ヤマブシタケとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

alloeh編集部

最終更新日:2020/05/04

ヤマブシタケ成分解説

ヤマブシタケとは

ヤマブシタケは、ホウトクコウまたはライオンのたてがみキノコとも呼ばれる、大きな、白色の、成長するとライオンのたてがみのように見える毛が生えたキノコです。

ヤマブシタケは、中国、インド、日本、韓国などのアジアの国々で、料理や薬として使用されます。(参考)

ヤマブシタケは生で摂取される他、調理されたり、乾燥、もしくはお茶として煮出して使用することができます。 ヤマブシタケの抽出液は、しばしば市販の健康サプリメントの成分としても使用されます。

多くの人が、ヤマブシタケの味を「魚介類のような味」と表現し、カニやロブスターの味などと比較されます。(参考)

ヤマブシタケは、特に脳、心臓、消化管などを含めた、人の体に有益な効果を持つ生物活性物質を含んでいます。

この記事では、ヤマブシタケとその抽出液の9つの健康への効能を取り上げます。

1. 認知症に対する保護作用

脳の、成長能力や、新しい繋がりを作ろうとする能力は年齢と共に低下することが知られ、このことが加齢に伴う認知機能の低下の原因となっている可能性が考えられています。(参考)

研究では、ヤマブシタケには、ヘリセノンス、エリナシンスなどの、脳細胞の成長を促進する特別な2つの化合物が含まれています。(参考)

加えて、動物を対象とした研究では、ヤマブシタケのアルツハイマー型認知症に対する効能、進行性の記憶力低下を起こす脳の変性疾患などに効果などが示されています。

実際、ヤマブシタケとその抽出液はマウスの記憶力低下を抑制する効果や、アルツハイマー型認知症で見られるアミロイドβのプラークの沈着による脳神経への障害を防ぐ効果などが報告されています。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4)

ヤマブシタケが人におけるアルツハイマー型認知症でも有効であるのかについては十分な研究がなされていませんが、認知機能の促進の作用がある可能性が報告されています。

軽度の認知機能低下がある高齢者における研究では、毎日3グラムのヤマブシタケを4ヶ月に渡って投与したところ、有意な認知機能の改善を認めたとされていますが、その効果は内服が終了した後には消失してしまいました。(参考)

ヤマブシタケの神経の成長促進作用や、脳をアルツハイマー型認知症から守る作用が、ヤマブシタケの脳の健康への効能の要因であると考えられています。

しかし、今まで行われた研究のデータのほとんどが、動物に対する実験や、試験管内の実験データを元にしていることには注意が必要でしょう。今後の、人を対象とした追加での研究結果が待たれます。

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Point: ヤマブシタケには、脳細胞の成長を促進し、アルツハイマー型認知症で起きる脳へのダメージを軽減する作用がある化合物が含まれています。 しかし、データは十分ではなく、今後も人を対象とした研究が必要です。


2. 軽度のうつ病と不安症の症状改善効果

先進国に住む、3分の1程度の人が不安障害やうつ病などの症状を経験するとされています。(参考)

多くの原因で不安障害やうつ病などが起きるとされていますが、慢性炎症も主要な要因の1つである可能性があると考えられています。

新しい動物を対象とした研究では、ヤマブシタケ抽出液の抗炎症作用が、マウスにおける不安症状やうつ症状を軽減したとされています。(参考1, 参考2)

他の動物を対象とした研究でも、ヤマブシタケ抽出液が脳細胞の再生を助け、記憶や感情を司る海馬の機能を改善する可能性が示唆されています。(参考1, 参考2)

研究者の間では、海馬の機能の改善が、ヤマブシタケによるマウスの不安症状や抑うつ症状の改善につながったと考えられています。

これらの動物を対象とした研究には期待が持てますが、人を対象とした研究はほとんどありません。

ある小規模の研究では、ヤマブシタケを含むクッキーを毎日1ヶ月摂取した閉経後の女性において、イライラ感や不安症などの自覚症状が改善したとされています。(参考)

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Point: 研究では、ヤマブシタケが軽度の不安症やうつ病の症状を軽減する可能性が示唆されていますが、この効果を理解するためには、今後の追加での人を対象とした研究が必要でしょう。


