食欲を抑えるには?空腹感・食欲を減らす18の方法を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに―空腹感・食欲を減らす18の方法

減量するためには、毎日のカロリー摂取量を減らさねばなりません。

残念ながら、体重を減らすためのダイエットは、食欲を増したり、深刻な空腹感を味わうことが多々あります。

こうなると、減量するのも減量後の体重を維持するのも非常に難しくなります。

この記事では、過度な空腹感や食欲を抑える18の化学的根拠に基づいた方法を紹介します。

1. たんぱく質を十分に摂る

たんぱく質を多く摂ると、満腹感が増すため、次の食事で食べる量が減り、脂肪を減らす助けとなるでしょう(参考1, 参考2)。

例えば、ある減量の研究で、2種類の朝食が用意されました:一つは卵の朝食、もう一つはベーグルの朝食です。

卵の朝食を食べた被験者は、ベーグルを食べた被験者よりも8週間で65%以上も多く体重が減り、体脂肪も16%以上多く減らすことができました(参考)。

また、減量のために摂取カロリーを減らしたとしても、たんぱく質を多く摂取すると筋肉の減少を防ぐことができます(参考)。

一日の総摂取カロリーのうち20~30%、もしくは、体重1ポンドにつき0.45~0.55 g(体重1キロにつき1.0~1.2 g)のたんぱく質を摂取すると良いでしょう(参考)。


ポイント:食事から十分なたんぱく質を摂取すると、食欲を抑えることができ、体重を減らせるでしょう。


2. 繊維豊富な食物を摂る

繊維をたくさん摂ると、お腹が膨れ、空腹になるのを遅らせるため、満腹ホルモンの分泌に影響します(参考1, 参考2)。

また、繊維はお腹の中で発酵します。

これによって、短鎖脂肪酸が形成され、満腹感を促すと考えられています(参考1, 参考2)。

実際、複数の研究のレビューによると、繊維が豊富な豆やエンドウ豆、ひよこ豆、レンズ豆を食事に加えると、豆を含まなかった食事よりも満腹感が31%増す、といこ結論に至りました(参考)。

繊維が豊富な全粒も、空腹感を抑制し、満腹感の維持に役立ちます(参考)。

毎日14グラム余分に繊維を摂ると、カロリー摂取を最大10%減少させることができます。

3.8か月で、最高4.2ポンド(1.9キロ)減量することが可能です(参考)。

しかし、最近のレビューでは、さほど劇的な効果は紹介されませんでした。

これは、研究に使用された繊維が別の種類であったからだと考えられます(参考1, 参考2)。

ペクチンや、ベータグルカン、グァーガムといった粘性の高い繊維は、粘性の低い繊維と比較するとより満腹感を感じにくいです(参考1, 参考2)。

また、高繊維食にはほとんど悪い効果がありません。

繊維が多く含まれる食べ物は、ビタミンやミネラル、酸化防止剤、また、身体に良い植物成分など、健康に良い他の栄養素も豊富に含んでいます(参考1, 参考2)。

ですから、野菜やフルーツ、豆、ナッツ、種などを豊富に含む食事をとると、長期的に健康を促進することができるでしょう。


ポイント:繊維が豊富な食事を摂ると、空腹感を減らし、カロリー摂取を抑えることに役立つでしょう。また、長期的に健康を促進します。


3. 液体よりも固体を選ぶ

固体から摂取するカロリーと液体から摂取するカロリーでは、食欲への影響も異なります。

最近のレビューによると、液体で間食を摂った人は、次の食事を控えめにした場合、固形の間食を摂った人に比べて、38%の人が満腹感を感じにくかったという結果がでました(参考)。

次の研究でも、半固体の間食を摂った被験者は、液体の間食を摂った被験者よりも空腹感が少なく、食欲も控えめで、より満腹感を感じている、という結果が報告されました(参考)。

