リコピンとは?エビデンスをもとに効果や副作用、含まれる食品を解説

Written by alloeh編集部

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はじめに

リコピンは抗酸化作用のある植物に含まれる栄養素です。リコピンはまた、フルーツを赤色やピンク色に染める色素でもあります。例えば、トマト、スイカ、ピンクグレープフルーツの特徴的な色はこの栄養素によって作られています。

リコピンは健康の維持にも役に立ち、心臓疾患から日焼け、ある種のがんに対する予防にまで役に立ちます。

この記事ではリコピンによる健康効果とリコピンを多く含む食材について見ていきます。

リコピンの効果

抗酸化作用

リコピンはカルテノイドの一種である抗酸化物質です。

抗酸化物質は私たちの体をフリーラジカルのような化合物から保護してくれます。

フリーラジカルが抗酸化物質のレベルを超えた時、フリーラジカルは私たちの体を酸化させる力を生み出します。この酸化はがん、糖尿病、心臓疾患、アルツハイマーといった病気の発症と関連しています(参考)。

研究によるとリコピンの抗酸化作用はフリーラジカルのレベルの安定を維持するのに役立ち、私たちの体をこういった病気から守ってくれるそうです(参考)。

これに加え、試験管内での研究や動物実験によると、リコピンは私たちの体を殺虫剤、除草剤、グルタミン酸ナトリウム、ある種の菌類によるダメージから守ってくれるそうです(参考1, 参考2 , 参考3, 参考4)。


Point: リコピンは強い抗酸化物質であり、私たちの体を酸化から保護し、ある種の環境有害物質や疾患から守ってくれます。


癌からの保護作用

リコピンの強い抗酸化作用はいくつかの種類のがんの予防や進行を遅くするのに役に立つかもしれません。

たとえば、試験管内の実験では、リコピンは腫瘍の成長を制限することによって乳がんや前立腺がんの成長を遅らせる可能性を示しています(参考1, 参考2)。

また、腎臓のがん細胞の成長も阻害する可能性が動物実験で報告されています(参考)。

人間における観察調査においても、リコピンを含む多量のカロテノイドの接種によって、肺がんや前立腺がんのリスクが32%から50%低くなると報告されています(参考1, 参考2, 参考3)。

また、46,000人もの男性を23年にわたって研究した結果において、リコピンと前立腺がんのより詳細な関係が調査されています。

それによると、1週間に2個以上のリコピンを多く含むトマトソースを摂取した人は、トマトソースを1か月に1個以下しか食べなかった人よりも30%前立腺がんになるリスクが低かったそうです(参考)。

しかしながら、26の研究を最近もう一度調査しなおしたところ、研究の内容よりも穏やかな結果となったそうです。研究者たちによると前立腺がんと多量のリコピン接種との関係性は9%低かったとのことです。また、摂取量は1日当たり9~21㎎が最適であるとしています(参考)。


Point: 抗酸化物質であるリコピンを多量に摂取することは前立腺がんを予防につながる可能性があります。また、肺がん、乳がん、腎臓がんの予防にも効果がある可能性があります。しかしながら、結論付けるには実際に人間を使った研究がもっと必要です。


心臓疾患の予防・健康増進作用

リコピンはまた、心臓の病気を発症するリスクを下げたり、心臓の病気による早逝のリスクを下げたりする可能性があります(参考)。

それはリコピンには心臓疾患のリスクファクターを減らす可能性がある程度あるためです。より具体的に言うと、リコピンにはフリーラジカルによるダメージを減らし、総コレステロールと悪玉であるLDLコレステロールのレベルを下げ、善玉であるHDLコレステロールのレベルを上げる可能性があるからです(参考1, 参考2)。

リコピンの血中濃度が高いと、心臓疾患につながる健康状態の組み合わせが診断基準であるメタボリックシンドロームと診断された人々の寿命を延ばす可能性があります。

研究者たちは10年以上にわたって研究を行い、メタボリックシンドロームと診断された人々でリコピンの血中濃度が最高のレベルである人たちは最大で39%だけ早逝する可能性が低いと述べています(参考)。

