脳機能を高める方法は?記憶・集中力を上げる可能性のある成分を解説

Written by alloeh編集部

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脳は、我々人間の身体のなかでも特に重要な役割を果たしている器官だ。

仕事や勉強をはじめ、ここぞという場面のために機能をサポートすることはもちろんのこと、全身のコンディションを整えるときでもまずは脳の機能を改善することが重要になる、

脳はパートによってその活動が大きく異なるため、機能や健康の改善を行うためには、集中力や記憶力といった、それぞれの活動とそれを司る部分に最適な成分を活用することが重要となる。

この記事では、特に脳機能の改善に役立つかもしれない食品とその成分を、科学的知見に立った最新のエビデンスをもとに解説していく。


記憶力や集中力を高めるかもしれない10の食品

1. フィッシュオイル(オメガ3脂肪酸)


脳機能、特に認知機能の改善に有用な成分として筆頭に上がることが多いのがフィッシュオイルだ。

フィッシュオイルの供給源としては代表的なところでサケやマス、イワシなどがあり、これらの食材はどれも豊富にオメガ3脂肪酸を含んでいる。

実は人間の脳はおよそ60%以上が脂肪からできており、さらにその脂肪の半分がオメガ3系となっている。(参考

脳の大半を組成し機能させるオメガ3脂肪酸を適当に活用することが、学習や記憶におけるパフォーマンスを正常に発揮するためには不可欠である。(参考1, 参考2

また、このようにベースラインの機能を正常化するだけでなく、オメガ3には脳機能に関連して他にもいくつかのメリットがあるとされている。

まず、加齢にともなう認知機能の劣化を軽減し、アルツハイマーの発症率を低減するというものだ。この作用は多くの研究で示唆されており、反対にオメガ3が不足することが学習障害やうつ病の原因となるとも考えられている。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4, 参考5

他に、日常的に魚を摂取している(オメガ3の摂取量が多い)人々は、脳内の灰白質が多いことが分かっている。この灰白質とは中枢神経系の神経組織のうち特に神経細胞の細胞体が存在している部位で、人間の意思決定や記憶、感情などを制御する細胞のほとんどがここに含まれている。(参考

脳の主要な構成要素であり、記憶力・気分の改善・劣化からの保護など多くの役割を果たしているオメガ3脂肪酸は、脳の健康を考慮するにあたって非常に重要な成分であると言える。

2. コーヒー(カフェイン)


脳機能に関わらず、現在の科学においてコーヒーを日常的に摂取することは、さまざまな観点から好ましい習慣であるとされている。

特に、コーヒーに含まれるカフェインと抗酸化物質は、脳の活動に対して好ましい影響を与える可能性が大きい。

コーヒーが脳機能に与えるポジティブな影響としては大きく3つ挙げられる。

まずは覚醒状態の維持に関する効果。コーヒーに含まれるカフェインは、眠気の原因となるアデノシンをブロックすることで、覚醒状態に維持することが分かっている。(参考1, 参考2, 参考3

次に、気分の改善の作用。カフェインには、抗うつ薬の作用機序と同様にドーパミン・セロトニン・ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の産生を向上させる作用が確認されている。そのため、軽度の抗うつ作用・気分の改善に対しての効果が期待できる。(参考

3つめが、集中力の強化。いくつかの研究では、コーヒーを摂取する人が他の参加者と比較してより集中力を維持しやすいことが確認されている。(参考

また、これらの主要な3つの効果以外にも、長期的なコーヒーの摂取がパーキンソン病やアルツハイマー病などの発症リスクの低減に役立つ可能性があるとも示唆されている。(参考

これらの包括的な効果はカフェイン単体によるものだけではなく、部分的にはコーヒーに含まれる他の抗酸化物質によるものであると考えられている。(参考

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3. 緑茶(Lテアニン)


コーヒーと同様、緑茶もカフェインが脳機能に対してポジティブな影響力を持っており、実際に注意力やパフォーマンス、記憶力、集中力など、多くの点での改善効果が認められている。(参考

ただし、緑茶の場合はカフェインだけではなく、他にも脳に影響を与える成分が含まれている。

その中で代表的なものが、Lテアニンである。Lテアニンは、血液脳関門を通過して神経伝達物質であるGABA(ギャバ)の活性を高める効果をもつアミノ酸であり、これにより不安感の軽減やリラックス作用をもたらすことが分かっている。(参考1, 参考2, 参考3

さらに、Lテアニンは脳内のα波の発生を増加させるため、疲労感を与えることなくリラックスが可能な点も特長である。(参考

カフェインによる刺激効果を打ち消す作用には注目が集まっている。あるレビューでは、Lテアニンをカフェインと同時に用いることで、カフェインの副作用(不安感、落ち着きのなさなど)を抑える効果が示唆されている。(参考

