L-カルニチンとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

alloeh編集部

最終更新日:2020/04/30

ヘルスL-カルニチン成分解説

はじめに

L-カルニチンは、人の体の中でも産生されるアミノ酸由来の成分で、しばしばサプリメントとして摂取されています。体重減量の目的に使用されたり、脳の機能への効果が期待されて使用されたりします。しかし、これらの有名な効果が必ずしも科学データに裏付けされているわけではありません。

この記事では、L-カルニチンサプリメントの危険性と効能について説明した後、人の体の中での機能について取り上げようと思います。

L-カルニチンとは何か?

L-カルニチンは、栄養素でもあり食品サプリメントでもあります。L-カルニチンは、脂肪酸を細胞内のミトコンドリアへ運搬するなど、エネルギーの産生において重要な役割を果たしています。(参考1, 参考2, 参考3)細胞内でミトコンドリアは、脂肪酸を燃焼させて使用できる形のエネルギーへ変化する、エンジンのような役割を果たしてます。体内ではリシン・メチオニンなどのアミノ酸からL-カルニチンが産生されます。

人の体の中で十分な量のL-カルニチンを作るためには、大量のビタミンCも必要です。(参考)体内で作られるL-カルニチンに加えて、肉や魚などの動物性の食材を摂取することでも少量ながらL-カルニチンを摂取することができます。(参考)ビーガンの方や、特定の遺伝性疾患などを持つ方の場合には、L-カルニチンの摂取や体内での産生が不十分になることがあります。(参考

これらの場合のように、L-カルニチンは条件付きの必須栄養素と言えるでしょう。

異なるタイプのカルニチン

L-カルニチンは、人の体、食材、サプリメントなどに含まれる、生物学的に活性のあるタイプのカルニチンです。

以下に、いくつか別なタイプのカルニチンを挙げてみましょう。

  • D-カルニチン: これは不活性型のカルニチンで、しばしば他の活性型のカルニチンの吸収を阻害し、体内でカルニチン欠乏を起こす原因となります。(参考1, 参考2) 
  • アセチルL-カルニチン:アルカー(ALCAR)などとも呼ばれ、脳に最も活性があるタイプのカルニチンと考えられています。研究では、神経変性疾患のある患者さんにおいての有効性が指摘されています。(参考) 
  • プロピオニルL-カルニチン:このカルニチンは抹消性血管疾患や高血圧などの循環系に有効であると考えられており、血流を改善する一酸化窒素などの産生を促すと期待されています。(参考2, 参考2) 
  • L-カルニチンL-酒石酸塩:吸収速度が早いため、しばしばスポーツサプリメントなどによく追加されています。筋肉痛や運動からの回復に効果があると報告されています。(参考21/a>, 参考2, 参考3, 参考4) 

多くの人にとっては、アセチルL-カルニチンとL-カルニチンが最もよく使用されるタイプのカルニチンでしょう。

しかし、自分の目的にあったカルニチンを選ぶことも大切です。

体の中での役割

L-カルニチンの体の中での主な役割は、ミトコンドリアの機能維持とエネルギー産生です(参考1, 参考2, 参考3

細胞内では、L-カルニチンが脂肪酸をミトコンドリアに運搬し、そこで脂肪酸は燃焼されてエネルギーへ変換されます。おおよそ98%のL-カルニチンは人の筋肉の中に貯蓄されており、残りのごくわずかな量が肝臓や血中に存在しています。(参考1, 参考2

L-カルニチンは、疾患や健康な老化現象に重要なミトコンドリアの機能の改善にも影響していると考えられています。(参考1, 参考2, 参考3)新しい調査では、心疾患や脳疾患などに使用できる、他のタイプのカルニチンの効能に注目が集まっています。(参考1, 参考2


Point:L-カルニチンは、脂肪酸を細胞内に運搬してエネルギー産生を促すアミノ酸の誘導体です。体内でも作られる他、食事などからも摂取することができます。


L-カルニチンは体重減量作用があるのか?

理論的には、L-カルニチンを体重減量のために使用することは理にかなっています。L-カルニチンが脂肪酸を細胞内に運搬して燃焼を促し、エネルギー産生を増やすので、体内の脂肪が減って体重が減ると考えるかもしれません。

しかし、人の体はとても複雑で、人と動物を対象にした研究の結果は今のところ一貫していません。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4)38名の女性が8週間に渡って週4回運動を行った研究では、L-カルニチンを摂取した人と、そうでない人の間で体重減量に有意な差は認められませんでした。(参考

さらに、この被験者のうちでL-カルニチンを摂取していた5名では嘔気や下痢などの症状が認められました。(参考)他の、人を対象にした研究では、90分のエアロバイク運動とL-カルニチンの摂取の関連を調査しました。(参考)4週間のL-カルニチンを摂取しながらの運動でも、特に脂肪の燃焼効果の改善は認められなかったとされています。

