メチルコバラミン(メコバラミン)とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説」

Written by alloeh編集部

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メチルコバラミンとシアノコバラミンの違いとは

ビタミンB12はコバラミンとしても知られており、赤血球産生や脳の健康、DNA合成に関与する重要な水溶性ビタミンです。(参考)

この重要なビタミンが不足すると、疲労・神経損傷・消化器系の問題・うつ病や記憶障害などの神経系の問題など、重篤な症状が現れることがあります。(参考)

そのため、多くの人がビタミンB12のサプリメントを服用し、欠乏症の予防に役立てています。

この記事では、サプリメントに含まれるビタミンB12の最も一般的な摂取源であるメチルコバラミンとシアノコバラミンの主な違いについて紹介します。

合成か天然か

ビタミンB12サプリメントは、シアノコバラミンとメチルコバラミンの2つから摂取できます。

どちらもほぼ同じで、コリンの輪に囲まれたコバルトイオンがあります。

しかし、それぞれ異なる分子がコバルトイオンに結合しています。メチルコバラミンはメチル基をもち、シアノコバラミンはシアン化物分子をもちます。

シアノコバラミンは、天然には存在しないビタミンB12の合成型です。(参考)

他の形態のビタミンB12よりも安定性と費用対効果が高いと考えられているため、サプリメントで使用される頻度が高くなっています。

シアノコバラミンが体内に入ると、メチルコバラミンまたはアデノシルコバラミンのいずれかに変換されます。(参考)

シアノコバラミンとは異なり、メチルコバラミンはビタミンB12の天然型であり、魚・肉・卵・牛乳などの食物源と栄養補助食品からも得られます。(参考1)(参考2)

 Point:シアノコバラミンはサプリメントにのみ存在するビタミンB12の合成型であり、メチルコバラミンは食物源またはサプリメントを介して摂取できる天然型です。

吸収力と保持力

メチルコバラミンとシアノコバラミンのもう1つの大きな違いは、体内で吸収され保持される方法です。

メチルコバラミンよりもシアノコバラミンの吸収がわずかに優れているという研究結果もあります。

ある研究では、シアノコバラミン1mcgに対してメチルコバラミンでは44%の体吸収率であったのに対し、シアノコバラミンでは49%の体吸収率でした。(参考)

逆に、2つの形態を比較した別の研究では、シアノコバラミンは約3倍の量が尿中に排泄されると報告されており、メチルコバラミンは体内によりよく保持されている可能性が示されています。(参考)

しかし、いくつかの研究は2つの型の間のバイオアベイラビリティの差は有意ではない可能性があり、吸収は年齢および遺伝学などの因子によって影響される可能性があることを示唆しています。(参考1)(参考2)

しかしながら、これら2種類のビタミンB12を直接比較した研究は限られています。

健康な成人におけるメチルコバラミン対シアノコバラミンの吸収と保持を測定するためには、さらなる研究が必要です。

Point:研究によるとシアノコバラミンは体内によりよく吸収されますが、メチルコバラミンは体内保持率が高いようです。他の研究では、吸収と保持の差はごくわずかであることがわかっています。

メチルコバラミンとシアノコバラミン他の形のビタミンB12に変換されることがある

シアノコバラミンを摂取すると、ビタミンB12の活性型であるメチルコバラミンとアデノシルコバラミンの両方に変換されます。

メチルコバラミンと同様に、アデノシルコバラミンは健康に不可欠です。

脂肪やアミノ酸の代謝や、神経細胞の周りに保護的な膜を作るミエリンの形成に関与しています。(参考)

どちらのビタミンB12も不足すると、神経学的な問題や副作用のリスクが高まります。(参考)

シアノコバラミンもメチルコバラミンもコバラミン分子に還元され、体の細胞内でこのビタミンの活性型に変換されます。(参考)

一部の研究者はビタミンB12欠乏症の治療に、シアノコバラミンまたはメチルコバラミンとアデノシルコバラミンの2剤の併用を推奨していますが、これは後者の2剤の特性が異なるためです。(参考)

Point:シアノコバラミンとメチルコバラミンはいくつかの点で異なりますが、体内で他の形のコバラミンに変換されることがあります。

どちらにも健康に対する利点があります

メチルコバラミンとシアノコバラミンには明らかな違いがあります。またどちらも健康に有益な効果があり、 B12欠乏症)を予防できます。(参考)

ある研究では、7人のB12欠乏患者にメチルコバラミンを経口投与したところ、わずか2カ月で血中ビタミンB12濃度が正常化しました。(参考)

またシアノコバラミンカプセルを3カ月間服用した別の研究では、ビタミンB12の吸収障害によって引き起こされる悪性貧血の患者10人でビタミンB12濃度が上昇しました。(参考)

どちらの種類のビタミンにも、他の健康への効果があります。

7件の研究を対象とした1件のレビューでは、メチルコバラミンとシアノコバラミンを含むB複合体の両方が、神経損傷につながる糖尿病の合併症である糖尿病性神経障害の症状を軽減するのに有効であることが示されたました。(参考)

さらに他の動物実験では、それぞれの形態が神経保護作用を有し、神経系に影響を及ぼす疾患の治療に有益である可能性があることが明らかにされています。(参考)

 Point:メチルコバラミンおよびシアノコバラミンはいずれもビタミンB12欠乏症を治療できます。動物およびヒトの研究では、糖尿病性神経障害の症状を軽減し、神経保護作用も有する可能性があることが明らかにされています。

まとめ

ビタミンB12欠乏症の可能性がある場合は、担当の医師に相談して最善の治療方針を相談しましょう。

もし日頃の食事のみで補うことが難しい場合、ビタミンB12のサプリメントの摂取をおすすめします。

シアノコバラミンはビタミンB12の合成型であり、メチルコバラミンおよびアデノシルコバラミンの天然型に変換できます。

シアノコバラミンは体内でよく吸収されますが、メチルコバラミンは保持率が高くなっています。

いずれもB12欠乏症を予防できますが、最良の結果を得るにはメチルコバラミンとアデノシルコバラミンを併用すべきです。

どのタイプのビタミンB12を選ぶにしても、バランスのとれた健康的な食事と組み合わせることで、必要な栄養量を満たし、健康を最大限に高めていきましょう。

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