エナジーに最適な成分やサプリメントは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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バランスの取れた食事、定期的な運動、そして十分な睡眠は健康的な生活を送る上で最も大切です。しかし、忙しい毎日の中で健康的な生活を送ることは簡単ではありません。幸運にも多くのサプリメントにはエナジーを高めてくるのものがあります。ここでは、活力をを与えてくれる11の天然ビタミンとサプリメントを紹介します。

1.アシュワガンダ

インド発祥の世界最古の伝統医学アーユルベーダでは、アシュワガンダは最も重要な薬草の1つとされています。(参考) アシュワガンダには、心と体にかかるストレスへの耐性を強くすることで、活力を増大させる効果があると考えられています。(参考)

ある研究では、アシュワガンダを飲んだ人は偽薬を飲んだ人に比べて、ストレスと不安に関するいくつかの測定項目で著しい改善が見られたうえ、ストレスを受けると増加するホルモン、コルチゾールの値が28%低かったと報告されています。(参考)

また不安とストレスにに対するアシュワガンダの効果を調べた5つの実験では、全ての調査でアシュワガンダ抽出物を飲んだ人には、ストレス、不安、精神的疲労度を調べた測定試験でより良い結果が出ており、上記の研究を更に裏付けるものになっています。(参考)

アシュワガンダには、運動による疲労にも効果があるとも報告されています。この研究では、一流サイクリストにアシュワガンダを投与すると、偽薬を飲んだ一流サイクリストよりも7%長くこぎ続けることができたと発表しています。(参考)

加えて、アシュワガンダのサプリメントは安全で副作用の危険性が低いことも分かっています。(参考1)(参考2)

要約

アシュワガンダは精神的・肉体的疲労を和らげ、活力を上げる効果があると考えられています。

2. イワベンケイ(ロディオラ・ロゼア)

イワベンケイは、高山帯に生息する薬草で、ストレス対処能力を高める適応促進薬として一般的に使用されています。

ここでイワベンケイに関する研究をいくつか紹介します。

  • 500人以上にイワベンケイの身体的・精神的疲労に対する効果を調べた11件の調査結果があります。この結果を更に分析した研究では、8件の調査結果で、イワベンケイは身体能力を高めると同時に、精神的疲労を和らげる効果が見つかっています。(参考)  
  • イワベンケイは副作用のリスクが低く、身体的・精神的疲労を和らげる効果が確認されています。(参考)  
  • イワベンケイには疲労感を引き起こす鬱病の症状緩和にも効果的だと考えられています。 (参考1)(参考2)  
  • イワベンケイとセルトラリンやゾロフトなどの一般に処方される抗鬱剤の効果を比較した12週間の研究があります。(参考)  


この研究では、イワベンケイに鬱病の症状を和らげる効果が見つかったものの、セルトラリンほど効果は高くないとされています。しかし、イワベンケイの方が副作用が少なく、セルトラリンよりも耐性が高いとも報告されています。

要約

イワベンケイは、身体的・精神的疲労を和らげ、ストレス対処能力を高める効果があると言われています。また、鬱病の人が抱える疲労感の緩和にも役立つと考えられています。

3. 補酵素Q10

補酵素Q10(コエンザイムQ10)は体内で自然に作られ、ユビキノンやユビキノールなどのいくつかの形態で現れます。

全ての細胞内に補酵素Q10は存在しますが、特に心臓・腎臓・肝臓に多く分布しています。細胞はエネルギーを作り出し、酸化的損傷から自らを守るために補酵素Q10を利用しています。(参考1)(参考2)

補酵素Q10の分泌量が減少すると、健康的な生活を送るために必要なエネルギー産生ができなくなり、疲れやすい体になってしまいます。(参考)

魚類・肉類・ナッツ類には、補酵素Q10が含まれていますが、体内で大幅に増加させる程の十分な量ではありません。(参考) そのため、補酵素Q10の減少や分泌量が少ないことが原因の疲労には、サプリメントでの補給で疲労回復を目指す方がより適切かもしれません。

補酵素Q10の量は加齢とともに減少しますが心不全、特定の種類のガン、2型糖尿病、そして血液中のコレステロール値を下げるスタチンを服用している方も補酵素Q10の量が不足している可能性があります。(参考1)(参考2)(参考3)(参考4)

しかし、補酵素Q10のサプリメントは、十分な量の酵素がある人にはあまり効果が無く、エネルギー上昇は起こりにくいと考えられています。(参考)

また、補酵素Q10サプリメントは適切な量の服用であれば安全だと臨床実験と動物実験の両方で確認されています。(参考) 他の研究では、補酵素Q10の種類の中でもユビキノールは、高齢者の補酵素Q10分泌量を上げるのに効果的と報告されています。(参考)

