コラーゲンとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

私たちの体内にあるたんぱく質の中で最も多くを占めるのがコラーゲンです。 腱、靭帯、肌、筋肉といった体の部分を作る結合組織は、主にコラーゲンによってできています。(参考) 

コラーゲンには、肌にハリを与えたり骨を強くしたりというような、重要な働きがあります。(参考) 

最近はコラーゲンのサプリメントが人気になりました。そのほとんどは、体が吸収しやすいよう分解されている、加水分解コラーゲンです。 豚の皮や豚骨スープのように、食べ物からもコラーゲンの摂取量を増やすこともできます。 

コラーゲンを摂ることで、関節通を和らげたり肌の調子を整えるといったように、健康に良いことがたくさんあると考えられています。(参考参考2) 

この記事では、科学的根拠を踏まえ、コラーゲンを摂取することによる健康への効果を説明していきます。

コラーゲンの6つの効果

1. 肌の調子を整える

コラーゲンは肌を作っている主な要素です。 コラーゲンには、肌を強くすることに加え、弾力や潤いを与える働きがあります。年齢を重ねると、体で作られるコラーゲンの量が減り、肌が乾燥したりシワができたりしてしまいます。(参考) 

しかし、コラーゲンペプチドやコラーゲンの入ったサプリメントによって、シワや乾燥を抑えることで、肌の老化を遅らせる働きが期待できることが、いくつかの研究で明らかになりました。(参考,参考2,参考3,参考4) 

ある研究では、2.5-5 gのコラーゲンを含むサプリメントを8週間摂取した女性たちは、サプリメントを摂取しなかった女性に比べて、肌の乾燥が減り、肌の弾力が著しく向上したという結果が出ました。(参考) 

また別の研究では、コラーゲンのサプリメントを混ぜた飲料を12週間毎日飲み続けた女性たちは、そうでない女性のグループと比較して、肌の潤いが増し、シワが非常に浅くなったことが分かりました。(参考) 

シワを減らすというコラーゲンのサプリメントの効果は、体でコラーゲンを作り出すようコラーゲンが刺激して促す働きによるものだとされてきました。(参考,参考2) 

加えて、コラーゲンのサプリメントを摂ることで、エラスチンやフィブリリンといった、肌を構成するその他のたんぱく質の生成も促す可能性があります。(参考,参考2) 

またコラーゲンのサプリメントには、ニキビ等の肌トラブルを防ぐ働きもあるという逸話のような説もありますが、こうした説には科学的根拠はありません。 コラーゲンのサプリメントはインターネットで購入することができます。

肌の調子を整えるサプリメントについては、『ビタミンCは本当に美肌に効果があるのか?』 でもご紹介しています。

Point:コラーゲンを含むサプリメントを摂取することで、肌の老化を抑えることが期待できます。しかし、コラーゲン自体の働きについては、研究を通じてより強固な証拠が見つかる必要があります。

2. 関節痛の緩和

コラーゲンには軟骨の形成を維持する働きがあります。軟骨とは、関節を守っているゴムのような組織です。 年齢を重ねるにつれて体内のコラーゲンの量が減るため、変形性関節症のような関節の変性疾患を発症するリスクが高まります。(参考

コラーゲンのサプリメントを摂ることで、変形性関節症の症状を改善し、関節痛を全体的に減らす可能性があることを示している研究もあります。(参考,参考2) 

ある研究では、73名の運動選手に1日あたり10 gのコラーゲンを24週間摂ってもらったところ、そうでなかったグループと比べて、歩いている時や休憩中の関節痛が著しく改善されたという結果が出ました。(参考) 

また別の研究では、成人に毎日2 gのコラーゲンを70日間摂取してもらいました。すると、コラーゲンを摂取していなかった人々に比べて、関節痛が著しく減り、体を動かす運動に取り組みやすくなったことが分かりました。(参考

研究者らは、サプリメントで補ったコラーゲンが軟骨に蓄積し、体内の組織でコラーゲンを作り出すよう刺激するのではないかという理論を立てています。 また、このコラーゲンの働きにより炎症を抑え、関節を保護して痛みを減らすことに繋がると研究者らは提唱しています。(参考

皆さんも関節の痛みを和らげるためコラーゲンを摂ってみたいと思うようでしたら、1日当たり8-12 gの服用から始めてみるのがよいと、研究によって推奨されています。(参考, 参考2

 Point:コラーゲンのサプリメントを摂ることで炎症を抑え、体内でコラーゲンを生成するよう刺激を与えることがわかっています。これにより、変形性関節症のような関節疾患を患う人の痛みを和らげることができるでしょう。

