月経不順の原因・治療方法とは?受診すべきタイミングはいつ?

Written by alloeh編集部

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月経不順とは

月経の期間と重症度は女性によって異なります。月経が過度に重かったり、長く続いたり、もしくは不規則な場合、月経過多と呼ばれます。

月経過多の症状には、以下のようなものがあります。

  • 月経が7日間以上続く 
  • 月経の出血量が非常に多いためタンポンまたはナプキンを1時間に1回以上交換する必要がある 


日常生活に支障がでるほど月経量が多かったり、月経期間が長かったりする場合は、病院を受診すべきです。

過度の月経出血は貧血や鉄欠乏症を引き起こす可能性があります。 また、隠れた病気のサインの場合もあります。ほとんどの場合、医師は月経の辛さを治すことができます。

月経過多や月経不順の原因は何でしょうか?

月経過多や月経不順は、次のような原因で起こります。

一部の抗炎症薬や抗凝固薬、またはホルモン剤は月経に影響を与える可能性があります。 大量の性器出血は、避妊に使用される子宮内避妊器具(IUDs)の副作用である可能性があります。

ホルモンのバランスが悪い

ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンは、子宮の内壁の形成を調節します。この2つのホルモンが過剰に分泌されると、月経量が増える可能性があります。

ホルモンのバランスが悪い状態は、過去1年半以内に月経が開始した女の子に最もよく見られます。 また、閉経が近づいている女性にもよく見られます。

医学的な病態

PID

骨盤内炎症性疾患(PID)およびその他の感染症は、月経不順を引き起こす可能性があります。

子宮内膜症

子宮内膜症は、月経不順をもたらす可能性のある病態です。子宮内膜症は、子宮の内側を覆う組織が体内の別の場所で成長し始めてしまう病気です。 月経過多だけでなく、痛みも引き起こす可能性があります。

遺伝性血液障害

月経過多は、凝固に影響を与える遺伝性血液障害が原因である可能性があります。

良性の組織増殖またはがん

子宮頸がん、卵巣がん、子宮がんはすべて、月経過多を引き起こす可能性がありますが、このような病気はよくあるわけではありません。

子宮内の良性または非癌性の腫瘍は、月経過多または月経期間を長くさせる原因となる可能性があります。子宮の内壁(子宮内膜)でおこる、良性の組織の増殖も月経の出血量を多くし、月経期間を延長させる可能性があります。この増殖組織が子宮内膜組織で構成されている場合、これをポリープと呼びます。増殖組織が筋組織で構成されている場合、それは筋腫と呼ばれます。

その他の考えられる原因

無排卵

排卵がないこと、すなわち無排卵は、プロゲステロンホルモンの欠乏を引き起こし、月経が重くなる原因となります。

腺筋症

子宮内膜の腺が子宮の筋肉に入り込んでしまうと、月経出血量が多くなる可能性があります。 これは腺筋症として知られています。

子宮外妊娠

妊娠中に出血した場合は医師に連絡してください。 正常な妊娠では月経は止まります。妊娠中、特に妊娠初期におこる、少量の出血はそんなに心配することはありません。 

妊娠中に大量出血した場合は、直ちに医師の診察を受けてください。受精卵が子宮ではなく卵管に留まっている可能性があります。これは、子宮外妊娠と呼ばれます。大量出血は流産の可能性を示唆していることもあります。

医師は、妊娠中の出血の原因を特定する手助けができるでしょう。

月経過多や月経不順の症状はどんなものがあるのでしょうか?

月経周期の長さと月経量は女性によって異なります。ただし、ほとんどの女性はの月経周期は24〜34日の間です。

月経期間は平均して約4〜5日で、月経量は約40 cc(大さじ3)です。上記に記したのは単なる平均であることを覚えておくことが重要です。 あなたにとっての「正常」はこの範囲外かもしれません。80 cc(大さじ5)以上の出血がある場合は、異常な月経と考えられます。

月経量が異常に多いことを示すサインには、次のものがあります。:

  •  1時間に1回以上タンポンまたは生理用ナプキンを変えることが数時間続けておこる場合 
  • 生理用品を交換するために夜中に起きる 
  • 月経血に大きい血液凝固塊が混じっている 
  • 1週間以上続く月経が続く 


また、異常な量の月経出血により、貧血の兆候である以下の症状が起こる可能性があります:

  • 疲労 
  • 蒼白 
  • 息切れ 
  • めまい 


女性の月経周期は人それぞれ異なりますが、月経周期の途中で起こる不正出血や性交後の出血は異常な症状です。

いつ医療機関を受診するべきでしょうか?

