はじめに
痩せるというのは非常に難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
典型的な減量方法でダイエットに成功した人は15%に過ぎないという研究結果もあります。こうした方法でダイエットに失敗した人は、次にサプリメントや漢方で痩せるという手段を求める傾向にあります。
サプリメント成分の一つにフォルスコリンと呼ばれるものがあります。これは、天然植物の化合物で、素晴らしいダイエット効果があると言われています。
この成分を含んだ国内製品だと、DHCのフォースコリーという商品が一番有名ではないでしょうか?
この記事ではダイエット系サプリメントでよく活用されるフォルスコリンの効果や副作用について、科学的根拠も踏まえて詳しくご紹介していきます。
フォルスコリンとは?
フォルスコリンはインドのコレウスという熱帯のシソ科の植物(コレウス・フォルスコリ)の根から見つかった活性化合物です。
何百年もの間、フォルスコリンは様々な症状や病気を治癒するための伝統的な漢方薬として使われてきたことが知られています。現代の科学的研究でも、こうした体への効果の一部は実際に期待できる、もしくは少なくとも説明がつくことが分かってきています。
2014年1月にドクター・オズ・ショーというアメリカの番組で取り上げられてから、フォルスコリンは減量のためのサプリメントとして人気を博しました。
💡 POINT!
フォルスコリンはインドのコレウスの根から見つかった化合物です。現在はもっぱら減量用のサプリメントとして利用されています。
減量への効果
フォルスコリンが脂質代謝にもたらす効果に関して数多くの研究で調査がされてきました。 しかし、こうした研究のほとんどが試験管での実験や動物を使った研究であるため、その結果が人間にも適用できるというわけではないでしょう。
簡単に言うと、フォルスコリンが作用することで、脂肪細胞に蓄えられた脂質を放出させます。(参考1、参考2、参考3)
しかし、蓄積された脂肪を放出するだけでは、体重を減らすことに繋がりません。カロリー不足の状態である必要があります。つまり、体重を減らすには、エネルギーの消費(消費カロリー)がエネルギーの摂取(カロリー摂取)を上回っていなければいけません。
減量用のサプリメントは下記のような働きによってカロリー不足の状態を作り出すサポートをしてくれます:
これまで明らかになっているところによると、フォルスコリンには上記のような効果をもたらす働きはありません。
しかし、人間に対して実施された臨床試験から、期待できる結果が見つかっています。フォルスコリンは筋肉量を維持しながら減量するのに役立つ可能性があるということです。この研究・効果については次章で見ていきましょう。
多くの方がフォルスコリン に期待している「脂肪の燃焼効果」ですが、残念ながら上述したように実際にはそのような効果があるという効果の確証は得られていません。
ただし、「ブラックジンジャー」をはじめとした別のサプリ成分では、脂肪の燃焼を促進する効果が機能性表示食品制度にて受理されています。
例えば、ブラックジンジャーが含まれた有名な国内ダイエットサプリとしては「大人のカロリミット」という製品があります。「大人のカロリミットの効果・副作用は?普通のカロリミットとの違いも解説!」という解説記事も公開しているので、脂肪燃焼効果を期待してこのページに訪れた方はぜひご覧ください。
フォルスコリンは本当に減量に役立つのか?
人間におけるフォルスコリンの減量への効果については、我々の知るところ、これまで2件の小規模な研究しか実施されていません。(参考1、参考2)
この2件の研究ではどちらも、人間に対して科学的実験を行う際には標準となっているランダム化比較試験が行われました。
最も規模の大きい試験では、30人の肥満男性がランダムに2つのグループに分けられました。
- フォルスコリンのグループ:15人の男性にコレウス・フォルスコリのエキス(フォルスコリン10%)250 mgを、1日2回、12週間飲んでもらいました。
- 偽薬のグループ:15人の男性は同量の偽の錠剤(偽薬)を飲んでもらいました。
偽薬のグループに比べ、フォルスコリンを飲んでいた男性たちはかなり体脂肪が減りましたが、体重としては変わりませんでした。(参考)
加えて、フォルスコリンを飲んだグループは、遊離テストステロンの量が著しく増えました。テストステロンは脂肪細胞から脂質を放出する刺激を与えるので、この研究で体脂肪の減少が見られたことの説明にもなり得ます。(参考)
テストステロンが増えたことで、筋肉量を増やす働きもあります。実際に、フォルスコリンを飲んでいたグループでは、統計的にはそれほど顕著ではないものの、除脂肪体重が増えている傾向が見られました。(参考)
もう一方の研究では、23人の肥満女性に同量(1日あたり500 mg)を12日間服用してもらいました。
前者の研究とは対照的に、フォルスコリンを摂取したことで体脂肪の減少に著しい効果は見られませんでしたが、フォルスコリンには体重増加を防ぐ働きがある可能性が示されました。(参考)
まとめると、12日間フォルスコリンを摂取することで体重を減らすことはできませんが、男性の体組成を改善したり、女性の増量防止には効果が期待できます。
とはいうものの、現時点でのこうした証拠だけでは、フォルスコリンの摂取を勧めるには不十分で、更なる研究が必要です。
💡 POINT!