3. 骨量減少の予防

私たちの骨は主にコラーゲンでできており、コラーゲンが骨を形作るとともに、骨を強くしています。(参考) 

体内のコラーゲンは年齢とともに減少していくので、骨量も減少していきます。これにより、骨密度が下がったり骨折のリスクが高まるといった、骨粗鬆症をのような症状に繋がります。(参考, 参考2) 

コラーゲンのサプリメントを摂ることで、骨粗鬆症に繋がるような骨の衰弱を防ぐ、ある一定の効果がこれまでの研究により認められています。(参考, 参考2) 

ある研究では、一つのグループの女性たちにはカルシウムのサプリメントと5 gのコラーゲンを一緒に摂ってもらい、もう一つのグループの女性たちにはカルシウムのサプリメントだけを12か月にわたり飲んでもらいました。 この研究の終わりには、カルシウムとコラーゲンサプリメントを一緒に摂取していた女性たちは、カルシウムだけを摂っていた女性たちに比べ、骨の衰弱を促す血中のたんぱく質のレベルが著しく下がっていることが分かりました。(参考) 

別の研究でも、66人の女性に5 gのコラーゲンを12か月間飲んでもらったところ、同様の結果が得られました。 コラーゲンを摂取していた女性たちは、コラーゲンを摂取していなかった女性たちに比べて、骨密度(BMD)が最大7%も高くなっていました。(参考

骨密度は骨の中カルシウムなどのミネラルの量を測定したものです。骨密度が低いと骨が弱く、骨粗鬆症の発症につながります。(参考) 

こうした結果は信頼できるものですが、骨の健康におけるコラーゲンのサプリメントの役割を確実に立証するにはまだまだ人間における研究が必要です。 

Point:コラーゲンのサプリメントを摂取すると、骨粗鬆症をはじめとする骨の疾患のリスクを下げることが期待できます。コラーゲンのサプリメントには、骨密度を上げたり、骨の衰弱を促す血中のたんぱく質のレベルを下げたりする可能性があります。

4. 筋肉量の増加

筋肉組織の1-10%はコラーゲンでできています。このコラーゲンというたんぱく質は、筋肉を強くし、筋肉が正常に機能するために必要です。(参考) 

加齢により筋肉量が減少してしまうサルコペニアを患う人の筋肉量を増やすのに、コラーゲンのサプリメントが効果的であることが研究によって示されています。(参考

ある研究では、27名の虚弱な高齢者に12週間にわたり、毎日15 gのコラーゲンを摂るとともに運動プログラムに参加してもらいました。すると、運動はしていたもののコラーゲンを摂取していなかった人に比べ、筋肉の量と強度が著しく上がっていたことが分かりました。(参考

コラーゲンを摂取することで、クレアチンといった筋たんぱく質の合成を促し、運動後の筋肉の成長を刺激することが期待できると研究者らは提唱しています。(参考

コラーゲンが筋肉量を増やすという可能性については、さらに調査研究を行う必要があります。 

筋力のアップに関しては『筋力UPに使われるサプリメントとは?クレアルカリンとβ-アラニンについて解説してみた。』でも詳しく解説をしています。

Point:コラーゲンのサプリメントを摂取することで、加齢に伴い筋肉量が減少している人にとって、筋肉の成長と強化を助けることが調査の結果から明らかになっています。

5. 心臓の健康の促進

研究者らの立証によると、コラーゲンのサプリメントを摂取することで、心臓に関わる疾患のリスクを下げることが期待できると言われています。 コラーゲンは、血液を心臓から全身へ送る動脈を形作っています。コラーゲンが十分に無いと、動脈が弱く脆くなってしまいます。(参考

すると、動脈が狭くなってしまうことを特徴とする疾患である、アテローム性動脈硬化になってしまう可能性があります。アテローム性動脈硬化になると、心臓発作や脳卒中になる可能性が出てきます。(参考) 

ある研究では、31名の健康な成人に1日当たり16 gのコラーゲンを6か月にわたり摂取してもらいました。するとコラーゲンのサプリメントを摂取し始める前と比べて、最後には、動脈の硬さが著しく下がるという測定結果が得られました。(参考