要約

補酵素Q10は、体内の細胞が必要とするエネルギーを与える栄養素です。老化、ある特定の病気、そしてスタチン治療を受けている人には、補酵素Q10が少なく疲労感を感じやすいことが分かっています。このような疲労感の解消には補酵素Q10サプリメントが有効だと考えられています。

4. ビタミンB12

ビタミンB12には他のビタミンB群と同様に、体内に入った食物を細胞が使用するエナジーに変える働きがあります。また、神経や血液細胞を健康な状態にも保ち、体力低下や疲労を引き起こす貧血を防ぐ効果もあります。

ビタミンB12 は肉類、魚類、乳製品など、様々な動物性タンパク質に含まれています。そのため、バランスの良い食事を摂ることで、ビタミンB12の1日の目安摂取量をとることができます。(参考) しかし、不規則な食生活や体が栄養をなかなか吸収できない体質が原因で、ビタミンB12欠乏症を発症する人がいます。そういう人にはビタミンB12 サプリメントで補うことが効果的かもしれません。

ビタミンB12 欠乏症の危険性のある人は以下の通りです。 

  • 高齢者:ビタミンB12 を吸収するために必要な胃酸とタンパク質の分泌量が少ないため、約10‐30%の50歳以上の高齢者は、食事からではビタミンB12 を吸収することが難しいとされています。(参考)  
  • ヴィーガン(完全菜食主義者):ビタミンB12 は動物性食物からしか摂ることができず、植物性食品中心の食生活を送るベジタリアン(菜食主義者)やヴィーガンの人には、ビタミンB12欠乏症になる危険性があります。(参考)  
  • 消化器疾患を患っている人:セリアック病やクローン病といった胃腸管(GIT) を冒す疾患を持つ人は、ビタミンB12 の吸収を妨げられる可能性があります。(参考)  


しかし、ビタミンB12が十分に分泌されている人に、ビタミンB12やビタミンB群が有益なのかは今のところ分かっていません。 (参考)

要約

ビタミン12はエネルギーを作り出すのにとても重要な役割を果たしています。老化、動物性食物を除外した食生活、胃腸管を冒す病気は、ビタミン12の吸収力を低くし、疲労や体力低下を引き起こす要因だと考えられています。

5. 鉄

ヘモグロビンは赤血球の中にあるタンパク質で、肺から臓器や体内組織に酸素を送る働きがあります。そして、このヘモグロビンを作るためには鉄が必要となります。鉄分不足を引き起こすと、赤血球は体内の組織に酸素を効果的に送ることができなくなります。そして、結果的に鉄欠乏性貧血を引き起こし、疲労や体力の衰えといった症状を患うことになります。(参考)

鉄欠乏性貧血をおこす原因には以下のことが考えられます。

  • 鉄の摂取量が少ない食生活:肉類や魚介類には豊富な鉄分が含まれています。そのため、動物性食品を摂らないヴィーガンの鉄の必要摂取量は、普段から肉を食べる人に比べて1.8倍高くなっています。 
  • 血液の喪失:体内の鉄分の半数以上は血液中にあります。そのため、月経過多や内出血などの失血の際は、急激に鉄分量が減ることになります。 
  • 妊娠:胎児の順調な成長のために、妊婦には普段より2倍以上の鉄分が必要となります。しかし、約半数の妊婦が鉄欠乏性貧血を発症してしまいます。鉄欠乏性貧血の予防には鉄補給食品が効果的で、疲労などの鉄欠乏性貧に関連する合併症も防ぐことができます。 (参考1) (参考2)(参考3) 


しかし、鉄分の過剰摂取は逆に健康を害することになるので、サプリメントを摂る前には医者に相談することをお勧めします。(参考1)(参考2)

要約

赤血球は肺から臓器や体内組織に酸素を送るのに鉄を必要とします。そのため、十分なレベルの鉄分なしには、体内の組織に送られる酸素は限られ、結果的に極度の疲労状態へと陥ってしまいます。鉄分摂取の少ない食生活、過剰血液喪失、そして妊婦さんにはより多くの鉄が必要です。

6. クレアチン

クレアチンは赤身肉、豚肉、鶏肉、そして魚に自然に含まれており、エネルギーを素早く産み出す手助けをする役目を担っています。

体にエネルギーが必要な時、アデノシン三リン酸(ATP)が使用され、その時にリン酸基1つが失われます。そしてエネルギー発生後には、ATPはアデノシン二リン酸(ADP)へと変わり、またリン酸基を1つ貯え、エネルギーの必要な時に備えます。クレアチンはこれらの働きをバックアップする働きを担っています。因みに、必要な時に使用し、必要な時のために貯蓄をする、というATPの特徴からATPは「エネルギー通貨」と呼ばれています。