減量に対するフォルスコリンの効果を調査した実験は2件あります。そのうち1件では、フォルスコリンを摂取したことで体脂肪が著しく減りましたが、体重は変わりませんでした。もう1件では体脂肪の減少こそ見られなかったものの、体重の増加を抑制する働きが示唆されました。しかし、フォルスコリンの減量効果を確かなものにするためにはさらなる研究が必要です。
その他の効果・効能
インドのコレウスという植物(フォルスコリンを含む)は、何百年もの間、伝統的な漢方薬の一つとして使用されてきました。その用途は、心臓病、喘息、気管支炎、便秘などの症状の改善でした。(参考)
私たち人間にとって、フォルスコリンのサプリメントを摂ることで下記のような効果も期待できます:
試験管や動物を使った実験では、この他にも見込まれている効果があります。
💡 POINT!
フォルスコリンは長年に渡り伝統的な漢方薬の一つとして使用されてきました。科学的根拠は限られていますが、喘息を改善したり、骨密度を上げたり、テストステロンの形成を促すのを助ける働きが期待できます。
フォルスコリンの推奨量と副作用
研究の中での一般的なフォルスコリンの服用量は100-250 mgのコレウス・フォルスコリ(フォルスコリン10%)を1日に2回飲むことです。
人間にとってフォルスコリンによる副作用は無いとするレポートもありますが、全ての服用量・体質に対して完全に安全性が確認されているわけではありません。(参考1、参考2)
実際にフォルスコリンのサプリメントを使った人々の口コミでは、おう吐や下痢、軟便などが多く報告されています。下剤と表現するユーザーもいます。
サプリメントを使用する時にはこのようなことが発生する危険性を気に留めておく必要があるでしょう。また、実際に発生した場合には、中断や使用量の調整の判断が必要となるでしょう。
よくある質問
フォルスコリンを飲んでみるべき?
減量のために用いるのであれば、現在明らかになっている根拠に基づくと、フォルスコリンには体重を減らす効果はありません。
しかし、男性を対象に行われた実験から、フォルスコリンによってテストステロンが増えて、筋肉量を増やしながら体脂肪を減らすことで体組成が改善する可能性が示唆されています。
また、利用しているユーザーの口コミの中でも、よく副作用の激しさとともにその減量効果への効果が触れられていることも事実です。
科学的な観点、実際に利用しているユーザーの声、両方を考慮しても、現時点でははっきりとした結論を下すには証拠が少なすぎるとalloeh編集部は考えていますが、さほど高価なものでもないため、可能性があるなら用量に気をつけながら一度試してみてもいいのではないでしょうか?
脂肪便・油便が出る?
こちらも研究の中で触れられていることを見たことがありませんが、実際のユーザーの口コミでは頻出するものです。
研究では健康被害とは言えない軽微な人体への影響は無視されることもあるため、これだけ口コミで出てくるのであれば、関連がある可能性もあるでしょう。
使用するにあたって、脂肪便・油便の可能性も考慮しておいた方がベターでしょう。
最後に
国内でフォルスコリンの情報を求める方は大半がダイエットを目的として検索していると思うので、除脂肪体重を意識して健康的に痩せられる可能性は残りつつも、脂肪燃焼効果については期待できないという結論は残念だったのではないでしょうか。
しかし、記事中でも補足したように、フォルスコリンには脂肪燃焼効果が期待できなくても、「ブラックジンジャー」という別のサプリ成分では脂肪の燃焼を促進する効果が機能性表示食品制度にて受理されています。
その成分を含んだ製品としては「大人のカロリミット」が有名で、脂肪燃焼効果に加えて「食事の糖と脂肪の吸収を抑える」という効果も併せ持ったオールインワンダイエットサプリです。気になる方は「大人のカロリミットの効果・副作用は?普通のカロリミットとの違いも解説!」という解説記事を公開しているので、ぜひご覧ください。
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