固形の物は噛む必要があり、満腹信号を脳へ送るのにより長い時間を要します(参考)。

研究者達は、固形物は噛む時間が長くなるため、味を感じる時間が長くなり、満腹感を促すことになる、と考えています。


ポイント:飲むよりも食べることでカロリーを摂取すると、空腹感をあまり感じることなく食べる量を減らすことができます。


4. コーヒーを飲む

コーヒーは、健康に、そしてスポーツのパフォーマンスを上げるのにもメリットがあります。さらに、食欲を減らすのにも役立ちます。

コーヒーは、ペプチド YY(PYY)の分泌を促します。

このホルモンは、食べることに反応してお腹で作られ、満腹感を促します(参考1, 参考2)。

化学者達は、PYYのレベルが、食べる量を決めるのに重要な役割を果たす、としています(参考)。

面白いことに、カフェインレスのコーヒーが、飢餓感を最も減らし、飲んでから最長3時間その効果が持続するとも言われています(参考)。

しかし、これがどのように作用するかをきちんと理解するにはさらに研究が必要です。


ポイント:コーヒーを飲むこと、特にカフェインレスのコーヒーを飲むと、最長3時間、空腹感を軽減することができる、と言われています。


5. 水でお腹を満たす

食事前に水を飲むと空腹感を減らすことができます。

また、食後の満腹感を促進し、体重減少につながります(参考)。

実際、食前に水を2杯飲む人の方が、全く飲まない人よりも22%食事の量が少なかった、という研究結果もあります(参考)。

化学者達は、お腹を膨らませ、満腹信号を脳に送るには、約17オンス(500mL)水を飲むと良い、考えています(参考)。

そして、水はお腹からすぐに出ていきます。

ですから、食事の時間にできるだけ近い時間に水を飲むのがベストです。

興味深いことに、食事を摂るときも、スープから食べると同じような効果があります。

食事の直前にスープを飲むと、空風感が静まり、食事から摂るカロリーを100キロカロリーも抑えることができるという研究結果もあります(参考)。


ポイント:低カロリーの液体を食事の前に飲むと、空腹感を感じることなく総カロリー摂取を減らすことができます。


6. マインドフルで食べる

通常、脳はお腹が減っているか、満腹かを認識しています。

しかし、早食いしたり、何かに気をとられながら食事する場合、脳がこういった信号を認識するのが困難になります。

そのため、気を散らすものを無くして、目の前の食べ物に集中してください。これがマインドフルに食べるということのカギになります。

食事中にマインドフルを練習すると、食事の楽しさが増す、という研究結果があります。

これによって、量より質に集中することができ、ドカ食いを防ぐことができます(参考)。

また、目にするものと、空腹感・満腹感に関係があるともいわれています。

全く同じ2つのミルクシェイクを使って、ある実験が行われました。

一つには、”620キロカロリーのご褒美”、もう一つには”120キロカロリーで健康的”とラベルを貼っています。

両方のグループの被験者が同じカロリーを摂取したにも関わらず、“ご褒美”の飲み物を飲んだ被験者の方が空腹ホルモンの値が低くなった、という結果が出ました。

高カロリーの飲み物を飲んだ、と思うことで、満腹感につながる脳の部分を活性化したとも言えます(参考)。

どのぐらい満腹を感じるかは、見るものに影響されるため、何を食べているかに注意を払うことはとても良いことと言えます。


ポイント:マインドフルで食べると、空腹感を抑制し、満腹感を促すとされています。また、カロリー摂取を減らし、大食いを防ぐことができます。


7. ダークチョコレート

ダークチョコレートの苦さは、食欲を減らし、甘いものへの欲求を減らすと言われています(参考)。

ダークチョコレートに含まれるステアリン酸が、消化を遅らせ、満腹感を促す、と研究者は考えています(参考1, 参考2)。

面白いことに、ダークチョコレートのにおいをかぐだけで、同じ効果が得られる可能性があります。

ある研究では、カカオ85%のダークチョコレートにおいをかいだだけで、食べたのと同じぐらい食欲も空腹ホルモンも減少した、という結果が報告されました(参考)。

しかし、ダークチョコレートの満腹感に対する効果を知るには、さらに研究が必要です。


