蜜蝋(ミツロウ)とは
蜜蝋はミツバチや他のハナバチの巣で作られた製品のことです。蜜蝋に花粉が混ざると白から黄色、または茶色へと色が変化します。
蜜蝋は、高コレステロール、痛み、真菌性皮膚感染症、そして他の症状にも使用されていますが、これらの症状への効果を証明する十分な科学的研究はまだありません。
食品や飲み物としては、精製された白色の蜜蝋と、精製されていないがアルコール処理された黄色の蜜蝋が硬化剤として使われます。
製造業では、黄色と白色蜜蝋は増粘剤や乳化剤として、また化粧品には硬化剤として利用されています。また、未精製の白色の蜜蝋は石鹸や香水の香料として、その他にも精製、未精製に関わらず錠剤の艶だしにも利用されています。
蜜蝋の健康効果は?
蜜蝋はコレストロール値の低下、感染症の予防、そして非ステロイド性抗炎症薬が原因によって引き起こされる潰瘍から胃を守る働きがあると考えられています。
使用法と効果
十分な証拠はありませんが、以下の症状に効果がある可能性があります。
肛門の粘膜に生じた小さな裂傷(裂肛)
初期の研究では、蜜蝋、蜂蜜、そしてオリーブオイルを混ぜ合わせたものを12時間患部に塗ると、裂肛による痛み、出血、そして痒みが和らいだことが分かっています。
火傷
初期の研究では、蜜蝋、オリーブオイル、そしてアルカネットを混ぜた液体を塗ったカーゼを、第2度熱傷を負った患部にあてると、回復が早まり、入院期間が短縮されたと報告されています。他の初期研究でも、特定の蜜蝋クリームに熱傷の傷が治りかけている頃に起こる痒みを抑える効果が確認されています。
おむつかぶれ
初期の研究では、蜜蝋、蜂蜜、そしてオリーブオイルを混ぜ合わせたものを1日4回、1週間塗ったところ、おむつかぶれの症状が和らいだことが分かっています。
痔
初期の研究では、蜜蝋、蜂蜜、そしてオリーブオイルを混ぜ合わせたものを12時間患部に塗ると、痔による痛み、出血、そして痒みが和らいだことが分かっています。
口内の腫れ(炎症)と痛み(口腔粘膜炎)
初期の研究では、蜂蜜、オリーブオイル、プロポリス抽出物、そして蜜蝋を混ぜ合わせたものを、がん治療によってできた口内炎に塗ると、重症の潰瘍を患う患者の回復時間を早めたことが分かっています。しかし、中等度の潰瘍には効果が期待できません。また、この蜜蝋を混ぜ合わせたものよりも、蜂蜜だけを塗った方がより効果があると考えられています。
白癬(体部白癬)
初期の研究では、蜜蝋、蜂蜜、そしてオリーブオイルを混ぜたものを患部に4週間に渡り、1日3回患部に塗ると、白癖が改善されたと報告されています。
いんきんたむし(頑癬)
初期の研究では、蜜蝋、蜂蜜、そしてオリーブオイルを混ぜたものを患部に4週間に渡り、1日3回患部に塗ると、いんきんたむしが改善されたと報告されています。
一般的な真菌による皮膚感染症(癜風)
初期の研究では、蜜蝋、蜂蜜、そしてオリーブオイルを混ぜたものを患部に4週間に渡り、1日3回患部に塗ると癜風と呼ばれる真菌性皮膚感染症が改善されたと報告されています。
他にも下記の症状に効果があるとされています。
- 下痢
- しゃっくり
- 高濃度のコレステロール、及び血中脂質(脂質異常症)
- 胃潰瘍
副作用と安全性
口から摂取した場合
食品や薬として口から蜜蝋を摂った場合、ほとんどの人には安全だと考えられています。稀ではありますが、蜜蝋にアレルギー反応を示す人がいます。
皮膚に塗布した場合
皮膚に直接塗った場合、ほとんどの人には安全だと考えられています。稀ではありますが、アレルギー性湿疹を引き起こす人がいます。
特別な予防処置と警告
妊婦と授乳中の女性
妊婦と乳中の女性に対する蜜蝋の安全性については十分な情報がありません。身の安全を図るために使用を避けることをおすすめします。
相互作用
蜜蝋の相互作用に関する情報は現在のところありません。
投与量
蜜蝋の適切な投与量は年齢、健康状態、そしていくつかの他の条件などによって異なってきます。現在のところ、蜜蝋の適切な投与量に関する十分な科学的根拠はありません。天然の素材が常に安全であるとは限らず、適切な量を摂取することはとても大切だということを覚えておきましょう。製品ラベルの指示に必ず従い、使用の前には薬剤師、医師、または医療関係者に相談しましょう。
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