人参(ニンジン)とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

alloeh編集部

最終更新日:2020/05/03

ヘルス人参(ニンジン)成分解説

人参についての基本:栄養成分と健康への効能

人参(Daucus carota:ダウカス カロタ)は完璧な健康食品としばしば言われる根菜類です。
カリカリした食感で、美味しく、栄養にも富んでいます。
人参は特に、βカロテン食物繊維、ビタミンK1、カリウム、などを豊富に含んでいます。(参考)

人参は、数多くの健康への効能も持っています。
体重減少にも有効である他、コレステロールの減少や眼球の健康にも繋がると考えられています。
さらには、抗酸化物質のカロテンが癌のリスク減少にも繋がると考えられています。

人参には、黄色、白、オレンジ、赤、紫など多くの色があります。
オレンジ色の人参は、βカロテンと呼ばれるビタミンAに変換される抗酸化物質によってその明るい色を出しています。

この記事では、人参について知っておくべきことを取り上げていきます。

人参の栄養成分

人参はその86-95%ほどを水分が占め、食べれる部分でおおよそ10%ほどの炭水化物を含みます。(参考1, 参考2)
人参に含まれる脂質やタンパクはとても少ないです。(参考)

以下は、2つの小から中サイズの生の人参に含まれる栄養素です。(100gあたり)

  • カロリー:41 
  • 水分:88% 
  • タンパク:0.9g 
  • 炭水化物:9.6g 
  • 糖分:4.7g 
  • 繊維:2.8g 
  • 脂質:0.2g 

炭水化物

人参は主に、水分と炭水化物から構成されます。
炭水化物はスクロース、グルコースなどのデンプンと糖分を含みます。(参考)

人参は比較的良い食物繊維の摂取源で、中サイズの人参(61g)あたり2gの食物繊維を含みます。
人参はしばしば、食後にどのくらい早く食後血糖が上がるかを示す血糖指数(グリセミックインデックス)において、低ランクと判断されます。
人参の血糖指数は16-60程度で、特に生の人参で低くなり、調理された人参ではやや高くなり、すりつぶしたピューレ状の人参で最も高値になります。(参考1, 参考2)

血糖指数の低い食事をすることは、多くの面で健康に良い効果があり、特に糖尿病を持つ患者さんで有益と考えられています。(参考1, 参考2)

食物繊維

ペクチンが人参に含まれる最も多い可溶性の食物繊維です。(参考)
可溶性食物繊維は、糖分やデンプンの消化を緩やかにすることで血糖を下げる効果があります。

また、人参は腸内の有益な細菌を栄養する効果があり、これが健康の維持と病気の予防に繋がる可能性が示唆されています。(参考1, 参考2, 参考3)
さらに、特定の可溶性食物繊維は消化管からのコレステロールの吸収を抑え、血中のコレステロールを低下させる効果があります。(参考1, 参考2)

人参に含まれる最も多い、不可溶性の食物繊維はセルロース、ヘミセルロース、リグニンで、この不可溶性の食物繊維は便秘のリスクを減らし規則正しい排便を促します。(参考1, 参考2)


Point: 人参の10%は炭水化物であり、これはデンプン、食物繊維、単糖類などを含みます。人参に含まれる脂質やタンパク質はとても少ないです。


人参に含まれるビタミンとミネラルについて

人参は、特にビタミンA(βカロテンから変換される)、ビオチンカリウム、ビタミンK1(ポリロキノン)、ビタミンB6などいくつかのビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。

  • ビタミンA:人参は、体内でビタミンAに変換されるβカロテンを豊富に含んでいます。ビタミンAは視力、成長発達、免疫機能などを保つために重要です。(参考
  • ビオチン:かつてはビタミンHとして知られていたビタミンBの一種で、脂質やタンパク質の代謝に重要な役割を果たします。(参考
  • ビタミンK1:フィロキノンとしても知られるビタミンK1は血液の凝固や、健康な骨を保つ上で重要です。(参考1, 参考2
  • カリウム:必須のミネラルであり、血圧のコントロールに重要です。(参考
  • ビタミンB6:関連するビタミンの総称で、食事のエネルギーへの変換に関わっています。 


Point:人参はβカロテンを多く含み、ビタミンAのとても良い供給源となります。 また、人参は複数のビタミンB群、ビタミンK、カリウムなどの良い供給源でもあります。


他の植物性の化合物

人参はカロテノイドを含む多くの植物性の化合物を含みます。

これらはとても強力な抗酸化機能を持つ物質で、免疫機能の改善、心疾患、複数の変性疾患、特定の癌などの疾患リスクの減少に関連していると考えられています。(参考)

人参に含まれる主なカロテンであるβカロテンは体内でビタミンAに変換されます。

しかしながら、この変換のプロセスは個人によって異なる可能性があります。(参考) 脂質を人参と一緒に摂取することが、βカロテンの吸収を助けると考えられています。

人参に含まれる主な植物性化合物は以下の様なものが挙げられます。

  • βカロテン:オレンジ色の人参はβカロテンを豊富に含んでいます。人参が調理されることで、吸収がよくなります。(参考1, 参考2, 参考3
  • αカロテン:βカロテンに似た抗酸化物質であり、一部は体内でビタミンAに変換されます。 
  • ルテイン:人参に含まれる最も一般的な抗酸化物質の一つで、黄色やオレンジ色の人参に多く含まれ眼球の健康に重要な役割を果たします。(参考
  • リコピン:明るい赤色をした抗酸化物質で、赤色や紫色の人参を含む多くの赤色をしたフルーツや野菜に含まれ、癌や心疾患のリスクを減らすと考えられています。(参考
  • ポリアセチレン:近年の研究で発見された、白血病やその他の癌などの予防に役立つかもしれない、人参に含まれる生物活性をもつ化合物です。(参考1, 参考2, 参考3
  • アンソシアニン:暗い色の人参に含まれる強力な抗酸化物質です。 


Point:人参は、βカロテンやルテインなどのカロテノイドに代表される、多くの植物性化合物に富んだ食材です。


人参の健康への効能とは?

