はじめに
リン酸カルシウムとは、ほとんどの動植物の細胞組織・器官などにあって生命の維持に関わっており、人間の骨格などにも含まれています。
カルシウムについて
体には1.2-2.5ポンド(540グラム-1,130グラム)のカルシウムが含まれています。カルシウムの99%は骨や歯に含まれており、残りの1%のカルシウムは体の細胞内、細胞膜、血液内、体液内などに分布しています。
ほとんどの人が、骨や歯は主にカルシウムでできていることを知っていると思います。 ただし、これらはただのカルシウムではありません。リン酸カルシウムと呼ばれる、カルシウムとリン酸の混合物でできています。
今回の記事では、そんなリン酸カルシウムについて解説をしていきます。
リン酸カルシウムの効果
カルシウムは、一般に強い歯や骨を作る役割があることで知られています。
また、他にも以下のような働きをしていると考えられています。
- 全身へわたる血流の血管による調整
- 筋肉収縮
- 神経細胞間の連絡
- 止血作用
カルシウムの摂取量
摂取基準では、19歳〜50歳の男女で1000mg、妊婦や乳婦の場合には1300mgが推奨されています。
また、51歳以上の女性の場合には、1200mgが推奨されています。これは、閉経後の女性では、骨の分解が亢進するため、骨の再形成のためにより多くのカルシウムが必要であるとされています。
男性は71歳以上になると、1日1,200mgの摂取が推奨されます。
カルシウムの摂取方法
牛乳の摂取は、一般に骨を強くして健康な歯を作ると考えられています。しかし、他の多くの食材にも多くのカルシウムが含まれています。
🙆 カルシウムを含む食材の一例
- チーズ・ヨーグルト・その他の乳製品
- ナッツ・種子類
- 豆
- ブロッコリー
- ホウレンソウ・ケール・ルッコラ・その他の色の濃い緑色野菜
カルシウムの種類
自然界においてカルシウムは、炭素、酸素、リン酸などの他の物質と結合して存在しています。これらのカルシウムの化合物が消化されると、人の体に有益なカルシウムの状態となります。
白雲石、骨粉、牡蠣の殻などに由来するカルシウムは、毒性のある鉛などを含んでいることもあり、推奨されていません。
また、体はカルシウムが500mgの少量摂取されたときに、より効率的に吸収が可能です。
リン酸カルシウムは、サプリメントなどでは三リン酸カルシウムなどとしても含まれ、その39%程度がカルシウムにあたります。この含有量は、炭酸カルシウムの40%よりやや少なく、クエン酸カルシウムの21%やグルコン酸カルシウムの9%などよりは多い値です。
また、ビタミンDを一緒に摂取すると、カルシウムの吸収が促進されるとされています。多くのカルシウムサプリメントがビタミンDを含むのはこのためです。
リン酸カルシウムを摂取すべきか?
ほとんどの場合は、リン酸カルシウムの摂取は、炭酸カルシウムやクエン酸カルシウムなどの摂取と変わらない可能性があります。
しかし、十分な量のリン酸を摂取することは骨の健康維持に重要であるとされています。リン酸カルシウムの摂取は、リン酸不足を補う目的で、より有効かもしれません。
リン酸欠乏は、セリアック病、クローン病、腎疾患、アルコール依存症の方などで起きやすいと考えられています。しかし、平均的な米国の食事を摂取しているほとんどの人においては、摂取不足となる心配はあまりないともされています。
カルシウムのサプリメントが必要な人のほとんどは、ビタミンDの欠乏症がある人であると考えられています。実際、過剰なリン酸が、コーラやその他のジュース類に含まれており、骨粗鬆症や腎疾患などとの関連が懸念されています。(参考)
最後に
リン酸カルシウムについては、医療機関などで特別にサプリメントなど摂取が推奨される場合を除いては、食事などでの自然な方法での摂取が望ましいでしょう。
また、十分な量のカルシウムが摂れていないと心配な場合には、炭酸カルシウムやクエン酸カルシウムなどのサプリメントの使用が良いかもしれません。
もし摂取を検討されている場合には、今回の記事も参考にしてみてくださいね。
Powered by Froala Editor