他にも緑茶には、脳を保護してアルツハイマー病やパーキンソン病のリスクを軽減する可能性のあるポリフェノールや抗酸化物質が豊富に含まれている。(参考1, 参考2

また、認知機能(特に記憶力)に対しての効果に関しても効果が示唆されている。(参考

緑茶そのものを日常的に摂取することで様々な恩恵を受けられる可能性があるのはもちろん、コーヒーを摂取するのが習慣化しているが落ち着きのなさや不安感を感じている場合、同時にLテアニンのサプリメントを摂取することで、それらの副作用を抑制することができる可能性がある。

4. ブルーベリー(アントシアニン)


ブルーベリーは、脳の活動に対して特化した多くの成分を含んでいる。

特にブルーベリー(とそれに類似する他の濃色のベリー)は、抗炎症作用・抗酸化作用に関わるアントシアニンを含有しているため、これが脳の健康状態の維持に役立つと考えられている。より具体的には、脳の炎症や老化などの低減に関する効果が期待されている。(参考

また、ブルーベリーに含有される抗酸化物質の内いくつかは、脳に蓄積されて脳細胞間の伝達の改善に役立つことが分かっている。(参考1, 参考2, 参考3

さらに、動物実験(ヒト実験ではないことに注意が必要)においては、記憶の改善への効果も示唆されており、今後ヒトにおいても記憶力の改善に関する効果が明らかになるかもしれない。(参考1, 参考2, 参考3

ブルーベリーは間食やスムージーなどの形で簡単に生活に取り入れやすいため、脳の機能改善としては特に活用しやすい食材であると言える。

5. ウコン(クルクミン)


ウコンは脳機能に関して近年特に注目が集まっている食材のひとつだ。

ウコンに含まれるクルクミンは血液脳関門(「血液」と「脳をはじめとする中枢神経系の組織液」との間の物質交換を制限する部位)を通過可能な物質であり、脳に対してダイレクトに働きかけることが可能である。(参考

ここでの働きとして注目されているものは主に3つある。

まずは、記憶力に関する効果。実験により、クルクミンがアルツハイマー病の人に対して有用であるとの可能性が示されている。また同時に、アルツハイマー病に対する改善効果の可能性も示唆されている。(参考1, 参考2

次に、うつ病に対する効果も期待されている。これは、クルクミンがセロトニンやドーパミンの量を高め、気分の改善を促す効果があると考えられているためである。(参考1, 参考2

3つ目に、クルクミンには脳細胞の成長を助ける効果も期待されている。これは、脳細胞の成長を助ける成長ホルモンの一種である脳由来神経栄養因子がクルクミンによって高められるためであると考えられている。(参考

ウコンとそれに含まれるクルクミンは抗炎症・抗酸化の観点から、脳のパフォーマンスを整える効果が期待できると言える。

6. ブロッコリー(ビタミンK)


ブロッコリーは、多くの抗酸化物質を含むことで知られる植物で、そのため脳機能に関して有用な食材として取り上げられることも多い。

特にビタミンKの含有量が多く、91グラムのブロッコリーで1日の推奨摂取量以上を摂取することができるとされている。(参考

脂溶性ビタミンであるビタミンKは、脳内に含まれるスフィンゴ脂質を形成するために不可欠な成分である。

特に、高齢者を対象としたいくつかの研究では、ビタミンKの摂取量が多いほど記憶力が向上するとの結果が示されている。(参考1, 参考2

ブロッコリーに含まれるビタミンKをはじめとする抗炎症・抗酸化物質を活用することで、脳機能を健全に保つことができる可能性があると考えられる。

7. ナッツ(ビタミンE・マグネシウム ・亜鉛・銅・鉄)


ナッツには、フリーラジカルによる損傷から脳を保護する抗酸化物質や、ビタミン(特にビタミンE)が多く含まれている。また、亜鉛やマグネシウム 、銅、鉄といったミネラルを豊富に含有しており、これらの栄養素がそれぞれ脳に対してポジティブな影響を与えるものとなっている。

ビタミンEは、脳の細胞膜をフリーラジカルによる損傷から保護する作用が確認されている。(参考1, 参考2

亜鉛は、神経伝達物質に対して重要な役割を担っている。亜鉛が欠乏すると、アルツハイマー病やうつ病をはじめとする、多くの疾患の原因となるとされている。(参考1, 参考2

マグネシウムに関しては、脳の学習や記憶に関して不可欠な成分と考えられている。そのため、脳機能を維持したい場合には特に意識して摂取したい成分のひとつである。(参考

は、脳の神経信号に関して重要な役割を担っている。そのため、銅もマグネシウム と並んで非常に重要な成分として考えられている。(参考

は、欠乏することで脳機能の障害を招き、活動に悪影響を及ぼすとされている。(参考

このように、亜鉛・マグネシウム ・銅・鉄はそれぞれ欠乏することで脳機能に対して悪影響を及ぼしている。

このように、ビタミンやミネラル、さらにその他抗酸化物質や脂肪などが多角的に影響を与えるために、脳に対して好ましい影響を与える食品であるとされている。(参考1, 参考2

