手軽な水分補給の5つの方法
激しい運動・サウナ・ホットヨガなど、大量の発汗を伴う運動の後に水分を補給することは大変重要です。
また胃腸炎や二日酔いからの回復には、脱水による影響を防ぐために、水分補給が重要です。
この記事では、脱水の徴候と症状、および自宅で素早く水分を補給するのに良い方法について説明します。
脱水の症状と兆候
体内のすべての細胞・組織・器官が機能するためには水が必要です。
水は体温調節・関節の潤滑・栄養素の体内への循環・老廃物の除去・血液の循環に役立ちます。つまり、脱水状態になると、体はこれらの機能を適切に果たすことができなくなります。脱水状態になるのは、水分を摂取する量よりも多くの水を失った場合です。(参考)
例えば、発汗・嘔吐・下痢・水分喪失を増加させる利尿薬の服用などによって脱水状態になることがあります。
小児や高齢者、糖尿病や腎臓病などの特定の病気がある人など、特定のグループでは他のグループよりも脱水になりやすい傾向があります。(参考)
脱水の徴候と症状には以下のものがあります。(参考1)(参考2)
- のどの渇きをよく感じる
- ドライマウス
- 頻尿
- 乾燥肌
- 疲労
- 目まい
- 頭痛
尿の色も水分補給状態の一般的な指標です。一般的に、色が薄いほど水分が多いです。とはいうものの食事・特定の薬の使用・病気など、水分量の状態以外の理由で色が変化することもあります。(参考1)(参考2)(参考3)
複数の研究によると、尿の色は小児および若年成人では水分補給の有効な指標ですが、高齢者では指標にならないことが示されています。(参考1) (参考2)(参考3)
水分補給の状態が心配な場合の、素早く水分を補給する5つの方法を紹介します。
1.水
驚くことではないのですが、水分を補給をするには、水を飲むのが一番安くて良い方法です。
他の多くの飲料とは異なり、水には添加された糖やカロリーが含まれていないため、1日中、特に運動後など水分補給が必要なときに飲むのに適しています。
遺伝的要因を含むさまざまな要因が、汗を介して一般的な人より多くのナトリウムを失う人がいることは注目にすべきです。運動中に頻繁に筋肉がけいれんしたり、汗で目がチクチクするようなことがあれば「しょっぱい汗」という状況かもしれません。(参考)
汗で失われる水分だけでなく、特に高温の環境で激しい運動や長時間の運動をした後には、ナトリウムも必ず摂取してください。
しかし、かなり暑い環境で超持久力トレーニングのような長時間の激しい運動をしない限り、汗で失われるナトリウムはバランスの取れた食事で簡単に補えます。(参考)
Point:ほとんどの人にとって、水分補給には飲料水で十分です。塩分の多い汗の場合は、汗で失われるナトリウムと水分の両方を、塩を摂るのではなくできればバランスのとれた食事で補給してください。
2.コーヒーと紅茶
コーヒーや紅茶には刺激性のカフェインが含まれており、利尿薬があるため一時的に過剰に脱水することがあります。(参考)
しかし、適度な量のコーヒーや紅茶を飲むことは、飲料水と同じように水分を補給することができ、エネルギー供給のとなります。
カフェインでの脱水は約250~300 mg、つまり8オンス (240 ml) のコーヒーを2杯~3杯分、または8オンス (240ml) の紅茶5杯から8杯分の用量が相当します。(参考)
カフェインでの脱水の可能性が指摘される中、ある研究によると、コーヒーを定期的に飲む50人の被験者は、4カップ(800cc)のコーヒーに1.8 mg/ポンド(4 mg/kg)のカフェインを毎日摂取していました。この対象者は、水分保持能力に関してコーヒーと水の間に有意差を認めませんでした。(参考)
これらの飲み物をそのまま飲むのが苦手であれば、甘くないアーモンドミルクをコーヒーに加えたり、シナモン・ナツメグ・レモングラスなどのハーブやスパイスを加えてみてください。
Point:適度な量のコーヒーや紅茶を飲むことは、水と同様の水分の保持の特性を持ちます。加えて、カフェインの含有量が体のエネルギーを高めることもあります。
