イワベンケイ(ロディオラ)の科学データに基づいた7つの健康への効能

alloeh編集部

最終更新日:2020/05/07

ロディオラ・ロゼア成分解説

イワベンケイの科学データに基づいた7つの健康への効能

イワベンケイは、ヨーロッパやアジアの、寒冷な山間部に自生する薬草の1種です。

イワベンケイの根は、アダプトゲンと呼ばれる、人の体が様々なストレスへ対応できるように手助けする成分と考えられています。

イワベンケイは、アークティック・ルートまたはゴールデン・ルートなどとも呼ばれ、学名はロディオラ・ロゼアと呼ばれます。

イワベンケイの根は140以上の活性成分を含んでおり、このうち最も活性が高いのが、ロサビンとサリドロシドです。

ロシアやスカンジナビア諸国の人々は、イワベンケイを不安症、疲労感、うつ病などに、数世紀にわたって使用してきました。

今日では、さらに多くの健康への効能を期待して、サプリメントなどとして広く使用されています。

この記事では、7つの科学データに基づいたイワベンケイの健康への効能を取り上げます。

1. ストレスの軽減効果

イワベンケイは長い間、人の体のストレスに対する抵抗力を高めるアダプトゲンとしての働きがある、天然の物質と知られてきました。

ストレスのかかった状況でアダプトゲンを摂取すると、その状況に対してより良く対応ができると考えられています。(参考1, 参考2)

ある研究では、イワベンケイ抽出液の効果を、生活もしくは仕事に関連したストレスを感じている、101名の被験者で調べています 被験者は、毎日400mgのイワベンケイが4週間にわたって投与されました。(参考)

この研究では、イワベンケイの摂取開始後たった3日ほどで、ストレスの症状である倦怠感、疲労感、不安などの症状が有意に改善したとされています。 これらの症状の改善効果は、研究の介入期間中も持続したとされています。

イワベンケイはまた、慢性のストレスで起きる燃え尽き症候群などの症状を緩和するとも考えられています。

さらに、ストレスに関連した燃え尽き症候群を持つ118名を対象にした研究では、イワベンケイの投与はストレスやうつ症状などの燃え尽き症候群に関連した指標を改善させたとされています。(参考)


Point: イワベンケイのようなアダプトゲンは、体のストレスに対する耐性を向上させ、ストレスのかかる状況に体がうまく対応できるように調整します。


2. 倦怠感への効能

ストレス、不安症、不眠などは、身体的・精神的な疲労感の原因となる倦怠感につながる要因です。

イワベンケイは、そのアダプトゲンとしての機能から、倦怠感の軽減に役立つと考えられています。

ある4週間にわたる研究では、60名のストレス関連の倦怠感を持つ被験者の、生活の質・倦怠感の症状・うつ症状・注意力などへの影響を確認しました。 被験者は、576mgのイワベンケイもしくは、プラセボを摂取しました。

この研究では、イワベンケイが倦怠感と注意力に対して、プラセボと比較して有効であったと報告しています。(参考)

同様の研究では、 慢性疲労症状のあった100名に対して、1日400mgのイワベンケイを8週間にわたって投与しました。 イワベンケイを摂取した群では、ストレス症状、倦怠感、生活の質、気分、集中力などにおいて有意に改善が認められました。(参考)

これらの改善効果は、治療介入開始後1週間程度から現れ始め、介入が行われた8週間の間、改善が認められ続けたとされています。


Point: イワベンケイは、そのアダプトゲンとしての機能のために、倦怠感や、その他のストレスに関連した症状に、有効なサプリメントとして使用されています。


3. うつ病の症状軽減効果

うつ病は頻度も高く、それでいて深刻な病気で、人の感情や行動に悪影響を及ぼします。(参考)

うつ病は、脳内の神経伝達物質と呼ばれる、化学物質のバランスが崩れて起きると考えられています。 病院では、この脳内の神経伝達物質のバランスを整えるために、抗うつ薬が処方されます。(参考)

イワベンケイは、脳内の神経伝達物質のバランスを改善することで、抗うつ作用を発揮する可能性が示唆されています。(参考1, 参考2, 参考3)

ある研究では、6週間にわたって、軽度から中等度のうつ病のある89名の被験者を、イワベンケイ340mg、680mg、プラセボを、毎日摂取する群に分けて介入を行いました。(参考)

