安全に体重を増やす秘訣とその際に避けるべきこと
肥満が社会的に深刻な健康問題となりつつある一方で、低体重であることもまた、健康問題を引き起こす可能性があります。体重を安全に増やす方法に関して、未だに間違って理解されていることが多々あります。
体重を増やす方法は場合によっては短期間、または長期間に渡って健康に影響を及ぼすことがあります。これが原因で体重を増やさなければならない人たちや、現在健康的な体重だが筋肉を増やしたい人たちが行動を起こすことに消極的になっています。
この記事では安全にかつ健康的に体重を増やす秘訣と体重を増やしている時に避けるべきことについて解説します。
健康的に体重を増やすには
低体重の人は体重を増やすことが必要な場合があります。また筋肉を増やそうとしている人も体重を増やすことが一つの目標となります。
一般的に、カロリーを体が燃焼する量よりも多く摂取した場合、体重は増えます。体重を増やすのに必要なカロリーの量は人によって異なります。
一つの基準として、体が燃やす量よりも一日に300~500kcal多く摂取すれば、着実に体重が増えるはずです。もっと急速に増やしたい場合は、一日に1000kcalほど多く摂取しなければなりません。
自分の一日のカロリー摂取量を間違って見積もっている人が多いです。毎日のカロリー摂取量を2~3週間記録することは役に立ちます。これは良いペースで体重を増やすためにどのように食生活を調整したら良いかを考える時のヒントになります。摂取カロリーを記録するのに役立つアプリもいくつかあります。
体重を増やそうとしている人は、摂取する食べ物の種類にも気をつけて下さい。たとえば、糖分が高い食べ物は摂取カロリーを増やすには良いですが、同時に2型糖尿病になるリスクも高くなります。
具体的な方法
以下の方法は体重を早く、安全に増やすのに役立ちます。
一日の食事を3食~5食にする
一日の食事の回数を3食以上にすると摂取カロリーは増えやすくなります。食事と食事の間に間食をするのも摂取カロリーを増やす効果があります。
ウェイトトレーニング
健康的に体重を増やすには、ウェイトトレーニングを少なくとも週に3回行う必要があります。これにより除脂肪筋肉量の増量と維持がしやすくなります。
除脂肪体重を増やし続けるには、ウェイトトレーニングの重さを重くしたり、リピート数やセット数を増やすなど、エクササイズに変化を与えたり、内容を改善していくことが必要です。
効率よく筋肉量を増やす方法の一つに複合運動があります。複合運動には、デッドリフト、スクワット、そしてベンチプレスなどの複数の部分の筋肉を使うウェイトトレーニングが含まれます。
定期的にエクササイズを行っている人は、体がエネルギー不足にならないように、摂取するカロリーの量にも気をつけなければなりません。
タンパク質を十分に摂取する
適切な量のタンパク質を摂取することは筋肉の成長を助けます。定期的なウェイトトレーニングを続けながら、体重1㎏に付き0.8~2.0gのタンパク質を摂取すると筋肉量が増えます。これは健康的に体重を増やすのに必要なことです。
タンパク質が多く含まれている食べ物として、卵、肉、魚、ナッツ類、そして豆類などがあります。
線維性炭水化物と健康に良い脂肪を含んだ食事を取る
毎食、線維性炭水化物と健康に良い脂肪を豊富に含んだ食べ物を食べることによって摂取カロリーと栄養素を体に多く取り入れることができます。
これらの食べ物は定期的なエクササイズのメニューをこなすのに必要なエネルギーを供給し、筋肉を作り出します。タンパク質は、精製、加工されたものより、玄米と豆類のような自然食品から摂取すると良いでしょう。
健康に良い脂肪とそうでない脂肪を見分けることはとても重要です。健康に良い脂肪とは一般的に一価不飽和脂肪、または多価不飽和脂肪で、ナッツ類、アボカド、植物油、そして魚などに含まれています。
健康に良くない油は、飽和脂肪とトランス脂肪です。健康に良い食生活を送るには、飽和脂肪の摂取を制限し、トランス脂肪が加えられた食べ物を避けることが必要です。このような種類の脂肪は牛肉、豚肉、そしてラム肉などの脂肪分が多い肉や揚げ物、焼き菓子やパンなどに含まれています。
