クランベリーとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

alloeh編集部

最終更新日:2020/05/05

クランベリーの基本:栄養素と健康への効能

クランベリーは、ブルーベリー、ビルベリー、リンゴンベリー(コケモモ)などのヘザー属(ギョリュウモドキ属)の1種です。

最も多く栽培されているのは、北アメリカクランベリー(オオミツルコケモモ:バシニウム・マクロカルポン)ですが、他の種類のクランベリーも自然界では見つかります。

クランベリーはそのピリッとした酸味から、生で食べられることはほとんどありません。

実際、ほとんどの場合はクランベリーはジュースにして摂取されることが多く、大抵は他のフルーツジュースなどと混ぜられて甘みを加えて飲まれます。

他の、クランベリーが使用される食べ物は、ソース、乾燥クランベリー、クランベリー粉末、クランベリー抽出液サプリメントなどが挙げられます。

クランベリーには、いくつもの健康に良いビタミンや、植物性化合物が含まれ、これらの一部は尿路感染症などに対して有効であると考えられています。

この記事では、その栄養素や健康への効能など、クランベリーについて知っておいた方が良いことを取り挙げます。

クランベリーの栄養素

生のクラベリーは、ほぼ90%が水分でできており、残りのほとんどは炭水化物と食物繊維でできています。(参考, 参考2

1カップ(おおよそ100グラム)の甘味が添加されていない生のクランベリーには、以下のような栄養素が含まれます。(参考

  • カロリー: 46
  • 水分: 87%
  • タンパク質: 0.4グラム
  • 炭水化物: 12.2グラム
  • 糖分: 4グラム
  • 食物繊維: 4.6グラム
  • 脂質: 0.1グラム

炭水化物と食物繊維

クランベリーは、主に炭水化物と食物繊維から構成されます。(参考

クランベリーに含まれる炭水化物は主に、スクロース、グルコース、フルクトースなどの単糖類です。(参考, 参考2
残りは、ペクチン、セルロース、ヘミセルロースなどの不可溶性の繊維で、摂取後も消化管を消化されずに通過します。

クランベリーには、可溶性の食物繊維も含まれています。
このため、過剰なクランベリーの摂取は、下痢などのような消化器症状も来す可能性があります。

一方で、クランベリージュースは、他のフルーツジュースで希釈されて、甘味なども追加されているので、ほとんど食物繊維が含まれません。(参考,参考2

ビタミンとミネラル

クランベリーは、特にビタミンCなどを中心とした、いくつかのビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。

ビタミンC:アスコルビン酸などとも呼ばれるビタミンCは、クランベリーに含まれる主要な抗酸化物質の1つで、健康な皮膚・筋肉・骨の維持に不可欠なビタミンです。(参考

マンガン: 多くの食材に含まれ、成長、代謝、体の抗酸化システムなどに不可欠な元素と考えられています。

ビタミンE: 人の体に必須の、脂溶性抗酸化物質の1つです。

ビタミンK1:フィロキノンとも呼ばれ、人の血液凝固に重要な役割を果たしています。

:欧米型の食事で欠乏しがちな微量元素です。銅の摂取不足によって起きる銅欠乏症は、心臓の健康に悪影響を与える可能性があります。(参考, 参考2

Point: クランベリーには、主に炭水化物と食物繊維が含まれています。また、マンガン、銅、ビタミンC・E・K1など、いくつものビタミンや、ミネラルなども含まれています。一方で、クランベリージュースには、ほとんど食物繊維が含まれないことには注意しましょう。

その他の植物性の化合物

クランベリーには、生物活性のある植物性化合物や、フラボノールポリフェノールなどのような抗酸化物質が豊富に含まれています。(参考, 参考2, 参考3, 参考4
これらの植物性化合物の多くは果実の皮部分に集中しており、クランベリージュースとなると、その量が減少してしまいます。(参考

ケルセチン:クランベリーに最も多く含まれる、抗酸化作用のあるポリフェノールの1種です。実際クランベリーは、フルーツ由来のケルセチンの主要な供給源となっています。(参考,参考2, 参考3