ポイント:ダークチョコレートを食べたり、においをかぐだけでも、食欲や甘いものへの欲求を減らすことができます。


8. 生姜を食べる

生姜は身体に良いと言われてきました。

悪心や、筋肉痛、炎症などを抑え、血糖値を下げる効果があるからです(参考1, 参考2, 参考3, 参考4)。

興味深いことに、最近の研究で、生姜の効果に空腹感を減らすというのが加わりました。

温かいお湯に生姜パウダーを2グラム入れて朝ごはん時に摂ると、食後、被験者の空腹感が減少した、という研究結果が報告されています(参考)。

しかし、この研究は小規模なため、決定的な結論を出すには、さらに人での実験が必要です。


ポイント:生姜は、空腹感を減らすのに貢献しますが、この効果を確認するにはさらに研究が必要です。


9. 食事にスパイスを加える

飢餓感を減らすスパイスは、コショウだけではありません。

最近、唐辛子に含まれるカプサイシンとパプリカに含まれるカプシエイトの効果が調査されました。

これらの成分は飢餓感を減らし、満腹感を増やします(参考)。

さらに、これらの成分は熱を発生させるため、食後のカロリー消費量も増やすことができます(参考)。

しかし、全ての研究で同じ結果が得られているわけではなく、小規模なものに限定されています。

また、これらの食べ物を食べる人も、この効果に慣れてしまうこともあります。


ポイント:唐辛子やパプリカにふくまれる成分は、飢餓感を減らし、満腹感を促進すると言われていますが、実証するには、さらに研究が必要です。


10. 小さなお皿を使って食べる

夕食のお皿を小さくすることも、無意識に食事の量を減らすのに役立ちます。

そうすれば、減らされたという意識もなく、食事量を減らすことができるでしょう(参考)。

面白いことに、この効果は、最も食に気を使っている人でも気づかないのです。

栄養学の専門家に大きなお皿を渡したところ、無意識に普段より31%多くアイスクリームをすくった、という研究結果もあります(参考)。

お皿に多く盛られても気づかずに食べてしまう、と研究者達は述べています(参考)。


ポイント:小さなお皿を使って食べることで、空腹感を増やすことなく、無意識に食べる量を抑えることができるでしょう。


11. 大きなフォークを使う

カトラリーのサイズも、満腹感になるまでの食べる量に大きく左右します。

大きなフォークを使った被験者は、小さなフォークを使った人よりも10%食べる量が少ないという研究結果もあります(参考)。

小さなフォークを使った人は、空腹感を満たすのに時間がかかると感じて、食べる量が増えるからであろう、と研究者達は考えています。

また、この効果は、全てのサイズのカトラリーに当てはまるわけではないようです。

というのも、大きなスプーンで食べると最大14.5%も食べる量が増えた、という結果もあります(参考)。


ポイント:大きなフォークを使うと、満腹になるまでの食べる量を減らせる可能性がある、と言われています。


12. 運動をする

運動は、食欲につながる脳の部分の活性化を抑制するため、食欲を抑えることができる、と考えられています(参考)。

また、空腹ホルモンのレベルを下げ、満腹感を促進します(参考)。

エアロビクスや筋肉トレーニングは、ホルモンレベルと運動後の食事量の両方に同じように効果があるという研究結果が報告されています(参考)。


ポイント:エアロビクスも筋肉トレーニングも、満腹ホルモンを促し、空腹感を減らすため、摂取カロリーを抑えるのに役立つでしょう。


13. お腹の脂肪をなくす

ニューロペプチドY(NPY)は、食欲やエネルギーバランスに影響するホルモンです。

NPYが高いと、食欲が増し、脂肪として蓄えるカロリーの割合が変わる可能性もあります(参考)。

興味深いことに、体脂肪、特に臓器周りの脂肪はNPYの生成を促進するという研究結果が報告されています(参考1, 参考2, 参考3)。

ですから、お腹周りを減量すると、食欲や空腹感を抑えることができるでしょう。

14. 十分な睡眠をとる

質の良い睡眠を十分とることで、空腹感を減らし、体重増加を防ぐことができるでしょう。

睡眠時間が短すぎると、空腹感がまして、食欲も最高24%も増加し、満腹ホルモンのレベルを最高26%も低下させるという研究結果が報告されています(参考1, 参考2)。