クレアチンが役立つスポーツには、高負荷で短時間の運動が挙げられます。 

  • 100メートルなどの短距離走やサッカーの様に時折全速力で走ることが必要なスポーツ (参考1)(参考2)(参考3)
  • 砲丸投げや跳躍競技など、突然一気におこる集中的活動 (参考) 
  • 重量挙げなどの強力な力の掛かる活動 (参考) 


53研究の再調査では、クレアチンのサプリメントを摂ると、ベンチプレスの強度が5%改善したことが報告されています。これは、クレアチンのサプリメントを飲むだけで、91キロを持ち上げていた人が、更に10ポンド(約4.5キロ)増しの重さを持ち上げることができるようになることを意味します。(参考)

他の調査でも、クレアチンを摂っている高齢者は、摂っていない高齢者よりも1.4キロも除脂肪筋肉量が増加したと報告されています。 この筋肉の強度と量が増加した理由は、エネルギーのレベルが上がり、より長くきついトレーニングが出来るようになったためだと考えられています。(参考)

要約

クレアチンを補うことで、より多くのエネルギーを蓄えることができるようになります。エネルギーの上昇で、より辛く長いトレーニングが可能となります。

7. シトルリン

シトルリンという言葉は、ラテン語でスイカを意味する「シトルラス・ブルガリス」から由来しています。(参考) シトルリンは体内の酸化窒素を増やす役割を担っており、酸化窒素が血管のインナーマッスルを広げ、血行を良くする血管拡張剤として機能しています。血管を広げることで血液、酸素、そして栄養素が全身に行き渡ることができるのですが、この酸化窒素を作り出す能力が限られると、体力の衰えやエネルギー不足を引き起こしてしまいます。(参考1) (参考2) そこで、酸化窒素を増やすし、細胞に酸素と栄養素を増加させ、エネルギーを高めるために、シトルリンのサプリメントが効果的と言う訳です。(参考1) (参考2) また、シトルリンは体内からアンモニアを取り除く尿素サイクルにも一翼を担っています。アンモニア生産は、激しい運動の後に感じる疲労の主な原因。シトルリンは激しい運動の後に起こるこの疲労感を緩和し、より長く運動できるようにもサーポートしてくれます。

ある研究では、シトロンを摂取した人は偽薬を飲んだ人より1.5%早く自転車をこぎ終った上に、実験後の疲労感も少なく、より早く体力の回復が進んだと報告されています。(参考)

別の研究でも、シトルリンのサプリメントを飲んだ人には偽薬を飲んだ人よりも、12%より長く、そして7%強度の強い運動が可能になっとの結果報告が出ています。(参考)

シトルリンの安全性は認証済みで、大量に摂取しても安全なことが分かっています。(参考)

要約

酸化窒素には血管を広げ、より多くの栄養素と酸素を細胞に送り込む作用があります。そして、シトルリンはこの酸化窒素を産出する機能を担っています。酸化窒素の増加は疲労感を緩和し、エネルギーの再生に効果的です。

8. ビートパウダー

ビートパウダーはビートという野菜から作られたもので、大量の硝酸エステルが含まれています。(参考) シトルリンと同様に、硝酸エステルも血管を弛緩させ、血流と酸素運搬を増やし、体内に酸化窒素を作り出す作用を担っています。このシトルリンの働きは、特に運動の際には、エナジーをより効果的に作り出してくれます。

いくつかの研究では、ビートのサプリメントを飲んだ運動選手の練習での耐久性が増したことが分かっています。また、いくつかの事例では、ビートのサプリメントを飲んだ人は、偽薬を飲んだ人より25%より長く練習ができたと報告されています。(参考1)(参考2) (参考3) これは、ビートに含まれる硝酸エステルには、様々な強度の運動で必要となる酸素の量を減らす働きがあるためです。運動で必要な酸素量が減ると、疲れにくくなり、更により長く運動が出来るようになります。

また、硝酸エステルは体内の酸化窒素製造を増やすので、ビートのサプリメントには血圧を下げる効果もあると考えられています。(参考1) (参考2) (参考3) (参考4) ビートのサプリメントには様々な効果が確認されています。しかし、有害ではないのですが、ビートの着色顔料は尿や便の色を染めることがあります。(参考)

