まつ毛とその健康
まつ毛は目を小さなごみから守ります。また、目にものが近づいて来たときに危険を察知するセンサーのような役割をします。
まつ毛が睫毛減耗(しょうもうげんもう)状態になると、まばらになり、厚みが無くなります。髪の毛が抜けてしまう症状を脱毛症と言いますが、脱毛症の人にまつ毛が少なくなる症状が見られることがあります。
長くて厚みのあるまつ毛が欲しい方のために、自宅でできるまつ毛のお手入れ方法がいくつかあるので、ご紹介します。
科学的な裏付けが無い治療方法には注意しましょう
ネットで「まつ毛を伸ばす方法」と検索するとたくさんの民間療法がヒットすると思います。しかし、どれ一つとしてその効果が科学的に証明されているものはありません。さらにその中には、目を危険にさらす可能性があるものもあります。
まつ毛を伸ばすための一般的な民間療法でその効果が科学的に証明されていない例として、以下のようなものがあります。
ワセリン
週に3日以上寝る前に少量のワセリンをまつ毛に塗り、翌朝洗い落とす。
緑茶
毎日冷たい無糖の緑茶をコットンに染み込ませてまつ毛に塗る。
オリーブオイルとレモン(またはレモンなしでも可)
レモンの皮が入った(無くても可)オリーブオイルを少量寝る前にまつ毛に塗って、翌朝洗い落とす。
ひまし油
毎晩少量のひまし油をまつ毛に塗って、翌朝洗い落とす。
アロエベラ
アロエベラのジェルを寝る前に少量まつ毛に塗って、翌朝洗い落とす。
まぶたのマッサージ
まつ毛のラインに沿ってまぶたをやさしくマッサージする。
効果が科学的に証明されている、まつ毛を長くする方法
その効果が科学的に証明されているまつ毛を長くする方法は注意を払いながら薬を使うことです。
ピマトプロスト(ラティース)はアメリカ食品医薬品局(FDA)で承認されている唯一のまつ毛を長く伸ばし、厚みを持たせるための薬です。もともとはルミガンと言う緑内障の治療薬として開発されましたが、研究者たちはこの薬にまつ毛を伸ばす副作用があることを発見しました。
ラティースは医師によって処方されます。ラティースは上まぶた(下まぶたと間違えないようにしてください)のまつ毛のラインに沿って定期的に塗る必要があります。最低2か月、毎日塗ることによって効果が見られます。一度ラティースを使い始めるとその効果を持続させるために定期的に使い続けなければなりません。使用を止めてしまうと、まつ毛は元の状態に戻ってしまいます。
研究者たちはラティースの安全性と効果を認めており、また副作用もかなり少ないと提唱しています。考えられる副作用は以下の通りです。(参考)
- 目のかゆみと充血
- ドライアイ
- 眼瞼色素沈着
- 虹彩色素沈着(虹彩とは瞳孔の周りにある色のついた部分)
- 薬が誤ってまぶたに付着したことによる、目の周りに毛が生えてくる眼瞼多毛症の発症
この薬をはじめ、他の物質が目に入らないように細心の注意を払うことはとても重要なことです。目はとても傷つきやすいです。異物が目の中に入ると視力喪失や最悪の場合、失明する恐れがあります。
まつ毛のお手入れを方法
まつ毛のお手入れをきちんとすることは、まつ毛の健康に繋がり、ダメージを受けにくくなります。その結果、まつ毛が長くなり厚みが増します。まつ毛のお手入れのポイントは以下のとおりです。
- まつ毛用のブラシで定期的にブラッシングする
- 肌に優しい石鹸で毎日顔と目を洗う
- 毎晩アイメイクを落とす
要点
まつ毛を伸ばすための民間療法はたくさんありますが、どれ一つとしてその効果や安全性が証明されていません。唯一証明されているのはアメリカ食品医薬品局が認めた薬、ラティースです。目に危険を及ぼす可能性があるものを目の中に入れたり、目に近づけたりすることは絶対に止めてください。もし、薬を使うのであれば、副作用を防ぐために、目に入れないように注意してください。
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