一日の睡眠時間が7時間以下の人は、朝食後の満腹感が26%低いという、研究結果もあります(参考)。

また、睡眠に関する他の研究でも、一日の睡眠時間が6時間以下の人は、肥満リスクが最高55% 高くなる、という結果が示されています(参考1, 参考2, 参考3, 参考4, 参考5)。


ポイント:一日、7時間以上睡眠時間を摂ることで、一日中空腹感を減らすことができるでしょう。


15. ストレスを減らす

過度にストレスがかかると、コルチゾールというホルモンが増えます。

その効果は人によって異なりますが、一般的に食欲が増し、食べたくなります(参考1, 参考2, 参考3, 参考4)。

ストレスにより、満腹ホルモンであるペプチドYY(PYY)も減少します(参考)。

ストレスのかかる実験に参加した被験者は、かからない実験に参加した被験者に比べて、平均22%も多くカロリーを摂取する、という研究結果が最近報告されました(参考)。

ストレスを減らす方法があると、空腹感を抑制できるだけでなく、肥満や鬱のリスクも減らすことができます(参考1, 参考2, 参考3)。


ポイント:ストレスを減らすことは、食欲を抑え、満腹感を増し、鬱や肥満を抑制する効果も期待できるでしょう。


16. オメガ3脂肪を摂る

魚や藻類油に含まれるオメガ3脂肪は、満腹ホルモンのレプチンを増加させます(参考)。

オメガ3脂肪が豊富な食事をとると、減量のためカロリー摂取を制限したとしても、食後の満腹感を高めるとされています(参考)。

これまで、この効果は、肥満の人にしか確認されていません。

ですから、痩せている人にも同じ効果があるか、さらに研究が必要です。


ポイント:オメガ3脂肪は、肥満の人の空腹感を減らすことが期待できます。しかし、痩せている人への効果を確認するには、さらに研究が必要です。


17. たんぱく質豊富な間食を摂る

間食は個人の選択によるものです。

毎日間食する場合は、高脂肪より高たんぱくなお菓子を選びましょう。

高たんぱくなお菓子は、満腹感を高めるため、次の食事でのカロリー摂取を控えることができます。

例えば、高たんぱくのヨーグルトなら、高脂肪のクラッカーやチョコレートよりも効果的に空腹感を抑えることができます(参考)。

高たんぱくのヨーグルトを午後に食べると、高脂肪のクラッカーやチョコレートを間食にした人に比べて、夕食のカロリー摂取を約100キロカロリー抑えることができるとされています(参考1, 参考2)。


ポイント:たんぱく質豊富な間食をとると、空腹感が減り、次の食事で過食を防ぐことができると考えられます。


18. 食べたいものを頭に描く

一番食べたい物を食べている自分の姿を想像すると、その欲求が実際におさまってくる、と唱える研究者もいます。

51名の被験者に、実際にM&Msを手に取ってもらう前に、3粒、もしくは、33粒のM&Msを食べるところを想像してもらう、という実験が行われました。

33粒食べるのを想像した被験者が実際に食べた量は、3粒だけ食べたのを想像した人に比べて、平均で60%も少なかった、という結果がでました(参考)。

M&Msの代わりにチーズを使って同じ実験をした研究者たちも、同じ結果を得ました(参考)。

想像することで、食べたい物をすでに食べたような錯覚に陥り、食べたい欲求を劇的に抑制することができるのです。


ポイント:食べたい物を食べている自分の姿を想像することで、それらを食べたい欲求を抑えることができるかもしれません。


重要なこと

空腹感は、重要で自然な信号なので、無視してはいけません。

この記事で述べたヒントは、食事と食事の間の食欲や空腹感を抑える簡単な方法です。

これらを試しても、まだとても空腹を感じるなら、何をしたら良いか専門家に相談してください。

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