食欲減退とは?
食欲の減退は食事を食べたいと言う欲求が低下する時に起こります。この現象を食欲が無い、または食欲減退と言います。医療用語では神経性食思(欲)不振症(拒食症)と言います。
食欲減退は様々な原因で起こります。精神的な病気から肉体的な病気まで様々です。
食欲減退が続く場合は、体重の減少や栄養失調などの関連した症状が出るかもしれません。これらの症状を放置しておくと体が深刻な状態になる可能性があるため、食欲減退の原因を突き止めて、治療することが大切です。
食欲減退を起こす原因はなんでしょうか?
食欲減退が起こる原因はいくつかあります。大体のケースではその原因が判明したのち、治療をすれば、食欲は元に戻ります。
細菌やウイルスが原因の場合
食欲減退は細菌、ウイルス、真菌、またはその他の感染症が原因の場合があります。これらの感染症は体のどの部分でも起こり得ます。
考えられる原因は以下の通りです。
- 上気道感染
- 肺炎
- 胃腸炎
- 大腸炎
- 皮膚感染症
- 髄膜炎
これらの病気の治療をきちんとすれば、食欲は戻ります。
心理的な原因の場合
食欲減退が様々な心理的な原因によって引き起こされることがあります。多くの高齢者が食欲減退になりますが、専門家たちにもその原因が何かは、はっきりとは分からないようです。人は、悲しかったり、落ち込んでいたり、心を痛めていたり、また不安である時に食欲が減退する傾向にあります。退屈感やストレスも食欲減退に繋がります。
拒食症などの摂食障害もまた、総体的に言えば、食欲減退に繋がります。拒食症を患っている人は自ら食べ物を拒絶したり、わざと体重を落とすような行動をします。拒食症の症状がある人は基本的に低体重で体重が増えることに恐怖を感じていることがあります。拒食症は栄養失調の原因になる可能性もあります。
健康状態が原因の場合
以下の健康状態の場合、食欲が減退する可能性があります。
- 慢性の肝臓疾患
- 腎不全
- 心不全
- 肝炎
- HIV
- 痴呆症
- 甲状腺機能低下症
癌もまた食欲減退の原因になります。特に以下の場所に癌がある場合はその可能性が高まります。
- 結腸
- 胃
- 卵巣
- 膵臓
妊娠初期の時期もまた食欲減退が起こる可能性があります。
薬が原因の場合
薬や薬物が食欲を低下させる可能性もあります。たとえば、処方箋で出される薬のほかに、コカイン、ヘロイン、そしてアンフェタミンなどの違法薬物でも食欲減退が起こることがあります。
以下のような処方箋の薬は食欲の低下を引き起こす可能性があります。
- 特定の抗生剤
- コデイン
- モルヒネ
- 化学療法剤
緊急の治療が必要な場合
特に明白な理由がないにも関わらず、急激に体重が減り始めた場合は、すぐに医師に相談してください。
また、食欲減退の原因が鬱やアルコール依存または拒食症や過食症などの摂食障害である場合もすぐに医療機関を受診することが重要です。
食欲減退の治療法にはどのようなものがありますか?
食欲減退の治療方法はその原因によって異なります。もし原因が細菌やウイルス感染の場合は、症状が治まれば食欲はすぐに戻るので、特別な治療は必要ありません。
自宅での治療法
もし、食欲減退の原因が癌や慢性的な病気の場合、食欲を刺激するのは難しいかもしれません。しかし、家族や友達のとの食事、自分の好きなものを作る、または外食するなどの方法で食べることに楽しみを見出すことにより食欲が増す可能性があります。
食欲減退に対処するためには、しっかりとした食事を食べる回数を一日一回とし、その間に軽いスナックを食べるようにすると良いかもしれません。また、軽い食事を一日数多く食べるのも良いと思います。軽い食事はしっかりとした食事よりもお腹への負担が少ないと思います。
軽い運動も食欲を増進させる効果があると思います。食べ物から十分な栄養を取るために、食事は高カロリーで高タンパク質のものが良いでしょう。また液体のプロテインドリンクを試してみるのも良いと思います。
数日から一週間ほど食べたり飲んだりしたものを記録しておくと便利かもしれません。この記録から医師は栄養がどれくらい摂取できているのか判断することができますし、食欲減退の程度を知ることにも役立ちます。
医療機関での治療法
診察中、医師は症状の全体像を確認します。患者の身長と体重を計測し、平均値と比較します。
医師は病歴、服用している薬、そして食生活について確認します。以下のような質問を聞かれる可能性がありますので、事前に準備しておきましょう。
- 症状が始まった時期
- 症状は軽いか重いか
- どれくらい体重が落ちたか
- 症状を引き起こすきっかけとなった出来事はあるか
- 他の症状があるか
その後、食欲減退の原因を見つけるための検査が必要になる場合もあります。
以下のような検査が行われる可能性があります。
- 腹部の超音波検査
- 全血球計算
- 肝臓、甲状腺、そして腎臓機能の検査(通常は血液検査)
- 食道、胃、そして小腸のレントゲンを撮る上部消化管造影
- 頭部、胸、腹部、または骨盤のCTスキャン
場合によっては妊娠の検査やHIVの検査が行われる場合もあります。また尿による薬物検査が行わることもあります。
もし、食欲減退の結果、栄養失調になってしまった場合は静脈路を通して栄養を体に送る治療を受ける場合があります。
医師はまた、経口薬を処方して、食欲を増進させる方法をとることもあります。
もし、食欲減退が鬱、摂食障害、または薬物乱用である場合は精神科の専門医による診察を勧められるかもしれません。
薬が原因の食欲減退は薬の量や処方箋を変えることで症状が改善するかもしれません。ただし、絶対に医師の指導なしに薬の量や種類を変えないでください。
もし食欲減退の治療を受けなかった場合はどうなりますか?
食欲減退の原因が短期間の健康状態によるものであれば、体への影響が長期に渡って出ることはなく、自然に治る可能性があります。
しかし、原因が健康上の問題であった場合、治療なしでは症状が悪化することも考えられます。
食欲減退を未治療のまま放っておいた場合、以下のような深刻な症状が現れる可能性があります。
- 極度の疲労感
- 体重の減少
- 動悸
- 発熱
- イライラ
- 体調不良や体の不調
食欲減退が続き、栄養失調やビタミン、電解質(イオン)不足になった場合、命にかかわるような合併症が発症する可能性があります。食欲減退が急性の病気のあと改善しない場合、または数週間以上続くようなことがあれば、医療機関を受診することが重要です。
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