ティートリー油を日常に取り入れる14の方法
ティートリー油は、肌、髪、爪を健康に保つなど、様々な目的で使用できる重要なオイルです。
ティートリー油の効果には科学的根拠があることに加えて、安くて肌に直接使用しても安全です。
この記事ではティートリー油を日常に取り入れる14の方法を紹介し、安全で効果的に使用するためのガイダンスをご説明します。
ティートリー油とは?その効果は?
ティートリー油は、学名でMelaleuca alternifoliaという植物の葉からとれます。
オーストラリアのクイーンズランドとニューサウスウェールズを原生とする低木です。
Melaleuca alternifoliaはティートリーとして知られていますが、紅茶、緑茶、烏龍茶に使う茶葉の植物とは混同しないでください。
ティートリー油は何世紀にも渡り、アボリジニーが伝統的な薬として使用していました。
彼らオーストラリア原住民はティートリーの葉を潰して油を抽出し、咳や風邪の時に吸引したり、肌の治癒のために直接塗っていました。
現在では、100%の原液や「純正」の油として、ティートリー油は広く流通しています。希釈されたものも流通しており、肌に塗布する用の製品では5%-50%と幅があります。
ティートリー油には、特定のバクテリア、ウイルス、菌を殺すことが分かっているterpinen-4-olという化学物質をはじめとする数多くの化合物が含まれています。(参考1、参考2)
terpinen-4-olは、細菌や侵入してきた異物と戦うのを助ける白血球を活発にする働きもあると見られています。(参考)
ティートリー油にはこのように細菌と戦う特性があるため、自然な治療法で細菌性の肌の症状を治したり、感染を予防したり、治癒を早めるのに重宝されています。
この万能な油の使用方法や効果について下記にご紹介していきます。
1. 手の消毒
ティートリー油は理想的な天然の手の消毒剤となります。
研究によると、大腸菌、肺炎レンサ球菌、インフルエンザのような病気を引き起こす一般的な菌やウイルスを殺すことが明らかになっています。(参考)
さらに、手洗い洗剤を何種類も試した研究では、洗剤にティートリー油を加えると大腸菌に対する効き目が増したことが分かりました。(参考)
こちらはティートリー油を使った、保湿効果もあり天然由来の手洗い洗剤の簡単な作り方です。(参考)
Point:手の消毒剤にティートリー油を使用すると大腸菌やインフルエンザなどの数多くの病原菌を殺菌する効果が期待できます。
2. 虫除け
ティートリー油は害虫を寄せ付けない効果があるとされています。
ある研究によると、牛をティートリー油でケアすると、ティートリー油でケアしなかった牛に比べ、寄ってくるハエが61%少なかったことが分かりました。(参考)
さらに、実験室での研究によると、虫除けの商品に最もよく使われる有効成分であるディートよりも、ティートリー油の方が蚊を避ける効果が高いことが明らかになっています。(参考)
ティートリー油と自然の素材を使った虫除けを簡単に作ることができるので、試してみてください。(参考)
Point:ティートリー油は殺虫や虫除けの効果があるとされています。一般的な殺虫剤や虫除けと同等かもしくはそれ以上の効果がある場合もあります。
3.天然の消臭剤
ティートリー油の殺菌効果は、汗による脇の下の臭いをコントロールするのに役立つでしょう。
汗自体に臭いはありません。
しかし、感染からの分泌物が肌についている菌と合わさると、僅かな臭いもしくは強い臭いが生じます。
脇の下には汗腺がたくさん集中しており、いわゆる「体臭」の主な原因となっています。
ティートリー油の持つ殺菌という性質は、市販の消臭剤や制汗剤の理想的な天然の代用品になります。
こちらはティートリー油といくつかの材料でできる、安全で効果的な天然の消臭剤の作り方です。(参考)
Point:ティートリー油は体臭の原因となる菌を殺す成分を含んでおり、安全で効果的な消臭剤を作るのに使用することができます。
4. 軽い切り傷や擦り傷の消毒
怪我をして肌が傷つくと、そこから血流に菌が入りやすくなってしまい、感染に繋がってしまうことがあります。
ティートリー油を軽い切り傷や擦り傷の治癒や消毒に使用し、傷口からの感染を引き起こす黄色ブドウ球菌などの菌を殺すことができます。(参考)