要約

ビートは血管を広げる硝酸エステルを含んでいます。そのため、ビートのサプリメントを摂ることで、全身への酸素運搬が増加し、より長く運動ができるようになります。

9. メラトニン

メラトニンは睡眠に影響を与える天然ホルモンです。メラトニンの生産と分泌量は1日の内でも時間帯によって異なり、夜間に上昇し、午前中は少なくなるのが特徴。

メラトニンのサプリメントは世界中の約30%の成人が患っている不眠症の緩和に効果的だと言われています。(参考) 不眠症の症状には、なかなか寝付けない、長時間睡眠ができない、早く目が覚めてしまう、そして睡眠の質が悪いなどの症状が挙げられ、この不眠症が慢性化すると、疲労感や倦怠感などに悩まされることになります。(参考)

慢性疲労症候群の人にも、疲労感の緩和と、集中力と活力の向上にメラトニンのサプリメントに効果があることが分かっています。(参考1) (参考2) (参考3) (参考4) また興味深いことに、メラトニン分泌の減少は、老化、アルツハイマー病、2型糖尿病、ガン、そして高血圧に関連していることが分かっています。 (参考1)(参考2) (参考3)(参考4) しかし、上記の症状を患っている人の疲労感を和らげる効果がメラトニンのサプリメントにあるかは未だに分かっていません。(参考)

メラトニンのサプリメントは安全だと考えられています。また、サプリメントの摂取により、体内のメラトニン産出量が減少することや、離脱症状や依存症状もありません。(参考)

要約

メラトニンは睡眠に影響を与える重要なホルモンです。メラトニンのサプリメントは不眠症に効果的で、結果的に注意力を高め、疲労感を和らげてくれます。

10 チロシン

チロシンは体内で自然に作り出されるアミノ酸で、鶏肉、卵、乳製品などの高タンパク質食品にも含まれています。チロシンは脳に情報を伝達する神経伝達物質にとってとても重要な原料。神経伝達物質は、精神的・身体的にストレスのかかる活動では減少していき、集中力とエネルギー量に悪影響を与えると考えられています。(参考)

多くの調査では、チロシンのサプリメントには集中力とエネルギーの向上に効果的なのが分かっています。また、睡眠不足の人には記憶と明瞭さを回復させる働きもあると考えられています。(参考1) (参考2) (参考3)

しかし、現在の研究では、とても強いストレス状況の元に置かれているために、神経伝達物質の蓄積量が減少している人のみにチロシンは効果的だと報告されています。(参考)また、チロシンのサプリメントは安全性が高いことも証明されています。(参考)

要約

チロシンのサプリメントは体内の神経伝達物質の分泌量を元の状態に戻す働きがあり、精神状態やエナジーレベルの向上が期待できます。

11. テアニン入りカフェイン

コーヒー、お茶、ココア、エナジードリンク、そしてソーダーなどの飲料にはカフェィンが含まれており、エネルギーレベルを上げる飲みものとしてよく消費されています。(参考)しかし、イライラ、緊張感、情緒不安、そして急激なエネルギー上昇の後の気分の落ち込みなどを引き起こすとして、カフェインの摂取を制限したり、全くとらない人が沢山います。(参考) しかし、テアニン入りカフェインのサプリメントには上記の様なカフェインが原因の副作用を防いでくれます。

テアニンはアミノ酸で、自然にお茶やいくつかのキノコ類に含まれていおり、眠気を誘うことなしに精神を落ち着かせる効果があると考えられています。(参考) いくつかの研究では、カフェインとテアニンの組み合わせは、記憶力と反応時間の向上、そして精神的・身体的疲労感の緩和に効果があることも分かっています。(参考1) (参考2) (参考3) (参考4) これらの研究結果を考慮すると、カフェインにテアニンを加えることによって、不愉快な副作用なしに、カフェインだけを摂取した時と同じエネルギー向上が得られるということになります。(参考)

しかし、テアニンにはカフェインに対して耐用性はあるものの、カフェインの摂取は1日400㎎以下に抑えるようにしましょう。これはコーヒーカップ3-5杯程度の量に相当します。(参考1) (参考2) (参考3)

要綱

カフェインにテアニンを混合することで、カフェインが原因の副作用やイライラを緩和すると同時に、エネルギーを効果的に向上させることが出来ます。

point

人生は多くのエネルギーを必要とします。幸運にも、バランスの取れた食生活、十分な睡眠、定期的な運動などで、エネルギー量を保つことは可能です。しかし、エネルギー量確保のために時間を取ることはとても難しいこと。そこで、エネルギーが必要な時にはサプリメントやビタミンを上手く活用しましょう。運動のためのエネルギー向上や一時的なエネルギー回復など、使用目的は様々です。上記で述べた全てのサプリメントは安全性に問題ありませんが、もし不安な場合は使用の前にはかかりつけ医や管理栄養士に相談することをお勧めします。適切にサプリメントを摂取して、活力が湧く生活を送りましょう。


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