レモンバームとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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レモンバームとは?

レモンバーム(メリッサ・オフィシナリス)は、レモンの香りがする薬草で、ミントなどと同じ種類に属します。
元々はヨーロッパ、北アフリカ、西アジアなどに自生していましたが、現在は世界中で栽培されています。

レモンバームは歴史的には、ムード、認知機能などの改善のために使用されてきましたが、それ以外の効能も期待されています。
その可能性のある効能について、以下の記事を読んでみてください。

レモンバームの効果・メリット

ストレスの軽減作用

レモンバームはストレスの症状を軽減すると考えられており、リラックス効果やムードの向上効果が期待されています。

2004年に行われた研究では、レモンバームの摂取が、実験室で作り出された精神的なマイナスムードを和らげる効果が示されました。
レモンバームを摂取していた被験者では、気持ちの落ち着き、神経の高ぶりの軽減などの自覚症状改善があったとされています。(参考

これは二重盲検試験で、プラセボなども使用された研究ではありましたが、被験者の数は18名と小規模の研究でした。
これらの効果を裏付けるためには、今後も追加での研究が必要でしょう。


不安症状の軽減効果

レモンバームは緊張や興奮などの不安症状の軽減にも使用することができると考えられています。

2014年に発表された研究では、レモンバームを含む食事のムードや認知機能に対する効能を調査しました。
サプリメントが飲料に添加された他、ヨーグルトなどにも他の人工甘味料と一緒に添加されて投与されました。
被験者は、いずれを摂取したグループでも不安症状の軽減などのムードの改善効果があったとされています。

この研究結果には期待が持てますが、その効能を確定づけるためにはさらなる研究が必要です。

認知機能の改善効果

2014年に実施された同様の研究では、レモンバームの認知機能に対する効果が調査されました。

被験者は、記憶力、算数能力、集中力などを測る認知機能検査を受けました。
コンピューターで管理されたこれらの課題の結果、レモンバームを摂取した群で、より良い検査の結果が発揮されたと報告しています。

これらの被験者では、覚醒度やパフォーマンスの向上などの効果がみられましたが、時間経過とともに疲労などの症状は認められたとされています。
レモンバームと食事を合わせることで、吸収の効率が変化し、その有効性に影響がある可能性が指摘されています。
これらの結果に対しては、追加での研究が必要でしょう。


不眠症状やその他の睡眠障害の症状改善

レモンバームをバレリアンと一緒に摂取することで、イライラや不眠などの睡眠障害を改善する効果があるかもしれません。

2006年に実施された研究によると、これらの混合物質を摂取した小児で、70-80%ほどの症状改善が認められたとされています。
研究者も両親も、レモンバームの使用が良い、もしくはとても良いと評価しています。
しかし、これらの効能を確定づけるためには追加での研究が今後も必要でしょう。


単純疱疹への治療効果

レモンバームは単純疱疹の初期の症状に対して皮膚に塗布して使用することもできます。

1999年の研究では、レモンバームのクリームとプラセボのクリームを1日4回、5日間に渡って患部に塗布を行いました。
研究によると、レモンバームを使用したグループでは、単純疱疹による症状が少なく、症状も早く治ったとされています。

この研究では、レモンバームクリームの使用が、単純疱疹のおきる間隔を延長する効果もある可能性を示唆しています。
これらの効能をはっきりさせるためには、今後も追加での研究が必要でしょう。

消化不良の改善

腹部の痛み、腹部の不快感を頻繁に感じるようならば、レモンバームはそれらの消化器症状に対して有効かもしれません。

2010年に実施された小規模の研究では、レモンバームを含む冷たいデザートの機能性消化不良(ディスペプシア)に対する効能を調べました。
被験者は、食後にシャーベットをレモンバームが入ったものと、そうでないものを摂取しました。
いずれのシャーベットも症状の軽減効果がありましたが、レモンバームを含むシャーベットの方が、より症状改善効果が高かったとされています。
この効能に対しては、今後も追加での研究が必要でしょう。(参考


