エフェドラ(麻黄)とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

多くの人がエネルギーを増やし体重減少を促進する魔法の薬を求めています。 麻黄は1990年代にその候補として人気を増し、2000年代中盤には一般的なダイエットサプリメントの材料の1つになりました。 研究によるとそれは代謝を増やし体重減少を促すとされていますが、同時に安全性についても触れられています。 この記事では麻黄の体重減少の効果、危険性、そして法的規制状態について知るべきことを解説します。

エフェドリンとはなにか?

Ephedra sinica, またはma huangと呼ばれるのは世界中の他の地域でも育てられてはいますがアジア原産の植物です。それは中国では薬として数千年にわたって使われ続けています(参考)。 この植物は複数の化合物を含んでいますが、麻黄の効果はエフェドリンという分子によって起きている可能性が高いです。 エフェドリンは体内で代謝を増やしたり脂肪の燃焼を増やしたりといった複数の効果を発揮します(参考)。 これらのため、エフェドリンは体重と体脂肪減少効果のために研究されて続けています。過去には体重を減らすサプリメントとして相当な人気を博しました。 しかしながら、安全性への懸念から、エフェドリンアルカロイドと呼ばれる麻黄に含まれる特定のタイプの化合物を含むサプリメントはアメリカを含むいくつかの国で禁止されました(参考)。 


Point: 植物の麻黄は複数の化合物を含み、その中のエフェドリンが最も特筆すべきものです。この分子は体の処理機能にいくつかのインパクトを与え、いくつかの国で禁止される前は人気のあるダイエット向けサプリメントの原料の1つでした。


新陳代謝を促し脂肪を落とす

エフィドリンを含むサプリメントが禁止される前の1980年代から2000年代初頭にかけ、多くの研究が麻黄の体重減少効果に関して研究を行っています。 麻黄の複数の要素が体にインパクトを与えてはいますが、最も特筆すべき効果はエフィドリンによるものです。 いくつかの研究がエフィドリンが安静時の代謝率(安静にしている間に消費されるカロリー)を増加させることを示しています。これは筋肉において消費されるカロリーが増える可能性による可能性があります(参考)。 エフィドリンはまた、体内の脂肪を燃やす処理を加速させます(参考1 ,参考2)。 ある研究によると24時間に消費されるカロリーは健康な大人において偽薬を摂取した場合に比べエフィドリンを摂取すると3.6%増加したとのことです(参考)。

もう1つの研究によると肥満の人々がローカロリーダイエットを行っている際には代謝率は落ちます。しかしながら、エフィドリンを摂取することによってこれは部分的に防ぐことができました(参考)。 代謝への短期間の影響に加え、いくつかの研究はエフィドリンが長期にわたって体重と脂肪減少を促すと示しています。 偽薬と比較した5つのエフィドリンの研究において、エフィドリンは最大4ヶ月にわたり、偽薬に比べて1ヶ月あたり1.3キログラムの体重減少につながっています(参考1 , 参考2)。 しかしながら、エフィドリンの長期にわたる体重減少への有効性のデータは欠落しています(参考)。 これに加え、多くのエフィドリンの研究がエフィドリン単体よりもエフィドリンとカフェインの組み合わせの研究となっています。 


Point: 麻黄の主要な成分であるエフィドリンは体の中で燃やされるカロリーを増やすかもしれません。研究によると週単位や月単位ではこの結果が体重や体脂肪の減少につながると示されています。しかしながら、長期的な研究はまだ十分ではありません。


カフェインとの相乗効果

多くの研究がエフィドリンの体重を減らす効果をカフェインと組み合わせたときに行われています(参考)。 エフィドリンとカフェインの組み合わせはそれぞれ単体で使ったときよりも高い効果を発揮するとされています(参考1, 参考2)。 たとえば、エフィドリンにカフェインを加えると代謝率がエフィドリン単体よりも向上します(参考1, 参考2)。 ある研究では健康で体重超過している肥満の大人は、70ミリグラムのカフェインと24ミリグラムの麻黄の組み合わせを摂取した場合、偽薬を摂取した場合に比べて代謝率が2時間にわたって8%増加しました(参考)。 いくつかの研究ではカフェインとエフィドリンは、組み合わせでは体重減少の効果があるのに対し、それぞれ単体では体重減少に効果がないと報告されています(参考)。

12週間にわたって麻黄とカフェインを1日3回与え続けた結果、偽薬の場合は1.9%の体脂肪減少率だったのに対し、7.9%の体脂肪減少率につながったそうです(参考)。 もう1つの6ヶ月間の研究では167人の体重超過かつ肥満の人々の減量中にエフィドリンとカフェインとを含むサプリメントを与えた場合と偽薬を与えた場合の比較を行っています(参考)。 エフィドリンを摂取したグループが4.3キログラムの脂肪を落としたのに対し、偽薬のグループは2.7キログラムの脂肪減少だったそうです。 エフィドリンを摂取したグループは体重とLDL(悪玉)コレステロールも偽薬のグループよりも減少したそうです。 総じて、エフィドリンを含み、特にカフェインを含んだ製品は体重と体脂肪を減少させる可能性がある証拠があります。 


Point: エフィドリンとカフェインを組み合わせると代謝率を増加させ脂肪を減らします。それはそれぞれを単体で摂取した場合より効果が大きいです。研究によるとエフィドリンとカフェインの組み合わせは体重減少と脂肪減少の点で偽薬の場合よりも効果が大きいです。


副作用と安全性

エフィドリンの研究における摂取量は研究ごとに異なっており、一日に20ミリグラムよりも少ない場合が少量、40から90ミリグラムの場合が中量、100から150ミリグラムが多量と考えられています。 代謝や体重の観点で有効な効果が様々な用量で認められていますが、多くはエフィドリンの安全性に対して疑問があります。 それぞれの研究の様々な用量における安全性と副作用に対する結果は様々です。 いくつかの研究は特に重大な副作用はないと報告する一方、他の研究では様々な副作用が出て被験者が研究から身を引いた場合もあります(参考1 , 参考2, 参考3)。 より掘り下げた研究が複数の研究結果を統合しエフィドリンを摂取することに対する懸念についてより良い理解をしようとしています。

52の異なる臨床試験を解析した結果ではエフィドリンにより死んだり心臓発作が起きたりといった深刻な有害な事象は見つからなかったとしています。この結果はカフェインを同時に摂取した場合もしていない場合も同様です(参考)。 しかしながら、同じ解析ではこの製品が吐き気、嘔吐、動機、精神的な問題のリスクを2,3倍増加させたことに関連しているとしています。 加えて、個別のケースが検討された際、いくつかの死や心臓発作、精神的な症状が麻黄に関連している可能性があるとしています(参考)。 その証拠に基づき、安全性への潜在的な懸念はアメリカと他の国々の法的な行動を起こすのに十分でした(参考)。 


Point: 個別の研究では麻黄やエフィドリンの摂取による深刻な副作用は見られなかったが、中程度あるいは高程度の副作用の懸念が確認可能な研究の調査で明らかとなりました。


まとめ

麻黄という植物はアジア地域の薬として長い間使われてきました。 麻黄の主要な成分の一つであるエフィドリンは、特にカフェインと組み合わせた場合、代謝を促進し体重を減少させる可能性があります。 安全性への懸念から、エフィドリンを含むサプリメントは現在アメリカや他の国でも禁止されています。しかしながら、麻黄の他の成分が必ずしも禁止されているわけではありません。

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