ベータアラニン(βアラニン)とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

ベータアラニン(βアラニン)は陸上競技者や運動をよくする方にはとても馴染みの深いサプリメントの一つであると思います。

それは、競技のパフォーマンスの向上や健康の改善に効果が期待されているからです。

この記事では、βアラニンについて、あなたが知っておくべきことを取り上げます。

ベータアラニン(βアラニン)とは何か?

ベータアラニン(βアラニン)は非必須アミノ酸の一つです。

その他のアミノ酸と異なり、βアラニンは体内では他のタンパク質の合成のために使用されません。

代わりに、ヒスチジンと結びついてカルノシンを産生します。カルノシンは人の骨格筋に蓄えられているアミノ酸です。(参考)

カルノシンは運動中に筋肉内に溜まってしまう乳酸を減らすことで、競技のパフォーマンス向上につながると考えられています。(参考1 参考2)

💡 POINT

βアラニン非必須アミノ酸の1つです。人の体では、カルノシンの産生に利用され運動パフォーマンスの向上につながると考えられています。


ベータアラニン(βアラニン)はどの様に働くのか?

通常、筋肉の中ではヒスチジンレベルは高い一方で、βアラニンレベルは低く、このことがカルノシンの産生の律速になります。(参考 参考2)

ベータアラニン(βアラニン)をサプリメントとして補充することは、筋肉中のカルノシンレベルを80%程度向上させると報告されています。(参考1 参考2 参考3 参考4 参考5)

運動中に、カルノシンは以下の様に作用します。

・糖の代謝:糖の分解は、高負荷の運動時の主要なエネルギー源となります。

・乳酸の形成:運動をしていると、糖は分解されて乳酸となります。この乳酸は水素イオンを筋肉内で作り出します。

・疲労感:水素イオンで筋肉が酸性になることで、糖の代謝が阻害され、筋肉の収縮力が減少し、このことが筋肉の疲労感につながります。(参考1 参考2 参考3

・緩衝作用:カルノシンは酸に対する緩衝作用があり、高負荷の運動中の筋肉内の酸性度を減少させます。 (参考1 参考2


βアラニンサプリメントは、このカルノシンの量を上昇させ筋肉の酸性度を減少させる作用があり、これにより全体の疲労を和らげるとも考えられています。

💡 POINT

βアラニンサプリメントは、高負荷の運動中の筋肉内の酸性度を減少させるカルノシンを増やします。


ベータアラニン(βアラニン)の競技パフォーマンスや筋力への効果

ベータアラニン(βアラニン)には疲労の改善、耐久性の向上、高負荷運動におけるパフォーマンス改善などが期待されています。

疲労感に関する効果


研究では、βアラニンが運動中に疲労を感じるまでの時間を延長させたと報告されています。

つまり、βアラニンが運動を一度により長い時間できる様にしてくれるということです。
βアラニンのサプリメントを摂取した自転車走者での研究では、4週間で走行距離が13%増加、10週間でさらに追加で3.2%増加したとされています。(参考1 参考2 参考3 参考4)

20名の男性自転車走者においてβアラニンを4週間摂取後に同様のテストをしたところ、疲労を感じるまでの走行時間が13-14%延長したと報告されています。(参考)

短時間の運動に関する効果


一般的に、筋肉の酸性化が高負荷運動がどのくらいの時間できるかを決定します。

このため、βアラニンは高負荷な1-2分程度の短時間の運動をする際にパフォーマンスの向上に有効です。

ある研究では、βアラニンを6週間にわたって摂取した人において、高負荷のトレーニングを繰り返した際の疲労を感じるまでの時間が19%程度延長したとされています。(参考1 参考2)

別な研究でも、18名のボート競技者で7週間βアラニンを摂取した場合、プラセボ摂取群に比べて2000mレースのタイムが、通常6分以上かかるところ4.3秒ほど早まったとされています。(参考)

その他の効能

高齢者の方においては、βアラニンの摂取が筋肉の持久力を高めることが知られています。(参考)

筋力トレーニングにおいて、トレーニングの負荷量の向上やトレーニング後の疲労を改善する効果があると考えられています。 しかしながら、βアラニンが筋力を向上するという研究結果は一貫しているわけではないので今後の研究が待たれます。(参考1 参考2 参考3 参考4)

💡 POINT

βアラニンは、数分程度の運動に最も効果があると考えられています。 疲労を軽減し、運動能力と持久力を向上させると考えられています。


ベータアラニン(βアラニン)の体の組成への影響

いくつかの研究では、ベータアラニン(βアラニン)が人の体の組成に対しても良い効果があると報告されています。

ある研究では、βアラニンの3週間の摂取が、体の引き締まった筋肉を増やしたとの報告があります。(参考)

βアラニンでトレーニングの量が増え筋肉の成長が促されることが、体の組成を改善させると考えられています。

しかしながら、別な研究ではサプリメントの使用で、体の組成に有意な変化は見られなかったとの報告もあるので、研究結果はまだ確定的ではありません。(参考1 参考2)