また、もう1つの10年にわたる研究によると、リコピンを多く食事で摂取すると17%から26%も心臓病にかかるリスクが低いそうです。また、最近の再調査でリコピンの血中濃度が高いと脳卒中のリスクも31%低いことが分かったそうです(参考)。

リコピンによる予防効果は特に血中の抗酸化物質が低かったり酸化によるストレスレベルが高かったりする場合に大きくなります。これには高齢者や喫煙者、糖尿病患者、心臓病患者が当てはまります。


Point: リコピンの強い抗酸化作用はコレステロールのレベルを改善し、心臓病にかかるリスクや心臓病による早逝のリスクを下げることができます。


日焼けに対する効果

リコピンは日光によるダメージに対して効果があるとされています(参考)。

ある12週間の研究では、被験者に対して16mgのリコピン(トマトペーストの形で)あるいはリコピンの入っていない偽薬を紫外線にさらされる前と後に摂取してもらう実験を行っています。それによると、トマトペーストを摂取した被験者は紫外線にさらされたことに対して皮膚の深刻な反応が少なかったそうです(参考)。

もう1つの12週間にわたる研究によると、毎日8mgから16mgのリコピンを食物あるいはサプリメントから摂取すると、紫外線にさらされたことによる皮膚の発赤の強さが40%から50%低減されたそうです。

この研究ではリコピンと他のカルテノイドを混ぜたサプリメントは、リコピンのみよりも紫外線によるダメージに対して効果的であったとしています(参考)。

一方でリコピンによる紫外線に対する保護効果は限定的としており、日焼け止めの代替になるものとは考えられていません。

美肌については『美肌効果のある毎日摂取したい成分とサプリを徹底解説』でも詳しく解説をしています。


Point: リコピンは日光対する皮膚の防御を高める可能性があります。しかしながら、日焼け止めの代わりになるものではありません。


その他の効果

リコピンは他にも健康に対して貢献をする可能性があります。代表的なものとしては、以下のものがあります。


  • 視力を保護する可能性:リコピンには白内障の予防あるいは進行を遅らせる効果や黄斑変性のリスクを下げることにより、高齢者の失明のリスクを下げる効果がある可能性があります(参考1, 参考2)。
  • 痛みを減らす可能性: リコピンにはある種の神経や組織のダメージによって引き起こされる神経痛を抑える可能性があります(参考1, 参考2)。
  • 脳を保護する可能性: リコピンの抗酸化作用は年齢によって引き起こされるアルツハイマー病などによる発作や記憶喪失の予防に役立つ可能性があります(参考1, 参考2, 参考3)。
  • 骨の強化に貢献する可能性: リコピンの抗酸化作用は骨細胞の死を遅らせ、骨の構造を強化し、骨を健康かつ強く保つ可能性があります(参考)。この効果は今のところ試験管と動物実験でしか観察されていません。より強い結論を導くにはより多くの人間での研究が必要です。


Point: リコピンは痛みを減らし、目、脳、骨に良い影響を与える可能性があります。これらを結論付けるには特に人間を使ったより多くの研究が必要です。


リコピンを多く含む食材

ピンク色や赤色が濃い自然食品は一般的にリコピンをいくらか含んでいます。

トマトは最もリコピンを含む食材です。熟すれば熟するほど多くのリコピンが含まれます。しかしながら、他の食品にもリコピンは含まれます。

こちらがリコピンを多く含む食品のリストと100グラムあたりに含まれるリコピンの量です(参考)


  • 乾燥トマト: 45.9 mg 
  • グアバ: 5.2 mg
  • スイカ: 4.5 mg 
  • 生のトマト: 3.0 mg 
  • トマト缶: 2.7 mg 
  • パパイヤ: 1.8 mg 
  • ピンクグレープフルーツ: 1.1 mg 
  • 調理済みの赤ピーマン: 0.5mg