検診を受けるため定期的に婦人科を受診してください。ただし、以下のような状況で異常出血や微量出血が生じた場合は、すぐに病院に予約をいれてください: 

  • 月経以外の期間 
  • 性交後 
  • 妊娠中 
  • 閉経後 


上記以外に、医師に連絡する必要のある症状には以下のものがあります。 

  • 月経が1週間以上続く場合 
  • 1時間に1回以上タンポンまたは生理用ナプキンを変えることが数時間続けておこる場合 
  • 激しい痛み 
  • 発熱 
  • 異常なおりもの、もしくは異常な臭い 
  • 原因不明の体重増加または減少 
  • 異常な発毛 
  • 新しいニキビ 
  • 乳頭分泌 


月経周期の記録をつけるようにしましょう。月経の期間や、月経中に使用したタンポンや生理用ナプキンの数も記録しましょう。この情報は、婦人科を受診するときに役に立ちます。

出血が増える可能性があるため、アスピリンを含む製品は避けてください。

月経過多や月経不順の診断方法

異常な月経がある場合、医師はおそらく骨盤診察から始めます。 病歴も聞かれるでしょう。服用しているすべての薬とサプリメントをリストアップする必要があります。

症状に応じて、以下のような検査が行われます。

パップスメア

この検査では、子宮頸部のさまざまな感染症やがん細胞を調べます。

血液検査

血液検査は、貧血、血液凝固疾患、甲状腺機能を調べるために行われます。

骨盤超音波

骨盤超音波は、子宮、卵巣、および骨盤の状態を見ることができます。

子宮内膜生検

医師が子宮の状態を評価したい場合、子宮内膜生検を行うことがあります。子宮内膜生検は、子宮組織の一部を採取して調べます。

また、子宮の内部の状態をみるために診断的子宮鏡検査を行う可能性もあります。子宮鏡検査では、ライト付きのチューブを使用して子宮内を観察し、ポリープがあれば切除します。

ソノヒステログラム

ソノヒステログラムは、子宮内に液体を注入して子宮腔の状態を描出する超音波検査です。医師はポリープや筋腫を探すことができます。

妊娠検査

妊娠検査を求められることもあります。

月経過多や月経不順に対する治療はどんなものがあるでしょうか?

治療は以下の項目によって異なります。 

  • 全身の健康状態 
  • 月経異常の理由 
  • 妊娠歴や将来の計画 


医師は甲状腺機能障害などの病態も考慮する必要があります。 

治療には以下のものがあります。

医師が処方する可能性のある薬には以下のようなものがあります。

  • イブプロフェンやナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)は、軽度の失血を改善することができます。 
  • 鉄サプリメントは貧血を治療することができます。 
  • ホルモン補充注射は、ホルモンのバランスを正常に治すことができます。 
  • 経口避妊薬は月経周期を調整し、月経期間を短縮することができます。 


月経不順の原因が、すでに服用している薬によるものである場合は、他の治療に変更するために医師に相談しましょう。

医療処置

D&C

子宮内容除去術はD&Cとも呼ばれます。医師が子宮頸部を拡張し、子宮の内壁から組織を削り取る処置です。D&Cはよくある処置であり、月経出血を減らすことができます。

手術

手術は癌腫瘍の際に行う最も一般的な治療です。子宮筋腫治療の選択肢の1つとしても手術がありますが、必ずしも必要なわけではありません。ポリープの除去は子宮鏡を用いて行うことができます。

子宮内膜アブレーション

月経過多やそれに伴う症状に対して、薬物治療をしても効果がなかった場合に行われるのが子宮内膜アブレーションという処置です。この処置は、医師は子宮内膜を壊して、月経をほとんどまたは全くない状態にします。

子宮内膜切除術

子宮内膜切除術は子宮内膜を除去する手術です。この手術を行うと、妊娠の可能性が大幅に低下します。子供をもうける予定がある場合は、他の治療法について相談し、検討することをお勧めします。

子宮摘出術

子宮摘出術は、子宮と子宮頸部の外科的に切除する手術です。必要に応じて、医師が卵巣を切除することもあります。この場合、早期に閉経がおこります。

この手術は、がんや筋腫がある場合に推奨されます。 低侵襲の治療に反応しない子宮内膜症の治療でも行われることがあります。

子宮摘出術を行うと、子供を産むことができなくなります。

月経過多や月経不順の合併症は何でしょうか?

大量の月経血が、常に異常なサインというわけではありません。しかし、月経血を過剰に喪失すると、体への鉄の供給が枯渇し、貧血を引き起こす可能性があります。軽度の貧血は疲労と脱力を引き起こす可能性があります より重症な場合、以下の症状が起こる可能性があります。

  • 頭痛 
  • めまい 
  • 呼吸困難 
  • 頻拍 


重症の月経過多は、痛みを伴う腹痛や月経困難症の原因である可能性があり、投薬が必要になる場合があります。

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