はじめに
プラムはとても栄養価が高く、複数の健康への効能が期待されています。
含まれるビタミンやミネラルも多く、食物繊維や、複数の慢性疾患のリスクを減らす抗酸化物質なども含んでいます。
プラムは生のままや、乾燥したものが手に入ります。乾燥したプラムはプルーンとも呼ばれ、プルーンは便秘や骨粗鬆症など複数の疾患を改善することが知られています。
この記事では、プラムとプルーンの7つのデータに基づいた健康への効能を取り上げます。
1. 栄養素が多く含まれる
プラムとプルーンには多くの栄養素が含まれます。この栄養素には、その食物繊維や抗酸化物質以外にも、15種類以上の異なるビタミンやミネラルが含まれています。
以下では、プラムとプルーンに含まれる栄養素について説明します。
プラム
プラムは、含まれるカロリーが比較的低い食品ですが、多くのビタミンやミネラルを含んでいます。プラム1つには、以下のような栄養素が含まれます。(参考)
- カロリー:30 kcal
- 炭水化物:8グラム
- 砂糖:7グラム
- ビタミンA: 推奨1日摂取量の5%
- ビタミンC: 推奨1日摂取量の10%
- ビタミンK: 推奨1日摂取量の5%
- カリウム: 推奨1日摂取量の3%
- 銅: 推奨1日摂取量の2%
- マンガン: 推奨1日摂取量の2%
さらに、プラムには少量ながらビタミンB群、リン、マグネシウムなども含まれています。(参考)
プルーン
重さあたりのカロリーは、プルーンの方がプラムより高くなります。28グラム(1オンス)のプルーンに含まれる栄養素は以下のようになります。(参考)
- カロリー:67 kcal
- 炭水化物:18グラム
- 食物繊維:2グラム
- 砂糖:11グラム
- ビタミンA: 1日推奨摂取量の4%
- ビタミンK: 1日推奨摂取量の21%
- ビタミンB2: 1日推奨摂取量の3%
- ビタミンB3: 1日推奨摂取量の3%
- ビタミンB6: 1日推奨摂取量の3%
- カリウム: 1日推奨摂取量の6%
- 銅: 1日推奨摂取量の4%
- マンガン: 1日推奨摂取量の4%
- マグネシウム: 1日推奨摂取量の3%
- リン: 1日推奨摂取量の2%
まとめると、1食分のプラムとプルーンに含まれるビタミンやミネラルの量は微妙に異なります。プルーンに含まれるビタミンKはプラムよりやや多く、ビタミンBや他のミネラルもやや多くなります。
さらに生のプラムよりも、プルーンの方がカロリー、食物繊維、炭水化物などが多く含まれることにも注意が必要でしょう。
Point:プラムとプルーンに含まれるビタミンやミネラルには微妙な違いがありますが、いずれも豊富な栄養素を含んでいます。加えて、プルーンにはプラムよりも、多くのカロリー、食物繊維、炭水化物などが含まれています。
2. 便秘解消効果
プルーンとプルーンジュースは、その便秘改善効果でよく知られています。
これは、部分的にはプルーンに含まれる食物繊維成分に起因するでしょう。1粒のプルーンには1グラムの食物繊維が含まれます。(参考)
プルーンに含まれる食物繊維は不溶性で、水分に溶けることはありません。
プルーンの摂取は、食物繊維で便のカサを増加させ、排泄物が消化管を通過する時間を早めることで便秘を予防すると考えられています。(参考1, 参考2)
加えて、プルーンとプルーンジュースには、天然の下剤である糖アルコールのソルビトールが含まれています。(参考1, 参考2)
プルーンの摂取は、便秘にしばしば使用される繊維であるオオバコなどを含めた、他のタイプの下剤を摂取するよりも、便秘に対して有効であると言われています。(参考)
ある研究では、50グラム(2オンス)のプルーンを毎日3週間に渡って摂取したところ、オオバコを摂取していた群に比較して、良い性状の便が定期的に排泄されたとされています。(参考)
過量のプルーンを一度に摂取すると、下痢などのような症状が起きる可能性があることには注意が必要でしょう。下痢などの副作用を避けるためには、1日1/4-1/2カップ(44-87グラム)程度の摂取に控えましょう。