このように脳へのポジティブな効果はほとんどのナッツから得ることができるが、アーモンドはビタミンEの含有量が特に多いため、脳の保護作用は得やすいと考えられている。また、クルミは同時にオメガ3脂肪酸も含有しており、さらにオメガ6とのバランスも良いため、さらなる効果が期待できる可能性がある。(参考

ちなみにクルミは、脳機能以外に脂質代謝などの効果が期待される食品でもある。1,059人分のデータを対象としてハーバード医科大学が実施したメタ分析の結果によれば、毎日30gのクルミを摂取するとコレステロールや悪玉コレステロール、中性脂肪が減少することが分かっている。脳機能と脂質代謝の両方を改善可能なポテンシャルの高い食材として、普段の食事に取り入れても良いかもしれない。

8. ダークチョコレート(フラボノイド)


ダークチョコレートやココアパウダーなどには、フラボノイドやカフェイン、その他抗酸化物質など、脳に影響を与える物質が多く含まれている。

チョコレートに関しては特にフラボノイドの効果に注目が集まっている。これは、フラボノイドが摂取後に脳の学習や記憶に関係する部位に集まる傾向にあるためだ。研究者は、これが記憶力を高め、同時に加齢による認知機能の劣化を遅らせるのでないかと考えている。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4

また、900人以上を対象とした実験では、チョコレートを日常的に摂取する人は、そうでない人よりも記憶能力に関連するタスクでより良いパフォーマンスを残したと示されている。(参考

さらに、チョコレートには気分を改善する作用もあるとされている。

これを示す結果として、ある研究ではチョコレートを食べた参加者は肯定的な感情が増加することが確認されている。(参考

ただし、気分改善作用に関しては、チョコレートに含有される成分によるものなのか、あるいは単にそのフレーバーが人々の感情を高揚させただけなのかは疑問とされている。(参考

いずれにせよ、カカオマスを多く含有したダークチョコレートは、脳の機能改善や気分の向上に関係していると考えられている。

9. 卵(ビタミンB・葉酸・コリン)




卵は、ビタミンB6およびビタミン12、葉酸、コリンなど、脳の活動に関係するいくつかの栄養素が含まれていることから、脳機能に関して重要な供給源であると考えられている。

特にコリンは、気分や記憶に関して重要な役割を果たすアセチルコリンの産生元となるため、脳の活動には欠かせないと考えられている。(参考1, 参考2

また、コリンの摂取量が多いほど記憶力や認知機能が向上するとの見解を示す研究もある。(参考1, 参考2

ビタミンBや葉酸は脳の認知機能や抗うつ作用に関係していると考えられており、特に双方が不足しているときにはうつ病のリスクが高まるとも考えられている。(参考1, 参考2

コリンに関しては多くの人が慢性的に不足傾向にあると考えられているため、意識的に摂取することで脳機能の改善を見込むことができる可能性がある。

ただし、ここで紹介したエビデンスをはじめとして多くの研究では、卵ではなく個別の成分を対象とした実験を行っているため、卵の摂取と脳機能の改善に直接の関係が確認されているわけではない点に注意が必要だ。

より明確な効果を得たい場合、サプリメントなどでピンポイントに成分を摂取した方が良いかもしれない。

10. チーズ(チロシン)


チーズやその他動物性食品に含まれるチロシンは、ドーパミンやアドレナリン、ノルアドレナリンなど、脳において重要ないくつかの物質の産生に関わっている。

特に、ドーパミンは記憶力に関係するため、チロシンを摂取することで効果が期待でき可能性がある。(参考

また、アドレナリンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が増加することで、ストレスが多い状況下での記憶力やパフォーマンスが改善される可能性があると考えられている。(参考

実際に、精神的なストレス負荷が大きい作業を行う際に、チロシンを摂取したグループはワーキングメモリ(集中力などに大きな影響を及ぼす)の働きが著しく改善したことが確認されている。(参考

他にも、チロシンがタスクや思考を切り替える際に有効に作用することを示唆する実験も存在している。(参考

チロシンを摂取する際には、食品はもちろんのこと、サプリメントの使用も有効である。特に、チロシンをアセチル化して吸収力を向上させた「NアセチルLチロシン」を含むサプリメントは、効果実感が比較的得られやすい。

最後に

ここで紹介した食品とそれに含まれる成分は脳を健康に保ち、脳機能を改善するのに役立つ効果が期待できる。

食事として摂取することはもちろん、サプリメントも活用しながら戦略的にパフォーマンスをコントロールしていきたい。

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この記事の監修者

専門家

サプリメントインストラクター
alloeh編集部

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