酸化チタンとは軽くて、強くて錆びにくいチタンの化合物です。別名、二酸化チタンともいいます。酸化チタンには下記の3種類があります。
- ルチル型
- アナターゼ型
- ブルッカイト型
このうち、食品や化粧品に使用されるのはルチル型とアナターゼ型という2種類です。この2つはナノ粒子という非常に細かい状態で使用されるため肉眼で見ることは難しいです。今回はそんな酸化チタンの用途や効果、副作用について紹介します。
酸化チタンとは?
酸化チタンは無臭の粉末で、食品の白色や乳白色を強める働きがあります。また優れた光反射性があることから多くの食品や化粧品の白色を強く出すため、そして紫外線を防ぐために使用されています。そのため、酸化チタンは食品と製品の質を高めるために幅広く使われています。主に下記のものに使用されています。
- コーヒークリーム
- キャンディー
- 日焼け止め
- 歯磨き粉
酸化チタンの用途
それでは、酸化チタンの用途や効果の詳細を見ていきます。
食品の品質担保
酸化チタンは光を吸収し、それを四方八方に放出する特性があるので、食品の白色や乳白色を強めるために一定の食品に少量使用されています。(参考1)(参考2)
食品に使われる酸化チタンは通常直径200~300ナノメートル(nm)といわれており、大きさは二酸化チタンに吸収された光が広範囲に広がるのにちょうど良いとされています。(参考)
また、大きさ以外にも食品に使用する酸化チタンの純度は99%でなければいけないというルールがあります。しかし、これでは鉛、ヒ素、または水銀などの異物が少量ですが混入してしまう恐れがあることを念頭においてください。(参考)
このような効果を持つ酸化チタンはチューインガムやキャンディー、ペイストリー、チョコレート、コーヒークリーム、そしてケーキのデコレーションなどに使用されています。(参考1)(参考2)
食品保存料とパッケージ
酸化チタンは食品の新鮮さを長く保つために、食品のパッケージにも使われます。
酸化チタンが含まれたパッケージは果物から発生するエチレンの量を抑える働きがあります。そのため、果物が熟すスピードが遅くなり、お店でより長く販売することができます。(参考)
さらに、このパッケージには抗菌性と光触媒性があり、光触媒性により紫外線から食品を守ります。(参考)
化粧品
酸化チタンは化粧品の発色を良くするために使用されます。店頭で販売されている口紅や日焼け止め、歯磨き粉、クリーム、そしてパウダーなどに使用されています。化粧品に使用されるのは酸化チタンナノ粒子で、食品に使われるものよりもさらに小さいです。(参考)
酸化チタンは紫外線を防ぐことに優れており、太陽の紫外線A波と紫外線B波が肌に到達するのをブロックする働きがあるため、日焼け止めによく使用されています。(参考)
しかし、感光性があるため肌の老化などフリーラジカルの発生を促す可能性があります。それを防ぐため日焼け止めの効果を弱めないために、通常はシリカやアルミナでコーティングされます。(参考)
化粧品は食べるわけではありませんが、中には口紅や歯磨き粉に含まれる酸化チタンを飲み込むことや、肌から吸収される可能性を懸念する声もあります。
酸化チタンの摂取量
二酸化チタンの年齢別摂取量は10歳未満の子どもが一番多く、一日の摂取量は体重1ポンドあたり0.08㎎(体重1㎏あたり0.18㎎)です。
それに比べて、大人の一日の平均摂取量は体重1ポンドあたり0.05㎎(体重1㎏あたり0.1㎎)です。ただし、この数字は変わることがあります。(参考1)(参考2)
子どもの摂取量の方が多いのは体が小さい上に、ペイストリーやキャンディーを大人よりも多く食べる傾向にあるからです。(参考)
研究があまり進んでいないため、酸化チタンの一日摂取許容量(ADI)は定められていません。しかし、欧州食品安全機関による綿密は評価では1日に体重1ポンドあたり1,023㎎(体重1㎏あたり2,250㎎)の二酸化チタンを消費したねずみに副作用は現れませんでした。(参考)
あくまでもねずみを対象にした実験なので、さらなる人間を対象とした研究が必要です。