💡 POINT

βアラニンは運動の量を増やす効果が期待されています。 このことで、体の引き締まった筋肉を増やす可能性が示唆されているものの、確定的ではありません。


ベータアラニン(βアラニン)のその他の健康への効果

ベータアラニン(βアラニン)は体内のカルノシンの量を増加させ、それがいくつかの健康への効能につながっている可能性があります。

面白いことに、動物や試験管内のテストでは、カルノシンには抗酸化、アンチエイジング、免疫機能の促進などの効果があると示唆されています。 しかしながら、さらなる人を対象にした研究が今後必要です。

カルノシンの抗酸化作用による効果には、遊離ラジカルの中和、酸化ストレスの低下などが含まれます。(参考1 参考2 参考3)

さらに、試験管内での研究ではカルノシンが一酸化窒素の産生を増やす効果が認められており、この事が人の体の老化を食い止め心臓の健康を保つと考えられています。(参考)

また、カルノシンが高齢者において筋肉の質と機能を高める効果も期待されています。(参考1 参考2)

💡 POINT

カルノシンは抗酸化作用と免疫促進作用があり、高齢者における筋肉の機能向上にもつながると考えられています。


ベータアラニン(βアラニン)の供給源となる食材

ベータアラニン(βアラニン)の主要な供給源となるのは肉、鶏肉、魚です。

βアラニンは、カルノシンやアンセリンなどと呼ばれる化合物の一部ですが、消化されることでβアラニンが作られます。

ベジタリアンやビーガンの方では、なんでも食べる人に比べて筋肉中のカルノシンの量が半分程度であると言われています。(参考

βアラニンは通常の食事から十分な量が摂取できますが、サプリメントを使うことでさらに体内のβアラニンを増やすことができます。

💡 POINT

βアラニンは、肉、鶏肉、魚などのカルノシンが多く含まれる食事から摂取することができます。


ベータアラニン(βアラニン)の推奨される摂取量

一般的なベータアラニン(βアラニン)の必要量は、1日あたり2-5g程度と言われています。(参考)

また、食事と一緒にβアラニンの摂取をすることで、体内のカルノシン量が増えるとされています。(参考)

カルノシンのサプリメントを摂取するよりも、βアラニンサプリメントを摂取した方が、筋肉のカルノシンレベルを上昇させるのにより有効であったとされています。(参考)

💡 POINT

一般的には、1日あたり2-5g程度のβアラニンを摂取することが推奨されています。 食事と一緒にβアラニンを摂取するとさらに効果的です。


ベータアラニン(βアラニン)の安全性と副作用

ベータアラニン(βアラニン)の過剰摂取は、感覚異常と呼ばれる皮膚のビリビリとした異常な感覚を引き起こす原因になると考えられています。
通常は、顔、首、手背などにこの症状が出現することが多いです。

異常感覚の程度は用量に依存するとされており、1回800mg程度の少量摂取であれば症状は起きないとされています。(参考)

この異常感覚自体が健康に害を及ぼすことはありません。(参考)

他の可能性がある副作用としては、体内のタウリン濃度の低下が挙げられます。
これは、βアラニンがタウリンの筋肉内への吸収に拮抗するためと考えられています。

💡 POINT

副作用には、異常感覚や体内のタウリン濃度の低下などが含まれます。 データは限られているものの、健常な方においてはβアラニンの摂取は安全性が高いとされています。


ベータアラニン(βアラニン)が混合された成分

ベータアラニン(βアラニン)はしばしば、重炭酸ナトリウムやクレアチンなど、他の成分などと混合されて使用されます。

重炭酸ナトリウム

重炭酸ナトリウムは重曹とも呼ばれますが、体内そして筋肉内の酸を減らすことで運動のパフォーマンスを向上させるとされています。(参考)

多くの研究でβアラニンと重炭酸ナトリウムの効果が調べられています。

これらの研究では、βアラニンと重炭酸ナトリウムの混合が、筋肉の酸性化が良いパフォーマンスの妨げになる様な運動において、幾らかの効果があったと報告されています。(参考1 参考2)

クレアチン

クレアチンはアデノシン三リン酸を増やして、高負荷な運動のパフォーマンスを向上させると考えられています。

βアラニンとクレアチンが一緒に使用されると、運動のパフォーマンス改善、筋力向上、引き締まった筋肉量の増加などの効果があったと報告されています。(参考1 参考2 参考3)

💡 POINT

βアラニンは、重炭酸ナトリウムやクレアチンなどと組み合わせることで、より良い効果が得られる可能性が示唆されています。


まとめ


ベータアラニン(βアラニン)は、運動能力の改善、筋肉疲労の軽減などを介して運動パフォーマンスの向上など、多くの効果が期待されている成分です。

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