EGCG(エピガロカテキンガレート)とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

最終更新日:

EGCG(エピガロカテキンガレート)とは?

エピガロカテキンガレート(EGCG)はカテキンと呼ばれる植物性化合物の一種です。カテキンは、ポリフェノールという植物に存在する成分の一つに分類されています。(参考

EGCGやその他のカテキン類は、強力な抗酸化物質として働き、フリーラジカルが原因として起こる細胞への傷害を防ぎます。(参考

フリーラジカルとは、体内で作られる反応性の高い粒子で、過剰に作られてしまうと体に悪影響が出ます。カテキンのような抗酸化作用の高い食品を摂取することで、フリーラジカルからのダメージを抑えることができると考えられています。

また、EGCGのようなカテキンは、炎症作用を抑え、心疾患や糖尿病、癌など慢性的な疾患を予防することが研究から分かっています。(参考1, 参考2

EGCGは、植物性の食品に含まれていますが、抽出物としてサプリメントから摂取することも可能です。

💡 POINT

EGCGは、カテキンという植物性化合物の一種です。EGCGのようなカテキンは、細胞を傷害から守り、病気を予防する働きがあると考えられています。


EGCGを含む食材

ECGCは、緑茶に含まれるカテキンとして最もよく知られているでしょう。

実際に、緑茶を飲むことによる健康効果の多くはEGCGに由来しています。(参考

EGCGは主に緑茶に含まれますが、烏龍茶や紅茶、ベリーやピスタチオなど、他の食品にも少量ながら含まれています。(参考

EGCGは最も研究が進んでいるカテキンですが、エピカテキン、エピガロカテキン、 エピカテキン-3-ガレートといったその他のカテキンにもEGCGと同様の健康効果があります。また、これらのカテキンは、多くの食品に含まれています。(参考1, 参考2

健康効果のあるカテキンがたくさん含まれる食品として、赤ワイン、ダークチョコレート、豆類が挙げられます。また、ほとんどのフルーツにカテキンが含まれています。(参考

💡 POINT

EGCGは緑茶に最も多く含まれますが、その他のお茶やフルーツ、ナッツにも少量含まれます。EGCG以外の健康効果のあるカテキンは、赤ワイン、ダークチョコ、豆類、ほとんどのフルーツに含まれます。


EGCGの効果

試験管、動物実験、ヒトでの臨床研究において、EGCGには多くの健康効果が認められています。例として、炎症の緩和、減量、心機能や脳機能の向上が挙げられます。

疾患の予防、また治療法としてのEGCGの利用性については、さらなる研究が必要となりますが、現時点での研究結果からは多くの可能性が期待されています。

抗酸化作用と抗炎症作用


EGCGが注目されている最たる理由として挙げられるのは、その強力な抗酸化能力、そして、ストレス軽減や抗炎症に対する可能性です。

フリーラジカルは、反応性の高い粒子で、細胞に損傷を与えます。フリーラジカルが過剰に生成されると酸化ストレスの原因となります。

抗酸化物質としてのEGCGは、酸化ストレスによる損傷から細胞を守り、腫瘍壊死因子(TNF-α)のような炎症を引き起こす物質の働きを抑制します。(参考

ストレスや炎症は、癌や糖尿病、心疾患などの様々な慢性疾患と関係性があると言われています。

EGCGが幅広く疾患予防に有効だとされるのは、抗炎症作用や抗酸化作用があるためです。(参考

心臓の健康


緑茶に含まれるEGCGは、心臓の健康維持に効果的であることが研究により分かっています。血圧とコレステロール値を下げ、血管内のプラーグの蓄積を防ぐなど、心臓病の主要な原因に対する効果が認められています。(参考1, 参考2

33名の被験者に対し、250グラムのEGCGを含む緑茶の抽出物を8週間、毎日摂取させたところ、悪玉コレステロールが4.5%減少した結果が得られました。(参考

56名の被験者に379グラムの緑茶の抽出物を3ヶ月にわたり毎日摂取させた別の研究では、血圧、コレステロール値、炎症マーカーの減少が確認されました。(参考

これらの研究結果は非常に有望ですが、緑茶に含まれるEGCGの心臓病リスクへの効果については、より理解を深めるためのさらなる研究が必要です。

減量効果


EGCGは、減量にも効果がある可能性があります。特に緑茶に含まれるカフェインと同時に摂取する際に効果が高まると言われています。

EGCGの減量効果に関する研究結果には一貫性が認められていませんが、ある長期的な観察研究から、1日2杯(434ミリリットル)の緑茶を飲むことで、体脂肪や体重の減少に効果があることが分かっています。(参考