加えて、HDL「善玉」コレステロールの値が平均で6%上昇しました。HDLはアテローム性動脈硬化を含む心臓疾患のリスクに関わる重要な要因の1つです。(参考

とはいうものの、心臓の健康に対するコラーゲンのサプリメントの働きについてはさらに研究が必要です。 

Point:コラーゲンのサプリメントを摂取することで、アテローム性動脈硬化のような心臓疾患に関わるリスク要因を減らす可能性があります。

6. その他の効果

コラーゲンのサプリメントにはその他にも体に良い効果があるとされていますが、こうした効果については十分な研究がなされていません。 

  • 髪と爪:コラーゲンを摂取することで、爪が脆くなるのを防ぎ、爪を強くする可能性があります。また、髪や爪がよく伸びるよう刺激するとされています。(参考) 
  • 腸:裏付けとなる科学的根拠はありませんが、腸透過性や腸管壁浸漏といった疾患の治療のためにコラーゲンのサプリメントの使用を推奨している開業医もいます。 
  • 脳:脳の健康におけるコラーゲンのサプリメントの役割については調査した研究がありません。しかし気分を良くしたり、不安症を和らげたりする効果があると主張する人もいます。 
  • 減量:コラーゲンのサプリメントを摂ることで減量を助け、消化を早くすると考える人もいます。この主張の裏付けとなる研究はされていません。 こうしたコラーゲンの効果の可能性は期待できますが、正式に結論を出すには研究が必要です。 


Point:コラーゲンのサプリメントは、脳、心臓、腸の健康や、減量、髪、爪にも良いという説があります。しかし現時点では、これらの効果については、ほとんどもしくは全く根拠がありません。

コラーゲンを含む食材

コラーゲンは動物の結合組織に含まれることが見つかっています。つまり、鶏肉の皮、豚の皮、牛、魚からコラーゲンを摂ることができます。(参考,参考2,参考3

豚骨のようなゼラチンを含む食べ物にも、コラーゲンをが含まれています。ゼラチンはコラーゲンを調理することで得られるたんぱく質です。(参考

コラーゲンを豊富に含む食べ物を食べる事で、実際に体内のコラーゲンが増えるのかは、まだ研究が必要です。コラーゲンを豊富に含む食べ物でもサプリメントと同様の効果が得られるのかについて、人間を対象にした研究はまだありません。

食べ物に含まれるコラーゲンは消化酵素によって、個々のアミノ酸とペプチドに分解されます。 サプリメントに含まれるコラーゲンは既に分解されているもの、つまり加水分解されているものなので、食べ物に含まれるコラーゲンよりも効率的に体に吸収されると考えられています。 

Point:動物性の食べ物や豚骨のように、コラーゲンを含む食べ物もあります。しかし、加水分解コラーゲンに比べ、吸収効率は低いとされています。

コラーゲンの副作用

現在、コラーゲンのサプリメントを摂取することによるリスクはそれほど見つかっていません。

しかしサプリメントの中には、魚、貝、卵といった食物アレルゲンから作られているものもあります。こうした食べ物にアレルギーがある人は、アレルギー反応が出ないよう、原料にアレルゲンとなる食べ物が含まれているコラーゲンのサプリメントは避けた方が良いでしょう。

また、コラーゲンのサプリメントを飲むと後味が悪いという人もいます。(参考) 

さらにコラーゲンのサプリメントには、満腹感や胸やけといった消化に関連する副作用を引き起こす可能性もあります。(参考) 

しかしながら、コラーゲンのサプリメントはほとんどの人にとっては安全だとされています。 

Point:コラーゲンのサプリメントは、後味が悪かったり、胸やけや満腹感を感じるといった副作用を引き起こす可能性もあります。またアレルギーがある場合は、自分がアレルギーを持つ食材がコラーゲンの原料として使われていないサプリメントを買いましょう。

最後に

コラーゲンをサプリで試してみたい方は、「DHC コラーゲン」から使用してみると良いでしょう。
ただし、重度の症状など適切な治療が必要とされる場合はサプリメントに頼らず、医療機関で診断を受けるようにしましょう。

コラーゲンを含む食材摂取することにより、ほんのわずかなリスクも明らかになってはいますが、数多くの体に良い効果が期待できます。

初心者の方は、サプリメントを摂ることで肌の調子を整えたりシワや乾燥を抑えることができるかもしれません。また筋肉量を増やしたり、骨折を防ぎ、関節痛を和らげる可能性もあります。

コラーゲンのサプリメントによる効果はこのほかにもたくさん報告されていますが、これらの効果については十分な研究がされていません。 

コラーゲンを含む食べ物もありますが、食べ物に含まれるコラーゲンがサプリメントと同等の効果をもたらすかどうかは明らかになっていません。 コラーゲンのサプリメントは概して安全で、とても簡単に取り入れることができるので、効果を期待して試してみる価値は非常にあります。


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