3.スキムミルクと低脂肪ミルク
ミルクは多くの栄養素を供給するだけでなく、優れた水分補給特性を持っています。
牛乳には自然に高濃度の電解質が含まれており、体内の水分量のバランスを保つのに役立ちます。(参考)
研究によると、スキムと低脂肪ミルクは激しい運動の後に人気のスポーツドリンクと同様のレベルで水分を補給し、タンパク質やその他の重要な栄養素も供給します。(参考1) (参考2)
また、ミルクに含まれる高品質のタンパク質は、筋肉修復や再構築に理想的な運動後の飲料になります。(参考1) (参考2)
運動後の牛乳の摂取は、お腹が張るなどの胃の不快感を引き起こすことがありますのでご注意ください。また、乳糖や特定の牛乳タンパクに耐性の無い人には適していません。(参考1) (参考2)
また、下痢や嘔吐を起こしている場合には、牛乳、すなわち全脂肪乳は、下痢や嘔吐を悪化させる可能性があるため、お勧めできません。(参考)
Point:乳糖不耐症や乳蛋白アレルギーがなければ、スキムミルクや低脂肪乳は効果的なトレーニング後や一般的な水分補給飲料として使用できます。
4.果物と野菜
果物や野菜は80~99%の水で構成されており、水分補給に最適です。(参考)
対照的に、クッキー・クラッカー・シリアル・ポテトチップスなどの高度に加工された食品には、わずか1~9%の水分しか含まれていません。(参考)
水分含有量が最も高い果物および野菜には以下のものがあります。
- ベリー類
- メロン
- オレンジ
- ブドウ
- ニンジン
- レタス
- キャベツ
- ホウレンソウ
様々な新鮮な果物や野菜を手に入れ、角切りにしたスイカを冷蔵庫に入れておくと、簡単に水分補給できて便利です。
冷凍された果物や野菜は、新鮮な果物や野菜と同じくらい栄養価が高く、場合によってはより栄養価が高くなります。
果物や野菜を食べるまで、数日から数週間保存することもよくあると思います。その間、酸化は栄養素の損失を引き起こします。一方、冷凍された果物や野菜は、収穫後すぐに冷凍され、その栄養の大部分の栄養素が保持されます。
例えば、ある研究によると、冷凍されたインゲン豆とブルーベリーには、新鮮なものよりも多くのビタミンCが含まれていました。
牛乳やギリシャヨーグルトに、お好きな生や冷凍の果物や野菜をミキサーに入れて、水分と栄養がたっぷり詰まったスムージーを作ってみてください。
Point:水分が豊富なので、新鮮な果物や野菜を冷凍しても、水分補給には最適です。
5.経口補水液
経口補水液は、下痢や嘔吐による脱水の予防と治療に用いられる特殊な栄養剤です。
運動の回復を促し、二日酔いの予防や治療にも役立ちます。
これらの溶液は水性であり、一般的にナトリウム・塩化物・カリウムのような電解質・糖を含みます。市販されている溶液の中にはプレバイオティクスや亜鉛などの成分を含むものもあります。
これらの水分補給飲料は、失われた水分や電解質の補給に役立ちますが、高価な場合があります。(参考1) (参考2)
下記の一般的な台所の材料を使って、自分で作ることもできます。(参考)
水34オンス(1リットル)
砂糖小さじ6
塩小さじ1/2
大きめのボウルか鍋に入れ、砂糖と塩が溶けるまで混ぜます。必要に応じて、市販のフレーバーを加えて風味をつけることもできます。ただし人工甘味料や天然甘味料が含まれている場合もあるので気を付けてください。
Point:経口補水液には、水分・電解質・糖が含まれています。水と塩と砂糖を使って、自宅で簡単な補水液を作ることができます。
まとめ
脱水症は、体が摂取する水分より多く水分を失うことで起こります。
ほとんどの人にとって、水分補給には水を飲むのが一番です。
その他の選択肢としては、コーヒー・紅茶・牛乳・果物野菜・経口補水液などがあります。
水分補給状態が心配な場合は、医療従事者に相談しましょう。
Powered by Froala Editor