乳酸菌とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

alloeh編集部

最終更新日:2020/05/21

乳酸菌成分解説

はじめに

発酵は、最も古い食品加工法の一つです。その中でも、乳酸菌の働きによって食品を発酵させ保存する方法が乳酸発酵です。

発酵は昔から食品を長持ちさせる目的で使われてきましたが、近年の研究で、乳酸発酵食品の健康効果が明らかになってきました。

この記事では、乳酸発酵について詳しく解説していきます。

乳酸発酵とは?

食品の発酵とは、デンプンや糖といった炭水化物が、細菌、酵母菌、カビ、菌類によって分解されることで、酸やガス、アルコールが生成されるプロセスです。発酵によって、食品には風味や香り、食感が加わります。(参考

発酵にはいくつかの種類があります。ワインは、酵母菌によるアルコール発酵によって造られます。酢は酢酸菌の作用によって、また、大豆はテンペ菌によってテンペ(インドネシアの大豆発酵食品">参考)になります。(参考

乳酸は、酸素のない環境で糖が分解され生成される酸の一種で、牛乳の中ではじめて観察されました。乳糖を含む乳の中で発見されたので、乳酸と名前がついています。

乳酸菌の大部分はラクトバシラス属に属しており、乳酸発酵では、これらの乳酸菌や酵母によって発酵が起こります。これらの菌は食品に含まれる糖を分解し、乳酸、アルコール、二酸化炭素を生成します。(参考1, 参考2, 参考3

乳酸発酵食品の例として、発酵乳、ヨーグルト、肉製品、サワー種のパン、オリーブ、ザワークラウト、キムチ、きゅうりなどの漬物にした野菜などが挙げられます。(参考1, 参考2

また、乳酸菌を使った発酵食品は、あまり知られていないものも含め、世界中のいたるところで伝統的に作られてきました。トルコのシャルガムと呼ばれる黒人参とカブのジュースや、エチオピアのインジャラといわれるフラットブレッドなどがその一例です。(参考1, 参考2, 参考3


Point:乳糖発酵では、食品に含まれる糖が細菌によって分解され、乳酸が生成されます。乳酸菌による発酵食品として、ヨーグルトやザワークラウト、キムチや漬物などが挙げられます。


乳酸菌の働き

乳酸菌は、動物や人の体内も含め、自然界に広く生息しています。牛乳や果物、穀類、野菜、肉などには、もともとその食品中に乳酸菌が含まれており、その乳酸菌で食品を発酵させます。

食品自体に乳酸菌が含まれていない場合、発酵を促すために培養した菌を食品に添加することもあります。風味や香りを加えたり、食品の質や安全を確保するのに有効です。(参考1, 参考2

最も簡単な乳酸発酵の方法は、きゅうりやキャベツなどの乳酸菌をもともと含んでいる食品を塩水に漬け込む方法です。

発酵乳、ヨーグルト、サワー種も、それ自体で発酵しますが、安全性を高めたり、風味を一定に保つために、スターター(種菌">参考)を使って発酵を促す場合もあります。

乳酸発酵には、ガラスの瓶、陶器の鉢、食品保存に適したプラスチック製の容器など、酸素が入らない密封性の高い容器がよく使用されます。ザワークラウトなどを作る際は、大きな樽で漬け込み、重石を使って野菜が塩水によく浸るようにします。

糖が分解され、乳酸と二酸化炭素が発生すると、酸素が少なくなり、食品がより酸性に変化していきます。これにより更に多くの乳酸菌が発生し、他の微生物の発生を防止します。(参考

発酵にかかる時間は、数日から数ヶ月まで、食品によっても異なります。通常、発酵食品は、発酵がさらに進むことや腐敗を防ぐため、暗くて涼しい場所に保管されます。


Point:乳酸発酵とは、乳酸菌が糖を分解し、乳酸と二酸化炭素を作り出すプロセスです。発酵により、酸素が少なく酸性の環境が作られるため、よい菌が育ち、他の微生物の発生を防ぎます。


なぜ発酵させるのか?

発酵は、何千年もの長きにわたって利用されてきた保存技術です。とても簡単で、費用もかからず、それでいて効果的な方法です。(参考

ある一定の善玉菌を食品の中で増やすことにより、有害な微生物の発生を防ぎ、それにより食品を腐敗から守ることができます。(参考1, 参考2

酸素の少ない酸性の環境に食塩を加えることで、善玉菌の増殖を促します。逆に、このような環境は、カビや雑菌などの有害となり得る微生物にとっては好ましくありません。(参考

発酵食品の保存期間は、食品の種類、温度、容器、発酵後の処理によって変わります。牛乳は数日から数週間、冷蔵保存したヨーグルトは1ヶ月、発酵野菜は4~6ヶ月またはそれ以上保存が効きます。

発酵食品の中には、発酵後に殺菌処理が施されている場合もあります。殺菌処理によりすべての生きている細菌を殺すので、保存期間をより長くできます。しかし、生きている菌を摂取することで期待できる健康効果は得ることができません。

発酵は、食品の保存に有効なほか、食品を消化しやすくする働きがあります。また、調理する必要をなくしたり、あるいは調理時間を短縮できたり、保存期間を延ばしたり、食品ロスを減らすというメリットもあります。さらに、食品に風味や食感、香りを付け加えます。(参考1, 参考2, 参考3


Point:乳酸発酵は、有害な微生物の成長を防ぐことで、食品の保存を可能にした昔からの保存技術です。発酵により、食品の賞味期限は長くなり、食品ロスにつながり、そして、食品に風味、香り、食感などが加わります。


缶詰との違いは?

