ペプチド類とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

ペプチド類は、小さなサイズのタンパク質の1種です。多くの健康、美容製品が異なるタイプのペプチドを、抗老化、抗炎症、筋肉増強などの様々な目的で含んでいます。

最近の研究では、いくつかのタイプのペプチドが、加齢のプロセスを抑制したり、炎症の軽減、細菌の破壊といった有益な効果をもたらすことが示されています。

しばしば、ペプチドとタンパク質は混同されます。ペプチドとタンパク質のいずれも、アミノ酸で構成されていますが、ペプチドはタンパク質に比べると、含まれるアミノ酸の数は大分少なくなります。また、タンパク質のように、ペプチドも食材の中に存在しています。

ペプチドが健康への効能を期待されているため、ペプチドを含む多くのサプリメントが手に入ります。これらのペプチドは、食材から生成されたり、人工的に生成されたりして作られています。

最も有名なペプチド類の例としては、抗加齢効果、皮膚の健康維持効果などが期待されるコラーゲンペプチドなどの他、クレアチンペプチドなどは筋肉の構築や陸上競技のパフォーマンス改善のために用いられます。

この記事では、ペプチド類のサプリメントの期待される効能と副作用について取り上げます。


ペプチド類とは何か?

ペプチド類は短鎖アミノ酸のことで、一般的には2-50程度のアミノ酸から構成されます。アミノ酸は、タンパク質の構成要素ではありますが、一般的にタンパク質の方がたくさんのアミノ酸を含んでいます。

タンパク質と比較すると、ペプチドはサイズも小さく分解されやすいので、人の体の中でより吸収しやすい栄養素になります。皮膚や消化管を通過しやすく、より速やかに血中に移行します。

サプリメントに含まれるペプチド類は、以下に挙げるような動物または植物由来のタンパク質から作られることが多いです。

  • 卵 
  • 牛乳 
  • 肉 
  • 魚や貝 
  • 豆やレンズ豆 
  • 大豆 
  • オーツ麦 
  • 亜麻仁 
  • 麻の実 
  • 小麦 


研究では、ペプチドの中でも、より生物活性があり人の体に有益な効果や健康により大きな影響を与えるペプチド類が調査されています。

異なる生物活性を持つペプチドは、人の体の中で異なる作用を持ちます。そして、これらのペプチドの体内での効果は、ペプチドが含んでいるアミノ酸の配列などに起因していると考えられています。

有名なペプチド類のサプリメントの例は以下のようなものです。

  • コラーゲンペプチド:健康な皮膚の維持や加齢の抑制効果 
  • クレアチンペプチド:筋力の増強や筋肉量の増加 


運動能力を高めるために、ペプチドホルモンなどの製剤を使用する人もいます。しかし、世界アンチ・ドーピング機構では、フォリスタチン(Follistatin)などの、筋肉増強作用のある多くのペプチドホルモンを禁止しているので注意が必要です。


ペプチド類の使用方法と効能

研究では、生物活性のあるペプチドの以下のような効能が指摘されています。

  • 血圧低下作用 
  • 殺菌作用 
  • 抗炎症作用 
  • 血栓抑制作用 
  • 免疫改善作用 
  • 抗酸化作用 


そして、しばしば以下に述べるような効果のためにも使用されます。

加齢プロセスを緩やかにする

コラーゲンは皮膚、毛髪、爪などに存在するタンパク質です。コラーゲンペプチドとはコラーゲンタンパク質が分解されてできる物質で、人の体ではより簡単に吸収が可能です。コラーゲンペプチドの摂取は、健康な皮膚の維持や加齢プロセスの抑制などに有効かもしれません。

いくつかの研究では、コラーゲンペプチドを含むサプリメントが皮膚のシワを改善したとの報告があります。他の研究では、これらのコラーゲンペプチドが皮膚のしなやかさや湿潤度を改善したとも言われています。

ペプチドは、皮膚の色素であるメラニンを産生し、日光などからのダメージから皮膚を守る効果があるかもしれません。

また、局所に塗るような抗加齢(アンチ・エイジング)美容製品などは、皮膚のシワ防止、ハリ改善、血流改善などの効果を期待して、このペプチドを含んでいることが多いです。