プラセボ摂取群では効果がなかった一方で、イワベンケイを摂取したいずれの群でも、うつ病症状全般、不眠、気分の安定性などに有意に改善を認めました。

面白いことに、高用量のイワベンケイを摂取していた群でのみ、自己肯定感の改善効果が認められました。

また別の研究では、イワベンケイを一般的に処方される抗うつ薬であるセルトラリン(ゾロフト)と、効果を比較しました。 この研究では、無作為にうつ病のある57名を、イワベンケイを摂取する群、セルトラリンを摂取する群、プラセボを摂取する群に分けて、12週間にわたって経過を観察しました。(参考)

イワベンケイとセルトラリンを摂取していた群では、うつ病症状が改善し、特にセルトラリンを摂取していた群で、より大きな改善効果が認められました。 しかし、イワベンケイの方が内服による副作用は少なく、内服が続けられる人が多かったです。


Point: イワベンケイは、うつ病の多くの症状を軽減すると考えられています。 抗うつ薬と同じように、気分や感情に影響する、脳内の神経伝達物質に影響していると考えられています。


4. 脳機能の改善効果

運動、適切な栄養、夜間の良眠などは、脳の機能を保つために有用な要因です。(参考1, 参考2, 参考3)

イワベンケイを含む、いくつかのサプリメントも同様に脳の機能に有効です。

ある研究では、56名の夜間勤務を行っている医師の、精神的疲労感に対する、イワベンケイの効能を調査しました。(参考)

医師は無作為に170mgのイワベンケイの摂取群と、プラセボの摂取群に分けられ、2週間にわたって薬剤を投与されました。

イワベンケイを摂取していた群では、プラセボ摂取群に比べて、精神的な疲労の軽減と、仕事に関連した課題のパフォーマンスの20%程度の向上が認められました。

他の研究でも、夜間勤務を行っていた陸軍士官候補生に対して、イワベンケイの 効能を調査しました。 陸軍士官候補生は、それぞれ370mgと555mgのイワベンケイ、もしくはプラセボを5日間にわたり摂取しました。(参考)

プラセボ群を摂取していた群に比較して、イワベンケイを摂取していた群では、いずれの摂取量の群でも、陸軍士官候補生の精神作業への対応力向上が認められました。

他の研究でも、生徒がイワベンケイサプリメントを20日にわたって摂取したところ、有意に精神的疲労の軽減、睡眠パターンの改善、勉強への意欲亢進などが認められたとされています。 さらに、イワベンケイを摂取していた群では、テストの点数も8%程度、プラセボを摂取していた群に比較していた群に比べて高くなったと報告されています。(参考)

過去のデータをまとめた、二つのレビュー報告では、イワベンケイが精神的な疲労を軽減することが示唆されていますが、この報告の中でも、現時点までのデータの質と量が限られているので、イワベンケイの効能については、まだ確定的なことは言えないと結論づけられています。(参考1, 参考2)


Point: イワベンケイは、精神的・身体的にストレスがかかるような状況において、精神の働きを向上させる機能が期待されています。 しかし、これらの効能を確定づけるためには、今後の追加での研究が必要です。


5. 運動パフォーマンスの改善効果

イワベンケイは、運動パフォーマンスの改善効果も期待されています。(参考)

ある研究では、被験者に200mgのイワベンケイとプラセボを、自転車運動の開始2時間前に投与しました。(参考)

イワベンケイを投与された被験者では、運動を継続できる時間が平均で24秒延長したとされています。 24秒は大きな差ではないように見えますが、自転車競技の場合は1位と2位の選手のタイムの差はミリ秒単位なので、効果が大きいことが伺えます。(参考)

他の研究では、持久運動のパフォーマンスに対する効果を確認しました。(参考)

被験者は、6マイルのタイムトライアルレースのシミュレーションを行い、レースの1時間前に体重1kgあたり3mgのイワベンケイの投与、もしくはプラセボ投与が行われました。

イワベンケイを摂取した群では、プラセボを摂取した群に比べて有意にレースのタイムが短くなりました。

その他の研究でも、イワベンケイは、被験者の「体にどのくらい負荷がかかっているか」の感覚である、運動による自覚的疲労感を軽減することで、運動パフォーマンスの改善につながったと報告しています。(参考)

しかし、筋力や発揮される力自体には明らかな影響は見られていません。(参考1, 参考)


Point: イワベンケイには、運動による自覚的疲労感を軽減することで、使用した人がより長く、より激しく運動することを可能にするかもしれません。


6. 糖尿病コントロールへの効能

糖尿病は、体のホルモンであるインスリンの産生、もしくはインスリンへの感受性が低下して、血糖が上昇して起きる病気です。(参考)

糖尿病のある患者さんでは、しばしばインスリンの注射を行ったり、インスリンへの感受性を高めて血糖を正常化させるための内服を行っていたりします。

面白いことに、動物を対象とした研究では、イワベンケイが糖尿病のコントロールに有用である可能性が示唆されています。(参考)