保存技術として、発酵製品と缶詰製品は似ているように見えますが、大きく違います。

缶詰は、有害な微生物を殺したり減らしたりするために熱による殺菌を施します。食品は、缶や瓶に密閉保存されるため、有害な微生物や空気が入らず、そのため長期保存が可能になります。(参考

一方、乳酸発酵は、生きている細菌を利用し有害な微生物の成長を防ぎます。発酵乳の殺菌処理など、発酵食品の中には熱処理されるものもありますが、缶詰食品を処理する際の熱ほどではありません。(参考

缶詰食品のほうが、発酵食品より長く保存が可能ですが、缶詰食品を作るには特別な殺菌設備が必要なため、一般的な家庭で作ることは難しいでしょう。一方で、基本的な発酵食品を作るのに必要なのは、容器と水、そして塩だけです。

缶詰食品と発酵食品を比べると風味や食感、香りにも違いがあります。缶詰食品は、調理されているので、柔らかく、砂糖や塩で味付けされている場合もあります。乳酸発酵食品は、調理されていない場合が多く、特徴のある香りや酸の味わいがあり、塩味を含む場合もあります。

缶詰の場合、食品に含まれるほとんどの栄養素は失われませんが、ビタミンBCは失われます。一方で、発酵食品では栄養素は失われず、むしろ体に有効な成分が増え、栄養価が高まります。(参考1, 参考2


Point:缶詰は、調理された食品を詰め、有害な微生物を熱処理したものです。乳酸発酵は、善玉菌を利用して、有害な菌微生物の繁殖を防いでいます。


乳酸発酵食品の健康面でのメリット

多くの研究結果から、発酵食品には、その食品を発酵させる前よりも多くの健康効果があることが明らかになってきており、その効果の大部分は乳酸菌によるものだということが分かってきています。(参考1, 参考1, 参考2

例えば、 乳製品の発酵においては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤という血圧を下げる働きのある化合物が作られます。このため発酵乳は、高血圧に効果があるとされています。(参考1, 参考2

他の例では、韓国の伝統的な白菜漬けであるキムチが挙げられます。キムチは様々なアミノ酸や活性成分を含んでいます。これらは、抗炎症作用や抗癌作用を持ち、心疾患、感染症、肥満に効果があることが分かっています。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4, 参考5

また、乳製品、ザワークラウト、オリーブなどの発酵食品には生きている細菌が豊富に含まれています。これらの細菌は、プロバイオティクスと同様に、腸や免疫機能に良いとされています。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4

その他の乳酸発酵食品の効果は以下の通りです。

  • 栄養素の利用性を高めます。 発酵により、食品中の栄養素の利用性が高まります。例えば、鉄分は発酵した野菜からのほうが多く体に吸収されます。(参考1, 参考2) 
  • 炎症を抑えます。 発酵食品は炎症分子を減らし、抗酸化活動を活性化させることで、腸管のバリア機能を強化します。(参考1, 参考2) 
  • 心臓の健康を増進します。 ヨーグルトなどの発酵乳は、血圧やコレステロール値を下げる効果があります。(参考1, 参考2) 
  • 免疫機能を高めます。 京漬物やすんき漬けなどに含まれる乳酸菌の中には、免疫力を高めたり、抗ウィルス、抗アレルギー効果のあるものもあります。(参考1, 参考2, 参考3) 
  • 抗癌作用があります。 発酵乳は、癌のリスク軽減に関係しています。試験管での実験や動物実験において、癌細胞の成長を妨げたり、殺したりするものがあることが分かっています。(参考1, 参考2, 参考3) 
  • 血糖値をコントロールします。 キムチや発酵乳、ヨーグルトなどの発酵食品の多くは、インスリン感受性を改善し、血糖値をコントロールをより効果的にします。(参考1, 参考2, 参考3) 
  • 減量に効果があります。 ヨーグルトや発酵乳、キムチなどを摂取することは、体重の減少や体重コントロールに関係があるとされています。(参考1, 参考2, 参考3) 
  • 脳機能を向上させます。 発酵乳製品は、成人の認識機能やアルツハイマー症患者の認知機能を改善すると言われていますが、さらなる研究が必要です。(参考) 
  • 乳への非耐性の症状を和らげます。 発酵の段階においてラクトースが分解されるので、乳への耐性が少ない人でもチーズやヨーグルトといった発酵乳であれば消化できることもあります。(参考1, 参考2) 


また、乳酸菌によるダイエット効果については『乳酸菌ダイエットは効果がある?|体の中から変える腸活の方法』で詳しく解説をしています。


Point:乳酸発酵は、食品に含まれる栄養素の利用性を高め、心機能や脳機能を良くし、炎症を抑え、抗癌、免疫力アップ、肥満防止、糖尿病の予防などに効果があるとされています。


最後に

乳酸発酵は、乳酸菌を使ったシンプルかつ効果的な食品の保存方法です。

乳酸発酵食品は、心機能、脳機能の向上に効果があるほか、炎症を抑えたり、抗癌作用、免疫力のアップ、糖尿病の予防、肥満の防止などに効果的です。

多くの発酵食品は美味しく、日々の食事に簡単に取り入れることができます。バターミルクのような飲み物、ヨーグルトやオリーブなど軽食として摂取できるもの、ザワークラウトやキムチなどの副菜として摂取できるものがあります。

乳酸菌をサプリで試してみたい場合、「エクエル」などがあります。
ただし、重度の症状など適切な治療が必要とされる場合はサプリメントに頼らず、医療機関で診断を受けるようにしましょう。

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