3. 神経システムのダメージからの回復促進

脳、脊髄、その他の体中をめぐる神経などは神経システムから構成されます。 これらの神経システムは共同して、体のほとんど全ての機能を管理する信号を、送ったり伝達する機能があります。

脳や脊髄に対するダメージは深刻です。 そのようなダメージは運動麻痺や認知機能の低下の原因となり、治癒にも長い時間がかかります。

しかし、研究結果によると、ヤマブシタケの抽出液のこのような神経システムに対するダメージを、神経細胞の成長と治癒を促すことで促進する可能性が示されています。(参考1, 参考2, 参考3)

実際、ヤマブシタケ抽出液は、神経システムの傷害を持つラットに投与されると、回復時間が23-41%程度短縮すると報告されています。(参考)

また、ヤマブシタケの抽出液は、脳梗塞後の脳のダメージを緩和する作用があるともされています。

ある研究では、脳梗塞直後のラットに対して高用量のヤマブシタケを投与したところ、炎症を軽減させ、脳梗塞に関連した脳の障害を44%程度減少させる効果が見られたとされています。(参考)

これらの研究結果には期待が持てますが、人を対象とした研究データはなく、ヤマブシタケが人の神経システム傷害に対しても同様の効果があるのかについてはわかっていません。


Point: ラットを対象にした研究では、ヤマブシタケ抽出液が神経システム傷害の治癒を促進する効果が報告されているが、人を対象にした研究のデータは不足しています。


4. 消化管の潰瘍を防ぐ

潰瘍は、胃、小腸、大腸など、消化管のどこにでもできる病気です。

胃潰瘍が起きる主要な2つの要因としては、ヘリコバクター・ピロリ菌の過剰な繁殖や、長期の非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の使用による胃粘膜傷害などが挙げられます。(参考)

ヤマブシタケの抽出液は、ヘリコバクター・ピロリ菌の繁殖を抑え、胃粘膜をダメージから保護することで胃潰瘍の形成を抑制します。(参考1, 参考2)

いくつかの研究で、試験管内ではヤマブシタケの抽出液がヘリコバクター・ピロリ菌の繁殖を抑えたとの報告がありますが、実際に人の胃内部で同様の効果があるのかを調査した研究はまだありません。(参考1, 参考2)

さらに、動物を対象とした研究でも、ヤマブシタケの抽出液が、一般に使用されている胃酸抑制薬よりも、特に副作用などもなくアルコール摂取による胃潰瘍の形成を防いだと報告されています。(参考)

ヤマブシタケの抽出液は、消化管の別な部分についても炎症を軽減させ、組織への傷害を軽減すると考えられています。 実際、潰瘍性大腸炎やクローン病などの朝疾患に対しても効果があるかもしれません。(参考1, 参考2, 参考3)

ある研究では、潰瘍性大腸炎の患者さんに14%のヤマブシタケを含むサプリメントを3週間投与したところ、有意に症状を軽減し、生活の質を改善させたとされています。(参考)

しかし、同様の研究がクローン病の患者さんで行われた研究では、ヤマブシタケの投与とプラセボ投与とに有意な差が認められませんでした。(参考)

これらの研究で使用された薬草サプリメントには複数のキノコ成分が含まれていて、ヤマブシタケ単体の効果についての評価をすることがやや難しい点には注意が必要でしょう。

まとめると、ヤマブシタケの胃潰瘍予防効果を示唆する研究データはあるものの、今後も人を対象とした追加での研究が必要です。


Point: ヤマブシタケには胃や腸の潰瘍形成を防ぐ効果が期待されていますが、人における研究の結果は、現時点では一貫していません。


5. 心疾患リスクの軽減

心疾患の主要なリスク因子としては、肥満、高トリグリセリド血症、高量の酸化コレステロール、体内の血栓形成傾向などが挙げられます。

研究によると、ヤマブシタケの抽出液はこれらのリスク因子に作用して、心疾患のリスクを軽減すると考えられています。

ラットとマウスを対象とした研究では、ヤマブシタケ抽出液の投与が脂質代謝を改善し、血中のトリグリセリドを低下させたと報告しています。(参考)

ラットを使ったある研究では、高脂質食と一緒にヤマブシタケの抽出液を毎日28日間にわたって投与したところ、トリグリセリドを27%、体重増加を42%低下させたとされています。(参考)

