はじめに
ブロッコリー(ブラッシカ・オレラセア)は、キャベツ、ケール、カリフラワー、芽キャベツと同族のアブラナ科の野菜です。
これらの野菜は健康にとても良いことでよく知られています。
ブロッコリーは、食物繊維、ビタミンC、ビタミンK、鉄、カリウムなど多くの栄養素が豊富に服慣れています。 また、どの野菜より多くのたんぱく質を含んでいます。
この緑黄色野菜は生でも調理済みでも楽しめますが、最近の研究では柔らかく蒸す方法が最も健康に良いと示されています(参考1、参考2)。
この記事では、ブロッコリーについて知っておくべきことをすべてご紹介します。
ブロッコリーに含まれる栄養
生のブロッコリーの約90%は水分で、7%の炭水化物、3%のたんぱく質が含まれ、脂肪はほとんど含まれていません。
ブロッコリーはとてもローカロリーで、1カップあたりたったの31 kcal(91 g)です。
生のブロッコリー1カップ(91 g)の栄養成分は次のとおりです(参考)。
- カロリー:31 kcal
- 水:89%
- たんぱく質:2.5 g
- 炭水化物:6 g
- 糖:1.5 g
- 食物繊維:2.4 g
- 脂肪:0.4 g
炭水化物
ブロッコリーの炭水化物は、主に食物繊維と糖で成り立っています。
糖はフルクトース、グルコース、スクロースで、少量のラクトースとマルトースも含まれています(参考)。
ただし、総炭水化物量は非常に低く、1カップ(91g)あたり消化するのはわずか3.5 gです。
食物繊維
食物繊維は健康的な食事における重要な部分を占めています。
腸の健康を促進し、さまざまな病気を予防し、体重の減量を助けます(参考1、参考2)。
生のブロッコリー1カップ(91グラム)には2.3 gの食物繊維が含まれています。これは、一日摂取量(DV)の約5〜10%です(参考)。
Point: ブロッコリーは消化可能な炭水化物が少なく、多くの食物繊維を含んでおり、腸の健康を促進し、さまざまな病気のリスクを減らすことができます。
タンパク質
タンパク質は、成長と健康維持の両方に必要な体の構成要素です。
ブロッコリーはタンパク質が比較的多く、他の野菜に比べてもドライウェイト(乾燥した状態での重量)の29%を占めています。
ただし水分量が多いため、ブロッコリー1カップ(91 g)にはたった3 gのタンパク質しか含まれていません。
Point: ブロッコリーはタンパク質が多い野菜です。 しかし一人前に換算すると、タンパク質の量は比較的少ないと言えます。
ビタミン&ミネラル
ブロッコリーには、以下を含むさまざまなビタミンとミネラルが含まれています(参考1、 参考2、参考3、参考4、参考5、参考6)
- ビタミンC:抗酸化物質であり、免疫機能と皮膚の健康に重要なものです。生のブロッコリーの1/2カップ(45 g)を摂ると、一日摂取量(DV)のほぼ70%を満たします。
- ビタミンK1:ブロッコリーには多くのビタミンK1が含まれていますが、これは血液凝固に重要であり、骨の健康を促進する可能性があります。
- 葉酸(ビタミンB9):妊婦にとって特に重要なのが、胎児の正常な組織の成長と細胞機能に必須である葉酸です。
- カリウム:必須ミネラルであるカリウムは、血圧の管理と心臓病の予防に役立ちます。
- マンガン:この微量の元素は、全粒粉、マメ科の植物、果物、野菜に多く含まれています。
- 鉄:必須ミネラルである鉄は、赤血球内の酸素の輸送など、体内で多くの重要な機能を果たしています。
ブロッコリーには、他にも多くのビタミンやミネラルが少量含まれています。実際、人間が必要とするほとんどすべての栄養素を少しずつ提供しています。
Point: ブロッコリーは、葉酸、カリウム、マンガン、鉄、ビタミンCおよびK1を含む多くのビタミンとミネラルが豊富です。
食物性化合物
ブロッコリーには、さまざまな抗酸化物質や食物性化合物が豊富に含まれており、健康上のメリットに貢献しています。これらには、(参考1、参考2、参考3、参考4、参考5、参考6、参考7)
- スルフォラファン:ブロッコリーで最も盛んに研究されている食物性化合物の1つであるスルフォラファンは、さまざまな種類のがんから保護する可能性があります。
- インドール-3-カルビノール:アブラナ科の野菜に含まれる独特な栄養素であるこの化合物は、がんとの闘いに役立つ可能性があります。
- カロテノイド:ブロッコリーにはルテイン、ゼアキサンチン、およびベータカロチンが含まれており、すべて目の健康を改善する可能性があります。
- ケンフェロール:健康に多くのメリットがある抗酸化物質のこの化合物は、心臓病、がん、炎症、アレルギーから保護する可能性があります。
- ケルセチン:この抗酸化物質には、高血圧の人の血圧を下げるなど、多くのメリットがあります。
