はじめに
食物繊維は私たちの健康にたくさんの影響を与えます。腸内細菌から体重減少まで、それは健康的な食事のベースだと考えられています。ほとんどの人は食物繊維について非常に基本的な理解だけをしており、食物繊維をすべてひとくくりにまとめてしまっているような気がします。
しかし、実際すべての食物繊維が同じように作られているわけではありません。いくつかの食物繊維は私たちの体に非常に有益ですが、ある種の食物繊維については 個人差はありますが消化器系の問題を引き起こす可能性があります。
この記事では、さまざまな種類の食物繊維について知っておくべき点についてお話していきます。
食物繊維とは?
食物繊維とは、人間が消化できない多様な炭水化物群を指します。それらを分解するために必要な消化酵素が不足しているため、ほとんどの食物繊維は消化器系をそのまま通過します。
推奨摂取量は男性で38g、女性で25gです。
ただし、ほとんどの人はその半分、つまり1日あたり15〜17gしか摂取していません。(参考1、参考2)
食物繊維は、野菜、果物、マメ科植物、全粒穀物、ナッツ、種子などの植物性食品に多く含まれています。(参考)
そして実際、食物には非常に多様な種類の食物繊維が含まれています。
ここで問題は、それらがそれぞれ異なる方法で分類されていることでありこれは非常に複雑です。
食物繊維は正式に2つの主要なタイプに分類されます。(参考)
- 食物繊維:食物に自然に含まれる繊維。
- 機能性食物繊維:全食品から抽出および分離され、加工食品に添加される食物繊維。
しかし、この方法で食物繊維を分類することには大きな問題があります。そして私たちの健康への影響については全く言及されていません。人気のある代替方法は、その溶解度(可溶性と不溶性)、粘度(粘性と非粘性)および発酵性(発酵性と非発酵性)に基づいて食物繊維を分類することです。
それから、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)と呼ばれる別の種類があり、それはしばしば食物繊維として分類されます。
Point:食物繊維は、植物性食品に自然に含まれる難消化性炭水化物です。多くの場合は食事(自然に摂取)または機能的(添加による摂取)に分類されます。
可溶性食物繊維と不溶性食物繊維
食物繊維の溶解度は、水に溶解する程度を指します。
これに基づいて食物繊維は多くの場合、可溶性または不溶性のいずれかに分類されています。
- 可溶性食物繊維:腸内で水と混ざり合い、ゲル状の物質を形成します。血糖スパイク(食後の短時間に血糖値が急上昇しまた正常値に戻ること)を減らすことができ、さまざまな健康上の利点があります。(参考)
- 不溶性食物繊維:水と混合せず、ほとんどがそのままの状態で消化器系を通過します。 主な機能として、腸内の食物や老廃物の通過を促します。(参考)
可溶性食物繊維には主にガム、ペクチン、オオバコ、ベータグルカンなどが含まれており、不溶性食物繊維にはリグニンとセルロースが含まれます。そしてまた植物性食品によって可溶性食物繊維と不溶性食物繊維の割合は異なります。
Point:多くの場合、食物繊維は水に溶ける能力に基づいて分類されます。可溶性食物繊維には代謝の健康にさまざまな利点があり、不溶性食物繊維は主に腸内の老廃物排出を促します。
発酵性食物繊維
推定100兆個の生きた細菌が人間の腸、主に大腸に存在します。(参考)
これらのバクテリアは、実際に私たちの健康を維持するのにとても重要です。これらは体重管理、血糖値のコントロール、免疫、脳機能、メンタルヘルスなどさまざまな側面で役割を果たします。(参考1、参考2、参考3、参考4、参考5、参考6)
これらは非常に重要であるため「忘れられた器官」と呼ばれることがよくあります。(参考)
人間は食物繊維を消化できないので、ほとんどがそのまま変わらずに大腸に到達します。
ここで発酵性食物繊維の出番です。これは善良な腸内細菌が消化剤(発酵)として使用される食物繊維です。(参考) これにより善良な腸内細菌の数とバランスが向上し、多くの健康上の利点を持つ短鎖脂肪酸も生成されます。(参考)
ほとんどの発酵性食物繊維は可溶性ですが、このように機能する不溶性繊維もいくつかあります。