肥満と高トリグリセリド血症はいずれも心疾患に対するリスク因子であると考えられており、これらの効果がヤマブシタケの心臓の健康維持作用につながっていると考えられています。

また、試験管内の実験による研究では、ヤマブシタケの抽出液は血中のコレステロールの酸化を防ぐ作用があるとも考えられています。(参考)

酸化したコレステロール分子は動脈の壁に沈着する傾向があると考えられており、血管壁を硬くすることで心臓発作や脳梗塞などのリスクにつながると考えられています。 このため、このコレステロールの酸化を抑制することは、心臓の健康維持につながると考えられています。

さらに、ヤマブシタケには、血栓形成を抑制して心臓発作や脳梗塞を防ぐと考えられているヘリセノンBと呼ばれる成分が含まれています。(参考)

ヤマブシタケは、その複数の効能から心臓や血管の健康維持に有益であると考えられていますが、人におけるこれらの効能は確立しておらず、今後の人を対象とした研究結果が待たれます。


Point: 動物を対象とした研究や、試験管内で行われた実験などの結果によると、ヤマブシタケの抽出液は複数の作用で心疾患のリスクを軽減すると考えられています。 しかし、人におけるこれらの効能は確定的ではなく、今後も追加での研究が必要でしょう。


6. 糖尿病症状の軽減

糖尿病は、体内で血糖がうまくコントロールできなくなった際に起きる病気です。 結果として、血糖値が常に高値となってしまいます。

血糖値の慢性的な上昇は、腎疾患、手や足の神経傷害、視力障害などの合併症の原因となります。

ヤマブシタケは、糖尿病患者さんにおいて血糖値を改善させてこれらの合併症を軽減する効果が期待されています。

いくつかの動物を使用した研究では、たった6mg/kg程度の少量のヤマブシタケの投与でも、健常なマウスと糖尿病のあるマウスのいずれにおいて、有意に血糖を低下させたとしています。(参考1, 参考2)

ヤマブシタケが血糖を低下させる機序の1つには、小腸の中で炭水化物を分解する酵素であるα-グルコシダーゼの働きを阻害する作用が考えられています。(参考)

このα-グルコシダーゼが阻害されると、人の体では摂取した炭水化物が効果的に消化吸収できなくなり、結果的に血糖値の低下につながると考えられています。

血糖低下作用以外にも、ヤマブシタケには手や足の糖尿病性神経痛を減少させる効果が期待されています。

糖尿病性の神経障害があるマウスでは、ヤマブシタケを6週間投与したところ、疼痛を有意に軽減し、血糖が低下し、体内の抗酸化物質レベルも向上したとしています。(参考)

ヤマブシタケは糖尿病治療に対して補助的な作用を果たすかもしれませんが、人における使用方法については確定しておらず、今後の追加での研究が必要でしょう。


Point: ヤマブシタケは、マウスにおいて血糖を低下させ糖尿病性の神経痛を軽減する効果が見られましたが、人においても同様に治療的な使用ができるのか否かについては、今後の追加での研究が必要でしょう。


7. 癌に対する効能

細胞のDNAが傷害されて、細胞の分裂と増殖が制御できなくなることで、癌が起きると考えられています。

ある研究では、ヤマブシタケに含まれている特別な化合物が、抗癌作用を発揮すると報告されています。(参考1, 参考2)

実際、試験管内で行われた実験では、ヤマブシタケの抽出液を癌細胞と混合したところ、癌細胞の細胞死を促進したとされています。 この効果は、肝臓、大腸、胃、血液など、複数の異なる種類の癌細胞で認められました。(参考1, 参考2, 参考3)

しかし、少なくとも1つ以上の追加研究で同様の研究結果は証明することができず、今後さらに追加での研究が必要でしょう。(参考)

さらに、癌細胞を殺す作用の他にも、ヤマブシタケの抽出液には癌の播種を食い止める作用も期待されています。

ある研究では、大腸癌があるマウスに対してヤマブシタケの抽出液を投与したところ、大腸癌の肺への転移が69%減少したとされています。(参考)

他の研究でも、ヤマブシタケの抽出液が、よく使用されている抗癌剤よりも効果的にマウスにおける癌の成長を抑制し、薬剤に伴う副作用も少なかったと報告されています。(参考)