カロリーが高いスムージーやシェイクを飲む
少食の人にとって、量の多い食事よりも、カロリーが高いシェイクやスムージーの方が摂取しやすいかもしれません。シェイクやスムージーからは満腹感を感じ過ぎずに栄養が凝縮されたエネルギーを摂取することができます。
スムージーを作る際に入れると良い材料をご紹介します。
- ナッツバター
- 果物
- 牛乳
- ヨーグルト
- ナッツ類
- 種
- ホウレンソウなどの葉菜類
アドバイスや指導を受ける
健康とフィットネスの専門家は、健康的に体重を増やすための食生活やエクササイズプランを作る際に、気持ちの上でのサポートや役に立つアドバイスを提供してくれます。
登録栄養士もまた、カロリーの摂取量を増やす食事のプランを提供してくれます。そして、対象者が安全に体重を増やせているのか確認してくれます。
避けるべきこと
体重を増やそうとしている時には、以下のことを避けるように気をつけましょう。
有酸素運動不足
体重を増やそうとしている時に、有酸素運動を止めようとする人がいます。しかし、有酸素運動は健康な心臓、肺、そして脳を保つのに必要です。走ったり、泳いだり、そして自転車に乗ったりすることは全て有酸素運動を行う良い方法です。
体重を真剣に増やしたい人は、有酸素運動を完全に止めるより、週3回、1回20分程度に制限するようにすると良いでしょう。
野菜不足
多くの野菜は満腹感を与えてくれますが、カロリーが低いです。しかし、体重を増やしたいからと言って、野菜を避けるのは止めましょう。野菜はビタミン類とミネラル類の重要な栄養源です。不足すると栄養失調を起こす可能性があります。
すぐに諦める
安全に体重を増やすには忍耐力と固い決心が必要です。すぐに結果が出るものではありません。人それぞれ状況が異なりますし、結果を出すのに他の人より長くかかる人もいます。
低体重の定義
ボディマス指数(BMI)は個人の体重が適切な範囲にあるかどうかをはかる一般的な方法です。BMIは身長と体重を使って算出できます。
BMIが18.5~24.9の人は健康的な範囲に入っています。ガイドラインによると、BMIが18.5未満の人は低体重とみなされ、健康のために体重を増やす必要性が出てくる可能性があります。しかし、BMI値が低くても、健康に生活することが可能な場合もあります。
また、筋肉量など、BMIに考慮されない要因もいくつかあります。これが原因で健康な人の体重が、健康的とされる範囲から外れてしまう可能性があります。たとえば、体脂肪の量が多いわけではなく、筋肉の量が多いために、BMI値がかなり高くなってしまうことが起こり得ます。
一般的にBMIは体重が健康的な範囲にあるかどうかを見る分かりやすい指数とされています。
低体重であることのリスク
低体重によって体に起こるリスクはたくさんあります。多くの場合、低体重は、食事から十分に栄養が取れていないことが原因で起こります。さらに、それ自体にリスクがある栄養失調を引き起こす可能性があります。たとえば、ビタミンD不足は骨の健康に悪影響を与えます。
体の機能を正常に働かせるためには、毎日十分な量のカロリーを摂取することが必要です。カロリーが低すぎる食生活は以下の症状を引き起こします。
- 疲労感
- 吐き気
- 髪の毛や肌の問題
低体重は以下の病気や問題の原因になる可能性があります。
- 免疫システムの虚弱化
- 骨粗しょう症
- 不妊
- 摂食障害
- 発育問題
- 感染症へのリスクの増加
要点
低体重は健康上の問題を引き起こす可能性があるので、体重を増やさなければならない場合があります。なるべく早く体重を増やしたいと言う気持ちは分かりますが、何よりも安全に増やしていくことが大切です。
体重を増やそうとしている人は、健康的な食生活、ウェイトトレーニング、そして十分な有酸素運動を行う必要があります。
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