ナトリウムとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

alloeh編集部

最終更新日:2020/05/02

ナトリウム成分解説

1日にどれだけナトリウムを摂るべきか?

ナトリウムは、単に塩分と表現されることもありますが、ほぼ全ての食べ物や飲み物に含まれています。 

元から自然に食材に含まれていたり、食品製造の過程で追加されたり、家庭やレストランで調理の味付けに使われます。 

ここしばらく、ナトリウムは高血圧と結び付けられてきました。慢性的に血圧が高くなっていると、血管や動脈にダメージを与えます。そして、心臓病、脳卒中、心不全、腎臓病のリスクが高まります。 

従って、健康に関連する複数の機関が、ナトリウムの摂取量の上限についてガイドラインを定めています。 しかし、食事の減塩によって全員に良い効果があるわけでもないため、こうしたガイドラインは議論を呼んできました。 

この記事では、ナトリウムの重要性と、過剰摂取や不足した場合に想定されるリスク、そして1日に摂るべきナトリウムの量について説明していきます。

ナトリウムは健康のために必要

ナトリウムは体に悪いと言われ続けてはいますが、健康のために必要な栄養素なのです。

ナトリウムは体内の電解質の一種です。電解質とは、電気を帯びたイオンを作るミネラルを指します。 食事から摂るナトリウムは主に、塩化ナトリウムという形で塩に含まれています。

塩化ナトリウムは、質量にすると40%がナトリウム、60%が塩化物です。(参考

塩は食品の加工や製造の過程で幅広く使われているため、加工食品は私たちが摂取するナトリウムの75%を占めると推定されています。(参考

体内のナトリウムのほとんどは、血液中や細胞の周りの体液にあり、こうした体液のバランスを保つ働きをしています。 ナトリウムは、正常な体液のバランスを保つことと併せて、神経や筋肉が正常に機能するうえでも重要な役割を果たしています。 

腎臓には、尿として排泄するナトリウムの量を調整することによって、体内のナトリウムの量をコントロールする働きがあります。またナトリウムは汗としても排出されます。 

通常の生活を送っている限り、たとえ非常に減塩した食生活を送っていても、食事から摂るナトリウムが不足することは極めて稀です。(参考参考2) 


Point:ナトリウムは健康のために大切な栄養素です。ナトリウムは神経や筋肉の機能において重要な役割を果たしており、私たちの体が体液のバランスを正常に保てるよう助ける働きがあります。

ナトリウムと高血圧との関連

以前から、ナトリウムは特に高血圧の人の血圧を上げることで知られています。 

ほとんどの専門家は、ナトリウムと高血圧との関連が最初に発見されたのは、1904年のスランスにおいてだと考えています。(参考

しかし、1940年代後半に科学者のWalter Kempner氏が、高血圧の人500人の血圧を、米を使った減塩の食事で下げることができたと発表して以降、ナトリウムと高血圧の関連性が広く認識されるようになりました。(参考) 

それ以来、ナトリウムの過剰摂取と高血圧に強い関連があることが調査によって確立されてきました。(参考参考2参考3参考4) 

この関連性について行われた研究で最も大規模なものの一つに、Prospective Urban Rural Epidemiology(PURE, 疫学前向きコホート研究)があります。(参考) 

研究者らが5大陸18か国の10万人以上もの人々の尿のナトリウムの値を分析したところ、ナトリウムをたくさん摂取していた人は、ナトリウムの摂取量が少ない人に比べ、血圧が著しく高いことが分かりました。(参考

同じ対象者に対して別の科学者が行った調査では、1日当たり7gを超えるナトリウムを摂取した人は、1日当たり3-6g摂取していた人に比べ、心臓病や早死にするリスクが高いことが明らかになりました。(参考

しかし、ナトリウムに対する反応は全員が同じわけではありません。 高血圧、糖尿病、慢性的な腎臓病を患っている人、そして高齢者やアフリカ系アメリカ人は、ナトリウムが血圧を上昇させる影響を受けやすい傾向にあります。(参考参考2) 

もし皆さんが塩分の影響を受けやすいようであれば、高血圧に関わる心臓疾患のリスクが高いため、塩分の摂取量を制限することが推奨されます。(参考


Point:ナトリウムは血圧を上昇させます。この血圧を上げる作用を受けやすい人もおり、そうした人は塩分の影響を受けやすく、高血圧の関わる心臓疾患にかかりやすい傾向があります。