また、他の臨床研究では、100~460ミリグラムのEGCGを80~300ミリグラムのカフェインと一緒に最低12週間摂取することによって、かなりの減量効果と体脂肪の減少があったことが確認されました。(参考

ただし、カフェインを一緒に摂取しない場合におけるEGCGの体重や身体組成に関する効果は、常に一貫しているわけではありません。

脳の健康


初期の研究では、緑茶に含まれるEGCGは、神経細胞の機能を高め、変性脳疾患を防ぐと見られていました。

いくつかの研究から、脊髄を負傷したマウスへのEGCGの注射は、炎症の緩和、神経細胞の再生や再構築に効果があることが分かりました。(参考1, 参考2

また、複数の観察研究においては、緑茶の摂取量が、加齢による脳機能の退化、アルツハイマー症やパーキンソンズ病についても関係があることが分かっています。しかし、有効データの一貫性は認められていません。(参考

これらの効果がEGCGによるものなのか、それとも緑茶に含まれる別の物質に効果があるのかもまだ分かっていません。

EGCGの脳機能への作用については、さらなる研究が必要とされています。

EGCGの安全性と副作用

EGCGは長年研究されている物質ですが、その体内への影響には個人差があります。

これは、EGCGは酸素に弱く、多くの人が効果的に消化器官でEGCGを吸収できていないからだと言う専門家もいます。(参考

理由は完全に明らかにされていませんが、EGCGの多くは小腸を素早く通過し、大腸でバクテリアによって分解されることに関係している可能性もあります。(参考

EGCGの摂取量の目安を作るのが難しいのは、このためです。

1杯(250ミリリットル)の緑茶には、通常50~100ミリグラム程度のEGCGが含まれています。実験に使われるEGCGの量は、これよりもずっと多い場合が多いのですが、一定ではありません。(参考1, 参考2

1日のEGCGの摂取量が800ミリグラム以上だと、肝臓へのダメージを示す血中トランスアミナーゼの量が増えます。(参考

ある研究者グループは、固形のサプリメントの形で、1日につき338ミリグラムまでのEGCGの摂取であれば安全だとしています。(参考

副作用の可能性

EGCGは、安全性が完全に認められている物質ではありません。EGCGのサプリメントには、次のような副作用との関係性が見られます。(参考

  • 肝臓や腎臓障害
  • めまい
  • 低血糖
  • 貧血


一部の専門家は、これらの弊害は、EGCGそのものではなく、サプリメントに有害な物質が含まれているためだと見ています。いずれにせよ、サプリメントを服用する場合には注意が必要です。

妊娠の可能性がある場合は、サプリメントでEGCGを摂取することはおすすめできません。胎児の発育に必要なビタミンBである葉酸の代謝を妨げ、 脊椎披裂などの先天異常のリスクを高めます。(参考

EGCGのサプリメントでの摂取が、授乳中の女性にとって安全かどうかはまだ分かっていません。より多くの研究結果が出るまでは避けたほうがよいでしょう。(参考

また、EGCGは、コレステロール改善薬や抗精神病薬などの処方薬の体への吸収を妨げる可能性があります。(参考

安全のためにも、新しいサプリメントを服用し始める際は、必ずかかりつけの医師などに相談しましょう。

まとめ

EGCGは、抗炎作用、減量効果、慢性病の予防など、健康への効果が期待できる物質であると考えられています。緑茶に最も多く含まれますが、他の植物性の食品にも含まれます。

サプリメントとして摂取する場合は、副作用を引き起こす場合もあります。安全のため、あなたの体にとってそのサプリメントがあっているかどうか、必ず服用を開始する前にかかりつけの医師などに相談しましょう。

また、alloehではサプリユーザーのクチコミから、カテキンサプリのランキングも作成しています。

ぜひ参考にしてください。


Powered by Froala Editor

関連記事

関連商品