しかし、9つの肥満/高齢の成人を対象にした先行研究をまとめた報告では、L-カルニチンの摂取で平均1.3kg程度多く、体重減量の効果が認められたとされています。(参考)L-カルニチンの効果については、もっと若い年齢層の活動度の高い人に対しても調査が行われるべきでしょう。肥満もしくは高齢の方にとっては、運動食事療法に加えてL-カルニチンを摂取することで、体重減量に対して効果があるかもしれません。


Point:細胞レベルではL-カルニチンが脂肪燃焼を促す可能性が示唆されていますが、人の体においては、その効果はあるとしてもその効果はかなり小さいと考えられています。


L-カルニチンの脳機能に対する効果

L-カルニチンは脳の機能に対しても有効かもしれません。
いくつかの動物を対象とした研究では、アセチル体であるアセチルL-カルニチン(ALCAR)が加齢に関連した認知機能の低下を防ぎ、学習能力を示す指標を改善したとしています。(参考1, 参考2)人を対象とした研究でも、毎日アセチルL-カルニチン(ALCAR)を摂取することで、脳機能の低下を改善し、アルツハイマー型認知症やその他の脳疾患の症状改善につながったとされています。(参考1, 参考2, 参考3

アセチルL-カルニチン(ALCAR)の投与は、同様の有効性がアルツハイマー型認知症以外の脳疾患がある高齢の患者さんでも認められたと言われています。(参考1, 参考2, 参考3

特定のケースでは、アセチルL-カルニチン(ALCAR)の投与が脳細胞へのダメージを軽減するかもしれません。ある研究では、90日間にわたりアルコール依存症のある被験者に1日2gのアセチルL-カルニチン(ALCAR)を投与したところ、脳の様々な機能の改善を認めたと言います。(参考)健康な人における長期使用の効果については、今後の研究による調査が待たれます。


Point:L-カルニチン、特にアセチルL-カルニチン(ALCAR)は、色々な脳の疾患に対して脳機能回復の効果が期待されています。


L-カルニチンの他の健康への効能

他のいくつかの健康への効能がL-カルニチンサプリメントには確認されています。

心臓の健康維持

いくつかの研究では、心臓疾患に影響する、血圧の低下や炎症作用の軽減などの作用が報告されています。(参考1, 参考2)ある研究でも、1日2gのアセチルL-カルニチンを摂取した人において、心臓の健康や疾患リスクに影響する収縮期血圧が10(mmHg)程度低下したとされています。(参考1, 参考2

L-カルニチンは、冠動脈疾患や慢性心不全などの重度の心疾患のある患者さんにおいても、症状などの改善効果が報告されています。(参考1, 参考2)12ヶ月にわたり、心疾患のある患者さんにL-カルニチンサプリメントを投与した研究では、心不全の発症と死亡率の低下を認めたとされています。(参考

運動パフォーマンス

L-カルニチンの運動に対する効果については、研究データは今のところ一貫していません。しかし、いくつかの研究では高用量の長期投与で、軽度の健康への効能が認められたとされています。(参考1, 参考2, 参考3

L-カルニチンの効能は間接的で、効果が発言するまでに数週間から数ヶ月かかると思われています。これは、カフェインやクレアチンなどの、直接運動パフォーマンスに影響する他のサプリメントとは異なります。

L-カルニチンの可能性のある効能

  • 回復:運動後の回復を早める(参考1, 参考2) 
  • 筋肉への酸素供給:筋肉への酸素供給を高める(参考) 
  • 持久力:血管増加作用のある一酸化窒素の産生を増やし、運動による不快感や疲労を軽減につながるかもしれません(参考) 
  • 筋肉痛:運動後の筋肉痛の軽減(参考) 
  • 赤血球の産生:人の体内で酸素を運搬する赤血球を増加させる(参考1, 参考2) 

2型糖尿病

L-カルニチンは2型糖尿病の症状と、関連する危険因子を減少させるかもしれません。(参考1, 参考2, 参考3)ある研究では、糖尿病薬を内服している2型糖尿病の患者さんにおいて、カルニチンサプリメントの摂取が、プラセボに比較して顕著に血糖を低下させたと言います。(参考

また、カルニチンはAMPKと呼ばれる体内の炭水化物の代謝を司る酵素を増加させ、糖尿病を改善させるかもしれません。(参考


Point:研究では、L-カルニチンが運動パフォーマンスの向上や、心疾患・2型糖尿病などの病気の改善に関わっている可能性が示唆されています。


L-カルニチンの安全性と副作用

ほとんどの人にとってL-カルニチンは1日2g以下であれば、比較的安全で特に副作用なども起きないでしょう。

ある研究では、1日3gのL-カルニチンを21日間摂取しても、特に副作用などは認めなかったと言います。(参考

L-カルニチンの安全性をまとめたある報告では、用量が1日2gであれば長期の使用でも安全であるとされています。

しかし、吐き気、胃部不快感などの軽度の副作用が認められたケースもありました。(参考1, 参考2

また、L-カルニチンサプリメントはトリメチラミンN-オキサイド(TMAO)の血中濃度を上昇させると考えられています。このトリメチラミンN-オキサイド(TMAO)は、体内で高値になると、動脈の閉塞につながる動脈硬化を起こしやすくなると言われています。(参考1, 参考2

