タンパク質の効果とは?論文をもとにタンパク質の10の効果を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

脂質と炭水化物の健康への影響は、まだまだたくさんの議論が交わされています。しかし、ほとんどの人がタンパク質はとても重要であることに同意しています。

私たちは日常的に欠乏症を防ぐのに十分なタンパク質を摂取していますが、一部の人はさらに多くのタンパク質を摂取することにより、もっと健康的な効果を得ることができるでしょう。
多数の研究により、高タンパク質な食事は減量と代謝増加など健康に大きな利点があることが示唆されています。(参考1参考2

この記事では、より多くのタンパク質を摂取するべき10の科学的根拠についてお伝えしていきます。

タンパク質の効果

1.食欲や空腹を抑える

脂質、炭水化物、タンパク質の3つの主要栄養素は、さまざまな形で私たちの体に影響を与えています。ある研究では、タンパク質は少ない量にもかかわらず、満腹感を感じやすくさせます。(参考
これは、タンパク質が空腹ホルモンであるグレリンの量を下げるためです。また、満腹感を与えるホルモンであるペプチドYYのレベルを高めてくれます。(参考1参考2参考3

食欲に対するタンパク質の効果は強力です。ある研究では、タンパク質摂取量をカロリーの15%から30%に増やすことで、肥満型の女性が意図的に食事制限することなく、毎日441cal少なく食べるようになりました。(参考

体重や腹部の脂肪を減らす必要がある場合は、炭水化物と脂質の一部をタンパク質に置き換えてみてください。ジャガイモやご飯の量を減らし、肉や魚を少しずつ増やすだけで簡単にできます。

Point: 高タンパク質の食事は空腹感を抑え、より少ない摂取カロリーで満腹感を得ることができます。これは、食欲や体重を調節しているホルモン機能に働きかける作用があるためです。


2.筋肉量と筋力を増加させる

タンパク質は筋肉の構成要素です。
したがって、十分な量のタンパク質を摂取するとことで筋力を維持し、筋力トレーニングを行う際に筋肉の成長を促進させます。多くの研究では、タンパク質をたくさん摂取すると筋肉量と筋力を高めるのに役立つことが分かっています。(参考1参考2

運動をしているまたは、体重や筋肉を増量している方の場合は、十分なタンパク質を摂取しているかどうか確認する必要があります。タンパク質摂取量を高く保つことは、減量中の筋肉の損失を防ぐのにも役立ちます。(参考1参考2参考3


Point: 筋肉は主にタンパク質で構成されています。十分な量のタンパク質摂取は、体重減少時の筋肉の減少を防ぎ、筋肉量と筋力を高めるのに役立ちます。


3.骨に良い

ある情報では、タンパク質、主に動物性タンパク質が私たちの骨に悪影響があるという意見があります。これは、タンパク質が体内の酸に負荷をかけることにより、酸を中和させるために骨からカルシウムが溶出するためだとされています。しかし、ほとんどの長期的な研究では、動物のタンパク質を含むタンパク質が骨の健康に大きく貢献することが分かっています。(参考1参考2

より多くのタンパク質を摂取する人は、加齢とともに減少傾向にある骨密量を維持する傾向があり、骨粗鬆症および骨折のリスクがはるかに低くなります。(参考1参考2

これは、閉経後に骨粗鬆症のリスクが高まる女性にとって特に重要です。十分なタンパク質を摂取し続けることは、これらを防ぐのに役立ちます。

Point: より多くのタンパク質を摂取する人は、骨が健康になり、加齢とともに伴う骨粗鬆症や骨折のリスクをはるかに低くする効果があります。


4.深夜の間食を抑える

私たちが感じる食欲は、場合により通常の空腹とは異なることがあります。それは私たちの体がエネルギーや栄養として食べ物を必要としている場合だけでなく、私たちの脳が欲求として必要としている場合があるからです。(参考
それが分かっていても、この欲求をコントロールするのは非常に難しい場合があります。それらを克服する最良の方法は、そもそもこの欲求を発生させることを防ぐことかもしれません。

そしてこの最良の予防方法の1つは、タンパク質摂取量を増やすことです。
肥満型の男性を対象としたある研究では、タンパク質からのカロリー摂取を25%に増やすことで、食欲が60%減少し、深夜の間食欲求が半分になりました。(参考

同様に、肥満型の思春期の被験者を対象とした研究では、高タンパク質の朝食を食べることで、過剰な食欲や深夜の間食を減少させることができました。これは、ドーパミンの機能の改善による影響があります。ドーパミンは、欲求と依存症に関与する主要な脳ホルモンの1つです。(参考


Point: より多くのタンパク質を摂取すると、過剰な食欲や深夜の間食への欲求が減る可能性があります。高タンパク質の朝食を食べるだけでも大きな効果があるかもしれません。


5.代謝を促進し、脂肪燃焼を増加させる

食べることは、私たちの新陳代謝を少しの間高めることができます。
それは、私たちの体がエネルギーを使って、摂取した食べ物の栄養素を利用しているからです。これは、エネルギーの一部であり食品の熱効果(TEF)と呼ばれています。

