レイシとは？エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

最終更新日：2021/04/25

ライチとして知られているレイシ(学名：ライチ・チネンシス)は、ムクロジ科の小さな熱帯果樹です。このムクロジ科には、人気のランブータンやリュウガンも含まれます。この記事では一般的に馴染みのあるライチとして解説します。

ライチは亜熱帯地方で栽培されており、特に中国や東南アジアで人気の果物です。甘みと花の香りで有名なライチは、果肉をそのまま食べるのが一般的ですが、アイスクリームに使われたり、ジュース、ワイン、シャーベット、そしてジェリーに加工されることもあります。ライチの濃いピンク色のガサガサの皮は食べることができず、皮を剥くと出てくる真ん中の黒い種の周りにある白い部分が果肉です。

ライチにはいくつかのビタミン、ミネラル、そして健康的な抗酸化物質が豊富に含まれています。本記事では、ライチに含まれる栄養素や、その健康効果、副作用について解説します。

栄養成分表

ライチは82%が水分で、16.5%が炭水化物からなるフルーツです。（参考）

100gの新鮮なライチには、以下の栄養素が主に含まれています。（参考）

カロリー：66kcal
タンパク質：0.8g
炭水化物：16.5g
糖質：15.2g
食物繊維：1.3g
脂質：0.4g

炭水化物と食物繊維

水分に加えて、ライチの主要栄養素は炭水化物です。ひとつの新鮮、あるいは乾燥ライチには、1.5~1.7gの炭水化物が含まれています。（参考）ライチに含まれる炭水化物のほとんどは、甘みを作り出している糖分から来ています。食物繊維はあまり含まれていません。

ビタミンとミネラル

ライチにはいくつかのビタミンとミネラルが多く含まれています。

ビタミンC：ライチに最も多く含まれているビタミン。ひとつのライチに1日の摂取基準(RDI)の9%が含まれています。（参考）
銅：ライチには銅も沢山含まれています。銅不足は心臓の健康に悪影響を与える可能性があります。（参考）
カリウム：十分な量のカリウムを摂ることは、心臓の健康を保つのに欠かせません。（参考）

要約

ライチの主要栄養素は水分と、糖分からくる炭水化物です。他の果物と比べると、食物繊維はあまり含まれていません。ビタミンCが豊富で、銅とカリウムも沢山含まれています。

他の植物性化合物

他の果物と同様に、ライチには様々な抗酸化作用を持つ植物性化合物が沢山含まれています。実際、他の一般的な果物に比べて、ポリフェノール抗酸化物質がより多く含まれていると報告されています。（参考）

ライチには以下の抗酸化物質が含まれています。

エピカテキン：心臓の健康を保ち、がんと糖尿病のリスクを低下させるフラボノイド（参考1）（参考2）
ルチン：がん、糖尿病、そして心臓病などの慢性疾患を防ぐ働きのあるフラボノイド（参考1）（参考2）

オリゴノールについて

オリゴノールは、ライチに関連した物質としてよく出てくる栄養補助食品です。特許素材オリゴノールは、日本の企業である株式会社アミノアップ化学が開発したライチの皮と緑茶から得た抗酸化物質(プロアントシアニジン)の混合物です。胃腸から吸収する抗酸化物質を増やすように科学的に操作します。（参考）

いくつかの研究では、オリゴノールは腹部脂肪、疲労、そして運動後の炎症を低下させる作用が示唆されています。（参考1）（参考2）（参考3）（参考4）しかし、オリゴノールはライチに自然に含まれていないので、ライチを食べることで同じ健康効果は期待できません。

要約

多くの果物や野菜と同様に、ライチにはエピカテキンやルチンなどの抗酸化物質や植物性化合物が沢山含まれています。しかし、よく誤解されていますが、ライチ自体にはオリゴノールは含まれていません。

健康効果

ライチの健康効果に関する研究はまだ行われていません。しかし、さまざまな果物や野菜を食生活に取り入れることは健康状態を良くし、いくつかの慢性疾患のリスクを低下させる働きがあると考えられています。（参考1）（参考2）（参考3）

ライチにはカリウム、銅、ビタミンC、エピカテキン、そしてルチンなどの体に良いミネラル、ビタミン、抗酸化物質が含まれています。これらは心臓病、がん、そして糖尿病の予防に役立つと考えられています。（参考1）（参考2）（参考3）（参考4）

動物を使った実験では、ライチ抽出物には肝臓がんの予防に役立つことが分かっています。（参考）しかし、人間に同じような健康効果があるかはまだ分かっておらず、更なる研究が必要です。

要約

ライチの健康効果はまだ実証されていませんが、ライチには健康を保つために大切ないくつかの栄養素や抗酸化物質が含まれています。

副作用と悪影響

健康的な食事の一部としてライチを適量食べるのであれば、健康に悪影響を与える可能性は低いです。しかし、南アジアや東南アジアでは、ライチが脳の炎症を引き起こすと考えられています。完全には明らかになっておらず、更なる研究が必要ですが、科学者はライチに含まれる毒素のヒポグリシンAが原因だと指摘しています。（参考1）（参考2）更に、ライチはまれにアレルギー反応を起こす可能性があります。（参考）

要約

アジアの一部の地域ではライチが脳の炎症を起こすと考えられていますが、明確にライチが原因なのかは不明です。適量のライチであれば、多くの人にとって安全です。