切り傷や擦り傷の消毒は以下の手順で行ってください:
- 普通の石鹸と水で傷口をよく洗います
- ティースプーン1杯のココナッツオイルにティーツリー油を1滴混ぜます
- 混ぜたものを少量、傷口に塗り、絆創膏を貼ります
- かさぶたができるまで、これを1日に1-2回繰り返します
ココナッツオイルをインターネットで検索しましょう。
Point:ティートリー油とココナッツオイルを混ぜたものを塗ることで、軽い切り傷や擦り傷の感染を防ぐことができます。
5. 怪我の治りを良くする
切り傷や擦り傷の感染を防ぐことに加え、ティートリー油は傷の治りも早めてくれるでしょう。
ティートリー油は炎症を抑えて、傷の治癒に働く白血球を活発にさせる効果があることが、調査を通して分かっています。(参考1、参考2、参考3)
10名の怪我人を対象とした小規模な研究では、元々の傷の治療にティートリー油を加えたところ、1名を除いて全員の傷が治るのにかかる時間が短くなりました。(参考)
新しい包帯に交換して巻く際にティートリー油を数滴垂らすと良いでしょう。
Point:ティートリー油は炎症を抑えて白血球の働きを活発にすることで、傷の治る時間を早める効果が期待できます。
6. ニキビを減らす
ティートリー油はニキビの治療に非常に効果的でしょう。ティートリー油によってニキビの数と、全体的なニキビの酷さが改善することが、複数の研究で明らかになっています。(参考1、参考2、参考3)
ある研究では、ニキビの患部に5%のティートリージェルを塗ると、偽薬を使用した場合よりもニキビの数が3倍減るという効果がありました。
ニキビの酷さに関しては6倍近くの効果でした。(参考)
また別の研究では、ティートリー油には、最も一般的なニキビ薬である過酸化ベンゾイルと同等の効果があることが確認されました。(参考)
ティートリー油をベースとしたニキビ用ジェルは自然派の商品を取り扱っているスーパーやドラッグストアか、オンラインショップでも購入することができます。
購入するのではなく、ティートリー油と水を1対9で混ぜて、必要に応じ1日に1-2回コットンで患部に塗り、自分でニキビのケアをすることもできます。
Point:ティートリー油を含んだジェルはニキビの数も酷さも改善する効果があることが、数多くの研究を通して明らかになっています。
7. 爪水虫の治療
爪水虫に感染するのは非常によくあることです。危険なことではありませんが、見た目が悪くなります。爪水虫を治す薬もありますが、より自然な方法を好む人もいます。
ティートリー油を単体で、もしくは他の天然の治療薬と併せて使用することで、爪水虫を治すのに役立つとされています。(参考1、参考2)
ある対象実験では、爪水虫のある人に、ストレートのティートリー油もしくは水虫の薬を6か月の渡って使用してもらいました。
研究の終わりには、どちらを使用したグループも60%の人の爪水虫が部分的にもしくは完全に治りました。(参考)
数滴のティートリー油を単体で、もしくは同量のココナッツオイルと混ぜて患部に塗りましょう。
水虫が他の部分に移らないよう、塗った後はすぐに手を洗うようにしましょう。
Point:ティートリー油は爪水虫の感染に対して、水虫の薬を患部に塗るのと同等の効果があると考えられています。
8. 化学薬品を使用していないマウスウォッシュ
ティートリー油は、虫歯や口臭の原因となる菌にも効果が期待できることが、研究を通して提唱されています。(参考1、参考2、参考3)
ある研究によると、一般的な口内洗浄液や消毒液であるクロルヘキシジンよりも、ティートリー油はの方が歯垢の原因菌に効果的であったことが分かりました。
さらに、ティートリー油の方が味に不快感が無いことも明らかになりました。(参考)
その一方で、過去の研究では、ティートリー油は歯垢の蓄積にあまり効果がなかったとされています。(参考)
コップ1杯のお湯にティートリー油を1滴垂らして混ぜ、30秒ほど口をゆすぐだけで、化学薬品を使わないマウスウォッシュを簡単に作ることができます。
他のマウスウォッシュと同様に、ティートリー油を飲み込んではいけません。体内に摂取すると有毒である可能性があります。
Point:ティートリー油をお湯と混ぜて作ったマウスウォッシュは、口臭や歯垢に効果的です。