実際、糖尿病のあるラットでは、血中のグルコース輸送体の数を増加させることで血糖を低下させるとされています。 これらの輸送体は、血中のグルコース(糖分)を細胞内へ移行することで血糖を下げます。(参考1, 参考2)

これらの研究はマウスを対象に行われており、結果をそのまま人へは適応できません。 しかし、これらの研究結果には期待が持てるので、今後も人を対象としたイワベンケイの血糖への効果の調査が必要でしょう。

糖尿病のある方で、イワベンケイの摂取を検討する際には、必ず医師や栄養士に事前に相談しましょう。


Point: イワベンケイの齧歯類を対象とした研究では、血糖低下の作用が認められており、人においても糖尿病コントロールにおいて有効である可能性が示唆されています。 しかし、人に対しては今後も追加での研究が必要でしょう。


7. 抗癌的な作用の可能性

サリドロシドはイワベンケイに含まれる強力な化合物の1つで、その抗癌作用について調査がされています。

試験管内の実験による研究では、サリドロシドの、膀胱、大腸、乳房、肝臓の癌細胞の成長を阻害する効果が報告されています。(参考1, 参考2, 参考3, 参考4)

これらの結果を元に研究者の間では、イワベンケイが多くのタイプの癌に対し、有用かもしれないと期待されています。

しかし、実際にイワベンケイが癌に対して有効であるのかについての判断は、今後の人を対象とした研究結果を待つ必要があります。


Point: 試験管内の実験による研究では、サリドロシドと呼ばれるイワベンケイに含まれる活性物質の、癌細胞の成長を阻害する効果が認められた。 しかし、その人に対する効能は明らかになっておらず、今後の追加での研究が必要でしょう。


イワベンケイサプリメントの摂取方法

イワベンケイの抽出液は、カプセルや錠剤など、色々な形で手に入ります。 また、お茶などの形態でも手に入りますが、用量が正確に調整できる錠剤を好む方が多いようです。

何に気をつけるべきか?

残念ながら、イワベンケイサプリメントには粗悪品が含まれているリスクがあります。(参考1, 参考2)

この粗悪品を避けるためには、USPまたはNSFなどの検品シールがついている製品を選ぶようにすると良いでしょう。 これらは非営利の第三者機関で、製品の成分表示に記載されている内容と成分が同じで、不純物がないことを確認する役割を果たします。

加えて、製品のラベルを確認する時には、標準的な成分であるロサビンが3%、サリドロシドが1%含まれていることを確認しましょう。 これらの成分は、天然のイワベンケイの根には、この比率で含まれているので、製品に不純物が混入していないかの目安になるでしょう。

どの程度の量を、いつ摂取するのか?

イワベンケイは空腹時に摂取することが望ましいとされていますが、内服による興奮効果もあるので入眠前は避けた方が良いでしょう。(参考)

ストレス、倦怠感、抑うつなどに対する、イワベンケイの望ましい摂取量は1日400-600mg程度と言われています。(参考1, 参考2, 参考3)

運動のパフォーマンス向上を期待してイワベンケイを摂取する場合は、1日200-300mgを運動開始1-2時間前くらいに摂取すると良いでしょう。(参考1, 参考2, 参考3)

イワベンケイの安全性

イワベンケイは安全で、内服も問題なく摂取できると言われています。(参考1, 参考2)

実際、推奨されてる使用量は、動物を対象とした研究において危険性が示された高用量の、おおよそ2%程度にしか相当しません。(参考)

このため、イワベンケイの用量に関する安全性の域値はかなり高いと言えるでしょう。


Point: サプリメントを使用するときには、イワベンケイが、安くて効果の少ない成分が入った粗悪品にされていることもあるので、第三者機関が品質を確認している製品を選びましょう。 1日200-600mgのイワベンケイであれば、効果もあり安全であると考えられています。


まとめ

イワベンケイは、ロシアやスカンジナビア諸国の伝統医学の中で、数世紀にわたり使用されてきました。

研究ではイワベンケイが身体の、運動などの身体的ストレスや、倦怠感や抑うつなどの精神的ストレスに対する対応力を増強するとされています。

また、試験管内の実験や動物を対象とした研究では、イワベンケイの癌治療や糖尿病における効能も調査されています。 しかし、今後の人を対象とした研究の結果確認も必要でしょう。

イワベンケイのサプリメントを使用する場合には、粗悪品を避けるために、第三者機関が品質を検査している製品を選びましょう。

まとめると、イワベンケイには多くの健康への効能があり、推奨される量で摂取する分には副作用のリスクなどもなく、安全であると考えられています。

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