メロンとは?
果実の王様と呼ばれているメロン。植物学的にはスイカやきゅうりなどと同じ瓜科の仲間です。果肉が青肉、赤肉、白肉の3種類です。主な産地は北アフリカで、日本に伝わったのは明治時代にヨーロッパからと言われています。今回はそんなメロンの効果や食べ方、副作用について紹介します。
メロンの健康効果
メロンに含まれている水分や酸化防止剤、ビタミン、そしてミネラルには様々な健康効果があります。例えば、酸化防止剤にはガンや他の病気に繋がる細胞傷害を防ぐ働きがあります。
体の代謝中にフリーラジカルと呼ばれる不安定分子が作り出され、細胞にダメージを与えます。このダメージは酸化的ストレスと呼ばれ、酸化防止剤はこのフリーラジカルを取り除き、酸化的ストレスを防いでくれます。
メロン以下の酸化防止剤が含まれています。
- セレン
- ベータカロチン
- ビタミンC
- ルテイン
- ゼアキサンチン
- コリン
ここで注意すべきなのは、食品中の栄養素は健康的な体を維持するのに極めて重要ですが、このような栄養素の効果に対する科学的調査は、食事供給源ではなくサプリメントを対象にしたものがほとんどです。そのため、メロンを直接食べた場合の効果は実際には少し異なるかもしれません。
加齢性黄斑変性症
ルテインとゼアキサンチンはよく似た酸化防止剤で、フルーツと野菜を黄色や赤色にする植物色素でもあります。この組み合わせは有害なブルーライトを取り除く働きがあり、目の健康を保護する役割と加齢性黄斑変性症(AMD)からのダメージ予防に役立っていると考えられています。
また、ある研究ではメロンに含まれるルテインとゼアキサンチンの組み合わせには、AMDの原因となるダメージから目を守る働きもあると述べられています。
ぜんそく
動物実験では酸化防止剤でもあり、ビタミンAに変換されるベータカロチンを大量に摂ることで、後年発症する喘息を防ぐ働きが確認されています。ベータカロチンは、メロン等の黄色とオレンジ色のフルーツに含まれ、1カップ(177g)のメロンには、3580mcgものベータカロチンが含まれています。
専門家は、ベータカロチンの1日摂取目安量を14歳以上の男性では18,000mcg、14歳以上の女性には14,000mcgとしています。
ビタミンCはぜんそく防止の必須ビタミンであると同時に、酸化防止剤でもあります。そのため、ぜんそくの治療にビタミンCのサプリメントを進める専門家もいる程です。現在のガイドラインでは、成人女性のビタミンC推奨摂取量は65‐75mg、成人男性では75-90mg。そして、1カップのメロンには、65mgものビタミンCが含まれています。
メロンにはコリンという他の酸化防止剤も含まれています。このコリンを治療として摂っているぜんそく患者には、炎症の緩和が見られると2010年の研究で報告されています。
しかし、抗酸化サプリメントに関する研究の大変は、食事からとれる栄養素よりも遥かに多い量を使用しています。
血圧
メロンに含まれる食物繊維、カリウム、ビタミンC、そしてコリンはどれも心臓の健康をサポートしてくれる栄養素です。
カリウムを豊富に含む食品を摂ることで血圧を下げる効果が期待できます。米国心臓協会(AHA)は、心血管系を健康な状態に保つためには平均的成人の場合、1日に4,700mgのカリウムを摂ることを勧めています。
1カップのメロンで1日当たりの推奨摂取量の10%に当たる、約473mgのカリウムを摂ることができます。
がん
メロンに含まれるベータカロチン、トコフェロール、そして酸化防止剤は、酸化的ストレスが原因で起こる細胞障害損傷を防ぐ働きがあります。これらの栄養素と他の酸化防止剤が含まれたサプリメントを摂ることで、肺、前立腺、そして他のタイプのガンのリスク低下が期待できます。
また、1カップのメロンには1.6gの食物繊維が含まれており、大腸がんの防止に効果的だと考えられています。
消化
