卵黄ペプチドとは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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卵は低価格な上に、手軽に手に入り、調理もしやすい栄養たっぷりの食べ物です。そのため、世界中で非常に優れた主食として使用されています。また、料理、パン、お菓子など、非常に幅広く、さまざまな目的でも使用できるとても便利な食材でもあります。

この記事では、卵黄の健康効果と栄養成分、卵黄と卵白の栄養素の比較、そして安全に卵を食べる方法を紹介します。

健康効果

卵白と卵黄を一緒に食べるとタンパク質や脂質、カロリーなど栄養をバランスが良く摂取できる上に、満腹感を得ることが出来ます。

2019年の調査では、卵黄と卵白を合わせた卵全体にタンパク質が含まれているものの、ほとんどの栄養素は卵黄にあることが分かっています。 (参考) また、卵黄に含まれる栄養素とタンパク質のいくつかの健康効果が強調されています。

胃腸障害のリスクを下げる

卵黄に含まれるホスビチンなどのタンパク質が有効に働き、体に炎症を起こす化合物を減らすと考えられています。

免疫機能を高める

硫酸グリコペプチドと呼ばれる特定の化合物が卵黄に含まれています。これが病気や感染から体を守る細胞、マクロファージの産生を促していると示唆されています。

血圧を下げる

調査では、卵黄にはペプチドと呼ばれるいくつかの化合物が含まれており、ネズミの血圧を大きく下げたことが分かっています。高血圧は循環器疾患の危険因子となります。

視覚障害のリスクを低くする

米国心臓協会は、卵黄にはルテインとゼアキサンチンの重要な供給源で、このようなカロチノイドは、55歳以上の方がよく発病する白内障や黄斑変性症の予防に効果が期待できると述べています。

ここで注意すべきなのは、卵黄の効果に対する全ての研究は臨床実験または動物を使っての実験ということです。あくまでも人を対象とした臨床試験での結果ではないため、上記の効果は人には現れない可能性があります。


その他、卵黄に含まれる免疫グロブリンと呼ばれる、さまざまな免疫刺激剤の可能性の調査も始まっています。例えば、2017年の研究ではメスのネズミに卵黄に含まれる免疫グロブリン、鶏卵抗体を食べさせると、一般的に腸内感染が原因であるピロリ菌に感染しにくいことが確認されています。 (参考)

栄養素

卵黄の栄養素含有量は、サイズ、産地、加工方法、そして鶏の種類によって異なります。また、最終的な卵黄の栄養価は料理方法によっても異なってきます。例えば、卵を油で調理した場合、脂質とコレストロール値は2倍、場合によっては3倍にもなることさえあります。

米国の農務省によると、標準的なLサイズの生の卵黄には以下の栄養素が含まれています。

  • カロリー:55kcal
  • タンパク質:2.70g
  • 脂質:4.51g
  • コレストロール:184mg
  • 炭水化物:0.61g
  • 砂糖:0.1g
  • 食物繊維:0g


卵黄には少なくとも7つの必須無機質が含まれています。

  • カルシウム
  • マグネシウム
  • カリウム
  • ナトリウム
  • 亜鉛


卵黄は豊富なビタミン源で、特に脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンが多く含まれています。Lサイズの卵ひとつに含まれるビタミンは以下の通りです。

  • チアミン:0.03mg
  • リボフラビン:0.1mg
  • ナイアシン:0.004mg
  • ビタミンB6:0.06mg
  • ビタミンB12:0.332mcg
  • ビタミンA:6.5mcg
  • ビタミンE:0.44mg
  • ビタミンD(D2とD3) 0.92mcg
  • ビタミンK:0.12mcg


カモ、ウズラ、ガチョウ、そして七面鳥の卵には、鶏の卵よりもより多くの必要不可欠な栄養素が含まれています。 (参考)

卵黄 vs 卵白

卵黄と卵白を比べてみるとLサイズひとつに含まれるたんぱく質は、卵黄では2.7g、卵白では3.6gになっています。プロティンの含有量は卵白の方が多いものの、卵黄にはほぼ全ての脂溶性ビタミンと水溶性ビタミン、そしてミネラルが含まれています。研究では、卵白だけを食べるよりも、卵ひとつを丸ごと食べる方がより健康効果があることが分かっています。

例えば、2017年の調査では、抵抗運動を行った直後に卵を丸ごとひとつ食べた若者は、卵白だけを食べた若者よりも筋肉代謝率がより高くなったと報告されています。

卵の注意点

卵に関して最も心配されることは鶏が生まれながら保有しているサルモネラ菌による食中毒です。サルモネラ菌食中毒は重い症状を引き起こすこともあり、幼児や免疫疾患を患っている人、そして65歳以上の高齢者は特に重症化の危険性があります。しかし、購入、保存、取扱い、そして調理時に幾つかの基本的な安全対策を行えば、食中毒の危険性を著しく低下させることができます。

卵を取り扱う際には、以下の点に気を付けましょう。

  • 購入前に卵の殻に割れ目や穴が空いていないかを確認する
  • 40F(4.4℃)の冷蔵庫に保存する
  • 生卵を触った後はなるべく早く石鹸で手洗いする
  • 調理後、2時間以内に食べる
  • 卵による感染症が心配な場合は卵黄と卵白、どちらもかたくなるまで調理する
  • キャセロールやキッシュなどの卵料理は、少なくとも内部温度160F(71.7℃)で調理する
  • スクランブルエッグはかたくなるまで火を通す
  • 見かけが悪かったり、匂いが強かったりする卵は避ける
  • 他の食物、特に調理なしで食べられる食べ物に生卵が触れないようにする
  • オランデーズソース、マヨネーズ、シーザードレッシングなど半熟卵を使用するドレッシングや調味料には殺菌卵を使用する

要約

卵は丸ごとひとつ食べた方が、栄養を最大限に摂ることができます。

ほとんどの栄養素は卵黄に含まれています。また、卵黄に含まれるいくつかの化合物には胃腸障害の防止、免疫量の強化、そして血圧の低下を助ける働きが調査で確認されています。

しかし、これらの効果を実証する更なる臨床試験が必要です。

また、卵を適切に保存や調理をしなかった場合には、サルモネラ菌食中毒にかかる危険性があります。卵を調理する際には、衛生状態を綺麗に保ちましょう。

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