ビタミンDの生成は日光浴が効果的?体内での生成方法・効果を解説

Written by alloeh編集部

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日光から安全にビタミンDを得る方法


ビタミンDは、ほとんどの人が十分な量を補えていない珍しいビタミンです。

実際、アメリカの成人の40%以上がビタミンD欠乏症であると推定されています(参考)。

このビタミンは、肌が太陽にさらされた時に、皮膚でコレステロールから作られます。つまり、至適なビタミンDレベルを維持するためには日光浴が非常に重要なのです。

しかし、過度の日光浴は健康リスクを伴います。

この記事では、太陽光からビタミンDを安全に得る方法についてご説明します。

太陽はビタミンDの1番の供給源です

ビタミンDが「日光ビタミン」と呼ばれるのには十分な理由があります。

皮膚が日光にさらされると、コレステロールからビタミンDが生成されます。太陽の紫外線B(UVB)光線は、皮膚細胞のコレステロールに当たって、ビタミンD合成が起こるためのエネルギーを作りだします。

ビタミンDは体内で多くの役割を果たしており、健康に不可欠です(参考)。

たとえば、ビタミンDは腸の細胞にカルシウムとリンを吸収するように指示します。この2つのミネラルは、強くて健康な骨を維持するために不可欠です(参考)。

一方、ビタミンD値が低いと、次のような深刻な病気につながります。

  • 骨粗しょう症 
  • がん 
  • うつ病 
  • 筋力低下 
  • 死 


しかし、ビタミンDを多く含む食品は、ほんの一握りしかありません。

例えば、タラの肝油、メカジキ、サーモン、ツナ缶、牛レバー、卵黄、イワシなどがあります。そうは言っても、十分なビタミンDを得るには、ほぼ毎日こういった食品を食べる必要があります。

日光に十分当たれない場合は、タラの肝油のようなサプリメントを服用することをお勧めします。タラの肝油大さじ1杯(14グラム)には、ビタミンDが、1日推奨量の3倍以上含まれています(参考)。

太陽のUVB光線は窓を透過できないということに、注意してください。 したがって、日当たりの良い窓際で働く人でも、ビタミンD欠乏症になりやすい傾向があります。


まとめ:ビタミンDは、肌が日光にさらされた時に、皮膚から作られます。 ビタミンDを豊富に含む食品は非常に少ないので、ビタミンD値を高めるには、太陽に当たることが1番の有効な方法です。


正午頃に肌を太陽をさらしましょう

日光を浴びるのに最適な時間は正午です。夏の間は特にそうです。

正午には太陽が最も高くなり、UVB光線が最も強くなります。つまり、短い時間でも十分にビタミンDを作ることができます。 (参考)

多くの研究でも、体が最も効率的にビタミンDを作れるのは正午であると証明しています。(参考1参考2)

たとえば、英国の場合、成人した白人ならば、週に3回夏の正午に13分間太陽に当たれば、健康を維持するには十分です。(参考

別の研究では、ノルウェーのオスロで夏の正午の日差しを30分間浴びると、それは10,000〜20,000 IUのビタミンDに相当することがわかりました。 (参考)

一般的に、ビタミンDの1日の推奨量は600 IU(15 mcg)です(参考)。

正午頃にビタミンDを得ることは効果が高いだけはありません。午後に日を浴びるよりも安全な場合があります。ある研究では、午後に太陽光を浴びることは危険な皮膚がんのリスクを高める可能性があることを発見しました(参考)。


まとめ: ビタミンDを得るのに最適な時間は正午です。 なぜなら、太陽が最も高く昇っていて、体はその時間に最も効率よくビタミンDを産生する可能性があるからです。結果的に、正午ならば、太陽の下で過ごす時間は少なくてすむかもしれません。


肌の色はビタミンDの産生に影響します

肌の色は、メラニンと呼ばれる色素によって決まります。

黒い肌の人は、通常白い肌の人よりメラニンが多く含まれています。さらに、黒い肌の人はメラニン色素も大きく、濃くなっています(参考)。

メラニンは、過度の日光による損傷から皮膚を守る手助けをしています。メラニンは、天然の日焼け止めとして機能し、太陽の紫外線を吸収して日焼けや皮膚ガンを防ぎます。(参考)