発酵性食物繊維には、ペクチン、ベータグルカン、グアーガム、イヌリンおよびオリゴフルクトースが含まれます。
発酵性食物繊維の最高のホールフード源は、豆と豆果(マメ科の植物)です。 1日当たり1カップの量を摂取することで、推奨される食物繊維摂取量の最大半分を摂取することができます。
とはいえ、食物繊維発酵の副産物の1つはガスです。これは特に私たちが多くの食物繊維を食べることに慣れていない場合、発酵性食物繊維を多く含む食物が鼓腸と胃の不快感を引き起こします。
Point:発酵性食物繊維は消化され、腸内の友好的な細菌によって消化されます。これは、健康にたくさんの有益な効果をもたらす可能性があります。
難消化性でんぷん
でんぷんは、炭水化物のメインとなる種類です。それらは、ジャガイモ、穀物、その他多くの食品に含まれるグルコース分子により形成されています。一部のでんぷんは実際に消化に耐性があるため、そのままの状態で消化器官を通過します。このタイプのでんぷんは難消化性でんぷんと呼ばれ、腸内の発酵性食物繊維のように機能します。(参考)
難消化性でんぷんには、多くの側面で私たちの健康をサポートしてくれています。消化器官の環境改善、インスリンに対する感受性を高め、血糖値を下げ、食欲を大幅に減らします。(参考1、参考2、参考3、参考4、参考5)
緑のバナナ、さまざまなマメ科植物、カシューナッツ、オート麦など、難消化性でんぷんの優れた食物源がいくつかあります。(参考)
さらに特定のでんぷん質のある食品は、調理後に冷却すると大量の難消化性でんぷんを形成する傾向があります。特に白いジャガイモと白いご飯が含まれます。生のジャガイモのでんぷんもレジスタントスターチが非常に多く含まれており、サプリメントとして摂取する方もいます。
Point:難消化性でんぷんは、消化されにくいでんぷんの一種です。可溶性である発酵性食物繊維のように機能し、多くの側面で私たちの健康をサポートしてくれています。
ユニークな食物繊維
いくつかの食物繊維はある特定の健康への影響があり、注目する価値があります。
フルクタン
フルクタンは、フルクトースが結合してできる高分子多糖として知られています。
主なフルクタンの種類は、オリゴフルクトースとイヌリンです。これらは腸内の友好的な細菌の維持をサポートし、特定の下痢の治療に役立つことが分かっています。(参考)
しかし、フルクタンは多くの人々にとって消化器系の問題を引き起こすことが知られている炭水化物の種類であるFODMAPにも分類されます。(参考)
実際、フルクタンおよび他のFODMAPは、一般的な消化器官疾患である過敏性腸症候群の4人中3人の割合で、ある種の症状を引き起こしいます。(参考)
現代の食事におけるフルクタンの最大の供給源は小麦です。(参考)
β-グルカン
β-グルカンの健康上の利点は多く伝えられています。これらの食物繊維は、腸内で非常に粘性の高い特定の分子構造を持っています。
β-グルカンは、インスリンに対する感受性を改善し、血糖値を下げる作用があります。またコレステロール値を大幅に低下させ、満腹感を高めることができます。(参考)
β-グルカの主な食料源は、オート麦と大麦です。
グルコマンナン
グルコマンナンは、減量サプリメントとして一般的に販売されている粘性食物繊維です。数多くの研究により、グルコマンナンが軽度の体重減少を引き起こし、便秘改善、心臓病の危険因子を改善することがわかっています。(参考1、参考2、参考3、参考4)
Point:フルクタンは、一部の人では消化不良の症状を引き起こす可能性のある食物繊維です。β-グルカンとグルコマンナンは、健康に非常に良い可溶性の粘性食物繊維です。
まとめ
溶けやすく、粘性があり、発酵可能な食物繊維は、私たちの健康に大きく貢献してくれる存在です。また難消化性でんぷんも同様です。健康的な食物繊維の摂取方法は、野菜、果物、オート麦、マメ科植物、ナッツ、ダークチョコレート、アボカド、チアシード、その他のさまざまな食品があります。
しかし、特定の食品にこだわる必要はありません。実際たくさんの植物性食物を摂取している場合、十分にその効果は発揮されていることでしょう。
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