パウダルコとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

パウダルコは、主に中南米に自生する、ノウゼンカズラ科の植物です。また、この植物から作られるハーブや煎じ飲料も同様の名前で呼ばれることがあります。日本国内では、沖縄において植栽されていることがあります。

ラパチョ(煎じ飲料)の名でも知られるパウダルコは、幅広い病を治療するために使われてきました。サプリメントとしては、炎症の軽減と体重の減量を促進するものとして売られていることがある原材料です。

この記事では、パウダルコの用法や効果、副作用、そして服用量などについてご紹介します。

パウダルコとは

パウダルコとは南そして中央アメリカの熱帯雨林に自生するいくつかの木の総称です。

8〜20mほどの高さにまで成長し、新しい葉がつく前に、ピンクや紫の花を咲かせます。

耐朽性があるため、先住民はこの木を狩りのための矢の材料として使っていました。加えて、その内樹皮は腹や肌、そして炎症状態を治療するために長きに渡って使われてきたのです。(参考)

ナフトキノンと呼ばれるいくつかの化合物、主にラパコールやベータラパコールは、パウダルコの内樹皮から分離することができ、パウダルコに効用をもたらすもととなっていると考えられています。(参考1, 参考2)

パウダルコに関連する多くの研究は動物実験および試験管での研究に限られており、人体への影響については明確になっていないことも多いことに注意が必要です。

💡 POINT!

パウダルコは樹木の内樹皮から得られる成分に効果が期待されています。南アメリカと中央アメリカでは、伝統的な薬として使用されてきました。


パウダルコの効果

感染治療の可能性

パウダルコエキスは抗菌性と殺菌性という特質を持っているという調査があります。正確なメカニズムは未解明の部分が多いですが、バクテリアや菌類が酸素やエネルギーを生産する際に必要とするプロセスを妨害すると考えられています。(参考1, 参考2)

いくつかの研究は、樹皮エキスが、病原となる多くの微生物に対しての防御機能をもたらし、また、消化器系の感染性のバクテリアの成長を妨げもするかもしれないということを明らかにしています。例えば、ベータラパコールは、非常にコントロールが難しいことで知られるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) を抑制し治療する効果があることが発見されています。(参考1, 参考2)

他の研究では、消化器官で増加し胃壁を攻撃する傾向があり、潰瘍の原因となるヘリコバクター(H.)ピロリの増加を妨げる働きがパウダルコエキスにはあると示唆されています。とはいえ、他の一般的な抗生物質に比べれば、効果は薄いとされている点には留意が必要です。(参考)

臨床研究は該当がないため、MRSAやH.ピロリ、その他の感染症へのパウダルコエキスの効果、もしくは安全性は不透明のままです。

📖 臨床研究とは?

「人を対象として」行われる医学系研究のことを指します。

💡 POINT!

研究所での実験は、パウダルコエキスは多くの病原となる微生物から守ってくれる可能性があることを提唱しています。これらの発見はどんな推奨がなされるよりも前に、人間において再現されるべきです。


炎症を抑える可能性

パウダルコは、炎症(身体を守るための自然な防御反応)を妨げると効果があると考えられています。低いレベルの炎症は身体に有益な一方で、慢性的な炎症は癌や肥満、そして心臓病といった病に至ると考えられています。(参考)

いくつかの動物での研究は、パウダルコエキスが、体内の炎症反応を引き起こす特定の化学物質の放出を妨げているということを証明しています。例えば、ある研究ではプラシーボ群パウダルコエキスはマウスの炎症を30〜50パーセント、プラセボ群と比べて阻止しています。(参考)

そのため、あなたの関節に腫れ、痛み、凝りを引き起こす骨関節炎のような炎症状態を治療する可能性があります。

同様に、他の研究では樹皮エキスが、多くの慢性的な炎症を引き起こす病に蔓延する化合物の生成を阻止するということが発見されています。(参考)

総合すると、これらの結果はパウダルコは多くの種の炎症状態の改善を助ける可能性があることを示唆していると言えるでしょう。(参考1, 参考2, 参考3)

💡 POINT!