9. 多目的なお掃除クリーナー
ティートリー油はあらゆる用途の掃除に使うことができ、表面の除菌もできます。
加えて、家族やペットが触れると心配な化学物質を残さずに掃除をすることができます。
以下は、天然成分のみの多目的なお掃除クリーナーの簡単な作り方です。
- 20滴のティートリー油、3/4カップの水、1/2カップのアップルサイダービネガーをスプレーボトルに入れます。 完全に混ざるようよく混ぜます。
- 掃除したい箇所に直接スプレーし、乾いた布で拭き取ります。
- 表面に直接スプレーし、乾いた布で拭いてください。
- ティートリー油が他の材料と混ざるよう、使用する前には毎回必ずボトルを振るようにしましょう。
アップルサイダービネガーはインターネットで購入することができます。
Point:ティートリー油を水と酢と混ぜて、お家のお掃除用に、化学物質を使わない多目的なお掃除クリーナーを作ることができます。
10. 肌の炎症を和らげる
ティートリー油には、肌の炎症を和らげる効果が期待できます。
肌の不調としてよくあるのは接触皮膚炎で、肌がニッケル等のアレルゲンと触れた場合に起こります。
アレルゲンに晒されると、肌が赤く痒くなったり、痛みが出ることもあります。
動物と人間を対象とした調査によると、ティートリー油を塗ることでこうした肌の症状を軽減する効果が期待できます。(参考1、参考2、参考3)
接触皮膚炎に対する様々な治療法の効果を比較した研究では、ティートリー油が症状を40%軽減する効果があることが分かりました。
この効果は、肌に塗る薬の標準的な効果よりも非常に大きなものでした。(参考)
さらにティートリー油は、虫に噛まれた場合に、虫の入れた液から体を守るために出されるヒスタミンによって生じる肌の痒み、赤み、腫れといった反応をも軽減してくれる可能性があります。(参考)
肌の炎症を和らげるスキンケアの作り方をご紹介します:
- 10滴のティートリー油を、スプーン1杯のエクストラバージンオリーブオイル、スプーン1杯の溶けたココナッツオイルに加えます。
- よく混ぜて、蓋つきの容器に入れておきます。
- 症状が良くなるまで1日に最大2回、患部に塗ります。
オリーブオイルはインターネットで購入することができます。
Point:ティートリー油を混ぜたスキンケアを塗ることで、接触皮膚炎や虫刺されによる肌の炎症を鎮める効果があるでしょう。
11. フケを抑える
フケや、頭皮から剥がれた皮膚で白い粉が出るのは危険なことではありません。
しかし、不快で見た目も良くないものです。
フケの治療におけるティートリー油の効果について発表された研究はほとんどありませんが、ある対照研究によると効果が期待できるようです。
この4週間の研究では、ティートリー油の入ったシャンプーを使用していた人のグループはフケが40%改善していました。
さらに、ティートリー油を使用したグループは、フケの酷さ、痒み、頭皮の脂が大きく改善したと報告されています。(参考)
フケを減らすには、髪を洗う際に、シャンプー1プッシュに数滴のティートリー油を加えてみましょう。
Point:研究は少ないですが、ある研究によると、ティートリー油はフケを軽減したりその他の頭皮の症状を改善してくれる可能性があります。
12. 水虫の治療
水虫は思うように治らず不快なことがあるでしょう。
医学的には足白癬として知られる水虫は、伝染性の菌による足の感染症で、足の爪や手にも広がることがあります。皮が剥けたり、ひび割れ、水疱、赤みといった症状が出ます。
水虫に対しては抗菌薬を使用するのが一般的な治療方法と考えられています。しかし研究によると、ティートリー油がこの水虫の症状を和らげる効果的な代替方法となるかもしれません。(参考1、参考2)
158人が参加したある対照研究では、偽薬を使用したグループは39%しか水虫が改善しなかったのに対して、ティートリー油を使用したグループの臨床では72%が水虫の症状が大きく改善していました。(参考)
しかし別の研究では、ティートリー油にも抗菌薬と同様に、皮膚の鱗状の剥がれ、炎症、痒み、ヒリつきを和らげる効果があったものの、ティートリー油では水虫の菌自体を無くす効果は見られませんでした。(参考)
水虫の症状を和らげる天然の治療法を下記にご紹介します:
- 1/4カップの葛粉、1/4カップの重曹、20-25滴のティートリー油を入れます。
- よくかき混ぜて、蓋つきの容器に入れます。
- 清潔に乾燥させた状態の足に、1日2回塗ります。
Point:ティートリー油の抗菌効果により、水虫の症状を和らげることが期待できます。
13. 果物と野菜のカビ取り
生鮮食品は美味しくて健康に良いことは言うまでもありません。
しかし残念ながら、特に暖かく湿った気候では、ボトリティス・シネレアという灰色カビが発生してしまうことも避けられません。
ティートリー油の抗菌化合物であるterpinen-4-olおよび1,8-cineoleという物質には、こうした果物や野菜のカビの発生を抑えてくれる働きがある可能性が、研究で見つかっています。(参考1、参考2)
カビを防ぐには、水に5-10滴のティートリー油を加えてから農産物を洗浄して完全に乾燥させましょう。
Point:ティートリー油には、果物や野菜に発生するカビを抑える効果のある化合物が含まれています。農産物を洗浄する際に見ずにティートリー油を加えることで、カビの発生を防ぐことができるかもしれません。
14. 乾癬を和らげる
乾癬とは、肌の赤み、痒みや、肌が鱗状になる症状を特徴とする、自己免疫の症状です。
この症状を改善できる薬はありますが、症状自体は慢性的で、治療法は分かっていません。 ティートリー油には抗炎症の化合物が含まれており、新たに出てきた証拠によると、感染の症状を和らげる効果が期待できるかもしれません。(参考)
乾癬の炎症を和らげるには、10-15滴のティートリー油を、スプーン2杯の溶かしたココナッツオイルと混ぜます。そして必要に応じ、1日に2-3回、患部に塗布します。
Point:ティートリー油とココナッツオイルを混ぜたものを塗ることで、感染の症状を和らげるのに役立つ可能性があります。
ティートリー油の使用上の注意
調査の結果、ティートリー油は概して安全であるとされています。(参考)
しかし、使用する際に注意しなければならない点もあります。
ティートリー油を飲み込むと有害である恐れがあるため、飲み込まないようにしましょう。
このため、ティートリー油は子供の手の届かない場所に置いておくようにしてください。
18か月の男の子が誤ってティートリー油を飲んでしまい、酷く負傷して苦しんだ事例がありました。(参考)
初めてティートリー油を使用する際には、肌の一部にティートリー油を1-2滴垂らして24時間ほど時間をおき、肌に合うかどうか試してから使用するようにしましょう。
使用前に試してみるのは非常に大切なことです。というのも皮肉なことに、ティートリー油による治癒の効果が期待される症状である接触皮膚炎に対して使用したところ、ティートリー油でさらに接触皮膚炎を起こしてしまったという人もいます。(参考1、参考2)
同様に、敏感肌の人はティートリー油を原液で使用すると肌に不快感が生じる可能性があります。
敏感肌である場合は、同量以上のオリーブオイル、ココナッツオイル、アーモンドオイルに混ぜてティートリー油を使用すると良いでしょう。
加えて、ペットにティートリー油をしようするのは安全ではない可能性があります。
調査によると、0.1-85 mlのティートリー油を犬や猫の肌に塗ったり口に入れたりして使用しところ、400匹以上に震えや神経の問題が発症しました。(参考)
Point:ティートリー油は大人が肌に使用する分には概して安全ですが、アレルギー反応が起きる人もいます。子供やペットにはティートリー油は安全でない恐れがあります。
最後に
ご覧いただいたように、ティートリー油は数多くの目的で役立ちます。
とりわけ化学物質を使った肌や爪の治療、ケア用品、消毒剤に代わる天然の代用品として、お値打ちに使うことができます。
しかし、ティートリー油は魔法のように何でも治してくれるものではありません。
実際に、使用後に肌の不快感やアレルギー反応を起こしてしまう人もいます。
概して、ティートリー油は多くの用途に使用することができるので、持っておくと良いアイテムでしょう。
ティートリー油はインターネットで購入することができます。
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