吐き気に対する改善効果

消化器系への効能から、レモンバームは吐き気への効能も期待されています。

2005年に実施されたレビュー研究では、複数のレモンバームに関する研究をまとめており、レモンバームの吐き気も含む複数の消化器症状への改善効果を確認しています。
これらの結果は期待がもたれますが、各々の研究には限界があることも知っておく必要があるでしょう。

多くのレモンバームを使用した研究では、レモンバームは他のハーブと併用されています。
レモンバームが単体で使用された場合の効能については、今後も追加での研究が必要でしょう。

月経痛の軽減効果

レモンバームが月経痛を軽減したり、月経前症候群の症状を軽減するといった報告をしている研究もあります。

2015年の研究では、100名の女子高校生を対象とした調査で、レモンバームの月経痛に対する効果を調べました。
被験者は、3回の月経周期の間、レモンバームのエッセンスまたはプラセボが投与されました。
月経前症候群の症状が、介入前、介入後1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月の段階で調査されました。

レモンバームを摂取した群では、有意に月経前諸侯群の症状が軽減したとされています。
これらの効能を確定させるためには、今後も追加での調査が必要でしょう。(参考

頭痛改善効果

レモンバームは頭痛にも有効である可能性があり、特にストレスによる頭痛には効果的であると考えられています。
レモンバームのリラックス効果が緊張をほぐし、筋肉の緊張をといてくれます。
また、ハーブの摂取が頭痛の原因となっている収縮していた血管を緩めてくれる作用があるとも考えられています。


歯の痛みの改善

レモンバームには疼痛改善効果があり、歯の痛みなどに対して理想的であると考えられています。
そのリラックス効果だけでなく、この家庭薬は体内の炎症部分にも作用します。

これらの効能を確定づけるためには追加での研究が必要です。

レモンバームの副作用とリスク

レモンバームには以下のような副作用が懸念されています。

  • 頭痛 
  • 排尿時痛 
  • 体温上昇 
  • 吐き気 
  • 嘔吐 
  • 胃痛 
  • めまい 
  • 喘鳴 
  • 皮膚の刺激 
  • アレルギー反応 


胃部不快感などの副作用は、レモンバームを食事などと一緒に摂取することで抑えられるかもしれません。
レモンバームの1日摂取量を2グラム以下にすることでも、副作用のリスクを軽減することができます。

以下のような薬を摂取している場合には摂取開始前に医師に相談しましょう。

  • 緑内障の薬 
  • 甲状腺薬 
  • バルビツール 
  • 鎮静薬 
  • セロトニンに作用する薬剤 


また、以下の場合にも医師への相談が必要です。

  • 妊娠中 
  • 授乳中 
  • レモンバームを乳児や12歳以下の小児に与える場合 
  • 予定手術がある場合 


まとめ

レモンバームは、医療機関で処方されている薬剤の代わりには使用できませんが、代替療法としては利用可能かもしれません。
使用に際しては、個々のケースについて、医療機関で利点と欠点を話し合う必要があるでしょう。

レモンバームを自宅で育てている場合には、乾燥した葉をお茶として使用する分には、ほとんど危険はありません。
しかし、カプセル、パウダー、その他の流通しているサプリメント、ハーブなどを購入する際には、信頼できるブランドの製品を選びましょう。
ハーブやサプリメントは、米国食品医薬品局で品質が管理されておらず、純度、品質、安全性などに問題がある場合があります。

レモンバームの使用を開始する際には、使用した際の反応を記録しておくと良いでしょう。
摂取で改善した点や、経験した副作用などを記録すると役に立ちます。
また、何時にレモンバームを摂取したのかや、どの程度の量を摂取したのか、どのように摂取したのかなども一緒に記録すると良いでしょう。


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