ただし、黒い肌の人は、同じ量のビタミンDを産生するためには、白い肌の人よりも長く太陽の下で過ごす必要があるので大きなジレンマが生じます。

研究から、肌の黒い人は十分なビタミンDを得るために肌の白い人よりも30分から3時間長く太陽下にいる必要があるとわかっています。これが、肌が黒い人ほどビタミンD欠乏のリスクが高い主な理由です(参考)。

そのため、もしあなたの肌が黒い場合、1日に必要なビタミンDを得るためには、肌の白い人よりも少し長く太陽の下にいる必要があるかもしれません。


まとめ:肌の色が黒い人は、メラニンが多いです。メラニンは、UVB光の吸収を減らすことで皮膚を損傷から守っています。肌が白い人と同じ量のビタミンDを作るために、肌が黒い人は、 太陽の下でより多くの時間を過ごす必要があります。


赤道から遠く離れた場所に住んでいる場合

赤道から遠く離れた地域に住んでいる人は、皮膚のビタミンDが少ししか作れません。

こういった地域では、太陽光線(特にUVB光線)の多くが地球のオゾン層に吸収されています。したがって、赤道から遠く離れた場所に住んでいる人たちは、十分なビタミンDを作るためにより長い時間、太陽の下で過ごす必要があります(参考)。

さらに、赤道から遠く離れた場所に住む人たちは、冬の間、1年のうち最大6か月間、太陽からビタミンDを作れない可能性があります。

たとえば、米国のボストンとカナダのエドモントンに住む人たちは、11月から2月までの間、太陽光からビタミンDを作るのに苦労しています(参考)。

ノルウェーの人々は、10月から3月までの間、太陽からビタミンDを作ることができません(参考)。

この時期は、太陽からビタミンDを作ることができないので、代わりに食品やサプリメントからビタミンDを取ることが重要です。


まとめ赤道から遠く離れた場所に住む人たちは、太陽の下でより長い時間を過ごす必要があります。なぜなら、赤道から離れた地域では、UVB光線がオゾン層によって吸収されてしまうからです。赤道から遠く離れた場所に住む人たちは、冬の間太陽からビタミンDを作ることができないので、食品またはサプリメントからビタミンDを得る必要があります。


ビタミンDを作るために、皮膚の露出を多くしましょう

皮膚で、ビタミンDはコレステロールから作られます。 つまり、十分にビタミンD作るためは、広範囲に肌を太陽にさらす必要があります。

科学者のなかには、皮膚全体の約3分の1を太陽にさらすことを推奨している人もいます(参考)。

この推奨事項によると、夏の間、週に3回、タンクトップとショーツパンツを10〜30分間着用すれば、肌の白い人にとっては十分なはずです。肌が黒い人は、これよりも少し長い時間が必要かもしれません。長時間太陽の下にいる場合は、日焼けしないように注意してください。

その代わりに、日光に対する肌の感受性に応じて、まずは最初の10〜30分間だけ日焼け止めを使わずに試し、日焼けがはじまる前に日焼け止めを塗るようにしてください。

肌を太陽に晒している間は、帽子やサングラスをかけて顔や目を保護するのも良いでしょう。頭は体のほんの一部なので、ビタミンDは少量しか生成されません。


まとめ 体に必要なビタミンD量を維持するには、肌の露出を多くして太陽にあたる必要があります。肌が白い人は、週に3回10〜30分間、タンクトップとショートパンツを着て日を浴びれば十分でしょう。ですが、肌が黒い人はもう少し長く太陽下にいる必要があります。


日焼け止めはビタミンDに影響するのでしょうか?

