アスパラガスとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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アスパラガス(学名:アスパラグス・オッフィキナリス)はユリ科に属する植物。緑・白・紫など様々な色のアスパラガスがあり、フリタータ、パスタ、そして炒め物など、世界中の料理に使用される人気の野菜です。アスパラガスは低カロリーな上、体に必要なビタミン、ミネラル、そして抗酸化物質が豊富に含まれています。

ここではアスパラガスを摂取する7つのメリットについて紹介しましょう。

1. 栄養豊富かつ低カロリー

アスパラガスは低カロリーにもかかわらず、栄養価が非常に高い優れた食品です。

カップ半分(90g)の調理済みアスパラガスには、以下の栄養素が含まれています。(参考)

  • カロリー:20kcal
  • タンパク質:2.2g
  • 脂質:0.2g
  • ビタミンC:1日当たりの推奨摂取量(RDI)の12%
  • ビタミンA:RDIの18%
  • ビタミンK:RDIの57%
  • 葉酸:RDIの34%
  • カリウム:RDIの6%
  • リン:RDIの5%
  • ビタミンE:RDIの7%


上記の栄養素以外にも、アスパラガスには鉄・亜鉛・リボフラビンなど、少量の微量栄養素(微量ではあるが健康の維持のために必要な栄養素)も含まれています。また、血液凝固や骨の健康に不可欠な栄養素であるビタミンKの優れた供給源でもあります。更に、すこやかな妊娠、そして細胞増殖やDNA形成に極めて重要な葉酸も豊富に含まれています。(参考)

要約

アスパラガスは、特に葉酸、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンKなどの必要不可欠なビタミンとミネラルを豊富に含んだ低カロリーの野菜です。


2. 豊富な抗酸化物質

抗酸化物質は、フリーラジカル(体内にある不安定な電子のことで、有害な作用をもたらす)や酸化的ストレスの悪影響から細胞を守るのに役立つ化合物です。酸化的ストレスは、老化、慢性炎症、がんなど、多くの病気の原因となります。(参考1) (参考2)

他の青野菜と同様に、アスパラガスには、ビタミンE、ビタミンC、グルタチオン、そして様々なフラボノイド類やポリフェノールといった抗酸化物質が多く含まれています。(参考1) (参考2) その中でも、ポリフェノールの一種であるケルセチン、ソラムネチン、そしてケンペロールが特に豊富に含まれています。(参考1) (参考2) これらの物質は、血圧低下、抗炎症作用、抗ウイルス効果、そして抗がん作用があることが臨床実験、試験管内研究、そして動物実験で証明されています。(参考1) (参考2)(参考3) (参考4)

更に紫アスパラガスには、鮮やかな色を野菜に付け、抗酸化作用のあるアントシアニンと呼ばれる強力な色素が含まれています。(参考) 実際に、アントシアニンを多く摂ることで、高血圧や心臓麻痺、そして心臓病の危険性を低下させることが分かっています。(参考1) (参考2) (参考3)他の果物や野菜と共にアスパラガスを食べることで、健康を増進するための様々な抗酸化物質を体内に取り込むことができます。

要約

アスパラガスはビタミンC・ビタミンE・フラボノイド類・ポリフェノールなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。抗酸化物質は、有害なフリーラジカルの蓄積を防ぎ、慢性疾患のリスクを軽減してくれます。


3. 胃腸の調子を整える

食物繊維は、胃腸の健康に欠かせないものですが、たったカップ半分のアスパラガスには、1日に必要な量の7%に当たる1.8gの食物繊維が含まれています。食物繊維を豊富に含んだ果物と野菜の多い食事は、高血圧・心臓病・そして糖尿病にかかるリスクの低減に役立つことがいくつかの研究で分かっています。(参考1)(参考2) (参考3)

アスパラガスは、特に不溶性食物繊維を多く含んでいます。この食物繊維は便のカサを増やして、規則的な便通を促します。また、水に溶け消化管でゼリー状となる水溶性食物繊維も少量含まれており、老廃物や有害物質を排出する働きを助ける役目を担っています。更にこの水溶性食物繊維は、ビフィズス菌や乳酸菌などの腸内の善玉菌のエサにもなっています。(参考)

善玉菌の数を増やすことで、免疫システムが強化され、ビタミンB12やビタミンK2などの必須栄養素を作り出す働きを促します。(参考1) (参考2) (参考3) 食物繊維をうまく取り入れた食生活の一部としてアスパラガスを摂取することは、必要な食物繊維量を摂り、そして健康な胃腸を保つための最良の方法と言えるでしょう。

要約

大量の食物繊維を含むアスパラガスは、規則的な便通を促し、高血圧・心臓病・そして糖尿病のリスクを低下させる働きがあります。


4. すこやかな妊娠生活をサポート

アスパラガスはビタミンB9としても知られる葉酸の優れた供給源です。たったカップ半分のアスパラガスには、成人男女が1日に必要とする葉酸摂取量の34%、妊婦では22%を摂ることができます。(参考)

葉酸は赤血球の形成を助けたり、胎児の健全な育成と発達のためのDNA合成には不可欠な栄養素です。特に妊娠初期には葉酸はとても重要な役割を担っています。アスパラガス、緑色葉野菜、そして果物などから葉酸を十分に摂ることで、脊椎披裂(せきついひれつ)を含む神経管欠損症を防ぐことが出来ます。(参考1) (参考2) 神経管欠損症は、学習障害、腸や膀胱の機能障害、身体障害と様々な合併症を引き起こす可能性があります。(参考1) (参考2)