ただし、この点ですべての食品が同じというわけではありません。 実際、脂質や炭水化物の食品の熱効果は5〜15%に比べ、タンパク質は20〜35%とはるかに高い熱効果があります。(参考
タンパク質を多く摂取すると、代謝が大幅に向上し、燃焼カロリーが増加することが分かっています。これは、1日当たり80〜100cal消費となります。(参考1参考2参考3

実際いくつかの研究では、さらに燃焼できることが分かっています。とある研究では、高タンパク質グループは、低タンパク質グループよりも1日あたり260cal多く燃焼していました。 これは、1日あたり1時間の中程度強度の運動に相当します。(参考


Point: タンパク質摂取量が多いと、代謝が大幅に向上し、1日を通してより多くのカロリーを消費できるようになります。


6.血圧を下げる

高血圧は、心臓発作、脳卒中、慢性腎臓病の主な原因です。興味深いことに、タンパク質の摂取量が多いほど血圧が低くなることが示されています。

40件の対照試験の結果、タンパク質摂取の増加により、心臓が収縮した時の血圧(測定値の最高値)が平均1.76mmHg低下し、心臓が拡張した時の血圧(測定値の下限値)が1.15mmHg低下しました。(参考

またある研究では、血圧を下げることに加えて、高タンパク質の食事がLDL(悪玉)コレステロールと中性脂肪であるトリグリセリドを減少させることを発見しました。(参考


Point: いくつかの研究では、タンパク質の摂取量を増やすと血圧を下げる効果があることが分かっています。


7.減量の維持をサポート

高タンパク質の食事は代謝を促進し、カロリー摂取量と食欲を減少させる効果があるため、タンパク質の摂取量を増やした場合、体重の減少傾向が見られます。(参考1参考2

ある研究では、カロリーの30%をタンパク質から摂取した肥満型の女性が、12週間で5 kgの体重の減少が見られましたが、この時、食事制限などは一切していませんでした。(参考

タンパク質は、意図的なカロリー制限中の脂肪の減少にも効果があります。

肥満型の130人の被験者を対象に、カロリー制限を行った食事を1年間行った研究では、高タンパク質グループは、同じカロリー数を摂取する通常のタンパク質のグループよりも53%体脂肪がより減少していました。(参考

もちろん、体重を減らすことに過ぎませんが、減量を維持することは、私たちにとってはるかに大きな課題です。

また、タンパク質摂取量のわずかな増加が体重維持に役立つことが分かりました。ある研究では、タンパク質をカロリーの15%から18%に増やすと、体重増加が50%減少しました。(参考

過剰な体重の増加を抑えたい場合は、タンパク質摂取量を継続的に増やすことをおすすめします。


Point: タンパク質の摂取量を増やすと、体重を減らすだけでなく、減量後の体重を長期的に維持できます。


8.腎臓への害はない

皆さんの中には、高タンパク質摂取が腎臓に害を及ぼすと聞いたことがある方もいるかと思います。

タンパク質の摂取を制限することで、腎臓病の患者に効果があることは事実です。 腎臓の問題は非常に深刻になる可能性があるため、これを軽視すべきではありません。(参考

タンパク質の摂取量が多いと、腎臓に問題のある方には健康被害が及ぶ可能性がありますが、健康な腎臓の方には問題ありません。

実際、多くの研究では、高タンパク質の食事が健康な腎臓の方へ有害な影響を与えないことを強調しています。(参考1参考2参考3


Point: タンパク質は、腎臓に問題のある方には健康被害が及ぼす可能性がありますが、健康な方の腎臓への影響はありません。


9.ケガ後の体の回復を助ける

タンパク質は、ケガで傷ついた後の体の修復を助けるのに役立ちます。

なぜならタンパク質は組織や臓器の主要な構成要素を形成しているからです。

多くの研究では、損傷後により多くのタンパク質を摂取することで回復の速度を上げることが可能だと証明されています。(参考1参考2


Point: より多くのタンパク質を摂取すると、損傷後の体の回復が速くなります。


10.年齢に合った健康の維持

老化の原因の1つに、筋肉の衰えがあります。

最も重症な症例は、加齢や疾患により筋肉量が減少するサルコペニアというものがあり、これは骨折、および高齢者の生活の質の低下の主な原因の1つです。(参考1参考2

より多くのタンパク質を摂取することは、加齢に伴う筋肉の減少を軽減し、サルコペニアを予防する最良の方法の1つです。(参考

体を動かすことも重要であり、ウエイトトレーニングや筋力アップトレーニングはサルコペニアを予防するのにとても効果的でしょう。(参考


Point: タンパク質をたくさん摂取することにより、老化に伴う筋肉の減少を抑えることができます。


最後に

多くのタンパク質を摂取する場合、健康上の利点がありますが、すべての人とは限りません。

ほとんどの人はすでにカロリーの約15%をタンパク質から摂取しており、これは十分な量と言えるでしょう。

しかし場合によっては、それよりはるかに多くのカロリーをタンパク質から摂取することでさらにその効果を得ることができます。それは最大カロリーの25〜30%までです。

体重を減らしたり、代謝の健康改善、筋肉量と筋力を高めたりする必要がある場合は、十分なタンパク質を摂取することを意識してください。

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