂取した方が良いかもしれません。 

Point: 葉酸はビタミンB9の合成された形態でありいくつかの食物やサプリメントに加えられています。それは体が使用する前に活性化した形に変化する必要がありますが、人によっては遺伝子の変異によってこの処理が遅くなる可能性があります。


一日にどれだけの量の葉酸(ビタミンB9)が必要か?

葉酸はビタミンB9の合成された形態なので、食物としては摂取する必要はありません。

その代わり葉酸塩(Folate)と呼ばれるビタミンB9の自然な形態を食べ物を通して摂取することができます。 しかしながら、研究によると多くの人は葉酸塩が豊富な自然な食べ物を必要量だけ食べていません(参考)。

このため、アメリカやカナダを含む多くの国では、小麦粉やパン、シリアルといった生成された穀物製品に葉酸を添加しています。 アメリカではこの慣習が葉酸塩の消費を28%増やし、血中の葉酸塩の量を調べた結果、葉酸塩不足の割合を人口の39%から4%に減らしています(参考)。

葉酸(ビタミンB9)の効果

適切なビタミンB9のレベルはいくつもの健康効果につながっています。その中には以下を含みます。

神経管欠損の予防

妊娠初期に葉酸塩のレベルが低いと胎児の脳、脊椎、脊髄の機能の奇形などの神経管欠損につながります(参考1, 参考2)。

それとは対照的に妊娠前および妊娠中に葉酸塩を摂取した女性の子供たちはこれらの不具合を持つ割合が非常に低いです(参考)。 

90%もの女性が神経管欠損を予防効果を最大限にする適切な葉酸塩の適切なレベルを持っていないため、すべての妊娠・出産できる年齢期間の女性は少なくとも400マイクログラムの葉酸塩を一日に補うことが推奨されています(参考1, 参考2)。

多くの出産前のサプリメントが葉酸を含んでいる一方、メチル化葉酸を含むものを探すと効果があるかもしれません(参考)。 これは5-MTHFあるいはビタミンB9として知られているメチル化葉酸は、体が変換することなしに使うことができる活性化されたビタミンの形態だからです。

がんの予防

葉酸塩を多く摂取すると乳がん、腸のがん、肺がん、脾臓がんを含むがんを予防できるかもしれません(参考1, 参考2, 参考3)。

これは葉酸塩が遺伝子発現において遺伝子をONしたりOFFしたりする制御を行っているからである可能性があります。 一部の研究者たちは葉酸塩のレベルが低いとこの処理が正しく増加せず、正常でない細胞を増やしたりがんになるリスクが高まると信じています(参考)。 

低い葉酸塩のレベルは不安定で簡単に壊れるDNAの形成を助け、がんのリスクを高める可能性があります(参考1 , 参考2)。 しかしながら、すでにがんや腫瘍を持つ人の場合、高い葉酸塩のレベルは腫瘍の成長を促進するという証拠があります(参考1,参考2)。 

自然な食事からの葉酸塩ではなく葉酸サプリメントはまたいくつかのタイプのがんが起こる可能性を増やすことにつながります(参考1, 参考2, 参考3)。 

サプリメントとしての葉酸がどのように長期にわたってがんのリスクに影響を与えるか理解するにはより多くの研究が必要です。

ホモシステインレベルの低下

適切な葉酸塩は心臓病の発症に関連する炎症性分子であるホモシステインレベルを下げます。

葉酸塩はホモシステインをメチオニンと呼ばれる他の分子に変換する処理に必要でありホモシステミンレベルを下げるのを助けます。 

十分な葉酸塩がないと、この変換が進まずホモシステインのレベルが上がります。 毎日葉酸サプリメントを摂取するとホモシステインのレベルが最大25%下がることが研究で報告されている一方、この現象は心臓病の発症率低減にはつながっていません(参考)。

この理由は不明ですが、ホモシステイン以外の他の重要な要素が心臓病の発症に影響していると考えられています。 

Point: 適切なビタミンB9の摂取は神経管欠損やがんの予防、ホモシステインレベルの低下といった健康にとって良い結果につながります。しかしながら、これらの効果はすべて理解されたり確認されているわけではありません。