十分な量の葉酸を摂ることは、妊娠前から妊娠初期にかけてとても大切です。葉酸の必要摂取量を確実に摂るためにサプリメントが推奨されています。

要約

アスパラガスには葉酸(ビタミンB9)が沢山含まれています。葉酸はとても大切な栄養素で、妊娠中に起こりやすい神経管欠損症のリスクを下げる働きがあります。


5. 血圧を下げる効果

世界中で13億人以上が高血圧を患っており、高血圧は心臓病や脳卒中の主な危険要因となっています。(参考1) ある研究では、高血圧の改善にはカリウムの摂取量を増やすと同時に、塩分の摂取量を減らすと効果的なことが分かっています。(参考1) (参考2)

カリウムは収縮、そして膨張しやすくなった血管壁を弛緩(しかん)し、過剰な塩分を尿中に排出する2つの方法によって血圧を下げる働きを促進します。(参考) アスパラガスにはこのカリウムが大量に含まれており、カップ半分の量で1日所要量の6%を摂ることができるのです。

更に、高血圧のネズミを使った実験では、アスパラガスには他の血圧降下作用もあることが分かっています。餌に5%のアスパラガスか、アスパラガスを与えずに普通のエサのみを与えたネズミを比較したところ、10週間後にはアスパラガスを食べたネズミは、普通のエサのみを食べたネズミよりも17%血圧が低下したと報告されています。(参考) これはアスパラガスに含まれる血管を拡張させる活性化合物による効果だと考えられています。しかし、人間にも同じ有益な効果があるかはまだ分かっておらず、臨床実験で実証する必要があります。

いずれにせよ、アスパラガスのようにカリウムが豊富な野菜をより多く摂ることは、血圧を健康な範囲にとどめるための適切な方法といえるでしょう。

要約

アスパラガスは高血圧を下げる働きのあるカリウムを含んでいます。また、動物実験では、アスパラガスには血管を拡張させる活性化合物が含まれており、血圧を下げる効果があることも分かっています。


6. ダイエット効果

アスパラガスにダイエット効果があるかは、現在のところ実証されていません。しかし、減量を促すいくつかの性質があることが分かっています。まず、低カロリーであること。コップ半分のカロリーは、ほんの20kcalに過ぎず、過剰にカロリーを摂取することなく、栄養素を摂取することができます。次に約94%が水分だということ。ある研究では、低カロリーで水分量の多い食品を摂ることは減量の効果に関係していると報告されています。(参考1) (参考2) また、アスパラガスには減量に効果がある食物繊維も沢山含まれています。(参考1) (参考2)

要約

アスパラガスは低カロリーで、水分と食物繊維を豊富に含んでいるなど、減量を促すいくつかの性質があります。


7. 食生活に取り入れやすい

栄養価が高いだけでなく、アスパラガスは普段の食事に美味しく、そして簡単に取り入れることのできる野菜です。茹でる、焼く、蒸す、そしてローストやソテーにするなど、さまざまな調理方法があります。また調理済みで、そのまま食べられる缶詰のアスパラガスを購入することもできます。

アスパラガスは、サラダ、炒め物、フリタータ、オムレツ、そしてパスタなどの付け合わせ料理にも最適です。

また、非常に手軽な価格な上に、多くのスーパーで販売されています。茎が堅く、穂先が締っている新鮮なアスパラガスを選びましょう。

要約

アスパラガスは美味しい上に、サラダ、フリタータ、オムレツ、炒め物など、食生活に簡単に取り入れることのできる非常に便利な野菜です。


本記事のまとめ

アスパラガスは栄養価が高く、食生活に是非とも取り入れたい野菜です。低カロリーな上に、食物繊維、葉酸、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンKなど栄養素がぎっしりと詰まっていています。減量、消化機能の改善、すこやかな妊娠、そして血圧を下げるなど、たくさんの健康効果もあります。また調理が簡単な上に、お手頃な価格で購入できるのもアスパラガスの優れたところです。

カップ半分のアスパラガスには一日に必要な量の7%に当たる1.8gの食物繊維が含まれています。いくつかの研究では、食物繊維が多く含まれた果物や野菜を多く摂る食生活は、高血圧、心臓病、そして糖尿病のリスク軽減に効果があることが分かっています。(参考1) (参考2) (参考3)

アスパラガスは特に不溶性食物繊維を多く含んでおり、この食物繊維は便のカサを増やして、規則的な便通を促します。また、水に溶け消化管でゼリー状となる水溶性食物繊維も少量含まれており、老廃物や有害物質を排出する働きを助ける役目を担っています。更にこの水溶性食物繊維は、ビフィズス菌や乳酸菌などの腸内の善玉菌のエサにもなっています。(参考)

善玉菌の数を増やすことで、免疫システムが強化され、ビタミンB12やビタミンK2などの必須栄養素を作り出す働きを促します。(参考1)(参考2) (参考3) 食物繊維をうまく取り入れた食生活の一部としてアスパラガスを食べることは、必要な食物繊維量を摂るため、そして健康な胃腸を保つための適切な方法といえるでしょう。

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