創傷の治癒を促す

コラーゲンは、健常な皮膚の重要な構成成分であるため、コラーゲンペプチドの摂取は創傷の治癒を促進するかもしれません。

生物活性のあるペプチドは、炎症を和らげたり、抗酸化物質として機能するなどして、創傷治癒を早めるかもしれません。

現在の研究では、抗菌作用のあるペプチドが調べられており、このペプチドも創傷治癒の改善に関与すると期待されています。体内における抗菌作用のあるペプチドの量が、異常に高かったり少なかったりすると、乾癬、酒さ、湿疹などの皮膚の疾患につながると考えられています。


加齢に関連した骨量減少の予防

動物を使った研究では、少量のコラーゲンペプチドの摂取が、運動をよくする成長期のラットの骨量を増加させたと報告されています。

また、研究では、コラーゲンペプチドが加齢に関連した骨量の減少に有効であるとされています。しかし、さらに確定的なデータを得るためには、これから人を対象とした追加の研究がなされるべきでしょう。


筋力増強と筋肉量の増加

ある高齢者を対象とした研究では、コラーゲンペプチドのサプリメントが筋肉量を増加し、筋力を増強したと報告されています。この研究では、被験者はサプリメントの摂取と一緒に筋力トレーニングを行いました。

クレアチンペプチドも同様に、筋力を改善し、筋肉量を増やす効果が期待されています。

運動を熱心にする人たちの間では、クレアチンタンパク質パウダーは何年も使用されてきましたが、最近では普通の人の間でもクレアチンペプチドがよく知られるようになっています。

これらのペプチドはクレアチンタンパク質などに比較すると、体内で消化しやすく、消化器系の副作用などの原因になることも少ないです。

筋力の増加に関係するサプリメントについては、『筋力UPに使われるサプリメントとは?クレアルカリンとβ-アラニンについて解説してみた。』でも詳しく解説しています。


ペプチド類の副作用

日々の食事に含まれるペプチドと基本的には同じなので、ペプチドサプリメントの摂取が重大な副作用を起こすことは、健康な人にとってはほとんどありません。

経口のペプチドサプリメントは、摂取後にアミノ酸に分解されるため、そのまま直接血中に入るわけではありません。

ある女性を対象にした研究では、コラーゲンペプチドを8週間にわたり摂取しましたが、ペプチドの摂取に伴う副作用は認められなかったと報告しています。

しかし、米国食品医薬品局(FDA)は、サプリメントを医薬品のようには管理していません。このため、サプリメントを摂取する際には、個々人が十分に気をつける必要があります。

ペプチドを含む局所に塗布する軟膏やクリームは、皮膚の過敏症、皮疹、痒みなどの原因となることがあります。

また、サプリメントを購入する際には、必ず評判の良い会社の製品を購入し、アレルギーなどの症状がでた場合にはすぐに注視しましょう。

また、サプリメントを内服開始する際や、ペプチドを含む塗布薬などを使う場合には医療機関で相談をしましょう。

そして、妊婦、授乳婦、内服治療中の方、基礎疾患のある方などでは、担当医と相談してからペプチドサプリの内服を始めましょう。


ペプチド類の使用方法

ペプチドサプリメントをいつ、どの程度内服するのかは、製品のタイプやブランドによって異なります。

ペプチドサプリメントを摂取する際や、クリームやローションなどの塗布薬を使用する場合には、まず使用説明書を確認しましょう。そして、推奨されている使用量を超えないように注意しましょう。もしも副作用が起きた場合には、使用を中止して医療機関で相談をすることが大切です。


まとめ

ペプチドは、タンパク質が多く含まれる食材の中にも自然に存在している物質です。ペプチドサプリメントの内服や、ペプチド含有の局所への塗布薬などの使用は、必ずしも必要ではありません。

しかし、中にはコラーゲンペプチドを加齢プロセスの抑制などの目的に使用したいと考える人もいるでしょう。また、筋肉の構築や増強のためにクレアチンペプチドを摂取する人もいると思います。

これらのペプチドが実際に有効であるのかについては、まだデータが不足しており、ペプチドの効能や安全性については今後の研究の結果が待たれます。

ペプチドに関する研究はまだ初期の段階で、将来的には様々な種類のペプチドの、健康への効能が判明するかもしれません。それまでは、どんなサプリメントを摂取する際にも注意をして、可能性のある効能や副作用のリスクなどについて前もって医療機関で相談をしましょう。

コラーゲンペプチドをサプリで試してみたい方は、「NOW Foods コラーゲンペプチドパウダー」から使用してみると良いでしょう。ただし、重度の症状など適切な治療が必要とされる場合はサプリメントに頼らず、医療機関で診断を受けるようにしましょう。

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