ミリセチン:クランベリーに含まれる主要な抗酸化物質であるポリフェノールの1つで、多くの健康への効能があると期待されています。(参考, 参考2

ペオニジン:シアニジンと同じように、ペオニジンはクランベリーの鮮やかな赤色と、その健康への効能の原因成分と考えられています。クランベリーは、このペオニジンを最も多く含む食材の1つでもあります。(参考, 参考2

ウルソール酸:ウルソール酸はトリテルペン化合物の1種で、クランベリーの皮に集中しています。多くの伝統医療で薬として、その強力な抗炎症作用が利用されてきました。(参考, 参考2, 参考3

Aタイプ-プロアントシアニジン:又の名を凝縮タンニンとも呼ばれ、尿路感染症に対して効果があると考えられている成分の1つです。(参考, 参考2, 参考3


クランベリーは、いくつもの生物活性のある植物性化合物を含んでいます。

Aタイプ-プロアントシアニジンなど、これらの成分の一部には尿路感染症への効能が期待されています。

尿路感染症は、頻度の高い細菌感染症の1つで、特に女性において頻度が高くなります。(参考, 参考2
この尿路感染症は、ほとんどの場合は腸内細菌である大腸菌(E. Coli)が、膀胱や尿路の内面に付着して感染することで起こります。

クランベリーには、A-タイプ プロアンソシアニジンまたは、凝縮タンニンとも呼ばれる特殊な植物栄養素が含まれています。
A-タイプ プロアンソシアニジンには、大腸菌(E. Coli)が膀胱や尿路の内側に付着するのを防ぐ効果があると考えられており、クランベリーの摂取が尿路感染症に対して予防的に作用すると期待されています。(参考, 参考2, 参考3, 参考4, 参考5

実際クランベリーは、特にAタイプのプロアンソシアニジンを最も多く含むフルーツの1つです。(参考, 参考2, 参考3

そして、多くの人を対象とした研究で、クランベリージュース、もしくはクランベリーサプリメントの摂取が、小児と成人において尿路感染症の頻度を低下させたと報告されています。(参考, 参考2, 参考3, 参考4, 参考5, 参考6, 参考7

過去の研究を総合的にまとめた、システマティックレビューやメタアナリシスでも、特に女性における尿路感染症の予防効果があったと報告しています。(参考, 参考2, 参考3

一方で、少数の研究では、有意な予防効果が認められなかったと報告しているものもあります。(参考, 参考2, 参考3

全てのクランベリー製品が尿路感染症の予防に有用というわけではありません。

実際、有効成分と考えられているプロアンソシアニジンは、多くの製品で加工の段階で失われてしまうことが知られています。(参考

しかし、Aタイプのプロアンソシアニジンを十分量含んでいるクランベリーサプリメントであれば、尿路感染症の予防に対して有効かもしれません。

尿路感染症を疑う症状がある時には、医療機関で相談をしましょう。
一番効果的な治療方法は、抗菌薬による治療です。

クランベリーは、感染の治療自体には有効ではなく、そもそもの感染を起こしにくくする、予防的な効能が期待されていることには注意しましょう。

クランベリージュースとクランベリーサプリメントは尿路感染症の発症リスクを軽減して、予防的に働くかもしれません。

ただし、尿路感染症自体を治療するわけではないことに注意しましょう。

その他の可能性のある効能

クランベリーには、その他にも複数の健康への効能があると考えられています。

クランベリーを用いた胃がんと胃潰瘍の予防

胃がんは、世界的に見ても癌関連の死亡原因で頻度の高い癌の一つです。(参考, 参考2

ヘリコバクター・ピロリ(H. Pylori)と呼ばれる細菌の胃への感染が、胃がん、胃の炎症、胃潰瘍などの主要な原因となることが知られています。(参考, 参考2, 参考3, 参考4, 参考5