しかし、このヤマブシタケの抗癌作用は人における研究で証明されたことはなく、今後も追加での研究が必要となるでしょう。


Point: 動物を対象とした研究や試験管内で行われる実験などでは、ヤマブシタケ抽出液の癌細胞を殺す作用や、腫瘍の播種を抑制する作用などが報告されていますが、今後は人を対象とした研究が必要となるでしょう。


8. 炎症や酸化ストレスを軽減する

慢性炎症や酸化ストレスは、心疾患、癌、自己免疫疾患など、現代問題になっている多くの疾患の原因となっていると考えられています。(参考)

ある研究では、ヤマブシタケは強力な抗炎症物質と抗酸化化合物を含んでおり、そのことがこれらの疾患に対して影響を与えるのではないかと報告されています。(参考)

実際、別な研究では、14の異なるキノコに含まれる抗酸化物質について調査が行われ、ヤマブシタケはこれらの中でも4番目に抗酸化活性が高く、経口で摂取できる抗酸化物質の優れた供給源であるとされています。(参考)

また、いくつかの動物を対象とした研究では、齧歯類にヤマブシタケの抽出液を投与したところ、炎症のマーカーと酸化ストレスを軽減し、特に炎症性腸疾患、肝障害、脳卒中などに対して有益である可能性が示されました。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4)

ヤマブシタケは、脂肪細胞から放出される炎症物質を減らすことで、肥満患者さんにおける健康リスクの軽減に役立つ可能性が示唆されています。(参考)

動物を対象とした研究の結果には期待が持てますが、ヤマブシタケの人における効能を確かめるためには、今後のさらなる研究が必要でしょう。


Point: ヤマブシタケには強力な抗炎症物質が含まれており、慢性疾患による人体への悪影響を軽減するかもしれません。


9. 免疫システムの亢進

強力な免疫システムは、細菌、ウイルス、その他の病原菌から体を守ります。

一方で、免疫システムが弱ると、体に感染症が起きるリスクが高くなります。

動物を対象とした研究では、ヤマブシタケが、口や鼻から消化管に侵入した有害な病原体から体を守る消化管の免疫システムを改善することで、免疫を亢進する可能性が指摘されています。(参考)

これらの効能は、部分的には腸管内の細菌が変化することが、免疫システムを刺激することによると考えられています。(参考)

ある研究では、ヤマブシタケ抽出液のサプリメントの摂取が、致死量のサルモネラ菌を注射されたマウスの寿命を、4倍程度まで延長させたとしています。(参考)

ヤマブシタケの免疫亢進作用にはとても期待が持てますが、この分野の研究はまだ始まったばかりです。


Point: ヤマブシタケには、齧歯類における免疫の促進作用が確認されていますが、今後の追加での研究がさらに必要でしょう。


ヤマブシタケの安全性と副作用

ヤマブシタケとその抽出液の人における副作用を調査した研究はまだありませんが、現時点ではヤマブシタケの摂取は安全であると考えられています。

ラットなどにおいても明らかな副作用などの報告もなく、1kgあたり5グラムという高用量を1ヶ月もしくは、低用量を3ヶ月用いても、特に問題はなかったとされています。(参考1, 参考2, 参考3)

しかし、キノコ類にアレルギーや過敏性がある方においては、ヤマブシタケもキノコの一種なので、摂取は避けた方が望ましいでしょう。

アレルギーに関連していると思われますが、ヤマブシタケの摂取後に呼吸苦や皮疹などの症状を報告しているケースがあります。


Point: 動物を対象とした研究などでは、ヤマブシタケとその抽出液は、高用量で摂取した場合であっても安全であると考えられています。 しかし、アレルギー反応と思われる副作用の報告があるので、キノコアレルギーがある方においては摂取を避けることが望ましいでしょう。


まとめ

ヤマブシタケとその抽出液は、多くの健康への効能があるとされています。

研究では、ヤマブシタケの認知症の改善、軽度の不安症やうつ症状の改善、神経障害の回復効果などが報告されています。

ヤマブシタケには強力な抗炎症物質、抗酸化物質、免疫促進物質などが含まれており、動物を対象にした実験において心疾患、癌、潰瘍、糖尿病などのリスクを軽減する効果が指摘されています。

現在までの研究結果には期待が持てますが、ヤマブシタケの健康増進のための使用方法を確立するためには、今後も人を対象とした研究が必要でしょう。

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