日焼けや皮膚ガンから肌を守るために日焼け止めが使われています。

なぜなら、日焼け止めには太陽光を反射したり、吸収したり、もしくは散乱させる化学物質が含まれているからです。

日焼け止めを塗ると、皮膚にあたる危険な紫外線の量が少なくなります(参考)。

けれども、UVB光線はビタミンDを作るのに不可欠であるため、日焼け止めを塗ると、ビタミンDの生成を妨げてしまう可能性があります。

実際、一部の研究では、SPF 30以上の日焼け止めは体内のビタミンD生成を約95〜98%減らしてしまうと推定しています(参考)。

一方で、夏に日焼け止めを着用しても、ビタミンDの血中濃度にはわずかな影響しか及ぼさないと示す研究もあります(参考1参考2参考3)。

考えられる理由の1つは、日焼け止めを塗っていても、太陽の下で長時間滞在すれば、皮膚から十分なビタミンDが作られる可能性があるこということです。

とはいえ、こういった研究のほとんどは、短期間に実施されたものです。

日焼け止めを頻繁に塗った場合に、血中のビタミンDレベルが長期的な影響をうけるかどうかはまだわかっていません。


まとめ 理論的には、日焼け止めを塗るとビタミンDを産生する能力が低下するかもしれません。ですが、短期間に実施された研究からは、日焼け止めはビタミンDの血中濃度にほとんど、もしくは全く影響を与えないことがわかっています。 とはいえ、日焼け止めを頻繁に塗ることで長期的にビタミンDレベルが低下するかどうかは良く分かっていません。


太陽光にあたりすぎた場合の危険性

太陽光はビタミンDの生産に必要ですが、日にあたり過ぎるのも危険です。 太陽光のあたりすぎによって起こりうる病態について以下にご説明します。

  • 日焼け:太陽光にあたりすぎた場合におこる、最も一般的で悪影響なものが日焼けです。 日焼けの症状には、発赤、腫れ、痛みまたは圧痛、水疱などがあります(参考)。 
  • 目の損傷:長時間紫外線に晒されると、網膜に損傷を与える可能性があります。 これにより、白内障などの眼疾患のリスクが高まります(参考)。 
  • 肌の老化:太陽の下で長時間過ごすと、肌が早く老化する可能性があります。しわができたり、たるんだり、硬い皮膚になる人もいます(参考)。 
  • 皮膚の変化:そばかすやほくろなどの皮膚の変化は、過度の太陽を浴びたことによる副作用として起こることがあります(参考)。 
  • 熱中症:熱中症は日射病とも呼ばれています。熱中症とは、過度に熱い所にいたり、長時間太陽にさらされることで体の中心部の温度が高くなった状態をいいます(参考)。 
  • 皮膚がん:過度の紫外線は皮膚がんの主な原因になります(参考1参考2)。 


太陽の下で長時間過ごす予定がある場合は、日焼けをしないようにしてください。

過剰な太陽光による有害な影響を避けるために、はじめの10〜30分間を素肌で過ごし、その後に日焼け止めを塗ると良いでしょう。

太陽に当たる時間は日光に対する皮膚の敏感度によって人それぞれです。太陽の下で過ごす場合(汗をかいたり入浴する時は特に)、専門家は2〜3時間おきに日焼け止めを塗り直すことを推奨しています。


まとめ;太陽光はビタミンDを作るのに必要ですが、太陽光にあたりすぎると危険な場合があります。 太陽光にあたりすぎると、日焼けや目の損傷、皮膚の老化、皮膚の変化、熱中症、皮膚がんなどを引き起こすことがあります。


おわりに

十分なビタミンDを得るために1番自然な方法は、定期的に日光浴をすることです。

正常なビタミンDの血中濃度を維持するには、週に数回、10〜30分の昼間の日光を浴びることを目指しましょう。

肌の色が黒い人は、もう少し長い時間日を浴びる必要ががあります。

露出時間は太陽光に対する皮膚の敏感度によって人それぞれです。日焼けしすぎないように注意してください。

太陽光からビタミンDを作る機能に影響を与える要因には、時刻、肌の色、赤道からどれくらい離れたところに住んでいるか、日光のあたる肌の面積、日焼け止めを塗っているかどうか、などがあります。

たとえば、赤道から離れた場所に住んでいる人は、紫外線が弱いため、通常はより多くの日光が必要です。

そういった地域に住んでいるひとは、日光からビタミンDを作ることができないので、冬の間はビタミンDサプリメントを服用するか、ビタミンDが豊富な食品を多く食べる必要があります。

しばらく太陽の下にいる予定がある場合は、日焼けや皮膚がんを防ぐために、はじめの10〜30分間を素肌で過ごし、その後に日焼け止めを塗ると良いでしょう。

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