カンゾウ根(リコリスルート)とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

alloeh編集部

最終更新日:2020/05/18

カンゾウ根(リコリスルート)についての概要

カンゾウ根(リコリスルート)は、お菓子や飲料の甘味料などとしてよく使用されます。また、数世紀にわたってカンゾウ根(リコリスルート)はその医薬品としての効能から薬としても使用されてきました。

医療界では、カンゾウ(リコリス)の総合的な効能が認められ始めています。しかしながら、まだこれらの期待されている効能の全てが、科学的に立証されているわけではないことは知っておく必要があるでしょう。

カンゾウ(リコリス)多くの形で流通しており、主にグリチルリチンか脱グリチルリチン酸カンゾウを含むものが手に入ります。

カンゾウ根(リコリスルート)の歴史

カンゾウ(リコリス)という言葉は、スペインカンゾウと呼ばれる植物の根の部分を指します。これは、ヨーロッパやアジアに自生する植物で、これらの地域では雑草として分類されています。

昔のエジプト人はカンゾウ根(リコリスルート)を好んで使用していました。様々な病気を治す治療薬としてお茶に入れて用いられることが多かったようです。カンゾウ(リコリス)は後に中国から輸入されるようになり、後に中国の伝統医療において重要な位置を占める薬草となりました。

カンゾウ根(リコリスルート)の健康への効能をさらに取り上げましょう。

胃の症状を緩和する

カンゾウ根(リコリスルート)は胃腸の症状を和らげるために使用されます。食中毒、胃潰瘍、胸焼けなどの症状に対して、カンゾウ根(リコリスルート)の抽出物は胃の粘膜の修復を助け、胃内のバランスを改善する作用があります。この作用は、カンゾウ根(リコリスルート)の成分であるグリチルリチン酸の抗炎症作用と免疫促進作用によるものです。

ある研究では、カンゾウ根(リコリスルート)の成分であるグリチルリチン酸は、ヘリコバクターピロリの毒素を中和し、以内でのピロリ菌の増殖を抑えたと報告されています。また、他の研究でも脱グリチルリチン酸カンゾウの摂取で、胃潰瘍、胸焼け、胃炎などの症状が改善したとの結果が出ています。特に、脱グリチルリチン酸カンゾウはカンゾウに比較してもより安全で、長期の摂取にも適していると考えられています。

呼吸器系の浄化作用

カンゾウ(リコリス)は呼吸器系の疾患に対しても推奨されています。カンゾウ(リコリスは)は人の正常な粘液の分泌を助ける働きがあると考えられているためです。痰の量が増えることは、健康に対して悪影響のように思えるかもしれませんが、実際にはそうではありません。正常で健康的な痰を呼吸器系から排泄することは、呼吸器官が老化した粘着性の高い粘液で閉塞することを避け正常に機能するために重要です。

ストレスの軽減

長期にわたるストレスは慢性的なアドレナリンとコルチゾル分泌を促すことによって副腎の疲弊につながります。カンゾウ(リコリス)のサプリは副腎にかかるストレスを軽減する作用があと考えられています。カンゾウ根(リコリスルート)の抽出液は副腎の刺激作用があり、健康なレベルのコルチゾルの体内への分泌を促します。

癌治療の補助

ある研究では、カンゾウ根(リコリスルート)の抽出液が乳がんや前立腺癌の治療を補助する可能性が示唆されています。また、中国での医療でもカンゾウ根(リコリスルート)の抽出液は癌の治療に用いられています。米国のFDAはまだ、カンゾウ根(リコリスルート)の癌に対する治療については認可していないものの、米国癌学会によると現在でも研究が進められています。

歯や肌に対する保護効果

カンゾウ(リコリス)を含む局所へのゲル塗布が湿疹などの治療に推奨されています。カンゾウ(リコリス)はその抗菌作用から、皮膚の疾病に対する治療薬として有効です。このため、代替医療の専門家は虫歯などにも殺菌のためにカンゾウ(リコリス)を使用したりします。

用量と形態

液状の抽出液

カンゾウ(リコリス)抽出液は最もよく使用される形態で、商業的にはお菓子や飲料の甘味料として使われます。

カンゾウ(リコリス)抽出液の摂取量上限は、30mg/mlのグリチルリチン酸を越えるべきではなく、この上限を越えると健康に対する副作用が出ることが考えられています。

粉末

健康食品のお店や、オンラインショップなどではカンゾウ(リコリス)の粉末も取り扱われています。ゲルの基剤と合わせることで、皮膚をきれいにする局所の軟膏として使用することができます。

粉末では、カンゾウ(リコリス)は特に湿疹や痤瘡の治療に適しています。その他にも、この粉末を植物性カプセルに入れて経口摂取する使用法もあります。WHOの発表によると、推奨されるカンゾウ(リコリス)の摂取量は、75mg/日以下です。

お茶

カンゾウの葉を乾燥粉砕しお茶として加工した製品が人気になってきています。このお茶は健康食品のお店やオンラインショップなどで購入が可能です。

このお茶は、消化器・呼吸器・副腎などの正常な機能を助ける目的で使用されます。「器官の清浄化」や「デトックス効果」などを効能として挙げているハーブティーなどでは、カンゾウ(リコリス)を含有していることが多いです。 

有名な喉への治療薬である「スロートコート茶(Throat Coat tea)」も、アルテア根、カンゾウ根、ニレ樹皮を配合したお茶です。

このカンゾウ茶は、1日あたり8オンス(約236ml)を超えないように摂取することが推奨されています。

脱グリチルリチン酸カンゾウ

脱グリチルリチン酸カンゾウはグリチルリチンが除去されたカンゾウで、より安全に摂取ができるようになっています。脱グリチルリチン酸カンゾウは一般的に、グリチルリチンの含有量が2%以下で、消化器症状などの長期にわたる内服が必要となるケースで使用が推奨されています。

脱グリチルリチン酸カンゾウはチュアブル錠剤、カプセル、お茶、粉末などで販売されています。1日の摂取上限量は脱グリチルリチン酸カンゾウあたり5gです。このリンクからも複数の種類の脱グリチルリチン酸カンゾウを購入することができます。

可能性のある副作用

カンゾウ根(リコリスルート)の過剰な摂取は、体内のカリウム濃度を低下させ、筋肉の脱力などの症状の原因となることがあり、この病態を低カリウム血症と呼びます。

ある研究でも、2週間にわたりカンゾウ根を過剰に摂取した人において、体液貯留と代謝異常が認められたと報告されています。

また、過剰なカンゾウの摂取は血圧上昇、むくみ、不整脈などの原因となることがあります。現在では多くのカンゾウ味の製品は味を似せて加工しているだけである場合が多いものの、一部の製品にはいまだにカンゾウの成分であるグリチルリチン酸が含まれています。

10歳の子供が過剰な肝臓を摂取したことで血圧上昇を来たし入院治療を要したケースの報告もあります。

米国のFDA は妊娠している女性や授乳中の女性では、カンゾウの摂取を避けることを推奨している他、高血圧の患者さんでもカンゾウ根の摂取を避けることが望ましいとされています。

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