プルーンジュースを使用する場合には、糖分が添加されていない、100%のジュースを選ぶようにしましょう。加えて、摂取量を1日118-237ml(4-8オンス)程度にしましょう。
Point:プルーンとプルーンジュースは、含まれている食物繊維とソルビトールなどの効果で、便秘解消に役立つと考えられています。
3. 抗酸化物質が豊富
プラムとプルーンはいずれも、炎症を減少させ、細胞を遊離ラジカルの障害から守る、抗酸化物質を多く含んでいます。
特に、ポリフェノール類の抗酸化物質を多く含んでおり、これらの抗酸化物質には骨の健康改善、心疾患リスク軽減、糖尿病改善などの効果が期待されています。(参考)
実際、ある研究では、プラムにはネクタリンや桃などの一般的なフルーツに比べて、2倍近いポリフェノール抗酸化物質が含まれていると報告されています。(参考)
多くの基礎研究や動物研究では、プラムやプルーンに含まれるポリフェノールの強力な抗酸化作用が示されており、他の病気につながるような、細胞への障害も防ぐ能力もあると考えられています。(参考1, 参考2, 参考3)
ある試験管内の基礎研究では、プルーンのポリフェノールが関節疾患や肺疾患に関連する炎症マーカーを顕著に低下させたと報告しています。(参考1, 参考2)
アンソシアニンは特徴的なポリフェノールで、プラムとプルーンに含まれる最も強力な抗酸化物質の1つです。アンソシアニンには、心疾患や癌などのリスク減少に対する、強力な効能があるかもしれません。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4)
これらの研究結果には期待が持てるものの、今後のさらなる人を対象とした研究は必要でしょう。
Point:プラムとプルーンは、炎症を減少させ、重篤な慢性疾患のリスクを軽減させる可能性がある、ポリフェノール抗酸化物質を多く含みます。
4. 血糖低下作用
プラムには、血糖を改善する効果があるかもしれません。
プラムやプルーンには、炭水化物が多く含まれている一方で、摂取後の血糖が上がりにくいことが知られています。(参考1, 参考2)
これは、アディポネクチンと呼ばれる、血糖の上昇を抑えるホルモンを上昇させることに関連していると考えられています。(参考)
さらに、プラムに含まれている食物繊維も部分的に血糖上昇を抑制する効果を発揮しているかもしれません。
食物繊維は、食事で摂取された炭水化物の吸収を抑制し、血糖を急上昇ではなく、徐々に上昇させる効果があると考えられています。(参考1, 参考2)
そして、プラムやプルーンのようなフルーツを摂取することが、2型糖尿病のリスク減少につながることも知られています。(参考)
しかし、プルーンはカロリーが高く、食べ過ぎに繋がりやすいので、摂取する際には量に注意しましょう。一般的に摂取量は、1/4-1/2カップ(44-87グラム)程度が望ましいとされています。
Point:プラムとプルーンには、多くの食物繊維が含まれており、血糖コントロールに関わるアディポネクチンを増加させると考えられています。これらの効能が、人の血糖値の改善につながるとされています。
5. 骨の健康に対する効能
プルーンには、骨の健康改善の効果があるかもしれません。
ある研究では、プルーンの摂取が、骨密度の減少に特徴付けられる、骨粗鬆症や骨減少症などの骨を弱くする疾患のリスクを減少させる可能性が示唆されています。(参考)
プルーンは、骨の減少に予防的に働くだけでなく、すでに起きてしまった骨の減少に対しても治療的に働く可能性が示唆されています。(参考)
プルーンに、なぜこのような骨への効能があるのかはわかっていません。しかし、プルーンに含まれている抗酸化物質による炎症抑制が、この作用に関わっていると見られています。(参考1, 参考2, 参考3)