推奨されるナトリウムの摂取量

何十年もの間、健康に関連する機関は、血圧をコントロールするためナトリウムの摂取量を制限するよう勧めてきました。 私たちの体が正常に機能するうえで必要なナトリウムの量は1日当たりたったの186 mgと推定されています。 

しかし、必要なエネルギーや他の重要な栄養素の推奨摂取量を満たしながら、ナトリウムはこれだけしか摂らないというのはほぼ不可能でしょう。 このため、Institute of Medicine(IOM、米国医学研究所)は、健康な成人の場合、1日当たり1,500 mg(1.5 g)のナトリウムを摂取することを推奨しています。(参考

同時に、IOM、USDA、US Department of Health and Human Services(アメリカ合衆国保健福祉省)は、健康な成人の場合、1日当たりのナトリウムの摂取量を2,300 mg(2.3 g)未満に抑えるよう推奨しています。このナトリウムの量は、ティースプーン1杯の塩に相当します。(参考参考2

この制限量は、1日当たり2,300 mg(2.3 g)を超えるナトリウムを摂取すると血圧に悪影響があり心臓疾患のリスクが上昇するという臨床研究の証拠に基づいて定められました。 競技選手や暑い中で労働する人のように活動量の多い人は、汗によって失われるナトリウムの量が多いので、このガイドラインは当てはまりません。 

また別の組織は異なる推奨を発表しています。 WHOは1日当たり2,000 mg(2 g)のナトリウムの摂取を推奨しており、American Heart Associationはさらに少ない1日当たり1,500 mg(1.5 g)の摂取を推奨しています。(参考参考2) 

現在、アメリカ人は平均して1日当たり約3,400 mgと、健康に関連する機関が推奨している量よりもはるかに多くナトリウムを摂取しています。(参考

しかし、血圧の値が正常な人にはナトリウムの摂取量を制限することによる効果は無い可能性があるため、こうした推奨摂取量は議論を呼んでいます。(参考) 

実際に、健康な人が塩分の摂取量を制限することにより心臓疾患のリスクが下がることを示す証拠は限られています。塩分を制限することがむしろ害になる可能性もあります。(参考) 


Point:心臓の健康のため、健康に関連する機関が推奨する1日当たりのナトリウムの摂取量は1,500 mg(1.5 g)から2,300 mg(2.3 g)で、アメリカ人の平均の摂取量よりはるかに少量です。

ナトリウム不足による危険

推奨されている量に対してナトリウムの摂取量が減ると体に良くないということが提言されている証拠がいくつかあります。 高血圧であるか高血圧でないかに関わらず、6大陸49か国の133,000人以上もの人が参加した調査では、ナトリウムの摂取量が心臓疾患や早死ににどのように影響するかを調べました。(参考) 

調査の結果、血圧に関係なく、1日当たり3,000 mg(3 g)未満しかナトリウムを摂取していなかった人は、4,000 mg-5,000 mg(4-5 g)のナトリウムを摂取していた人と比べて、心臓疾患にかかったり死亡しやすい傾向があったことが分かりました。 

1日当たり3,000 mg(3 g)未満しかナトリウムを摂取していなかった人は、7,000 mg(7 g)のナトリウムを摂取していた人よりも悪い健康状態にありました。 

とはいえ、高血圧でありながら1日当たり7 g以上のナトリウムを摂取していた人は、4-5 gのナトリウムを摂取していた人と比較して、心臓疾患や死亡のリスクが著しく高かったことも明らかになっています。

こうした結果や、またこの他の結果を踏まえると、ナトリウムをたくさん摂るよりも、摂らなさすぎる方が健康に害があると言えます。(参考参考2参考3) 

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Point:血圧が高い人も正常な人も、ナトリウムの摂取量が多すぎるよりも少なすぎる方が、健康に悪いということが分かっています。

ナトリウムの摂取量を制限すべきか?