メロンには水分と食物繊維が沢山含まれています。食物繊維と水分は通便と健康的な消化管を促し、便秘予防に役立ちます。
水分補給
水分と電解質を多く含むメロンは、暑い夏の時期や運動の後の水分補給に最適です。177gのメロンには160gの水分が含まれています。メロンに含まれている電解質にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムが挙げられます。
皮膚と髪の毛
ビタミンAには皮膚や髪の毛も含めて、全身の組織の成長と維持の働きをサポートし、ビタミンCは、細胞、皮膚、髪の毛の構造を形成するコラーゲンを作り出しています。
2019年の調査では、さまざまなミネラルとビタミンには、髪の毛の成長を促し、抜け毛を予防する効果が発表されています。メロンには以下の栄養素が含まれています。
- ビタミンA,ビタミンC, ビタミンE
- ビタミンB群
- 葉酸
- 鉄
- セレン
- 亜鉛
また、メロンは水分補給に最適な果物です。水分補給を小まめに行うことで、肌をしなやかな状態に保つことがいくつかの調査で分かっています。しかし、この水分と肌の関係を認証するより多くの研究が必要です。
栄養素
下記にメロンに含まれる主な栄養素を紹介します。
栄養素:1カップ(177g)に含まれる量
エネルギー(カロリー):60.2
炭水化物(g):14.4gの内13.9gは糖類
食物繊維(g):1.6
カルシウム(mg):15.9
鉄(mg):0.4
マグネシウム(mg):21.2
リン(mg):26.6 カリウム(mg):473
ナトリウム(mg):28.3
セレン(mcg):0.7
フッ化物(mcg):1.8
ビタミンC(mg):65
ベータカロチン(mcg):3240
ビタミンA(mcg RAE):270
葉酸(mcg DFE):37.2
ルテイン+ゼアキサンチン(mcg):46
トコフェロール,ガンマ(mg):0.2
ビタミンK(mcg):4.4
食べ方
メロンは、傷の無い、堅めでずっしりと重みがあり、均等の取れた形のものを選びましょう。
旬のメロンの果肉は、鮮やかな色で、甘い香りが漂い、とてもジューシーです。季節外れのものになると、果肉は固く、甘みも失われているかもしれません。メロンを買うのに一番良い時期を地元のお店に聞いてみるのが良いでしょう。
メロンの食べ方をいくつか紹介します。
- 小さく切ったり、スライスしたりして生のまま食べる
- 新鮮なメロン、パパイヤ、パイナップル、そしてマンゴーを混ぜ合わせたフルーツサラダ
- メロンを薄切りにし、レモネードやアイスティー、水に入れて飲み物として楽しむ
- メロンにパイナップルジュース、冷凍ストロベリー、無糖グリークヨーグルトを混ぜたスムージー
メロンを摂る際に注意すべき点
メロンを摂る際に注意すべき点がいくつかあります。
糖度
2型糖尿病の方や糖質の少ない食生活が必要な方は、メロンの食べる量に気を付けましょう。
カリウム
メロンには、必要カリウム摂取量の約10%が含まれています。心臓病の治療によく処方されるベータ遮断薬は、カリウム量を上げる効果があります。ベータ遮断薬を摂っている方は、メロンの食べ過ぎには気を付けましょう。カリウム値が高いと腎障害を引き起こす可能性があります。
また、腎障害を患っている方もメロンのようにカリウムが豊富に含まれる食品量を増やす前に医師に確認をとることをお勧めします。
まとめ
メロンは爽やかで健康効果の高く、夏場には最適なフルーツです。水分、さまざまなミネラル、ビタミン、そして酸化防止剤が含まれており、多様な食生活のひとつとして是非取り入れたい食品でもあります。
糖尿病患者にとって、全ての果物は健康的な食生活のひとつとして大切な役割を果たしています。より詳しい推奨摂取量については、登録栄養士に相談するのが一番でしょう
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