L-カルニチンサプリメントの安全性については、今後もさらなる研究が必要です。


Point:1日2g以下のL-カルニチンであれば副作用などもなく安全であるようです。暫定的ではありますが、L-カルニチンサプリメントの使用が動脈硬化のリスクを上げるかもしれないとする報告もあるので、今後注意が必要です。


L-カルニチンの供給源となる食材

肉や魚の摂取によって、少量ずつですがL-カルニチンを摂取することが可能です。(参考1, 参考2

L-カルニチンが特に多く含まれているのは以下のようなものです。(参考

  • 牛肉:81mg(85gあたり) 
  • 豚肉:24mg(85gあたり) 
  • 魚:5mg(85gあたり) 
  • 鶏肉:3mg(85gあたり) 
  • ミルク:8mg(227mlあたり) 


面白いことに、食事から摂取されるL-カルニチンの方が、サプリメントから摂取するよりも吸収効率が良いことがわかっています。

ある研究によると、食事と一緒に摂取されたL-カルニチンは57-84%が実際に体内に吸収されるのに対して、サプリメントとして摂取された場合は14-18%程度の吸収率に止まったとされています。(参考

また、すでに挙げたように、L-カルニチンは体内でもメチオニンやリシンなどのアミノ酸から合成されます。

これらの理由から、特定の疾患に対する治療などを除いては、L-カルニチンのサプリメントが必要となる場面はあまりありません。


Point:L-カルニチンの主要な供給源となる食材は、肉、魚、牛乳などの動物性の食材です。また、健康な方においては、体内で十分な量のL-カルニチンを産生することができます。


L-カルニチンを摂取した方がいいのか?

体内のカルニチンの量は、食事から摂取されるカルニチンの量と体内で産生されるカルニチンの量のバランスで決まります。このため、ベジタリアンやビーガンのような動物性の食材を摂取しない人においては、L-カルニチンの血中濃度が低くなる傾向があります。(参考1, 参考2

ベジタリアンやビーガンの方では、L-カルニチンのサプリメントを検討しても良いかもしれません。しかし、現在までのところ、ベジタリアンやビーガンの方を対象として、L-カルニチンの効能を調べた研究はありません。また、高齢の方にとってもL-カルニチンは有益かもしれません。研究では、加齢とともに体内のL-カルニチンの量が低下すると報告されています。(参考1, 参考2

ある研究では、2gのL-カルニチンを摂取した高齢者において、疲労感の軽減と筋肉機能の改善効果が認められたとしています。また、別な研究ではアセチルL-カルニチンが、加齢によって変化が起きやすい、脳の健康と正常機能の維持に有益であったとしています。(参考1, 参考2)加えて、肝硬変、腎疾患などの病気のある方では、L-カルニチンの欠乏症が起きやすくなります。

もし、これらの疾患がある場合には L-カルニチンのサプリメントを内服することは理にかなっているかもしれません。(参考1, 参考2, 参考3)他のサプリメントと同じように、摂取を開始する前に医療機関で相談をしましょう。


Point:特定の方にとっては、L-カルニチンの摂取が有益かもしれません。高齢の方や、肉や魚などをほとんど摂取されない方などの場合には特に有効でしょう。


推奨される用量

一般的に推奨される、L-カルニチンの摂取量は1日500-2,000mg程度です。

研究によって使用される用量は異なりますが、ここではそれぞれの製剤の用量をまとめます。

  • アセチルL-カルニチン:これは、脳の健康や機能に重要なカルニチンです。1日量は600-2,500mg程度で使用されます。 
  • L-カルニチンL-酒石酸塩:運動パフォーマンスの改善に有効と言われています。1日量は1,000-4,000mg程度で使用されます。 
  • プロピオニルL-カルニチン:血流の改善や血圧改善に関連すると言われています。1日量は400-1,000mg程度で使用されます。長期の使用では1日2,000mgまでの使用であれば安全であるとされています。 


Point:推奨されている用量はカルニチンのタイプによっても異なりますが、一般的には1日500-2,000mg程度の用量が安全で有効と考えられています。


まとめ

L-カルニチンは脂肪燃焼剤とも呼ばれますが、実際には効能を裏付ける科学データには一貫性がありません。少なくとも、顕著な体重減量につながるという可能性は低いようです。

しかし、研究ではL-カルニチンの健康維持、脳機能維持、疾病予防などへの有効性が示されています。また、高齢者、ビーガン/ベジタリアンなどの体内のL-カルニチン量が少ない方においては、サプリメントも有効かもしれません。

別なタイプのカルニチンとしては、アセチルL-カルニチンやL-カルニチンなどは最もよく使用され、効果もあると考えられています。

L-カルニチンについてもっと詳しく知りたい場合、『ダイエットにはLカルニチンが効果的!|おすすめのLカルニチンサプリ5選』でも解説していますので、是非参考にしてみてください。

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