高血圧でありながら1日当たり7 g以上のナトリウムを摂取している人は、間違いなく摂取量を減らすべきでしょう。

また減塩治療食の場合のように医学的な理由により、かかりつけの医師や登録栄養士からナトリウムの摂取量を制限するよう指導されている人にも、同様のことが言えます。

しかし健康な人は、ナトリウムを減らしてもあまり変わらないと思われます。 健康に関する機関はナトリウムの摂取量を減らすよう推奨し続けていますが、1日当たり3 g未満までナトリウムを減らしすぎると健康に悪影響である可能性があります。 

1日当たり3 g以下しかナトリウムを摂取していない人は4-5 g摂取している人に比べて、心臓疾患と早死にのリスクが高いことが研究を通して明らかになっています。 このことから、1,500 mg(1.5 g)から2,300 mg(2.3 mg)まで幅はありますが、現在のガイドラインではナトリウムが少なすぎるかもしれないという証拠が増えてきており、効果よりも害の方が大きいのではないかという懸念が浮かんできています。

とはいえ、49か国の人々のうち1日に6 gを超えるナトリウムを摂っているのは22%に過ぎず、健康な人が現在摂取しているナトリウムの量は恐らく安全な範囲でしょう。(参考) 


Point:高血圧で1日当たり7 g以上のナトリウムを摂取している場合は、ナトリウムの摂取量を制限した方が良いでしょう。しかし健康であれば、現在皆さんが摂取している塩分の量はおそらく安全な範囲にあるでしょう。

血圧を抑え健康になる他の方法

健康に関する機関が推奨しているような少ないナトリウムの量にまで減らすのは難しく、健康のためにも最善の方法とは言えないでしょう。 ナトリウムの摂取量だけにこだわるのではなく、より現実的に効率よく血圧を抑えて健康になる方法があります。

運動

運動には健康に良い点がたくさんあります。血圧を下げる効果もその一つです。(参考) エアロビクスと負荷運動を組み合わせるのが理想的ですが、単にウォーキングをするだけでも血圧を下げることができます。(参考参考2参考3参考4) ジムに行くことができなければ、少なくとも1日に30分のウォーキングをしてみてください。一気に30分歩くのが長すぎるようであれば、10分を3回に分けても構いません。

果物と野菜を食べる

ほとんどの人は果物と野菜を十分に摂れていません。 果物と野菜には、カリウムやマグネシウムのような重要な栄養素が含まれており、血圧を下げることが期待できます。(参考参考2

レタス、ビーツの根、ほうれん草、ルッコラといった野菜からは硝酸塩を摂ることができます。硝酸塩は体が作る一酸化窒素の量を増やしてくれます。(参考参考2) 一酸化窒素は血管や動脈を弛緩させるので、血管や動脈が拡張して血流が増えます。このため血圧が下がるのです。(参考

摂取カロリーを減らす

ナトリウムの摂取量は、摂取カロリーと関連があります。たくさんカロリーを摂っているほど、ナトリウムもたくさん摂ることになります。(参考) 

毎日必要なカロリーよりも多く食べている人がほとんどなので、あまり考えなくても単にカロリーを減らすのが、ナトリウムの摂取量を減らす最も簡単な方法です。 摂取カロリーを減らすことで体重も減っていくので、血圧も下がります。(参考参考2参考3参考4

アルコールを制限する

アルコールを大量に飲むことにより健康にいくつかの影響がありますが、これに加え血圧の上昇にも関連性があります。(参考参考2参考3参考4) 

男性も女性もそれぞれ、アルコールを飲むのは1日に1杯か2杯にしておきましょう。この推奨量を超えているようであれば、減らすことをお勧めします。(参考) 

アルコール1杯は以下に相当します: 

  • 普通のビール12オンス(335 ml) 
  • モルトリカー8-9オンス(237-266 ml) 
  • ワイン5オンス(148 ml) 
  • 焼酎1.5オンス(44 ml)


Point:ナトリウムの摂取量を気にするよりも、もっと効率的に効果的に血圧を下げる方法がいくつかあります。方法としては、運動、果物と野菜をたくさん食べること、カロリーと飲酒を減らすことが挙げられます。

最後に

ナトリウムは私たちの体の数多くの重要な機能のために必要不可欠な栄養素です。 

健康に関する機関はナトリウムの摂取量を1日当たり1.5gから2.3 gにするよう推奨しています。しかし、こうしたガイドラインの値では少なすぎるという証拠が増えてきています。 

高血圧の人は1日に7 gを超えるべきではありませんが、健康であれば、現在摂取している量で問題ないでしょう。 血圧が気になるようでしたら、他にもっと効果的にできることがあります。運動したり、食事を見直したり、体重を減らすなどをすると良いでしょう。

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