酸化チタンの危険性
アメリカでは商品の重さに対して酸化チタンの含有量は1%以下でなければいけないとされています。 また、アメリカ食品医薬品局(FDA)では酸化チタンを一般に安全と認められる物質として区分していますが、国際がん研究機関 (IARC)は酸化チタンを発がん性リスクグループ2Bに区分しています。このグループには発がん性の可能性があるが、動物および人間への研究が不十分である物質が区分されます。これが原因で、食品に使用されている二酸化チタンの安全性が問われるようになりました。 (参考) (参考1)(参考2)
この区分がされた理由は、いくつかの動物を使った研究で酸化チタンの粉塵を吸引した場合、肺腫瘍を引き起こす可能性があると発見されたからです。しかし、国際がん研究機関は、酸化チタンを含んだ食品にはその危険性はないと結論付けています。(参考)
吸収することによる影響
直径100nm以下の大きさの酸化チタンのナノ粒子が肌や腸から吸収されることを懸念する声もあります。いくつかの小規模の試験管を使った研究ではナノ粒子は腸の細胞に吸収され、酸化ストレスの状態とがんの発生を引き起こす可能性があるとの見解を示しました。しかし、その他の研究では特に影響は見られませんでした。(参考1)(参考2)(参考3)さらに、ある2019年に行われた研究では、食品に使われる酸化チタンのサイズは大きく、ナノ粒子ではないことに触れています。よって、研究者たちは食品に使われる二酸化チタンは体内に吸収されにくいので、人間への健康被害は無いと結論付けています。(参考)最後に、ある研究では、酸化チタンナノ粒子は肌の表面の層である、角質層に浸透しないので、発がん物質ではないとの見解を示しています。(参考1)(参考2)
酸化チタンの安全性
しかし、現時点では酸化チタンの摂取は安全だと考えられています。ほとんどの研究では、食べ物から摂取される酸化チタンの量はかなり少ないとされており、健康に影響を与えることはないと結論付けています。(参考1)(参考2)(参考3)(参考4)
もし二酸化チタンをどうしても避けたい場合は食品や飲み物の表示ラベルをしっかりと確認するようにしましょう。チューインガム、ペイストリー、キャンディー、コーヒークリーム、そしてケーキのデコレーションなどの食べ物は一般的に二酸化チタンが使われています。
二酸化チタンには他の呼び方があることを覚えておいてください。商品の表示ラベルには「二酸化チタン」ではなく、他の名称で記載されている場合があるので、注意しましょう。(参考)
酸化チタンの副作用
現時点では酸化チタンの摂取は安全だと考えられています。ほとんどの研究では、食べ物から摂取される酸化チタンの量はかなり少ないとされており、健康に影響を与えることはないと結論付けています。(参考1)(参考2)(参考3)(参考4)
もし二酸化チタンをどうしても避けたい場合は食品や飲み物の表示ラベルをしっかりと確認するようにしましょう。チューインガム、ペイストリー、キャンディー、コーヒークリーム、そしてケーキのデコレーションなどの食べ物は一般的に二酸化チタンが使われています。
二酸化チタンには他の呼び方があることを覚えておいてください。商品の表示ラベルには「二酸化チタン」ではなく、他の名称で記載されている場合があるので、注意しましょう。(参考)
報告されている酸化チタンの副作用は下記とされています。研究が足りず、人間に対する結果は報告されていません。
経口摂取
副作用は確認されていません。
目に入った場合
軽い不快感があるかもしれません。
吸入
動物を使った実験では、二酸化チタンの粉塵の吸入と肺がん発症の関係性を指摘しています。
肌からの吸収
軽い不快感があるかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか?酸化チタンは主に下記の用途があります。
- 食品の品質の担保
- 食品保存料とパッケージ
- 化粧品
酸化チタンについて正しく理解し、健康な生活を送りましょう。
Powered by Froala Editor