肝臓エキスとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

肝臓エキスは多くのビタミン、特にビタミンB12を豊富に含んでいるとされています。

ビタミンB12は、神経や血球などを健康に保ち、DNAを産生するために必要であると考えられています。肝臓エキスは、その他にも鉄や葉酸なども豊富に含んでいます。

肝臓エキスの効果

多くの人が肝臓エキスの内服を検討するきっかけは、肝臓エキスの豊富なビタミン、鉄分葉酸の含有にあります。ただし、肝臓エキスは以前ほど使用されなくなっている現状があります。

以降は、近年の研究を踏まえて治療薬としての肝臓エキスの効能について取り上げたいと思います。

貧血・倦怠感・ビタミンB12に関する効果


そのビタミンB12の豊富な含有から、肝臓エキスはしばしば悪性貧血の治療に使用されます。悪性貧血は、ビタミンB12の吸収障害が原因で起きる赤血球の減少(貧血)のことです。

ある研究では、肝臓エキスが赤血球数や血中のビタミンB12を上昇させる効果が認められています。しかし、1989年の研究では、肝臓エキスはプラセボと効能に差がないことが判明しました。

一般的に、ビタミンB12、マグネシウムイチョウなどの他のサプリメントの方が、研究などで人のエネルギーレベルの改善に対する有効性などがよく調べられています。

癌に関する効果

癌の治療法を模索する中で、多くの治療法が今まで検討されてきました。肝臓エキスもその例外ではありません。最も古い代替医療のうちの一つに、ゲルソンセラピー(Gerson therapy)と呼ばれる、未加工の肝臓エキスをビタミンB12と混合して注射するという治療法が、かつては存在しました。

この治療方法は、未加工の肝臓エキスによる感染が問題となって、現在では禁止されています。肝臓エキスの代替として考えられているものには、以下のようなものがあります。

  • コエンザイムQ10
  • ビタミンB12
  • 膵臓酵素
  • 亜麻仁(マアニ)油


これらの成分は消化を助け、体でビタミンAが利用されるのを助ける可能性が示唆されています。ゲルソンセラピー(Gerson therapy)の有効性については、少数の研究があるのみで、癌治療に対する有効性の検証には今後の臨床研究が待たれます。

抗ウイルス作用

肝臓エキスによる抗ウイルス作用には、まだ効果を裏付ける十分なデータがありません。1997年に行われたラットの研究では、肝臓エキスが特定のインフルエンザウイルスに対して抗ウイルス効果を発揮し、ラットの寿命延長につながったとの報告があります。しかし、人間を対象にした研究ではこの効果は認められませんでした。

多くの病気を予防するためには、以下のような基本的な心がけが重要です。

  • 十分な睡眠をとる
  • 定期的に運動をする
  • 健康的な生活習慣を維持する
  • 手を洗うなど清潔を保つ

B型肝炎とC型肝炎に関する効果

ある研究では、 C型肝炎に対する治療に肝臓エキスを加えて効果を検証しました。この元々の治療はと、免疫機能を活性化するためにインターフェロンβを静脈的に注射するものでした。研究では、肝臓エキスをフラビン・アデニン・デヌクレオチドと一緒に従来の治療に加えることでより抗ウイルス効果が向上したとされています。しかし、この治療でも体の免疫応答には大きな変化は起きませんでした。

その他にも、肝臓エキスが慢性B型肝炎の患者さんにおける倦怠感や食欲不振にも有効である可能性が示唆された研究もあります。最近の研究でも、牛の胎児から抽出された肝臓油が、体内のビリルビンを低下させ、倦怠感と食欲低下を改善させたとする報告があります。

これらの研究では肝臓エキスの治療薬としての有効性が示唆されていますが、いまだにその効能は確定的ではなく、さらなる研究が待たれます。

肝臓エキスの安全性・副作用

動物でも人間でも、肝臓は毒素を取り除く機能を持っています。肝臓エキスは、動物から抽出された際に微量の毒素、重金属、そのほかの望ましくない物質が含まれていると懸念されています。また肝臓エキスは、癌細胞が含まれている場合、癌を体内にひろげてしまう可能性も考えられるとされています。

肝臓エキスに多く含まれる成分

  • ビタミンB12
  • 鉄分
  • 葉酸



リスク

  • 胃酸の増加
  • 血栓形成と出血
  • 動物由来の疾病の混入


狂牛病のように、病気のある動物などから抽出した肝臓エキスの使用は、病気を広げてしまう可能性があります。肝臓エキスは、しばしば羊や豚などから生成されますが、主な原料は牛の肝臓です。2014年に実施されたフランスでの研究では、豚の肝臓からE型肝炎ウイルスを検出しています。魚から抽出された肝臓油はこのような懸念はあまりないと考えられています。

妊婦や授乳婦においては肝臓エキスの使用は避けるように推奨されています。これは、明らかな服用用の報告はないものの、安全性を保証する研究が不十分であるためです。

肝臓エキスの摂取量・栄養成分

肝臓エキスの適切な用量は年齢や健康状態などによって変わります。ただし、はっきりとした肝臓エキスの用量については、まだ十分な研究がなされておらず確定的ではありません。

市販の肝臓エキスが含まれる商品には、1日必要量よりも多いビタミンB12が含まれることがあります。ビタミンB12を過剰に摂取することによる重大な副作用は報告されていないものの、一般的には普通の食事の摂取でビタミンB12は十分な量が摂取可能です。

最後に

いかがだったでしょうか?今回の記事では、肝臓エキスについて解説をしました。

もし摂取を検討される場合には、この記事をぜひ参考にしていただけると幸いです。

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