今のところ一日に取るべきリコピンの推奨量はありません。しかしながら、これまでの研究によると、一日当たり8mgから21mg摂取することが効果的と思われます。


Point: ほとんどの赤色やピンク色の食品にはいくらかリコピンが含まれています。その中でもトマトやトマトを使った食品から最もリコピンを多く摂取できます。


リコピンを含むサプリメント

リコピンは多くの食品に含まれていますが、サプリメントの形でも摂取することができます。

しかしながら、サプリメントの形で摂取する場合、リコピンは抗凝血剤や血圧を下げる薬などの効果に影響を与える可能性があります(参考)。

ある小さな研究によると、毎日リコピンサプリメントを妊娠中に2 mg摂取すると早産や低出生体重となる可能性もあるそうです(参考)。

加えて、いくつかの研究ではリコピンの効果はサプリメントの形で摂取するよりも食品として摂取した方が高いとされています(参考)。


Point: リコピンサプリメントはすべての人に適しているとは限らず、食品としてリコピンを摂取した時と同じ効果があるとも限りません。


リコピンの安全性・副作用

リコピンは一般的には安全といわれています。特に食品から摂取した場合は安全といわれています。

いくつかのまれなケースでは、リコピンが豊富な食品を多量摂取した場合、lycopenodermiaとして知られる皮膚の変色につながっています。

この皮膚の変色を引き起こすほど高いレベルのリコピンは普通に食事だけから摂取している分には到達不可能だそうです。

ある研究では2リットルのトマトジュースを毎日数年間摂取して皮膚が変色した男性のケースが報告されています。この皮膚の変色は2,3週間リコピンを摂取しないことによって回復することができるそうです(参考)。

リコピンサプリメントは妊婦やある種の薬を摂取している人には適していない可能性があります(参考1, 参考2)。


Point: リコピンを食事から摂取する分には一般的にはリスクはありません。しかしながら、リコピンをサプリメントとして摂取する場合、特に多くの量を摂取する場合にはマイナス面がある可能性があります。


編集部が厳選!特におすすめのリコピンサプリ3選

ここからは、ALLOEH編集部が選んだ3種類のリコピンサプリメントをそれぞれの特徴とともにご紹介していきます。

サプリメントとの相性は個人差が大きいため一概に言うことはできませんが、効果や評判などの点において高い水準にあり、迷った際にもこの中から選べば後悔することは少ないと思います。

もしリコピンをサプリメントで摂取する場合には、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ノコギリヤシ with トマトリコピン(ディアナチュラ)


ディアナチュラ ノコギリヤシ with トマトリコピンは、毎日を快適に過ごしたいという方におすすめです。なぜなら残尿感を感じたり、トイレに行く回数が増えたりする前立腺肥大症に効果があるとされているノコギリヤシが配合されているからです。

また、体の抗酸化作用が期待されているトマトリコピンも含まれています。

リコピン(NOW Foods)


NOW Foods(ナウフーズ)は、アメリカのサプリメーカーの最大手の一つです。
NOW Foodsのリコピンは特許取得のLyc-O-Matoトマト複合体およびトマト植物性栄養素の完全補足物(天然のリコピンを含む)が含まれている食品になります。天然リコピンは、強力なフリーラジカルスカベンジャー特性を保有することで知られており、臨床試験では、リコピンが心臓血管の健康ならびに正常な免疫系機能を維持するのに役立つことが示されています。さらに、健康な前立腺の維持を助ける可能性があります。

品質や安全性についても定評のあるメーカーのため、海外サプリに抵抗がある方で試してみたい方におすすめです。

マルチカロチン(DHC)


緑黄色野菜・藻などから抽出した『天然』カロテノイドをこの1粒に凝縮しており、若々しさの維持や、生活習慣病対策に役立つとされます。

スムーズな流れや紫外線対策、健康維持に役立つとされるパーム油由来の[α-カロテン]とトマト由来の[リコピン]、美容や視界のコンディションをサポートする、海藻デュナリエラから抽出した[β-カロテン]、クリアな視界に役立つマリーゴールド由来の[ルテイン]と[ゼアキサンチン]の5種が配合されております。

最後に

リコピンには強力な抗酸化作用があり、健康に多くの貢献をしてくれます。その中には紫外線からの保護、心臓疾患の予防、ある種のがんのリスクの低減が含まれます。

サプリメントの形で摂取することもできますが、トマトなどの赤色やピンク色のリコピンを多く含むフルーツから摂取するのが効果的です。

リコピンをサプリで試してみたい方は、「NOW Foods リコピン」から使用してみると良いでしょう。ただし、重度の症状など適切な治療が必要とされる場合はサプリメントに頼らず、医療機関で診断を受けるようにしましょう。

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