動物と試験管での研究がパウダルコエキスには炎症を抑える働きがあることに言及してはいますが、臨床試験が必要です。


体重を減らす可能性

パウダルコは体重を減らすことを助ける可能性があると考えられています。

マウスでの研究はパウダルコエキスが膵リパーゼ、つまりあなたの身体の消化を助け、脂質を吸収する酵素を抑制することを証明しています。(参考1, 参考2)

16週間にわたる研究では、パウダルコエキスを与えられたマウスは、摂取した食事量には変化がないにも関わらず、プラセボ群より体重が減っていました。(参考)

同様に、マウスに高脂質の食事を与えるなかで、パウダルコエキスが体重増加を低減させた、という研究もあります。(参考)

しかしながら、これらは臨床試験ではなく、パウダルコエキスが人間の食事における脂肪吸収の抑制に効果があるかどうかは不明瞭です。

脂肪吸収の抑制に効果があったとしても、その吸収の抑制は数多くの副作用を引き起こしうるものであるとも考えられています。例えば、脂肪の吸収抑制が起こると、急な便意が襲ったり、便意がコントロールできなくなったり、便が緩くなったり脂っぽくなったりすることがあります。パウダルコエキスは人間の脂肪吸収を抑制した場合にも、こうした副作用を引き起こしうる可能性も示唆されています。(参考)

ダイエットに関するサプリメントについては、『効果別ダイエットサプリおすすめ15選|ALLOEH編集部が徹底比較』で詳しく解説をしているので気になる方は是非チェックしてみてください。

💡 POINT!

動物と試験管での研究がパウダルコエキスには炎症を抑える働きがあることに言及してはいますが、臨床試験が必要です。


パウダルコの摂取方法

パウダルコエキスは、カプセル、液体、粉末等の形式で入手可能です。 伝統的案な用法として、お茶として飲まれることがあります。しかし、パウダルコの効果のある成分は水にはほぼ抽出されないとされている点には留意が必要です。

液体のパウダルコエキスは、樹皮をアルコールに溶かしているために、有効な成分がより多く摂取できるとされています。実際、試験管で様々な状態のパウダルコを実験した研究では、液体状のエキスだけが唯一、腫瘍の増大を抑制したという結果が出ています。(参考)

また、カプセルの形でもパウダルコを購入することができます。服用量の情報は、適切な服用量は年齢や体重といった要因に大きく依拠します。摂取する商品の注意や用法・用量に従うようにしましょう。

💡 POINT!

パウダルコは錠剤、液体、粉末で入手可能です。 錠剤や粉末に比べ、液状のものはより有効な成分を含んでいる可能性が高いです。


パウダルコの安全性と副作用

パウダルコのいくつかの化合物は、分離された癌細胞に塗布されたときの効果が示唆されている一方で、その作用を発揮するために必要な量のエキスが人体には有毒であるとされています。(参考1, 参考2)

パウダルコの長期間での安全性についての研究は欠落しており、未解明の部分が多くあります。

副作用は以下のものがあると考えられています。 (参考1, 参考2, 参考3, 参考4)

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 抗凝固
  • 尿の色の変化
  • 貧血


もしパウダルコの使用を検討されているのであれば、まずは掛かりつけの医師に相談しても良いでしょう。

💡 POINT!

臨床研究の不足により、パウダルコの全体としての安全性はほとんどわからないままです。もし使うことに興味があるのであれば、必ずかかりつけ医に事前に相談をし、信頼のおけるメーカーが製造している製品を購入してください。


まとめ

パウダルコは、試験管と動物での実験では樹皮が特定の感染症を治療し、炎症を抑えることを助けると示唆されていますが、人間での研究が不足しています。

それゆえ、パウダルコエキスの効果と安全性はまだ大部分が不明のままです。もしこのサプリメントを試すことに興味があるのであれば、注意するようにしてください。

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