クランベリーには、A-タイプ プロアンソシアニジンと呼ばれる特徴的な植物性化合物が含まれており、このプロアンソシアニジンが、ヘリコバクター・ピロリ(H. Pylori)の胃壁への付着を防いで、胃がんのリスクを軽減させると考えられています。(参考, 参考2, 参考3, 参考4

189名の成人を対象にした研究では、毎日2.1カップ(500ml)のクランベリージュースを摂取したところ、有意にヘリコバクター・ピロリ(H. Pylori)の感染が減ったと報告されています。(参考

他の295名の小児を対象とした研究でも、毎日クランベリージュースを3週間摂取したところ、ヘリコバクター・ピロリ(H. Pylori)の感染がある小児で、ピロリ菌の繁殖抑制効果が見られたとされています。(参考

クランベリーを用いた心臓の健康

世界的にも心疾患は、最も多い死亡原因のうちの1つです。

クランベリーには、心臓の健康に有益な可能性がある、複数の抗酸化物質が含まれています。

これらの抗酸化物質には、アンソシアニン、プロアンソシアニジン、そしてケルセチンが含まれています。(参考, 参考2, 参考3, 参考4, 参考5

人を対象とした研究でも、クランベリージュースや、クランベリーの抽出液が、複数の心疾患のリスク因子の改善に対して有効であったと報告されています。(参考, 参考2, 参考3, 参考4, 参考5, 参考6

クランベリー関連の製品の期待される効能には以下の様なものがあります。

  • 血中のHDL(善玉)コレステロールの増加
  • 糖尿病患者さんにおける血中のLDL(悪玉)コレステロールの低下(参考
  • LDL(悪玉)コレステロールの酸化予防
  • 心疾患のある患者さんでの動脈硬化予防
  • 血圧低下
  • 血中のホモシステインを減少させ、血管の炎症リスクを軽減

しかしながら、これらの期待される効能を裏付ける研究データは確定的ではありません。

クランベリーを用いた胃癌発症のリスク軽減について

クランベリーやクランベリージュースを定期的に摂取することは、胃癌の発症リスク軽減につながるかもしれません。

また、クランベリージュースとクランベリーの抽出液はどちらも、コレステロール値や血圧など、複数の心疾患へのリスク因子を改善させる効果が期待されています。

安全性と副作用

クランベリーとクランベリー製品は、通常は過量にならなければ安全に摂取ができます。

しかし、過量な摂取は胃部不快感や下痢、そして尿路結石の傾向がある人においては、結石発症のリスク上昇につながると考えられています。(参考

尿路結石

尿路結石は、尿中の特定のミネラルが高濃度となった時に形成され、激痛を伴います。
食生活を見直すことで、尿路結石のリスクを軽減できます。
ほとんどの尿路結石はシュウ酸カルシウムでできており、尿中への過剰なシュウ酸排泄が尿路結石の主要なリスク因子となります。(参考, 参考2

特にクランベリーの濃縮抽出液は多くのシュウ酸塩を含みます。
このため、過量に摂取すると尿路結石のリスク上昇につながると考えられています。(参考, 参考2, 参考3
しかし、人を対象とした研究の結果は一貫しておらず、今後も追加での調査が必要でしょう。(参考, 参考2

尿路結石のできやすさは、人によって異なります。
ほとんどの人では、クランベリーの摂取が大きく尿路結石の形成に影響することはないでしょう。
ただし、尿路結石ができやすい人においては、クランベリーや、その他のシュウ酸を多く含む食材の過量摂取を避けることは理にかなっているでしょう。

クランベリーの過量摂取は、特定の人において尿路結石のリスクを高めてしまうかもしれません。

まとめ

クランベリーは乾燥果実、ジュース、サプリメントなど、多くの形で使用されています。(参考

このクランベリーは、いくつものビタミンやミネラルを含む他、複数の特別な植物性化合物も豊富に含んでいます。

これらの植物性化合物のうちいくつかは、尿路感染症、胃癌、心疾患などに対して予防的働くかもしれません。

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