ビタミンB2(リボフラビン)とは?
ビタミンB2、又の名をリボフラビンとも呼ばれる成分は、8つあるビタミンB群のうちの1つで、人間の健康に欠かせない栄養素です。
穀物、植物、乳製品などに含まれており、食事に含まれる成分の分解、他の栄養素の吸入、人体の組織の維持などに欠かせません。
ビタミンB2は水溶性のビタミンで、水分に溶け込みます。
全てのビタミンは水溶性もしくは脂溶性です。
水溶性のビタミンは血流に溶け込んで全身に運搬され、不必要な分は尿と一緒に体外へ排泄されます。
人体の中でのビタミンB2の貯蓄量は少なく欠乏しやすいので、人はビタミンB2を毎日摂取し続ける必要があります。
リボフラビンは、自然に特定の食材の中には存在する他、他の食材にも添加されたり、サプリメントなどとしても摂取されることがあります。
そして、そのほとんどが小腸から吸収されます。
ビタミンB2(リボフラビン)の役割
ビタミンB2はタンパク質、脂質、炭水化物を分解するのに役立ち、体のエネルギー供給を維持するのに重要な役割を果たします。
リボフラビンは炭水化物をアデノシン三リン酸(ATP)に変換します。
人の体では、このアデノシン三リン酸(ATP)は食事から作られ、作られたアデノシン三リン酸(ATP)は人の体が必要とするエネルギーを生み出します。
アデノシン三リン酸(ATP)の化合物は筋肉の中にエネルギーを貯蓄するために不可欠です。
ビタミンAとともに、ビタミンB群も以下の機能のために不可欠です。
- 消化システムの粘膜を維持する
- 健康な肝臓を維持する
- トリプトファンをナイアシンと呼ばれるアミノ酸に変換する
- 眼球、神経、筋肉、皮膚などを健康な状態に保つ
- 鉄、葉酸、ビタミンB1、ビタミンB3、ビタミンB6などの吸収と活性化
- 副腎でのホルモン産生
- 白内障の予防
- 胎児の発達(ビタミン欠乏症が頻度の高い地域では特に重要)
ある研究では、ビタミンB2が白内障や偏頭痛を予防したとの報告もありますが、結果の裏付けのためにはさらなる研究が必要です。
他の研究でも、自閉症の小児において、ビタミンB2、B6とマグネシウムのサプリメントが、尿中の異常な有機酸の量を減少させたとも報告がされています。
ビタミンB2(リボフラビン)の供給源
ビタミンB2は多くの食材に含まれています。
ビタミンB2を含む食材には以下の様なものがあります。
- 七面鳥などを含めた鶏肉、牛肉、その他にも腎臓や肝臓などの動物の臓器
- 卵
- 乳製品
- アスパラガス
- チョウセンアザミ(アーティチョーク)
- アボカド
- 唐辛子
- 干しぶどう
- 栄養の付加された穀物
- 昆布
- きのこ
- ナッツ類
- パセリ
- 南瓜
- ローズヒップ
- セイジ
- サツマイモ
- アブラナ科野菜のブロッコリー、芽キャベツ、ほうれん草、たんぽぽ、クレソン
- 全粒のパン、ビタミンが付加されたパン、小麦ふすま
- 酵母菌の抽出液
また、ビタミンB2は水溶性なので調理で成分が失われてしまいます。煮て調理してしまうと、蒸したりレンジをかけたりする調理方法の2倍ほどもビタミンB2が失われてしまいます。
ビタミンB2はどのくらい必要なのか?
オレゴン州立大学の発表によると、推奨されるビタミンB2の摂取量は、19歳以上の男性で1日1.3mg、女性で1日1.1mgとされています。妊娠中の場合には1日1.4mg、授乳中の場合には1日1.6mgの摂取が推奨されます。
ビタミンB2欠乏症
ビタミンB2が絶えず体外へ排泄されて体内に貯蓄されてないため、ビタミンB2欠乏症のリスクは、食事量が不足していると高くなります。
ビタミンB2が欠乏している人においては、通常他のビタミンも欠乏していることが多いです。
一般的には、ビタミンB2(リボフラビン欠乏症)には2つのタイプがあるとされています
- 1次性ビタミンB2(リボフラビン)欠乏症は、食事中のビタミンB2(リボフラビン)が少ない時に起こります。
- 2次性のビタミンB2(リボフラビン)欠乏症は、他に原因があって起きる病態のことで、ビタミンを正常に吸収できなかったり、体内での利用が障害されていたり、体外への排泄が過剰であったりしておきます。
ビタミンB2(リボフラビン)欠乏症はアリボフラビノーシスとも呼ばれます。
ビタミンB2(リボフラビン)欠乏症の症状は以下の様なものがあります。
- 口腔の潰瘍
- 口角炎、または口角部のひび割れ
- 唇のひび割れ
- 皮膚乾燥症
- 口の縁部分の炎症
- 口腔の潰瘍
- 唇の赤み
- 喉の痛み
- 睾丸の皮膚炎
- 粘膜のむくみ
- 鉄欠乏性貧血
- 目の光への過敏症状と痒み、充血など
特に、過量のアルコールを摂取する人は、ビタミンB欠乏症のリスクが高くなります。
ビタミンB2のリスク
一般的には、ビタミンB2は安全な栄養素と考えられています。
過剰摂取は起きにくく、人の体は27mgまでのリボフラビンの摂取であれば問題なく過剰分を尿へ排泄できると考えられています。
しかしながら、どの様なサプリメントを始める時にも、すでに内服している薬剤との相互作用の可能性から、担当の医師と相談することが大切です。
ビタミンB2は、抗コリン作用のある薬剤や、テトラサイクリンなどの抗菌薬などの薬剤との相互作用が考えられます。
しばしば、医師は処方している薬剤が食事からのビタミンB2(リボフラビン)を阻害する場合には、サプリメントの追加での摂取を勧めることがあるかもしれません。
ビタミンB2(リボフラビン)との相互作用を起こす可能性のある薬剤は以下の様です。
- 三環系抗うつ薬(イミプラミンやトフラニールなど)
- 一部の向精神薬(クロルプロマジンやソラジンなど)
- 癌や関節リウマチなどの自己免疫疾患で使用されるメトトレキサート
- てんかんなどで使用されるフェニトイン、ダイレンチン
- 痛風に対するプロベネシド
- 利尿薬であるサイアザイド
癌治療で使用されるドキソルビシンなどは、リボフラビンの濃度を低下させる他、リボフラビン自体がドキソルビシンの効果に影響するかもしれないと考えられています。
メリルランド大学医療センターの発表では、高用量のビタミンB2は皮膚の痒み、痺れ、ビリビリした異常感覚、黄色/オレンジ色の尿、光過敏などにつながる可能性が報告されています。
ビタミンBの異常を防ぐためには、必要時のビタミンB群の混合サプリメントの使用が勧められています。
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