葉酸(ビタミンB9)を含む食品

葉酸は合成物質なので自然の食品の中には含まれません。 しかしながら、葉酸は精製された穀物製品やサプリメントに使われています。 アメリカやカナダを含む多くの国では葉酸はすべての精製された穀物製品に添加されています(参考)。
葉酸を強化されたり豊富である食品は以下を含みます。

  • パン
  • 朝食用シリアル
  • ケーキ
  • クッキー
  • コーンミール
  • クラッカー
  • エネルギー飲料
  • プロテインバー
  • 白いパスタ
  • 白米

葉酸塩の摂取源である自然食は以下を含みます。

  • レバー:84グラムあたりRDIの123%(参考)
  • 枝豆:155グラムあたりRDIの121%(参考)
  • レンズ豆: 198グラムあたりRDIの90%(参考)
  • 豆: 171グラムあたりRDIの74%(参考)
  • アスパラガラス: 180グラムあたりRDIの68%(参考)
  • オクラ: 184グラムあたりRDIの68%(参考)
  • ほうれん草: 180グラムあたりRDIの66%(参考)
  • アーティチョーク: 168グラムあたりRDIの50%(参考)
  • コラードの若葉: 190グラムあたりRDIの44%(参考)
  • かぶら菜: 144グラムあたりRDIの42%(参考)
  • ブロッコリー: 156グラムあたりRDIの42%(参考


Point: 葉酸は自然に食物の中には含まれず、精製された穀物製品にしばしば添加されます。葉酸塩の自然所品の摂取源にはレバー、豆類、緑色の野菜が含まれます。

葉酸塩不足の兆候と症状

炎症性腸疾患の人、たばこを吸う人、酒を過剰に飲む人は不足する傾向にあります(参考1, 参考2, 参考3, 参考4)。
葉酸塩不足の兆候と症状は以下を含みます(参考)。

  • 血中のホモシステインレベルの上昇
  • 赤血球の肥大を伴う貧血の一種である巨赤芽球性貧血
  • 倦怠感
  • 虚弱
  • 神経過敏
  • 息切れ

葉酸塩不足は赤血球に蓄積されていたり血の中で循環している葉酸塩の量を測定することでわかります(参考)


Point: 葉酸塩不足は強制的に葉酸を添加しているアメリカを含む国では比較的まれです。葉酸塩不足の兆候は虚弱や息切れを伴うホモシステインレベルの高さや巨赤芽球性貧血を含みます。

葉酸(ビタミンB9)の副作用と注意事項

葉酸を摂取する際はいくつかの気をつけるべき副作用と注意事項があります(参考)。

隠れたビタミンB12不足: 巨赤芽球性貧血は葉酸塩とビタミンB12不足の両方の兆候です。葉酸を補うことによってビタミンB12不足に気づくことなくその貧血を治療した場合、神経のダメージにつながる可能性があります。 

がん促進のリスク: いくつかの研究では葉酸の消費といくつかのがんの形成の関係が見つかっています。葉酸はまたすでに存在している腫瘍の成長を促す可能性がありますが、より多くの研究が必要です。 

遊離葉酸の循環:葉酸からその活性化された形態に変化するのには時間がかかるため、遊離葉酸が血中にたまる可能性があります。これは免疫を低下させたり脳機能を低下させることにつながる可能性があります。 加えて、MTHFR遺伝子の変異を起こしている人もおり、葉酸を活性化された形態に変化するのが遅いため、5-MTHFを含むサプリメントを使うことが推奨されます。

それはビタミンB9の活性化された形態のサプリメントを摂取すると、遺伝子に関係なく、葉酸が体内で使用できるためです。 

Point: 葉酸はMTHFR遺伝子の変異やすでにがんを患っている人にはあわないかもしれません。ビタミンB12のレベルをチェックする前にサプリメントを摂取するとビタミンB12不足が隠れてしまう可能性もあります。


まとめ

ビタミンB9の合成された形態である葉酸は精製された穀物製品によく添加され不足を補うのに役立っています。 

葉酸をサプリで試してみたい方は、「ディアナチュラ 葉酸」から使用してみると良いでしょう。
ただし、重度の症状など適切な治療が必要とされる場合はサプリメントに頼らず、医療機関で診断を受けるようにしましょう。

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