水素水とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説

Written by alloeh編集部

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水素水は奇跡の水?それとも誇大宣伝?

普通の水は、水分補給をするのに健康的とされています。

しかし、いくつかの飲料メーカーは水に水素などの他の物質を加えると、より健康的な飲み物になると主張しています。

この記事では水素水とその主張されている健康への効果を検証し、果たして水素水を選ぶことが良い選択なのかを見ていきたいと思います。

水素水とは何か?

水素水は普通の水に水素分子を加えたものです。

水素は無色、無臭、無害のガスで酸素や窒素、炭素などの他の分子と結合し、様々な化合物を作り出します。たとえば、食卓で使われる砂糖や水などです。(参考)

水の分子は二つの水素原子と一つの酸素原子からできていますが、水にさらに水素を加えることで普通の水には無い効果を生み出すと主張する研究があります。

普通の水に含まれている水素は、酸素と結合しているので、体には理論上吸収されないと考えられています。

複数の企業は、普通の水にさらに水素を加えれば、その水素分子は他の物質とは結合しておらず「自由」なため、体に吸収されやすいと主張しています。

商品として販売されている水素水は缶やパック詰めされる前に、水素ガスを真水に注入して作られます。

水素水の値段は比較的高いです。ある有名なメーカーは8オンス(240ミリリットル)の缶、30個パックを約10,000円で販売しています。さらに消費者に少なくとも一日3缶を飲むように勧めています。

加えて、普通の水や炭酸水に入れる水素のタブレットもオンラインや健康食品店で販売されています。

自宅で水素水を作りたい人には水素水生成器も販売されています。

水素水は、炎症を抑え、運動能力を高め、そして体の老化を遅らせる効果があると宣伝されています。

しかし、この分野の研究は十分ではないため、健康分野の専門家たちの多くは水素水の効果に対して懐疑的です。

まとめ

水素水は普通の水にさらに水素分子を加えたものです。缶やパックに入って販売されています。また、特別な機械を使って家庭で作ることもできます。

具体的な健康への効果

水素水の効果の研究はまだ不十分ですが、いくつかの小規模な研究で期待できる結果が出ています。

ひとつに、抗酸化物質としての効果が見込まれています。

フリーラジカルは不安定な分子で、酸化ストレスの要因であり、病気や炎症を引き起こす大きな原因となっています。(参考)

体内で水素分子がフリーラジカルと戦い、体内の細胞を酸化ストレスが与える影響から守ります。(参考)

ある研究では放射線治療を受けている49人の肝臓がんの患者を対象に、8週間に渡って調査を行い、その半数に51~68オンス(1,500~2,000ミリリットル)の水素が多く含まれている水を毎日飲んでもらいました。

その結果、水素水を摂取した患者のヒドロペルオキシドの値が下がったことが分かりました。これは酸化ストレスのマーカーで、水素水を飲まなかった対照グループよりも放射線治療後に高いレベルの抗酸化作用が保たれていることが分かりました。(参考)

しかし、最近行われた4週間に渡る、26人の健康な人たちを対象とした調査では、20オンス(600ミリリットル)の水素が多く含まれた水を毎日飲んでもらいましたが、プラセボ(偽薬)を飲んでいたグループに比べて、ヒドロペルオキシドのような酸化ストレスのマーカーの値が下がると言うことは特にありませんでした。(参考)

水素水に、健康な人と慢性疾患のある人の両方に対して酸化ストレスを軽減する効果があるかどうかを確証するにはさらなる研究が必要です。

また、メタボリックシンドロームに対する効果が見込まれています。

メタボリックシンドロームは高血糖、中性脂肪値の上昇、高いコレステロール値、そして過剰な腹部の脂肪などを特徴とする健康状態を指します。

原因の一つに慢性的な炎症が疑われています。(参考)

いくつかの研究では、水素水は酸化ストレスのマーカーの値を下げ、メタボリックシンドロームに関係する危険な要因を改善するとの見解が示されています。

ある研究では20人のメタボリックシンドロームの兆候がある人たちに10週間に渡り30~34オンス(0.9~1リットル)の水素水を毎日飲んでもらいました。

その結果、対象者たちの「悪玉」LDLコレステロールと総コレステロールの値が大幅に下がり、「善玉」HDLコレステロールの値が上がりました。さらに高いレベルの抗酸化作用が確認され、TNF-α(腫瘍壊死因子アルファ)などの炎症マーカーの値が下がりました。(参考)

他には、運動能力を上げる効果を見込んでいます。

多くの企業では、水素水は自然の力で運動能力を上げることができると宣伝しています。

水素水は炎症を軽減し、筋肉が疲れを感じているサインである血中の乳酸の蓄積を遅らせることから、アスリートたちに良い影響をもたらす可能性があります。(参考)

10人の男性のサッカー選手を対象に行った研究では、51オンス(1,500ミリリットル)の水素が多く含まれた水を飲んだ選手たちは、プラセボ(偽薬)を飲んだ選手たちに比べて血中の乳酸の値が下がり、運動後の筋肉の疲れが軽減されたことが分かりました。(参考)

また、別の8人の男性の自転車選手を対象に2週間に渡って行われた小規模な研究では、68オンス(2リットル)の水素が多く含まれた水を毎日飲んだグループは、普通の水を飲んだグループに比べて、スプリントの練習中に、よりパワーが出せたことが分かりました。(参考)

しかし、これは比較的新しい分野の研究で、水素が多く含まれた水を飲むことがアスリートたちにどのような影響を与えるのか完全に理解するにはさらなる研究が必要です。

まとめ

水素水を飲むことにより、酸化ストレスの影響の軽減、メタボリックシンドロームの症状の改善、そして運動能力の向上が期待できると提唱している研究結果がいつくかあります。

水素水に害はあるか

いくつかの研究では、水素水の健康に与える影響について良い結果が出ていますが、結論を出すには、さらに規模の大きな、長期に渡る研究が必要とされています。

水素水はアメリカ食品医薬局によってGRAS(一般に安全と認められる)と評価されています。これは人間が消費するには安全で、無害であることを意味しています。

しかし、現時点では水に加える水素の量に関して業界全体における基準が無いことは覚えておかなければなりません。よって、水の中の水素の濃度は商品によって大きく異なります。

さらに、水素水に期待されている効果を得ようとした場合どのくらいの量を飲めばよいのか、はっきりとは分かっていません。

専門家によると、水素水を購入する時は不透性のパッケージに入ったものを選び、効果を最大限に得るために早く飲むようにした方が良いとの見解があります。

水素水に関しては様々な意見が飛び交っています。さらなる研究が進むまで、水素水に関して主張されている健康に対する効果は参考程度に聞いておくのが良いのかもしれません。

まとめ

水素水は飲んでも健康に害はありませんが、その期待できる効果を確証する大きな規模の研究はまだ行われていません。

まとめ

複数の小規模の研究では水素水は放射線治療を受けている患者の酸化ストレスを軽減し、アスリートの運動能力を上げ、そしてメタボリックシンドロームの症状がある人の一定の血液マーカーの値を改善するなどの効果を見せました。

しかし、研究が不十分であることから、健康への効果は未だ十分でないことが分かり、水素水が果たしてメーカーが宣伝しているような価値に値するかは、はっきりとしていません。

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