トレオニンについて
別名:Lトレオニン、トレオニナ
レオニンは必須アミノ酸です。
アミノ酸とは、体がタンパク質を作るための構成要素のことです。
「必須」アミノ酸とは、体内で作ることができず、食事から摂取しなければならないアミノ酸のことです。
不随意の動きと筋肉の緊張(痙縮)といった症状の見られる多発性硬化症(MS)や、脚部の硬直や弱かに特徴付けられる遺伝性の病(家族性痙性対麻痺またはFSP)、およびルー・ゲーリック病(筋萎縮性側索硬化症またはALS)といった病にトレオニンは使用されていますが、これらの使用を裏付けるの良い科学的証拠はありません。
トレオニンの作用機序は?
トレオニンは体内でグリシンと呼ばれる化学物質に変化します。
グリシンは脳内で一定の不要な筋肉の収縮(痙攣)を抑える働きをします。
トレオニンの用法と効果
下記の症状におそらく効果がありません。
ルー・ゲーリック病(筋萎縮性側索硬化症またはALS)
毎日2グラムから4グラムのトレオニンを12ヶ月間摂取しても、ALSの進行を遅らせたり、症状を軽減させたりすることはできないようです。
また、トレオニンが実際にALS患者の肺機能を悪化させる可能性があるという証拠もあります。
下記の症状への使用については十分なエビデンスがありません。
- 足の脱力感と硬直が特徴の遺伝性疾患(家族性痙性対麻痺またはFSP)。初期の研究では、1.5 グラムから 2 グラムのスレオニンを 1 日 3 回経口摂取している家族性痙性対麻痺を持つ人々のいくつかの症状を改善する可能性が示唆されています。しかし、めざましい改善というわけではありません。
- 多発性硬化症(MS)。初期の研究では、2.5 グラムのスレオニンを口で毎日 3 回 8 週間服用しても、MS を持つ人々 の筋肉の硬直 (痙性) を軽減しないことが示唆されています。
- 不随意運動や筋緊張(痙攣)が特徴の筋制御障害。 初期の研究では、2グラムのスレオニンを1日3回口から摂取することで、脊髄損傷による脊髄痙縮を持つ人々の筋収縮が減少することが示唆されています。
- その他の状態。
トレオニンの副作用と安全性
経口摂取する場合
トレオニンは、食品の量で使用する場合は安全性が高いです。
1日あたりの食事から約0.5から1グラムのトレオニンを得る必要があるとされており、この量は安全であると考えられています。
薬として使用する場合にも、安全性は高いです。トレオニンの毎日4グラムまでの服用は、最長12ヶ月間は安全とされています。
一部の人々は、胃の不調、頭痛、吐き気、皮膚の発疹などの軽度の副作用を経験します。
特別な注意事項と警告
妊娠中や授乳中の方
トレオニンが妊娠中や授乳中に使用しても安全かどうかを知るための十分な信頼できる情報はありません。
安全を第一に、使用は避けるようにしましょう。
筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリック病)
トレオニンがALS患者の肺機能を低下させるかもしれないという懸念があります。
ある研究では、1日1グラムのスレオニンを1日4回6ヶ月間摂取したALS患者は、トレオニンを摂取しなかった患者に比べて肺機能が有意に低下していました。
トレオニンに実際に障害をもたらしかどうかを決定するには、よりお多くのエビデンスが必要です。
トレオニンの相互作用
この組み合わせでは絶対に服用しないでください。
アルツハイマー病に用いられる薬(NMDA受容体拮抗薬)とトレオニンの相互作用
アルツハイマー病に使われる薬の効き目がトレオニンによって低下するのではないかと懸念されています。
この薬はメマンチン(ナメンダ)と呼ばれています。
トレオニンの用量
トレオニンの適切な服用量は使用者の年齢、健康状態と様々な他の条件といったいくらかの要素に依拠しています。
現時点では、トレオニンの適切な服用量の幅を決定する科学的な情報はありません。自然の産物は常に必ずしも安全ではないということと、服用量が重要になりうることを気に留めておいてください。
必ず製品ラベルの適切な指示に従い、使用前には薬剤師や医師、もしくは他の医療の専門家に相談してください。
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