Point: ブロッコリーは、健康上のメリットに関与しているさまざまな食物性化合物に多く含まれています。最も豊富なものはスルフォラファンです。
ブロッコリーのメリット
ブロッコリーのようなアブラナ科の野菜は、よく辛味の元となる硫黄含有化合物が含まれています(参考)。
この生理活性化合物には、多くの健康上のメリットがあります。
がん予防
がんは異常細胞の急速な成長を特徴とし、多くの場合、酸化ストレスに関連しています(参考)。
ブロッコリーには、がんを予防すると考えられている化合物が多く含まれています。
観察研究によると、ブロッコリーを含むアブラナ科野菜の摂取が、肺がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、膵がん、胃がんを含む多くのがんリスク低下に関与していることが示唆されています(参考1、参考2、参考3、参考4)
イソチオシアネートと呼ばれる特徴的な食物性化合物のグループは、アブラナ科の野菜が他の野菜と区別されているひとつの理由です。
調査によると、イソチオシアネートは肝臓の酵素に影響を与え、酸化ストレスを軽減し、炎症を軽減し、免疫機能を刺激し、がんの発生と成長を抑えます(参考1、参考2、参考3)
ブロッコリーに含まれるイソチオシアネートの中でも主要なのはスルフォラファンです。これは酸化ストレスを減少させ、分子レベルでがん形成に対し作用します(参考1、参考2、参考3)。
スルフォラファンは、成熟したブロッコリーのつぼみよりも若いブロッコリーの芽に、20〜100倍も多く含まれています(参考)。
ブロッコリーのサプリメントもありますが、同量のイソチオシアネートが含まれていない可能性があります。新鮮なブロッコリーと比べると同じ健康上のメリットがない場合があります(参考1、参考2)
コレステロール値を下げる
コレステロールには、体内で多くの重要な役割を果たします。
たとえば、脂肪の消化に役立つ胆汁酸の生成において重要です。胆汁酸は肝臓で生成され、胆嚢に保存され、脂肪を摂取する度に消化器系に放出されます。
その後、胆汁酸は血液に再吸収され、再利用されます。
ブロッコリーに含まれる物質は腸内の胆汁酸と結合し、排泄を促し再利用されるのを妨げます(参考)。
これにより、コレステロールから新しい胆汁酸が合成され、体内のコレステロールレベルが下がります。
この効果は、心臓病とがんのリスク低下にも関連しています(参考)。
ある研究によると、蒸しブロッコリーはコレステロール値を下げるのに特に良いということです(参考)。
目の健康
視力障害は一般的な老化現象です。
ブロッコリーの主要なカロテノイドであるルテインとゼアキサンチンは、加齢に伴う眼病リスクの低下に関与しています(参考1、参考2)。
ビタミンA欠乏症は夜盲症を引き起こす可能性がありますが、ビタミンAを補充することで回避できます(参考)。
ブロッコリーにはベータカロチンが含まれており、体内でビタミンAに変換されます。したがって、この野菜はビタミンAの摂取量が少ない人の視力を高める可能性があります。
まとめ ブロッコリーのイソチオシアネートは、多くの病気における危険因子を取り除き、がんのリスクを減らす可能性があります。さらに、コレステロールを下げ、目の健康を高めるのに役立ちます。
ブロッコリーのデメリット
ブロッコリーは忍容性が高いためアレルギーが起こることはまれです。 ただし、いくつかの事項は考慮する価値があります(参考)。
甲状腺の問題
ブロッコリーは「ゴイトロゲン(ヨウ素の取込みを阻害し、甲状腺の肥大など甲状腺異常を引き起こすものの総称)」だと考えられています。つまり、大量に摂取すると敏感な人の甲状腺に害を及ぼす可能性があります。
強火で調理すると、この悪影響を減らすことができます(参考)。
抗凝固剤(血液をサラサラにする薬)
ワルファリンを服用している人は、ブロッコリーの摂取量を増やす前に医師に相談してください。ビタミンK1の含有量が多いため、薬と相互作用する可能性があります(参考)。
Point: ブロッコリーは一般的に忍容性が良好です。 それでも、一部の人にとっては甲状腺に良くない影響を及ぼし、抗凝固剤の役割を妨げる可能性があります。
最後に
ブロッコリーは、世界で最も人気のある野菜の1つです。 準備が簡単ですし、生でも調理しても食べられます。
イソチオシアネートと呼ばれる食物性化合物など、数えきれないほどの栄養素が多く含まれており、健康上のメリットがたくさんあります。
また、食物繊維の宝庫であり、他と比べてもタンパク質が高い野菜です。
健康増進したいと考えているのであれば、アブラナ科野菜のブロッコリーを今日の食事に追加することをお勧めします。
サプリメントとして摂取する場合には、「ブロッコリースプラウトエキス」などがあるので、気になる場合にはぜひチェックをしてみてください。
Powered by Froala Editor