人参に関連した研究の多くがカロテノイドに着目した研究です。

癌のリスクの軽減

カロテノイドを多く含む食事は複数の種類の癌を予防すると考えられています。

これには前立腺、大腸、胃などの癌が含まれます。(参考1, 参考2, 参考3)

血中のカロテノイド濃度が高い女性では乳がんのリスクが軽減するとも言われています。(参考)

過去の研究ではカロテノイドが肺癌のリスクを減らす可能性が示唆されていましたが、新しい研究では明らかな関連は見つかりませんでした。(参考1, 参考2)

血中のコレステロールを減らす

高コレステロール血症は、有名な心疾患のリスク因子です。

人参の摂取はコレステロール値の減少につながります。(参考1, 参考2)

体重の減量

低カロリーな食材として、人参は満腹感を促し、結果として食事からのカロリー摂取を減らす可能性があります。(参考)

このため、人参を食事に追加することは効果的な減量食といえるでしょう。

眼の健康

ビタミンAが少ない人では夜盲症の症状などが出ることがありますが、これは人参やその他のビタミンAやカロテノイドが多く含まれる食材を摂取することで避けることができます。(参考)

また、カロテノイドは加齢黄斑変性症のリスクを下げることもできます。(参考1, 参考2, 参考3)


Point: 人参を摂取することは、眼の健康を保つだけでなく、癌、心疾患などのリスク減少にもつながります。 加えて、この野菜は減量食の重要な一部となるかもしれません。


有機栽培と従来通り栽培された人参の比較について

有機栽培では、作物を作る際に自然な方法を使用します。

有機栽培された人参と、従来通りに栽培された人参を比較した研究では、含まれるカロテノイドや抗酸化物質の量や質に違いを認めませんでした。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4, 参考5)

しかしながら、従来の方法で栽培された人参では残留した農薬などが含まれることがあります。 少量の農薬の長期による健康への影響ははっきりしていないものの、懸念を表明している研究者もいます。(参考)


Point: 従来の方法で栽培された人参よりも、有機栽培の人参の方が栄養面で優れているとするデータはないものの、有機栽培の人参の方が農薬を含んでいる可能性は少なくなるでしょう。


ベビーキャロットとは?

ベビーキャロットは、おやつとして人気となってきている食材です。

間違いやすいですが、ベビーキャロットには2つの種類があります。

一つは、通常の人参が小さいうちに収穫されるものです。

一方で、もう一つはベビーカットキャロットと呼ばれる、通常のサイズの人参を機械で小さく好みの大きさにカットして、表面の皮を除いて磨き、しばしば少量の塩素などで少し洗ってから袋詰めにする加工されたベイビーキャロットもあります。

通常の人参とベビーキャロットには栄養面ではあまり大きな違いはなく、健康に対する効能は同じと言って良いでしょう。


Point: ベビーキャロットは通常の人参が大きくなる前に収穫されたものであり、一方でベビーカットキャロットは通常の大きな人参を機械でカットし、表面の皮を除いて磨き、洗って袋詰めにされたもののことです。


人参を摂取することで特定の個人への影響がある?

人参は一般的に安全に摂取することができると考えられていますが、特定の人にとっては悪影響がでることがあります。

加えて、無害ではあるものの過剰に人参を摂取すると皮膚が黄色やオレンジ色に変化することがあります。

アレルギー

ある研究によると、食物アレルギーを持つ25%程度の人においては、人参は花粉関連のアレルギー反応を起こす可能性があると言われています。(参考)

人参アレルギーは、特定のタイプの花粉に含まれるタンパク質と、フルーツや野菜に含まれるタンパク質が似ていることによってアレルギー反応が起きる、交差反応の一例です。

樺の木やヨモギの花粉に過敏な人の場合、人参に対しても反応が出るかもしれません。

この反応で、口がピリピリしたり痒みが出たりすることがあります。また、中には喉の粘膜の腫れや重篤なアレルギー性ショック(アナフィラキシー)を起こす人もいます。(参考1, 参考2, 参考3)

汚染

人参が汚染された土壌で育てられた場合や汚染した水に暴露した場合、含まれる重金属の量が増加し安全性や品質に影響を与えるかもしれません。(参考)


Point: 人参は、花粉アレルギーのある人にアレルギー反応を起こすかもしれません。 加えて、汚染された土壌で育った人参は重金属などの多く含む可能性があり、安全性や品質に影響を与えるかもしれません。


まとめ

人参はパリパリした食感と、豊富な栄養分、低いカロリー、甘さなどからおやつに最適でしょう。

人参は、心臓と眼の健康、消化機能の改善、さらには体重減量などに関連しています。

この根菜は、異なる色、サイズ、形がありますが、いずれも健康食事を考える上で非常に有効です。

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