さらに、ある研究ではプルーンの摂取は、骨の形成に関わる特定のホルモン値を上昇させる可能性があるとも報告されています。(参考)
プルーンには、ビタミンK、リン、マグネシウム、カリウムなど、骨に保護的な効果があると考えられるビタミンやミネラルが複数含まれています。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4)
これらの効能にはかなり期待が持てますが、ほとんどのプルーンや骨の健康に関するデータは、動物を対象とした研究や試験管内の基礎研究によるものであることには注意が必要でしょう。
しかし、プルーンの摂取と骨の健康の関連性については、有効性を示した人を対象とした研究が限られている現状があります。それでも、他のフルーツに比較すると、プルーンは骨の減量を予防したり、減少した骨を改善する効果が期待されています。(参考)
Point:プルーンには、骨粗鬆症などのリスク軽減につながると考えられている、骨量減量を予防したり、骨量を改善する効果が期待されています。
6. 心臓の健康への効果
プラムとプルーンを定期的に摂取することで、心臓の健康に対して良い効果があるかもしれません。
プラムとプルーンは、心疾患の主要なリスク因子である、血圧の低下やコレステロールの低下作用が期待されています。
ある研究では、8週間にわたってプルーンジュースと3-6個のプルーンを毎朝摂取した人を、水以外は何も摂取しなかった人と比較しました。(参考)
この研究では、プルーンとプルーンジュースを摂取していた人において、有意に血圧低下とLDL(悪玉)コレステロール低下作用が認められました。(参考)
他の研究でも、高コレステロール血症の患者さんに、8週間にわたって毎日12個のプルーンを摂取してもらったところ、LDLコレステロール値の低下が認められたとしています。(参考)
この他にも、複数の動物を対象とした研究で、同様の効果が報告されています。
一般的に、プラム粉末やプラムジュースを摂取したマウスにおいては、コレステロール値の低下とHDL(善玉)コレステロールの増加が認められたとされています。しかし、現時点では、これらの結果は人には適用できません。(参考1, 参考2)
プラムとプルーンが持つ、心臓の健康への効能は、多く含まれている食物繊維、カリウム、抗酸化物質などの成分によると考えられています。(参考1, 参考2)
これらの結果には期待が持てますが、プラムとプルーンの心臓への効果については、今後さらに人を対象とした研究が必要です。
Point:プラムとプルーンには、血圧の低下とコレステロール値の低下などを介して、心臓の健康を促進する可能性があります。
7. 摂取が簡単
プラムやプルーンは手に入りやすく、日々の食事に加えることも簡単です。
プラムやプルーンは、そのままでも摂取できますが、スムージー、サラダ、以下に挙げるようなレシピのメニューも作ることもできます。
- ホウレンソウ・バジル・プラムのサラダ
- シナモン・プラムスームージー
- チキンの炙り焼きとプラムのパスタサラダ
- プラムとアボカドのサマーサラダ
- プルーン・オレンジ・フェンネル・オニオンのサラダ
他にも、プルーンは、ジュースにして摂取されたり、このレシピのようにシチューとして煮ることで調理されます。
Point:プラムとプルーンは簡単に食卓に加えることができます。プラムとプルーンは多くの方法で調理が可能で、色々なレシピに使用することができます。
まとめ
プラムは、とても栄養価が高いフルーツです。プラムもプルーンも、ビタミンとミネラル、そして食物繊維や抗酸化物質などの、素晴らしい供給源です。
さらに、骨粗鬆症、癌、心疾患、糖尿病などの重篤な慢性疾患のリスクを軽減させる可能性も持っています。
そして、味もよく、食材として使用する際にほとんど調理も不要なので、日々の食材に容易に加えることができるでしょう。
Powered by Froala Editor